マインオブザデッド   作:dorodoro

27 / 84
26話 図書館と宮廷作法

本日の予定は図書館登録です。

 

図書館といえばフェルディナンド様、フェルディナンド様の図書館はとてもすばらしかったなぁ。いや名目上は一応図書室ですが、図書館と言ってしまって問題ない規模でした。

 

また行きたいです。いつかまた行けるのでしょうか。

 

 

 

側近達はあまり興味がないもしくはお金が準備できないということで来ていません。

 

うーん、一応側近なのにいいのかな。

 

ですので、周りは...旧ベルケシュトックの方達です。

 

お願いですから廊下では静かにしてくださいませ...。

 

私を慕っていただけるのは非常にうれしいのですが、どう考えても明らかに上級生の問題の話をしてくるのはいかがなものでしょうか。

 

同学年の子からも圧縮に質問があり、実際にしてもらってどうイメージしたら良いか少しだけアドバイスしました。

 

うん、でも合っているか分からないので結局自身で合う方法を見つけていただくしかないわけですが。

 

なんとか、静かにさせようとしましたが、無理です。

 

わたくしは私自身が少しでも静かに長く話すことで、少しでも迷惑を減らそうと努力はするのですが、皆様次々と話しかけてくるのでコントロールできません。

 

助けてください。わたくしにはやはり代表とかそういった事は無理です。

 

「みなさま、図書館ではせめて静かにしてくださいまし。わたくし図書館はできるだけ利用するつもりですので、ソランジュ先生のお怒りを受けたくないのです。」

 

皆様急に静かにしてくれました。やっぱりこの方達にはきっちり言わないと通じないのでしょうか。

 

でも、皆様楽しそうなのにそれを邪魔するのはとても心苦しいといいますか。

 

どうでもいいなんて思えればよかったのですが...。

 

図書館の近くまでいくと扉の前で非常に物腰が柔らかそうな方がいます。きっとあの方がソランジュ先生ですね。

 

「ソランジュ先生でよろしいでしょうか。本日予約させていただいた..。」

 

「ええ、ソランジュと申します。ローゼマイン様、アーレンスバッハの皆様、ようこそいらっしゃいました。貴族院図書館一同歓迎いたしますわ。」

 

一同といっても私しかいないんですけどね。と柔らかそうな笑顔で話します。

 

廊下でうるさくしてごめんなさい。とりあえず心の中だけでも謝っておきます。

 

「こちらの扉の向こうが閲覧室ですわ」

 

「本日は登録手続きを進めますのでこちらへどうぞ。」

 

ううん?なんとも。大丈夫なのでしょうか。魔力が不足している魔道具がチラホラ見えます。

 

あのこや、あの魔道具もしばらく起動していないようでかわいそうです。

 

足元も魔道具ですね。ただ魔法陣等回路が経年劣化で壊れているのでただのマットになっていますが...。

 

うーん、なんか違和感ある設備ですね。

 

魔力の流れが変な道具が多すぎます。この状況を放置したらどう考えてもまずいです。

 

後で許可を取って復旧を手伝いましょう。

 

「図書館は英知の女神 メスティオノーラがわたくし達に与えてくださった貴重な知識の結晶が集められた場所でございます。英知の女神 メスティオノーラに敬意を払い、細心の注意を払って本に触れることを誓える者でなければ、立ち入ることはできません」

 

当然ですね。私の尊敬する神ももちろんメスティオノーラです。

 

「メスティオノーラの聖地の一つ、図書館を利用させていただけることに感謝いたします。メスティオノーラの遺産を扱うかのように丁寧に利用いたしますわ。」

 

「「すべてはローゼマイン様のお言葉の通りに」」

 

えっと、何ですかそれは。ああ、ウラノの世界の『いえすゆあはいねす』でしたっけ、よく分かりませんですけど。

 

その後料金を払い。登録の誓いを行い。

 

「ところでソランジュ先生。登録が終わりましたので、いろいろと魔力の奉納をさせていただいてよろしいですか。」

 

「ええ、ご協力していただけると非常に助かります。場所については...」

 

「ソランジュ先生、いろいろと足りていないのでとりあえず図書館の神にメスティオノーラに感謝を捧げる祝福を捧げさせていただきますね。」

 

本当にいったいこの図書館はどうしてこのような状態になっているのだろう。

 

「英知の神メスティオノーラ、その英知をお借りし我々の成長の糧にさせて頂くことに深く感謝し魔力を奉納させていただきます。」

 

「神に祈りを!」

 

うーん、やっぱりだ、2階まで全体にまんべんなく降り注ぐように祝福を贈ってみたけど、ああ、あそこかな。

 

「ソランジュ先生、大きな魔石がありますわよね。そこへ案内してくださいませんか。」

 

「ひめさまこっち」

「あんないする」

 

えっとなんでしょうか。この魔術具。まあ図書館の備品でしょう。案内してくれるならお願いしますか。

 

「ひめさまこれ」

「まりょくそそぐ」

 

うーん?余り重要そうでないというか、危険な魔法陣がいっぱいのこのウラノの世界のウサギ達は何?

 

まあ、緊急の危険はなさそうだけど。

 

「図書館を保存し、図書館の管理を司る名もなき眷族が残した魔術具に魔力を奉納させていただきます。」

 

まあ、図書館の知の結晶たる場所に感謝して魔力を奉納させていただきたいということが伝わればいいよね。

 

さっきから聖典にもない言葉で適当に作ってしまっているけど...良いよね。ウラノの世界の神も信心が大事ってあったし。

 

うわ、これはまずいね。魔力がほとんどない。一度でやるのはやめておいた方がよさそう。

 

「ローゼマイン様!こちらにおられましたか。急にいなくなられてはこまり!?」

 

「探しに来てくれてありがとう存じます。いろいろと面白いものがたくさん転がっていて興味は尽きませんが皆様登録お済でしたら戻りましょうか。」

 

ぴょこぴょこついてくるこの危険な魔術具は本当に何なのでしょう...。私の肩と同じ位の身長なので結構怖いです。

 

「まあ、シュミルではございませんか。なんてかわいらしい。」

 

かわいらしい?えっとそうですわね。魔法陣にさえ目をつぶれば確かにかわいらしい...。レッサー君には、かないませんが。

 

「ローゼマイン様いったい!?シュバルツとヴァイス!なぜ動いているのですか。」

 

いや、ソランジュ先生、私が聞きたいです。研究対象としては興味深いですが研究するまで下手なことをすると絶対痛い目を見させる魔術具です。

 

「ソランジュ先生、これらはシュバルツとヴァイスという魔術具ですか?」

 

何でもこの恐怖の?魔術具は図書館を管理するための道具でしばらく動いていなかったそうです。

 

「ソランジュ先生、確認いたしますが、この魔術具の危険性はないということでよろしいですか。」

 

「ええ、危険性?不必要に触れようとしなければ、ただの図書館の管理用魔術具ですから。」

 

少しの困惑と何を言っているのという感じです。図書館の専門家がそういうのでしたら問題ないのでしょう。

 

「では動かないと困りますわね。先生的には魔力を与えた方がいいんですわよね。」

 

「ええ、ありがとう存じます。ローゼマイン様!」

 

ものすごく助かりますという感じなので、仕方ありません。この額の魔石でいいのかな。

 

「ありがとうひめさま。」

「おしごとがんばる。」

 

うーん、きっと基本は命令型で発動条件を満たすと起動するのかな?と考えると図書館にあるうちは問題ないよね。きっと。

 

「ソランジュ先生の言うことをよく聞いてお仕事に励んでくださいませ。」

 

「わかった。ソランジュのおてつだい」

「だから、ひめさま。あたらしいふく」

 

意外とわがままな魔術具なのでしょうか。もしかしたら結構意地の悪い性格のした方がお造りになられたのかもしれません。

 

「主が変わった時に、シュバルツとヴァイスは新しい服を賜っていました。ローゼマイン様からも新しい服を賜りたいのでしょう」

 

「時間制限とかはありそうですか?」

 

「あたらしいふく じかんかかる」

「ひめさま とってもきたいしている。」

 

まあいいや、でもこれの服。魔法陣との整合性...変な物作ったら攻撃してこないよね?

 

「それではソランジュ先生、またお時間が許す限りお邪魔させていただきますね。」

 

「ええ、是非ともお待ちしております。」

 

そうソランジュ先生に別れを告げて授業です。誰があれほどの魔術具を作ったのでしょうか。

 

後でソランジュ先生に詳しく聞いておかないと後悔しそうです。

 

 

 

 

さて、とりあえず登録できたので良かったです。後で調べ物をいっぱいしなければなりませんが...。まあ、いいです。

 

今日は宮廷作法です。

 

うーん、言われた通りにきっちりやったつもりでもやはり結構注意受けるものですね。普段引っ込み思案なお前が貴族らしくできるわけない?

 

所詮テストですもの。要はフェルディナンド様の講義と一緒でどこを重要視してやればいいか。

 

いや...。あれは魔王様の講義はウラノの世界で言うムリゲーというやつなので絶対にクリアできないようになっているのですが。

 

それに対して、一応クリアできる設定のこれは、ウラノの世界の『ろーるぷれいんぐ』ですね。要は演じればいいのです。所詮はゲームってやつです。

 

私は王族に招かれた貴族。私は王族に招かれた貴族。

 

一応合格できたようでよかったです。

 

採点?さあ、微妙な対応してしまったところもありますし、挨拶の言い直しもさせられましたし良くはないでしょう。

 

まあ、アウブにも領主候補生として最低限恥ずかしくない成績しか求めないとのことですので十分でしょう。

 

わたくしはディートリンデ様のように優秀ではないのです。

 

なぜ試験のように普段からできない?逆に聞きたいのです。

 

限定された今回の状況ならともかく、不特定多数が入り混じりしかも言動を一歩間違えればはるか高みに上る状況で適切な行動を取り続けるなんて私には無理です。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。