せっかくバーサーカーに憑依したんだから雁夜おじさん助けちゃおうぜ! 作:主(ぬし)
‡アサシンサイド‡
「ぐ〜る〜る〜」
「教えな〜い、じゃない!」
(理性のないサーヴァントに怒鳴りつけて己の気晴らしをするとは、なんと底の浅いマスターか)
仮面の下の表情が激しく歪むのを自覚する。“静かなる死”を体現する暗殺者が感情を顕にするなど本来はご法度であるが、身の内で滾る怒りを静めることは出来なかった。
自らのサーヴァントを、理性がないのをいいことに奴隷のようにこき使い、反論のできない彼を好き勝手に罵倒する陰湿なバーサーカーのマスターの姿に、情に厚いこのアサシンの忍耐力は限界寸前だった。
だから、つい先ほどマスターから「間桐雁夜を殺せ」と下命された時は胸がすくような思いを抱いた。バーサーカーの変身に混乱してしまい、しばらく放心してしまった汚名をそそぐチャンスでもある(怒られるのが怖かったのでマスターにはさっきまで気づけなかったと嘘の報告をしてしまった)。
「うごうごうごご!(;´Д`)」
「ぇ?なになに……?わ、わかった。……バーサーカー、俺に変身しろ!」
(む?)
こちらから死角になった木陰でバーサーカーのマスターが大声で指示を出す。何をするつもりだ?
「桜と一緒に先に帰ってくれ。俺はちょっと用事を済ませてから帰る」「……ぐ、ぐるるー……」
「気をつけてね、バー——じゃなかった、雁夜おじさん!」
(好機……!)
己の力を過信したことが間桐雁夜の敗因となった。雁夜はバーサーカーを自分の姿に化けさせると、一人離れて裏路地に入っていく。そこは狭い一本道だ。左右は高い建築物の壁に挟まれ、逃げ場などない。雁夜は自ら死地に踏み込んだのだ。
腰の
(バーサーカーを伴わなければ、所詮貴様はその程度なのだ。己の傲慢を悔いて死ね、間桐雁夜!!)
気配遮断スキルを最大まで高めたアサシンが、眼前の背中に向かって黒塗りの刃を振りかぶる。鞭のように速く、断頭台のように重い切っ先がフードに深々と食い込む。致死性の毒が塗られた刃は巨大な獣ですら掠っただけで絶命する。
裏路地の暗闇に、鈍い音が響いた。
‡綺礼サイド‡
「頃合いだな」
二杯目のワインを継ぎ足しながら、綺礼は余裕の笑みで独りごちた。
アサシンに暗殺命令を下してから5分が経過した。先ほど、間桐雁夜が一人になったという報告があったことを考慮すれば、今頃は雁夜の首が地面に転がっているに違いない。主の制御を失ったバーサーカーが暴走する危険もあるが、元々魔力消費の激しいクラスなのだから放っておけばすぐに消滅する。何ら問題はない。
一口、芳醇なワインを口に流し込むと、アサシンに状況を報告させるためにレイラインを通して念話を発する。
成功して当然の暗殺であるのだから報告など行わせる必要はないのだが、アサシン全てをライダーに特攻させるまでのタイムリミットは刻一刻と近づいている。集合が遅れてしまえば時臣師に暗躍が悟られてしまう。それで衛宮切嗣との接触が出来なくなれば、邪魔者の雁夜を消しても元も子もないのだ。念には念を入れる必要がある。
『アサシンよ、報告せよ。暗殺は成功したか?』
『———我が、主……!?』
『……?』
鼓膜を介さないその声は、搾り出したようにか細かった。反射的にレイラインに強く意識を凝らせば、アサシンの激しい緊張と焦燥が伝わってくる。アサシンがこれほどまでに動揺するなど今までなかった。
聖堂教会・第八秘蹟部の代行者として鍛えあげられた第六感が不安にざわざわと波打つ。
『どうした、何があった?』
『我が主よ、間桐雁夜は危険です———ぐあッ!!』
「ッく!?」
事態を探るためにアサシンの五感とリンクしたと同時に目の前を間桐雁夜のパーカーが翻り、全身を激痛が走った。その反動で同期が強制的に引きちぎられ、綺礼の魔術回路にもバックダメージが叩き付けられる。
短い悲鳴を皮切りにブツリと断たれた念話に、綺礼の手からワイングラスが滑り落ち、彼の目論見と共に砕け散った。
考えずともわかる。アサシンの一撃必殺の攻撃が防がれ、念話を続ける余裕がないほどの反撃を受けたのだ。
気配遮断のスキルを有した人外の超越者の攻撃を防御して瞬時に逆襲するなどという芸当は、代行者でも不可能だ。綺礼自身、気配を伴わないアサシンの暗殺を防げる自信はない。間桐雁夜は策士としての知能だけでなく、代行者をも超える戦闘力を有しているということだ。
それほどの男がわざわざサーヴァントと別れて一本道に入ったという意味は、即ち……。
(私がアサシンに暗殺を命じると予測し、わざと隙を作ってみせたというのか!?)
歯噛みした頬を困惑の汗が伝い落ちる。
バーサーカーが
後から「アサシンを頼りすぎだ」と綺礼を批判するのは簡単だ。だが、気配も姿も見せていないはずのアサシンを見破られるなど、いったい誰が予想できるというのか?そもそも、アサシンは遠坂邸で脱落したように装っていたし、分裂してあらゆる陣営を常に監視できることも自分と父と時臣師しか知らない。それを手に取るように看破できる者がいるとすれば、それはもはや化物の類だ。
「貴様は、何もかもお見通しだとでもいうのか……!?」
生まれて初めて感じる屈辱感と敗北感の重圧に心を飲まれ、知らずに膝を屈して呻いた。自分という謎を探るためにあらゆる難題に積極的に挑戦し、極める寸前まで難なくこなしてきたはずの綺礼が、たった一人の男を前に弄ばれ足掻き苦しんでいる。綺礼は、この戦いで苦戦する相手は衛宮切嗣だけだと高をくくっていた過去の自分を猛烈に恥じた。
間桐雁夜は『壁』だ。渾身の力で突けども掘れども傷一つつかず、油断すれば圧倒的な力で圧し潰してくる極厚で巨大な『壁』なのだ。その証拠に、途方にくれた綺礼の心は今も踏み潰されて軋みを上げている。
「———
軋みが止まる。彼の心は折れなかった。
この時初めて、綺礼は自身が心からの笑みを浮かべていることに気付いた。その鋭くも果敢な笑みは、どこか巨山の頂上を見上げる登山者を連想させる。
自分を遥かに超える強者に立ち向かう恐怖と、それに打ち勝ち歩を進める胸の高まり。間桐雁夜という壁を越えた先にはいったい何があるのか、そこからどんな世界が広がるのか、どれほど高みに到達できるのか———それらを想像するだけで綺礼の心は弾んだ。そう考えれば、全身に滲む不安の汗も心地よいものに感じられる。
己を識るチャンスは何時でも作られる。だが、間桐雁夜という壁を乗り越える機会は、きっとこの一度きりだ。この壁から逃げてしまえば、二度と高みには到達できない。
否!間桐雁夜を超えた先にこそ、本当の自分が見つかるのだ!!
すっくと立ち上がった綺礼の顔に、すでに笑みはない。しかし、胸の内側には今までにはなかった炎が灯っていた。空いていたはずの空洞を満たすそれは、勇敢な挑戦者のみが灯すことの許される
もはや迷いはすまい。倒すべき男の背中に突き進めば、自ずと求めるものに辿りつけるとわかったのだから。
「令呪を持って我が下僕に命ず。アサシンよ、アインツベルン城へ転移し、ライダーを倒せ」
手の甲が輝き、令呪が消える。膨大な魔力は条理を覆し、各地に散っていたアサシンたち全てを一箇所に瞬間移動させる。これでアサシンも雁夜の前から逃げることが出来た。ライダーの底力を見極めるためにも、アサシンの戦力は一体でも多いに越したことはない。
サーヴァントを失えば、バーサーカーを伴う間桐雁夜と互角に戦うことはできなくなる。それならそれで、戦う方法を考えればいい。その過程も己の研鑽になるのだ。
それに———これは最後の手段だが、
「……ギルガメッシュ、お前の言う通りだった。私はようやく己の魂の形を見出すことが出来そうだ」
『愉悦とは言うなれば魂の
「今度は二人で飲み明かすのも悪くはないな」
簡素なベッドを持ちあげ、奥の小さな木箱を取り出す。それは代行者としての給料の6ヵ月分に相当する価値のある日本酒だ(ボーナスなら1回分)。素材の厳選から上槽、滓下げ、特別な貯蔵庫での熟成に至るまで、全ての行程に職人の全精力が注ぎ込まれたこれは、10年かけてようやく一本分が完成する、知る人ぞ知る極上の美酒だ。箱を開けただけで、華やかな吟醸香が部屋いっぱいに溢れかえる。高級和紙のラベルには達筆な筆で書かれた『神殺し』の文字のみ。印刷ではなく一流書道家による直書きであることも、なかなか味があって見た目良い。
綺礼にとっては心の空洞を満たすまでには至らないものであったが、確かに美味ではあったため念入りに保管しておいたのだ。それが幸いしてギルガメッシュに見つからなかったのは僥倖だ。次に彼が部屋を訪れた際にはこれを馳走してやろう。きっと涙を流して「まったくもう!こんなに美味しいお酒を隠してたなんてずるいぞ綺礼!我ぷんぷん!」と怒り出すに違いない。
ギルガメッシュの怒り顔を想像し、綺礼はくすりと爽やかにほくそ笑んだ。部屋に誰かを招きたいと思うのも、自慢の酒を振舞いたいと思うのも、これが初めてだったからだ。
‡セイバーサイド‡
「えっ、
「おお?どうした、英雄王。自分の酒に酔ったのか?んん?」
「い、いや、何でもない?」
「なぜ疑問形なのだ」
唐突にビクリと肩を跳ねさせたアーチャーがおかしな呟きを漏らしたが、ライダーにツッコまれるとすぐに元の傲岸不遜な表情に戻った。
しかし、見ていていちいち癇に障る顔だ。先ほどまでのライダーとの会話を聞いていてわかってきたが、清廉な騎士とは対極に位置する高慢な男だ。『聖杯など知らないが宝であるからには自分のものに違いない』などと平然と言ってのけたことからもそれがわかる。絶対にこいつは友だちがいないタイプだ。いても一人くらいだったろう。こんな奴の友だちになった奴は気の毒だな。きっとこいつのせいで早死したに違いない。心から同情する。ざまぁ。
「まあ、いいとしよう。ところで、セイバー。そういえばまだ貴様の懐の内を聞かせてもらってないが」
ようやく来たか。先ほどまで暴君同士で盛り上がっていたので憮然としていたのだ。ここらで本当の王の在り方を諭さねばなるまい。真に誇るべきは、我が王道なのだ。
平穏への祈りと共に立ち上がり、民草の願いを一身に背負って剣を振るい、治世に声を上げ、身命を賭して国と民の安寧と繁栄のために一生を捧げる。誉れある騎士たちの頂点に立つ武者にして、正義を体現する為政者。それこそ、『理想の王』の姿だ。
「私は、我が故郷の救済を願う。万能の願望機をもってして、ブリテンの滅びの運命を変える」
そうすれば———貴方にも顔向け出来るようになるだろうか。なあ、
‡アサシンサイド‡
フードを貫いた切っ先が首に触れる寸前、手首に絡まってきたその手は、人の域を超えた握力でナイフを握る腕を骨ごと粉砕した。筋肉も神経もかき混ぜられ、ナイフが力なく滑り落ちる。
「——ぅ、おォ……ッ!?」
戸惑う暇すら与えられない。瞬くほどの迅速な足捌きで後退した雁夜の痩身が側背にピタリと張り付いた瞬間、握られた腕を起点にして視界がぐわんと縦回転する。強制的に重力から切り離された身体が遠心力にねじ切られ、全身の関節が有り得ない角度に曲がり狂う。もしもアサシンに近代日本武術の知識があれば、それが合気道の『入身投げ』だということに気付いただろう。
一瞬後に背中から地面に叩き付けられるという直感に尻穴が窄まり、喉元で息が詰まる。
「ぐぎゃあッ!!」
咄嗟に受身の体勢をとれたのは奇跡だった。そうでなければ、この醜い悲鳴すら上げることはかなわずに背骨を叩き折られて即死していた。
『アサシンよ、報告せよ。暗殺は成功したか?』
『———我が、主……!?』
激痛に支配されて揺れる頭蓋にマスターの声が響く。後頭部を強打したせいで思考がまとまらず、念話すら満足に出来ない。報告すら出来ないようでは暗殺者の名折れだ。
手足をばたつかせて何とか立ち上がり、念話に意識を凝らす。
『どうした、何があった?』
『我が主よ、間桐雁夜は危険です———ぐあッ!!』
再び激痛。今度は横っ面を正面から殴りつけてきた。ハンマーのように固く重い打撃が真正面からクリーンヒットし、アサシンの身体が木の葉のように吹き飛ぶ。樫の木で作られた仮面をも粉々に砕け散らせたそれは、プロボクサーも思わず唸るほど見事なストレートパンチだった。
「……ぬぐ、ぉ、おああ……。き、貴様は、いったい何者なのだ……」
吐血に混じって幾つもの歯がボロボロと地面に転がる。体力も精神力もことごとく削り取られ、アサシンには抵抗する力は残されていない。出来るのは、四肢をついて目の前に立つ間桐雁夜を力なく見上げることだけだ。わずか二度の攻撃で人を超えた英霊をここまで憔悴させるなど、とても人間業ではない
痩せ細り、半身は死人のように干からびているくせに、いったいどこからこれほどの怪力を出せるのか———。
「……ぐるる」
「———!? ま、まさか、貴様……!?」
聞き馴れた呻き声に驚愕する。
目深に被ったフードの下で、
「バーサーカー……!!」
刹那、アサシンは悟った。
自分の死角で行われたのが、単なる変装ではなく自分を罠にはめるための入れ替えだったということに。
自ら死地に踏み込んだのは、自分のほうだったということに。
バーサーカーの双眸に、確固たる理性の光があることに。
「……何故だ……?何故そうまでしてマスターを護る?何故そこまで尽くす?何故……そこまで正しく在り続けられる!?」
地面に這いつくばりながら、アサシンは膨れ上がった疑問をぶつける。
血反吐を吐いて吠えたアサシンの目を、バーサーカーは静かに見下ろす。
その燃える双眸が、「答えはお前自身が知っている」と告げた気がした。
———かつて、己の人格障害に戸惑いながらも、それを武器にして祖国と教義と家族を護らんと立ち上がった少年がいた。
「……あ、」
彼はあらゆる研鑽を積み、自らを導いてくれたカリフ教主に忠誠を誓い、セルジューク王の抑圧的な支配から逃れた人々を生涯を賭して護り続けた。
其の名はハサン・サッバーハ。
「……そうか。
仮面のとれた青年が、晴れやかな顔で苦笑する。それは自嘲ではなく、失くしたと思っていたものが意外に近くにあったことを笑ったものだった。
笑いながらごろりと仰臥する。バーサーカーは相変わらずじっとこちらを見つめたままだ。戦う意志のない者は殺せないとでもいうのか?暗殺者が無防備に腹を晒しているというのにトドメを刺そうとしないなんて、どこまでも生真面目なサーヴァントだ。騎士というのは皆してこんなに堅苦しい奴らばかりなのだろうか。
『令呪を持って我が下僕に命ず。アサシンよ、アインツベルン城へ転移し、ライダーを倒せ』
(……ああ、もう終わりなのか)
遠くで響くマスターの声を認識した瞬間、アサシンの身体が光と化して消えてゆく。令呪によるサーヴァントの強制転移だ。他のアサシンたちが同じように一箇所に集められてゆくのを共有した感覚で理解する。
令呪の内容からして、あの非情なマスターは自分たちを使い潰すつもりだろう。現界していられるのは今夜までということだ。不満はない。我らは英霊なのだ。現界する機会はまたいずれ訪れる。
それにしても、マスターの声もどこか晴れ晴れとした感じがした。きっとマスターも何かを見つけられたのだろう。異教徒だが、ここは素直に喜んでやるとしよう。
「……なあ、バーサーカー。今度会う機会があったら、その時は真っ向から勝負してくれるか?」
バーサーカーは言葉を発せない。ただ、ぐっと親指を立てて意思を伝えてくるだけだ。
それを見た青年は彫りの深い端正な容貌で朗らかに笑うと、ゆっくりと光となって消えていった。
転移する間のわずか数秒の内に目を閉じた彼の脳裏には、正々堂々とバーサーカーと剣を交える“次の戦場”が広がっていた。
それは、ハサン・サッバーハが
‡バーサーカーサイド‡
いや〜、危なかったね。そういえばアサシンに見張られてるってことすっかり忘れてたよ。だってカーブミラー見たらアサシン写ってるんだもんね。マジビビったよ。ギリギリセーフ!カーブミラーさんあんがとね!
とりあえず雁夜おじさんと桜ちゃんに一芝居打ってもらって、誘い込んだところを悪☆即☆斬!!油断しきってたみたいだからぶん投げた後にパンチしてやりましたよ。そしたらなんだか分けのわからないこと言い出して笑い出してやんの。なにこれ怖い。打ちどころ悪かったのかな。
そんな感じでドン引きしてたら、ぱあ〜!っと輝いてどこかへ消えようとしてます。なんかもうわけわからん。アサシンって笑うと光るスキルとか持ってるの?そんなの原作にないよ?コジマ粒子なの?逆流するの?
「……なあ、バーサーカー。今度会う機会があったら、その時は真っ向から勝負してくれるか?」
アサシンってけっこう熱いところあんのね。知らなかったわ。とりあえず、挑戦は受けてたちましょう。喋れないからサムズアップで我慢してね。
そうそう、プロボクシングの賞状から『チャンピオンはいついかなる時でも誰の挑戦でも受けなければならない』って条項が削除されたのって、ガッツ石松がチンピラ8人に絡まれた時に全員を病院送りにしちゃったせいらしいね。おお、こわいこわい。そんなおっそろしい怪物とは関わりたくないね!
……あ、いつの間にかアサシン消えてんじゃん。でも消滅したわけじゃないよな。急所は外れてたし。もしかして、これってライダーの
『バーサーカー、無事か?こっちは無事に家に帰り着いたぞ。桜も心配してるから、早く帰ってこい』
おっと。雁夜おじさんと桜ちゃんが待ってるし、さっさと帰ろうかね。明日の朝ごはんはホットケーキにしよう。炊飯器で作るホットケーキが極厚でなかなか食べ応えがあるんだよね。生クリームとフルーツも載せれば見栄えもいいし。チョコレートも載せようかな?でもあんまりカロリー高すぎるのも悪いしなあ。
『あと、な。言い忘れてたんだが……』
ん?なんだ?家計簿つけ忘れてたとか?ちゃんとやったと思うんだが。
『その、いつも守ってくれて、ありがとうな』
……いいってことさ。
『ぐるる(・∀・)ニヤニヤ』
『うるせえニヤニヤすんな!さっさと帰ってこいっつってんだよこの馬鹿!! あ、痛っ!?桜ちゃんなんで蹴るの!?念話聞こえてないはずでしょ!?痛っ!やめ、痛っ!脛はらめえ!!』
最近、バーサーカーと雁おじが仲良く肩組んで夜の街を闊歩してる夢を見ました。僕が書きたいのは、きっとそういう二人なんだと思います。