マインオブザデッド   作:dorodoro

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11話 旧ベルケシュトック大領地にて

さて、神殿です。寝ている間に何もしていないわけじゃなかったんだよ。

 

騎獣用の魔石にたっぷりと魔力を注ぎレッサー君復活。うふふん、ちょっとうれしい。

 

まわりはグリュン、魔物等うるさいけどかわいいよ。かわいいよね?

 

入り口までは護衛、もといい監視の騎士がついてきてくれたけど神殿そのものには忌避感がある模様で、入り口までで帰っていった。

 

アーレンスバッハの神殿長はたぶん歓迎してくれているのだろうと思うよ。

 

高齢で疲れきった表情の人でした。神官長も同様で疲れ切ったで表情をしていたので驚きました。

 

だって、神殿長と神官長ですよ。私を迎えるための準備で疲れたというならいくらなんでも表情を隠すよね。

 

神殿長は辞すことになりますが、私の代理で残ってもらわないと困ります。

 

貴族院にいる間は儀式ができないなんて事態は避けなければなりません。

 

青色神官はたったの8名、見る限りほとんど平民と変わらない魔力のようです。

 

神官長も元神殿長も下級貴族の下の下の魔力しかないとのことですし、これでよくやっていたと思い逆に感心しました。

 

やることはエーレンフェストとほとんど変わらず。やり方も同じのようなのでよかった。

 

神殿長の服が少し派手かな。

 

夏用と冬用があり特にエーレンフェストより一年中気温が高いので風通しとかも意識している模様です。

 

とはいえ、急を要するのは旧ベルケシュトック大領地です。

 

確認したところ、今年の小聖杯は、ほとんど魔力のないものしか配れていない状態らしい。

 

あの収穫高は本当だったのかと恐怖を感じます。

 

孤児院は、最低限機能している模様。

 

ただ、この状態なのであとでてこ入れが必要かもしれません。

 

旧ベルケシュトック大領地の洗礼式、星結びの儀式に行くついでに全領土回りきらないと。

 

 

 

フリュートレーネの杖を持ち出し、最低限の灰色神官をレッサー君に乗せて旧ベルケシュトック大領地に向かいます。

 

旧ベルケシュトック大領地は下級貴族の方が多いようで何名かついてきてもらいます。

 

はじめの村から如何にひどい状態かを目のあたりにすることになります。

 

土はやせこけ、村人の目は死んでいます。

 

村長宅と思われる家に突撃し、急いで儀式を行う旨を伝えると人を集めるというので遠慮しました。

 

こんな状態で人を集めてもらうより生きる方を優先しようよ。

 

現在は夏ですが祈念式をやり直せばなんていっている時間の余裕はありません。まあ、あれって領主直轄地限定なのですが裏技的にやってやれないことはないのです。

 

村の細々としている畑の中央に行き働いている人たちは何事という感じで私たちを見ていますがムシ。

 

フリュートレーネの杖を取り出し

 

「癒しと変化をもたらす水の女神 フリュートレーネよ

側に仕える眷属たる十二の女神よ 

我の祈りを聞き届け 聖なる力を与え給え」

 

この祝詞は、水の女神にお願いし、土の神を癒してもらう祝詞です。

 

「土の女神 ゲドゥルリーヒを 癒す力を我が手に 

御身に捧ぐは聖なる調べ 

至上の波紋を投げかけて 清らかなる御加護を賜わらん 

我が望むところまで 御身が貴色で満たし給え」

 

最低限食べるものを育てているところだけといっても魔力を大量に持っていかれます。

 

巨大な魔法陣が展開され、あっという間に地面が魔力で肥えていき、作物が実を付け出します。

 

最低限こんなものでしょう。驚きすぎたのか村人が道具を落としぽかんとしている人や、気絶している人もいましたが知りません。

 

次の村、次の村と、ついてきてくれた騎士たちは途中から我先にと村長やギーベに話を付けに行ってくれるようになり、作業が効率化しました。

 

ギーベの館では強引に癒す作業に加え小聖杯に魔力を満たします。ギーベは引止めに来ますがひと睨みしたら固まりました。

 

旧ベルケシュトック大領地は昔の名残で一応中央は領主直轄地として神殿もあるということで先に話が行っていたのか休む準備をしてくれていました。

 

旧ベルケシュトックは広すぎます。回復薬も結構使ったにもかかわらずまだ、10分の1くらいしか済んでいません。

 

余計な引止めとかなければ、もっと効率が上げられるのですが。

 

次の日も次の日も強行軍です。噂が広がったのか連絡してくれたのか3日目からは応援の騎士がわんさか付きだしました。

 

噂のおかげで効率よく進められます。体調がどんどんおかしくなるのを感じますが回復薬で回復させる強行軍を続けること8日。

 

はじめから付き添ってくれていた騎士はとっくに脱落したそうですが、なんとかまわりきりました。村々まで全部周り、どこもまったくひどい状態でした。

 

ああ、これは10日コースだなと考えながら側付の灰色神官に水は最低限いつでも飲めるようにしてくれる用意をしておくよう伝え、最後の薬をあおって寝ました。

 

 

 




原作と違って上級貴族だった為もありメダルの破棄の試練がないために、命に関する価値観がウラノに近いです。

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