マインオブザデッド   作:dorodoro

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20話 貴族院へ行く前に

こちらでも貴族の社交界は特にエーレンフェストと変わらず、子供たちが一ヶ所に集められるのは同じのようだ。

 

ディートリンデ様は3日間寝込んでしまったせいで挨拶できず、やばいなぁ。

 

仕方が無いので部屋に通され普通は領主一族から挨拶するなんてありえないのだが、先生を見ても恐れ多いというような感じで何もしてくれない。

 

「作法とは逆になりますけど、新参者なので挨拶させていただきますね。ローゼマインと申します。祝福を贈らせて頂きますね。」

 

うん、許しますもなにも無いもんね。一応ここでは最上位者になってしまうし。

 

本当は先生が仕切ってくれないといけないのですが、はあ。まあ、文化の違いでしょうか。

 

勝手に祝福を全員に贈ります。

 

我先にと前のほうから上級貴族の関係なのか一列に並んで祝福返しを受ける。

 

側近の方たちも残っている人は確認したけど、まあいいや、最低限の付き合いでしょう。

 

人数の関係か同学年でも何グループかに分かれて勉強しているようだ。

 

私は先生の勧めで同じ年の側近のグループへ入れてもらった。

 

一年生用の資料を見せてもらう。上級貴族と中級貴族しかいないので、資料がきっちりとしている。

 

去年の範囲はっとなるほど、ちなみに魔力に記憶を刻み付けるのはもはや考えなくても勝手にやってしまう。

 

要点を頭の中でまとめ、うん、まあこれなら何もしなくていいね。

 

先生に許可をもらいフェシュピールと奉納舞の練習のために音楽用の部屋に移動した。

 

あれ、誰もいないんだ。ちょっと意外。

 

まあいいや、フェシュピールの練習からはじめる。広い部屋だと隅っこって落ち着くよね。

 

神殿にいたときは魔力奉納のため練習していたけど、ここの所少しさぼり気味だったしまずいね。

 

うん、真剣に練習しているけどお祈りしなくても祝福出ちゃうから勘弁して欲しい。

 

こんなの見せられたらまわりは気が散って迷惑だよね。人がいなくて良かった。

 

音楽室に保管してある基本曲を休み休み片っ端から引き続ける。全部覚えているのだけどね。

 

一通り引き終わったので、ウラノの世界の曲を弾いていく。

 

ふう、疲れた。思ったより動くから良かった。

 

奉納舞はもういいや、神殿で何度もやっているし、試験も無いって言ってたからね。

 

さて、片しますかねと片そうとしているとまわりに先生から子供までたくさん来ていて驚きました。

 

「みなさん、こんなところで練習もせずどうしました。もしかしてお邪魔だったかしら。」

 

私がそういうと、ローゼマイン様、すごいです。すごいです。貴族院へ上がる前の子達がワラワラと寄ってきた。

 

うわぁ。尊敬の眼差し。痛い。でもなんかうれしくなってしまうのはしょうがないよね。

 

 

なんでも貴族院へ上がる前の子たちが、みんなで音楽の練習をする予定になっていたのだそうだ。

 

先に断ったじゃん。それならそうと言ってよ先生。

 

「ごめんなさいね。一応先生には確認したのですけど隅なら使っていいといわれていましたのでお邪魔してしまったみたいですね。」

 

実際は隅ならなんて言ってないけどね。祝福止める対策考えないとダメかな。無理だよね。うん。

 

「とんでもございません、ローゼマイン様。周りの子達を見てくださいませ。実際に練習させるよりとっても良い授業になりましたわ。」

 

うーん、実践しなきゃ意味が無いと思うけど。

 

まあ、気を利かせてそういってくれていることだし邪魔者はさっさと退散しよう。

 

 

 

 


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