(後どれ位なんだ・・・って爺?ちゃんと聞いてるか?)
(・・・パルパルパルパルパルパルパルパル、妬ましい・・・次々にフラグを建てていくお主が妬ましい・・・)
(お願いしまーす!早く戻って来て下さーい!?)
なんてやり取りをしながら俺は次なる目的地『香霖堂』に向かっていた。
その店には外の世界で『幻想』つまり忘れられた道具を扱っているらしい、店主である『森近霖之助』は
その忘れられた道具を自分の能力『道具の名前と用途が判る程度の能力』で鑑定し、使えそうな道具を
売り物として売っているらしい。
「お、多分あの店かな」
暫くして俺は『香霖堂』とて書かれた看板がある建物を見つけそこへ降りた。店の周りには道路標識、リヤカー、その他諸々などが放置してあった。
これじゃ古道具屋じゃなくてただのゴミ捨て場のような気が・・・
俺はそんな事を思いつつ。店のドアを開けた。
中に入ると、本を片手に読書をしている眼鏡を掛けた結構な男前のイケメンが座っていた。
恐らくこの人が『森近霖之助』だろう。
「あのーすいません・・・」
「・・・ん?ああいらっしゃい僕は『森近霖之助』ここ『香霖堂』の店主だ。君は?」
「俺は『フランドール・スカーレット』と言います」
「スカーレット?もしかして君はレミリア穣の弟かい?」
「はい?まぁそうですけど・・・姉さんってよくここに来るんですか?」
「従者であるメイドを連れてよく僕の店に来るよ、まぁここにいい品物があったらちゃんと買い取ってくれるし唯一無二のお得意様だね」
へー、姉さんここによく咲夜と買い物に行っていたのか、全然知らなかった。
「それで?今日は何をお求めだい?彼女の弟だしサービスするよ」
「あ、はいじゃあ霖之助さんのオススメの品は何かありますか?」
「オススメ・・・そうだ、ちょっと待っててくれ」
そう言って霖之助は店の奥のほうへ引っ込んだ。暫くするとある商品を持って戻って来た。
「これは『iPhone』遠くに居る相手と電話をしたりアプリと言う物をダウンロードして楽しむ道具だよ」
え?いやなんで幻想入りしてるの!?結構最近の商品じゃないか!?てっきりガラケーだと思ったんだが・・・
「因みにこれって動くんですか?」
「それに関しては問題ないよ。この前河童に改造して貰ってここでも使えるようになったんだよ」
河童凄いな。河童の科学は世界一ィィィー!!だな正しく。
※注意 主人公がなぜこんなにアッサリ信じている理由はもう常識に囚われなくなったからです。決してあの緑髪の巫女のようになった訳ではないので其処の所は心配なく^^;
「ハァ・・・でいくら何ですか?」
「まぁ別に僕としては使わないから無料(タダ)でもいいんだが・・・」
霖之助は何か考え込んでいた。
「どうしたんですか?何か悩み事ですか?」
「いや別に大した事じゃないんだが、実は最近霊夢がここに来て服の修繕を頼んで行ったんだが、未だに取りに来なくて少し困っているんだよ・・・」
そう言えば爺が言ってたっけ、博麗霊夢はよくここを利用して服の修繕をして貰っていると・・・でもなんで取りに来ないんだ?
「君にこんな事を頼むのはお門違いだと思うが、博麗神社に行ってこの巫女服を霊夢に届けてくれないか?もし届けてくれるならこの『iPhone』ともう一つ商品をあげるが・・・どうだい?」
「分かりました、その話引き受けましょう」
そして店の商品を見て俺が選んだのはニンテンドーDSだ。なぜ幻想入りしているのかというのは突っ込まない方向で。
「じゃあこれが巫女服だ。博麗神社はこの先を少し飛べば着くと思うよ」
「有難うございます。じゃあまた」
「ああ、これからもご贔屓に」
そして俺は香霖堂を後にした。
「よっとここが博麗神社か・・・」
暫くして俺は目的地『博麗神社』に到着した。
東方上では妖怪神社とも言われている。その理由としてはよくここで妖怪達が宴会を開いたり、溜まり場にしているから。そのせいで信仰がほぼ0らしい。
(なぁ爺いい加減機嫌直してくれよ・・・)
俺はさっきから泣いている爺に話しかけた。ずっと泣かれてたらもしもの非常事態の時大変だからだ。
(いいんじゃいいんじゃ・・・どうせ儂なんか一生結婚できないんじゃ・・・リア充なんか消えてしまえ・・・)
あ、これ駄目なパターンだわ\(^o^)/。まぁ明日になったら直って・・・いて欲しいですね・・・ハイ・・・
爺の問題を後回しにするとして俺は博麗神社の様子を見た。別に変わった所など無いのだが、嫌な予感がしてならなかった。
「とりあえず行く「夢想封印!」ゑ?どわァァ!?」
俺が足を踏み出した瞬間、突如上空から弾幕の雨が降り注いだ。
俺は間一髪の所で避けた。
あっぶねぇ・・・誰だいきなり不意打ちとは・・・ゑ?
そこにいたのは赤いリボンを頭に着け、紅白の服を纏った小さい女の子が居た。
え?まさかあれが博麗霊夢?いやいやさすがに幼いし人違いか・・・
「妖怪はこの博麗霊夢が退治する!神霊「夢想封印 瞬」!」
「いや、話をって危ねえェ!!」
俺は放たれた弾幕を擦れ擦れの所で避ける。
ってやっぱりこの子が霊夢なのかよ! ゑ、なんで小さくなってんだ!?
「ちょっと待て!俺は別に悪い妖怪じゃない。霖之助さんに頼まれて服を届けに・・・」
「霖之助さんが妖怪を信用するわけない!霊符「夢想封印・散」!!」
くそっこうなったら弾幕で応戦するしかないか・・・
「禁忌「カゴメカゴメ」!」
俺は大量の弾幕を霊夢の周りに張り巡らせ、逃げ道を塞いだ。
「よし、行け!」
俺の声とともに威力を抑えた魔力弾が霊夢に襲いかかった。逃げ道を塞がれていた霊夢は当然避ける事ができず、被弾した。
よし!これで「酷い・・・なんでこんな事するの?ウッ・・・うわああああん!!」ってええええええ!?
突如として霊夢が泣きだしてしまった。
ど、どうすれば・・・飴をあげれば落ち着くか?
俺は紅魔館で作った飴を2~3個取り出し霊夢の前に差し出した。
「と、取り敢えず飴あげるから泣き止んでくれ・・・」
「グスッ・・・有難うお兄ちゃん・・・」
そして俺は霊夢をおんぶして神社に向かった。
~吸血鬼、ロリ巫女移動中~
「さっきは話も聞かず弾幕を撃って御免なさい・・・」
「いや、別に気にしてないから大丈夫だよ」
俺は現在神社の中の居間で霊夢と話していた。
「それでなんで小さくなっているの?」
「分からないの・・・最近の記憶が無くて・・・」
はて困った・・・記憶が無いとなると手の打ちようがない・・・
(爺、どうして霊夢が幼児化してるのか分からないか?)
(グスッ・・・多分八雲紫か八意永琳の仕業じゃろうな。竹林の薬師はここを訪れる事は少ないから恐らく八雲紫の仕業じゃろうて)
(て事は・・・「境界を操る程度の能力」で霊夢の年齢の境界を弄った・・・って事か・・・)
確かに普通なら人間の年齢を変える事などほぼ不可能に近い・・・だが幻想郷の賢者でもある紫なら話は別だ。彼女がどんな理由で霊夢を幼児化させたのかは知らないが・・・一刻も早く元に戻さなくては・・・
(取り敢えず永遠亭に行って永琳に見せたほうがよい、お主の能力なら八雲紫を見つける事ができるじゃろうが・・・お主は転生者、もし自分と同じ能力を持っていると知られたら素性を調べられる可能性が高い)
(了解。じゃあ道案内は頼んだ)
(もう一度言うが、儂カーナビじゃないからね?)
(はいはい、分かってますよ)
俺は爺との会話を切り、未だに俯いている霊夢に話しかけた。
「取り敢えず永遠亭に行こう、永琳さんならどうにかしてくれるかもしれないし、ね?」
「でも・・・外出するの・・・怖い」
「でも霊夢だってずっとこのままじゃ嫌だろ?」
「うん・・・」
「なら我慢できるな?」
「うん・・・分かったよ・・・お兄ちゃん」
そして俺は霊夢をおんぶして飛び立った。
~ロリコ「龍夜・・・ちょっとコッチ来い」逃げるんだよ~!!「チッ、逃げやがった」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「大丈夫、なんでもないよ」
「?」
俺は爺の案内で永遠亭に向かっている。永遠亭の場所は人里から少し離れた竹林の中にあるらしい。
道を知らない人が入るとその竹林から一生出れなくなる。もしくは餓死してしまうので入る時は『藤原妹紅』に案内を頼むらしい。
「よし、着いた」
現在時刻は夕暮れ、暗くなる前に着いて本当によかった。
「すいませーん、誰かいませんか?」
「はーい、いますけど・・・貴方は?」
俺が戸を少し開き大声で言うと奥のほうからウサ耳を生やした女の子が出てきた。
「俺はフランドール・スカーレットと言います。紅魔館の主であるレミリア姉さんの弟です、よろしく(ニコッ」
「///はっはい、私は鈴仙・優曇華院・イナバと申します。よろしくお願いします」
自己紹介兼挨拶を済ませると鈴仙は俺の背中に乗っている霊夢に気付き、聞いてきた。
「あの~フランさんの背中に乗っているのって・・・フランさんの妹さんですか?」
「いや・・・その・・・実は・・・」
~弟様説明中~
「えええええええええ!?博麗の巫女なんですか!?」
「はい・・・俺が用事を頼まれて行ったら・・・こんな事になってまして・・・」
俺はこれまでの経緯を鈴仙に話した。
まぁ・・・驚くのも無理ないよなぁ・・・幻想郷最強と呼ばれている霊夢が幼児化してしまっているのだから。
「それで永琳さんに見て貰いたいんですが・・・いいですか?」
「分かりました、着いて来て下さい」
~吸血鬼&ロリ巫女&兎移動中~
「師匠、入ります」
鈴仙がそう言ってノックすると中から「入りなさい」と声が聞こえ、俺と鈴仙は中に入る。
中で待っていたのは、青い赤十字の帽子を被った美人な女性だった。恐らくこの人が『八意永琳』だろう。
「そちらの方ね、今日はどんな用で来たのかしら?」
「実はかくかくしかじか・・・」
「なるほど・・・つまり今貴方の後ろにいる子、博麗の巫女なのね?」
「はい・・・なぜか幼児化してしまいまして・・・」
「確かにあのスキマなら暇つぶし目的でそういう事をやりかねないわね・・・分かったわ、元に戻る薬を作るから少し待っていてくれるかしら?」
「うどんげ、彼にお茶を出してあげなさい」
「はい!」
「まぁ貴方はゆっくりしてなさいな」
「は、はぁわ、分かりました」
そして俺は永琳が薬を作っているのは観察しながらお茶を頂く事にした。
~薬師作成中~
「できたわ・・・これを飲んで寝れば元に戻る筈よ」
「有難うございます!ほら霊夢飲んで」
「う、うん」
霊夢は苦そうな顔をしながらも薬を飲んだ。飲み終わって暫くすると、霊夢はそのまま眠ってしまった。
疲れも出てたんだろうな・・・
「じゃあ遅いので俺は帰ります。霊夢の事よろしくお願いします」
「ええ、任せて。うどんげ見送ってあげなさい」
~移動中~
「じゃあ俺はこれで・・・」
「あ、あの・・・」
「ん?何か?」
「また・・・来てくれますか・・・?」
鈴仙は顔を赤く染め上目遣いをしながらそう聞いてきた。
「ああ、また来るよ。今度は鈴仙さんとゆっくり話しがしたいな」
「は、はい!楽しみにしてます!!」
そして俺は飛び立った。
(ハァ・・・今日はいろいろ疲れたな。爺今日はありが・・・爺?)
(またか・・・またなのか・・・お主は一体いくつフラグを建てれば気が済むんじゃ!!)
(だから別にフラグなんか・・・)
(もういい、儂は寝る!!)
そう言って爺は会話を切ってしまった。
全く・・・何であんなに怒っているのやら・・・
※因みに今のフランは元の身長&体重に戻っています
「フ・・・ン・・・フラーン!!」
アレ・・・もしかしてこの声って・・・ま、まさか・・・
「フラーン!!」
「おわっ!?ね、姉さん!?」
突如レミリアが猛スピードでフランの元に近づき抱き着いた。
「何処行ってたのよ!貴方が抜けだした事を美鈴に聞いて紅魔館の皆で探していたのよ!?心配したんだから・・・」
えええええ!?紅魔館総出って・・・まさかメイド妖精達もかよ・・・後でお菓子沢山作らないと・・・
って美鈴の能力すっかり忘れてた・・・きっと俺の気を感じてそれを報告したんだろうな・・・分身無事だといいけど・・・
「取り敢えず皆を呼んで来るからここにいるのよ?」
「分かったよ、姉さん」
その後はいろいろと大変だった・・・咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔に抱き着かれ泣かれる始末・・・メイド妖精達も同じく。
そして肝心の代役を頼んだ分身はというと・・・
「主ィ!いい加減戻って来てくれェ!!このままだと俺が過労で死ぬゥ!!」
紅魔館の全ての業務をたった一人で熟していた・・・
霊夢side
「んっ・・・ここは・・・」
目が覚めると知らない天井だった。
確か・・・あ、そうだ薬を飲んだら眠気が襲って来てそのまま寝ちゃったんだった・・・
「あら、起きたの?博麗の巫女さん」
そう思っていると昨日私を治す薬を作っていた薬師が入って来た。
「気分はどう?」
「最高にいいわ、今だったら紫を叩き潰せるくらいに」
「まぁスキマを叩き潰す前に昨日貴方を治す為に頑張った、フランにお礼を言っておきなさい」
え、昨日の男の人・・・フランだったの!?どっかで見た顔だなぁとは思ったけど・・・
「彼が言ってたけど料理とかするのに普段の姿だと不便だからあの姿になるそうよ?まぁ今回彼がなぜあの姿でいたのかは知らないけど・・・」
「そうだったんだ・・・あっ///」
ちょっ、ちょっと待って、そう言えば昨日の私幼児化してたから・・・
「昨日の貴女は可愛いかったわよ?泣く子も黙る博麗の巫女が、お兄ちゃん、お兄ちゃんって言いながら甘えている姿は・・・(プッ」
「うがあああああああああああ!忘れろォ!!」
は、恥ずかしい・・・///あんな事言っちゃうなんて・・・で、でもフランにおんぶされていた時凄く安心して、胸が温かくなって・・・ずっと傍に居てほしいって気持ちになったな・・・///
(あらあら、まさか博麗の巫女が恋に堕ちるとはねぇ・・・うどんげも彼に気があるようだし、これから何人にフラグを建てるのか楽しみね♪)
フランの知らない所で、また一つフラグが建った・・・
霊夢sideEND
フラン(極夜)「もう止めて!これ以上フラグが建つと俺が鬱で死ぬから!?」
龍夜「君がッ!泣く迄!フラグを建てさせる事を止めないィ!!」
レン「何やってんだか・・・収拾が着かなくなりそうだからここで締めるか、そんな訳で今回もこんな駄文を見てくれてありがとな」
レン「それではまた次回お会いしましょう」