私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!   作:みかづき

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新世紀銀河伝説再び! 装甲勇者を大地に立て! 後編④

セレスさんと山田が娯楽室に来なくなった後も私は娯楽室通いを続けた。

もう2人が戻ってくることは・・・あの日々が戻ってくることはないことはわかっていたが

なんとなくだらだらとずるずると私は娯楽室に通い続けた。

午前中は部屋に引き篭もり、午後になったら娯楽室に引き篭もる。

それは生活というより終活。

女子高生でありながらこの境地に達するのは我ながらどうかと思うが、

ここに至っては仕方がないと観念し、終わりがくるのを待つだけだ。

みんなの近況に関しては・・・意外だとは思うだろうが、実は結構知っていた。

苗木君が時々、娯楽室に訪問して話してくれるからだ。

 

「アルターエゴが盗まれたの・・・?」

「うん、そうなんだ」

 

疑われていると誤解して慌てて首を振った。

苗木君は”そんなつもりは・・・”と申し訳なさそうに謝ってくれた。

黒幕の”内通者”がいるようだ・・・とみんなの間ではそんな話になっているようだ。

”何か”が動き始めていることはわかったが、きっとそれがわかる前に私は死ぬだろう。

 

そんなことを回想しながら、部屋を出て娯楽室に向かう途中だった―――

 

「よう、智子っち!」

 

 ついに来たな・・・

 

「久しぶりだべ!」

 

 死神め・・・!

 

向こうから私の”死神”が・・・葉隠康比呂が満面の笑みを浮かべて歩いてきた。

 

「こんな時間に会えるなんて偶然だな!」

 

そのセリフに私は失笑を噛み殺した。

 

(この男・・・よく言う)

 

大方、私の行動を監視し、出会うタイミングを計っていたのだろう。

それをよくもまあこんな白々しく言えたものである。

 

「しばらく見なかったけど飯、ちゃんと喰ってるか?アッハハハハ」

 

屈託のない顔で葉隠は笑う。

 

(この・・・サイコパス野郎が・・・!)

 

私は心の中で葉隠に毒づいた。

よくもまあ殺そうとする相手にヌケヌケとそんなことを言えるものだ。

そこまでして金が欲しいか?完全に狂ってる。

近づいてくる葉隠の目がだんだんと$に見えてくる。

ああ、こいつの目にはもはや私はクラスメイトではなく、

100億円を引き出すクレジットカードか何かなのだろう(カードで下ろせるかは知らないが)

いくら守銭奴とはいえ、金とは人とここまで変えるものなのだろうか?

その満面の笑顔の裏は、

いつかの10万円を請求してきたあの無機質な冷たい顔があるに違いない。

まさに金銭欲の怪物よ・・・!

こんなバケモノがいままで人を殺さなかったことの方が奇跡なのだ。

コイツに狙われた以上、もはや私は諦めるしかない。

 

「最近、何してんだ?娯楽室とかにいるって聞いたけど」

 

あまりのセオリー通りの質問に私は肩を竦める。

一般的な世間話を装いながら、

ターゲットの行動パターンを収集するというまさに予想通りの行動。

先ほどの質問も

私が普段何時何分何秒にどこで何をしているのかを教えろ・・・ということだ。

本来はいろいろな駆け引きの中でそれを引き出していくものだが、まったくこの男は・・・。

ここから脱出した後の豪遊を妄想し、そこまで頭が廻らないらしい。

その辺が所詮、葉隠の限界なのだろう。

こんな男がいくらトリックを労したところで、

あっさり苗木君と霧切さんに論破されて処刑されるに決まっている。

結果として私のようなクズと心中する形で終わりを迎えるのだ。

そう思うと目の前の銭ゲバが少し哀れに思えてきた。

 

「私は午前中は部屋にいて、午後は娯楽室にずっといるぞ。好きな時に来い」

「え・・・!?」

 

私はそう言って、怪訝な顔を浮かべる葉隠の横を通り抜ける。

ここに至って下らぬ駆け引きをする気力はない。

どの道私は死ぬつもりなのだ。

ならば、この殺人鬼に情報を自らくれてしまえばいい。

葉隠はキョトンとしている。

本来ならば小悪党らしく”ニチャア”と笑い小躍りをしたいはずなのに、

演技を崩さないのはなかなか大したものである。

 

(いよいよ私は殺されるのか・・・)

 

まだ実感はわかないな・・・。

死ぬってどうなのだろうか。痛いのかな・・・?

 

(あまり痛いのは嫌だな・・・そうだ、予め頼んでおくか)

 

私は足を止め振り返る。

 

「おい、葉隠」

「え?」

 

 

 

  ”私は初めてだからあまり痛くするなよ・・・優しくお願いね”

  

  

 

私は死ぬのは初めてだからあまり痛い殺し方するなよ。

出来る限り痛くない優しい殺し方でお願いね・・・と伝えたかったのだが、

中途半端に言葉を端折ったせいで何か別の意味になってしまった。

 

「え、何!?一体何だべ!?」

 

動揺する葉隠を残し、私は娯楽室に向かった。

 

 

 

 

◆  ◆  ◆

 

 

 

 

それからまた何日か過ぎた。

私はいつものように部屋を出て娯楽室の向かう。

いつ終わるとも知れないルーチンワーク。

気だるいほど代わり映えのない日々だ。

娯楽室の前で・・・私は足を止め、溜息を1つする。

娯楽室のドアを開けても誰もいない。

 

今日も変わらぬ日常が始ま・・・

 

「え・・・?」

 

誰かが・・・倒れていた

 

「セレス・・・さん?」

 

それがセレスさんだと気づくのに時間はかからなかった。

 

「う、うう・・・」

 

そこにはいつものように優雅に椅子に座り微笑む彼女の姿はなかった。

床に這い蹲り、殴られたような傷や頬から血が流がしながら

セレスさんは苦しそうに呻いていた。

 

「セ、セレスさん!な、何が――」

 

私はセレスさんに駆け寄った。

何かが起きたのは明らかだった。

 

「黒・・・木さん?」

 

私の声に黒木さんは意識を戻したようだ。

 

「黒木さん・・・」

 

セレスさんは私の肩を掴みながら

 

「みんなを・・・みんなを呼んで下さいまし・・・!」

 

絞るような声でそう叫んだ。

私は大慌てで食堂に向かった。

普段引きこもっている私が必死の形相で駆け込んできたのだ。

多くは語らずともみんなは察してくれた。

 

「まだクラクラしますわ・・・」

 

セレスさんの表情には若干生気は戻ったものの、青ざめ、いつも以上に白くなっていた。

 

「セレスさん、一体何があったの?」

 

苗木君は心配そうに声をかける。

私達は椅子に座るセレスさんを囲む形で集まっていた。

私達・・・といっても、全員集まったわけではない。

山田に、石丸君。それと葉隠のヤツもいない。

 

(あれ・・・?霧切さんは)

 

食堂にいたはずの霧切さんの姿がいつの間にか見当たらなくなっていた。

 

「ククク、だいたいの察しはついているがな。さっさと説明しろ」

 

十神がメガネをクイッと掛け直しながら質問を始めた。

相変わらず偉そうな態度である。

 

「ククク、説明しろ」

 

その横でジェノサイダー?もメガネを掛けなおしながら追随する。

それに対して十神も周りのみんなも何も言わない。

 

(ああ、十神のヤツ・・・諦めたのか)

 

しばらく見ない内にそんなことになっていたのか。

何か時の流れを感じるな。

 

「フェックション!あれ?ここは、あ、白夜様!」

 

くしゃみで腐川に戻ったようだ。

あまりにもウザいのでこれ以上、見ないことにしよう。

それよりもセレスさんの方だ。

 

「どこから話せばいいでしょうか・・・そうですわ」

 

傷口を押さえながらセレスさんは語り始めた。

 

「わたくしは山田君を見かけてひさしぶりに二人で話をしました。

アルターエゴの件で、彼は落ち込んでいたようですが、ようやく正気戻ったようでした。

そして話し込んでいるうちに”黒木さんはどうしているかな?”そんな話になりました」

 

(え・・・?)

 

「アルターエゴの件で黒木さんとギクシャクしてしまったことを山田君は反省していました。

謝りたい・・・と言っていました。

ならば・・・と私は、二人で娯楽室に行くことを提案しました。

久しぶりに三人で話をしようと・・・そして私と山田君は娯楽室で黒木さんを待っていました」

 

セレスさんは語りを止め、少し苦しそうに息をつく。

山田とセレスさんがここで私を待っていた。

その情景がありありと浮かんできた。

本来ならば、扉を開けて現れるのは私だったはずだ。でも・・・

 

「現れたのは黒木さんではありませんでしたわ。

”クロ”・・・ですわ。

ある姿に変装したクロが、凶器を持って娯楽室に入ってきました。

わたくし達はもちろん驚きました。

でもそれ以上に、クロの方も驚いていたようでしたわ。

まるでわたくし達がいるのが想定外であるかのように」

 

「え・・・それって私じゃなかったから」

 

それしか考えられなかった。

本来、娯楽室にいるのは私だった。

それはもはや周知の事実だった。

ならばついにクロが私を殺しにきた・・・そう考えるのが自然だ。

だが、実際にいたのは、ひさしぶりに娯楽室を訪れたセレスさんと山田。

想定外の事態に錯乱したクロがセレスさん達に襲い掛かった!?

 

「クロはまず山田君に凶器を振り下ろし、彼を打ち倒しました」

 

私から視線を外し、セレスさんは言葉を続けた。

 

「そのままクロはわたくしに凶器を振るいました。

凶器はわたくしの頬を掠め、わたくしは床へ倒れました。

クロは倒れたわたくしに何度も凶器を振り下ろしました。

わたくしは急所だけは打たれないよう必死でした。

ですがそれも無駄な足掻き。

いよいよ・・・という時に山田君が立ち上がり、クロに組み付きました」

 

「や、山田・・・!」

 

セレスさんを守るため凶悪なクロに果敢に立ち向かう山田の姿を想像し、

胸が熱くなった。

普段は残念でもやはりお前も男の子なんだなぁ・・・。

 

「奮戦する山田君の背後でわたくしは叫びました・・・」

 

お、ここでヒロインのエールが・・・

 

「そいつはどうなっても構いません!

わたくしだけは助けてくださいまし!

なんでもしますからぁ~!

靴を舐めさせて下さい!舐められるところは全部舐めさせてください~~!

・・・とそう言うとクロは山田君を連れて扉から出て行きました」

「プライド捨てすぎだろ!いつものプライドエベレストなアンタはどこにいった!?」

「緊急事態ですわ。わたくし、使えるものは何でも使いますので」

 

キリッとした顔でセレスさんは反論する。

いや、カッコ悪いのだが・・・。

そんなことよりも、床を見てギョッとした。

【ジャスティスハンマー1号】と名前が刻まれた木槌が床に落ちていた。

 

「1号ってどういうことかな・・・」

 

苗木君はハンマーを見つめる。

現段階では何もわからない。

霧切さんがここにいたなら何かわかるかもしれないけど。

 

「それは・・・

もしかしたら、クロが変装したものと関係があるかもしれません」

 

セレスさんは服のどこからかあるものを取り出した。

 

「クロの去り際を隠し撮りしました」

 

それは山田がいつも持っていたデジカメだった。

 

「これがクロですわ!」

 

その画像に全員が釘付けになった。

そこに映っていたのは・・・

山田を連れ去ろうとしているのは・・・

ロボットだった。

正確にはロボットの格好をしたクロだった。

 

「なんだこのふざけたものは!」

 

十神が声を荒げる。

私はこれをどこかで見たことがある。

確かアニメか何かで・・・

 

(そうだ・・・ジャスティスロボだ!)

 

子供向けのアニメの・・・でもどうしてこれが?

 

「山田君が心配ですわ。おそらくあれから1時間は経っています」

 

セレスさんの言葉で我に返った。

そうだ・・・山田だ!山田はどうなったのだ!?

 

「黒木さん!?」

 

苗木君の声を背に私は娯楽室を飛び出した。

クロの狙いは私だっだ。

私を殺害するつもりだったはずだ。

ならば連れ去られた山田は・・・

 

  ”黒木智子殿!”

  

いつかの山田の笑顔が頭を過ぎる!

 

「山田~~!どこだぁあああああ」

 

私は声を上げながら必死で3Fを駆けた。

3Fに山田はいなかった。

我先に2Fに降りる。

全て私の責任だ。私のせいだ。

山田は巻き込まれただけだ。

 

だから・・・お願いだから・・・どうか

 

図書館に入った時、その儚い願いは打ち砕かれた。

 

【ジャスティスハンマー2号】そう刻まれた凶器の横で

山田は頭から血を流し息絶えていた。

 

「遅かったか・・・」

 

背後で大神さんの声が聞こえた。

 

死んで・・・しまった。

 

ちーちゃんの時と同じだ。

私のせいで・・・山田が死んでしまった。

 

山田が・・・

 

 ”その感想・・・最高に嬉しいですよ、黒木智子殿!”

 

あの山田が・・・

 

 ”僕も自分の作品で誰かを助けられないかな”

 

山・・・田・・・

 

 

「山田~~~嫌だよおおおおおおおおおぉぉぉぉ」

 

山田の手を握り、私は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。

 

「どうしてお前が死ぬんだよ!どうしてお前なんだよ!

お前じゃダメなんだ。お前が死んじゃダメなんだ!

私じゃなきゃダメだ。

死ぬのは・・・私でよかったんだ。

お前じゃなくて・・・私だったんだ。

どうして・・・お前なんだよ!どうして!?どうして~~~~~!?」

 

その言葉に嘘はなかった。

ずっとそう思ってきた。

私はもう終わりにしたかった。

私以外、もう誰も死ぬのを見たくなかった。

 

「お前・・・言ってたじゃないか。

ぶー子に助けられたように・・・今度は自分が誰かを助けたいって。

自分の作品で誰かの希望になりたいって・・・そう言ってたじゃないかぁああ」

 

それができるのはお前だけだ。

私じゃない。私にはできない。

だからこそ、お前は生きなければいけなかった。

生きて・・・いて欲しかった。

 

「なのに・・・どうして死ぬんだよぉおおおおおお~~!!

馬鹿ぁあああ山田のバカァアアアアア~~~~ッ!!

わぁああん!うわぁああああああん!うぁあああああん」

 

号泣。

まさに号泣だった。

涙を流し、鼻水を垂れ流し、私は天地が割れんばかりに泣いた。

 

「あ、あの・・・」

 

「ぎゃああん!ぎゃぁおおおおんん!」

 

「あの・・・すいません」

 

どこからか私を嗜める声が聞こえる。

ギャン泣きをする私を落ち着かせたいのだろうが、

今は放っておいてほしい。

山田が死んだのだ。

とても押さえることはできない。

 

「黒木智子殿・・・生きてます。あの・・・生きてますから」

 

山田は申し訳なさそうにボソボソと喋った。

 

「ぎゃぁああああああああああ~~~~~で、出たぁあああああ~~~!」

 

私は文字通りひっくり返った。

 

「失礼な!生きてます。みなさん!生きてますぞ!」

 

よろけながら、山田は上体を起こした。

 

 

・・・その後、山田を保健室に連れて行った。

朝日奈さんに応急処置をしてもらった山田をここに残し、

後のメンバーは

どこかを徘徊しているであろうジャスティスロボと化したクロの行方を追うこととなった。

 

「あ、あの・・・黒木智子殿」

 

山田が何か話があるらしい。

廊下に皆を待たせて、保健室で山田と2人になった。

ベットで寝ている山田の頭には包帯が巻かれていて痛々しい。

私も泣きはらした目と鼻がグズつき別の意味で痛々しかった。

 

「あ、あの・・・」

 

山田が何か言おうとしているが、歯切れが悪い。

話すのは久しぶりだし、あんなことがあったら当然と言えば当然か。

 

「あの・・・黒木智子殿」

 

なにやら重い雰囲気だ。

予想外の何かとんでもないことを言ってくるのかな?

 

「黒木智子殿は・・・どうして僕の心配なんてしてくれたんですか・・・?」

 

その問いはあまりもあっけないものだった。

あまりにも軽いものであり、ある意味どうでもいいものだった。

そのため、私は警戒を解き、すっかり油断してしまった。

 

 

「そんなの大切な友達だからに決まってるじゃないか。何言ってるんだよ、お前・・・あ」

 

油断・・・だった。

友達だけならセーフだったけど、”大切な”ってつけちゃった。

一生の不覚。

私は、自分の言葉にカァと顔を赤くなった。

山田の顔も心なしか赤くなっている。

何ともいえない気まずい静寂が場を包んだ。

 

「・・・そんなこと言って、本当は違うんでしょう?黒木智子殿」

「え・・・?」

 

山田が突如こちらを向き、なにやらクレームをつけてきた。

一体何を・・・

 

「本当は・・・僕のこと異性として好きなんですよね?」

 

       ”!?”

       

某週間雑誌でよく出で来る”!?”が頭を過ぎった。

よく殺人現場で出てくる”!?”だが、まさに私の心境は”!?”だ。

この豚・・・何言ってんだ・・・!?

 

「いや~黒木智子殿が僕をそんなに思っていてくれていただなんて。

だがら、あんなにギャン泣きしてたんですね。いや~僕は罪な男ですな」

 

山田はニヤニヤしながら挑発してくる。

さっきのギャン泣きが頭を過ぎり私はますます赤くなる。

 

「お前、何言ってんだ!ふざけんな!あ、あれはだな・・・」

「黒木智子殿の涙や鼻水が口に入って、しょっぱいの気持ち悪いの大変でしたぞ」

「ク、クソが!誰のせいだと思ってんだ!死ね!やっぱり死ね!」

「生きる!君のために僕は生きる!」

「やめろ!本気で気持ち悪い!」

「ええ・・・本気でって・・・」

 

そんなこんなでしばらくワチャワチャと山田とやり合った。

今思えば、ムードを変えるため山田が敢えて仕掛けたのだろう。

こんなやり取りは本当に久しぶりだった。

まるであの頃に・・・娯楽部があった頃に戻ったようだ。

 

「黒木さん、まだですか?」

 

廊下の方からセレスさんの呼ぶ声が聞こえた。

そうだ!みんなを待たせていたのだった。

 

「回復したら皆さんを追いますので」

 

そう言って山田は背を向けて布団をかぶった。

 

私は去り際に山田の顔が見えないのをいいことに少しだけ勇気を出してみることにした。

 

「や、山田・・・ケガが直った後、時々でいいからまた娯楽部に来てくれよ。

あの部屋は、私だけじゃなく、セレスさんとお前の部屋でもあるのだから」

 

山田は返事しなかった。

もう眠ってしまったのだろうか。

私は保健室を出ようと扉に手をかけた。

 

 

 

   ”黒木智子殿・・・ゴメンなさい・・・”

   

   

 

山田が何か言ったような気がして振り返る。

山田は背を向け眠ったままだった。

私は聞き違いだと思い、保健室を出た。

 

 

 




【あとがき】
更新できない日々が続き申し訳ありません。
年々書く力を失っていると感じますが、
出来る範囲で投稿を続けたいと思います。
誤字脱字は見つけ次第修正します。
第3章残り3話(イマワノキワ除く)
暇な時にでも読んで頂けたら幸いです。


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