東方吸血王   作:龍夜 蓮@不定期投稿

16 / 27
龍夜「また投稿が遅れてしまった・・・・・・」

フラン(極夜)「何やってんだよ・・・・・・」

レン「全く成長しないな・・・・・・」


繋がる記憶

冥界――――――上空――――――

 

 

「・・・・・・」

 

(極夜・・・おい聞いておるか?・・・・)

 

「・・・・・・」

 

(お主が何を考えているかは大体分かる・・・だが、今は異変を解決する為に動いている身・・・余計な事は余り考えないほうがよいぞ・・・・・・)

 

「分かっているよ・・・・・・だけど・・・・・・いや・・・なんでもない・・・」

 

極夜は今現在、激しい頭痛に襲われていた。・・・・・・なんだ・・・・・・この頭が握りつぶされそうな痛みは・・・・・・それにこの記憶は・・・・・・

 

―――――ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!・・・いいよ、その絶望に満ちた顔・・・さて、このままだと・・・この世界はどうなるかな・・・・・・

 

―――――コロシテヤル・・・コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス・・・・・・例エ弟ダロウトコロス!!!!!!!!

 

―――――兄さんはアテナを失った悲しみから逃げる為にこの世界に来た・・・そしてまた守るべき物を見つけた・・・その守るべき物を全て壊されたら・・・兄さんはどんな表情をしてくれるのかなァ!!!!!!

 

―――――例え、僕を封印しようと・・・僕が掛けた呪いは一生消える事は無い・・・兄さんの罪はどんな事があろうとも消える事は無い・・・それに僕はいずれ蘇る!!その時がこの世界の終焉の時だ・・・・・・・

 

―――――本当にこれで宜しいのですか?・・・これ以外にも道はある筈なのに・・・・・・

 

―――――御免な、映姫・・・だけど、俺はもう疲れた・・・ゆっくり休ませてくれ・・・・・・

 

―――――逝かないで・・・私を置いて逝かないで!!

 

―――――御免な、紫・・・永琳や、輝夜、さとり達に伝えておいてくれ・・・さようならって・・・・・・

 

 

(・・・・い・・・・お・・・・の・・・か。おい、聞いておるのか!)

 

「ッ!?あぁ・・・ちゃんと聞いているよ・・・・・・」

 

駄神の声が極夜を現実に引き戻す。また・・・・・・あの時のように俺は失うのか・・・いや、何も考えるな!今は異変を解決する事だけを考えろ・・・・・・

 

暫く飛ぶと大きい屋敷が見えた・・・そして門の前に一人の少女が倒れている・・・・・・

 

「おいッ!?大丈夫か!!誰がこんな酷いことを・・・・・・」

 

銀髪で背中に二本の刀を背負った少女は酷く衰弱していた・・・このままだとこの子の命が危ない・・・・・・

 

「復体『ドッペルゲンガー』!」

 

『マスター何か・・・・・・って、この子は!?』

 

「詳しい話は後だ、お前はこの子を治療してやってくれ・・・俺と爺はこの先に用事がある・・・・・・」

 

『分かりました・・・無茶だけはしないで下さい・・・・・・』

 

「分かっている・・・・・・」

 

そして極夜は門を飛び越え、中へ侵入した・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃幻想郷では未だに雪が降っていた。そんな中、人里から離れた空の上では様々な色の弾幕が飛び交っていた。

 

「墜ちなさい!霊符「夢想封印」!!」

 

楽園の素敵な巫女『博麗 霊夢』はお得意の夢想封印で後ろから執拗に弾幕を放ってくる妖精達を撃ち落としてゆく。今の彼女の心境はとても穏やかとはとても言い難い。目は腫れ、スペルカードを持った手から血が溢れていた。普段の彼女は異変の主犯の元に行く時はゆったりとして緊張感も持たずに行く事が多々ある。しかし今の彼女はとても焦っていた、彼女はまた飛ぶスピードを上げ一直線に冥界へと向かっていた。

 

 

―――――――――なんで・・・なんで私は、こんな大切な事を忘れていたんだろう・・・早く、早く行かないと・・・あの人が、死んでしまう・・・・・・

 

 

霊夢の目から一粒の涙が零れ落ちた。しかし彼女は直ぐにそれを拭い、また飛ぶスピードを上げた。何故霊夢がこれ程迄に焦り、異変の主犯が居る冥界に向かっているのか。それは約二時間前の事だった。

 

 

 

二時間前――――――――博麗神社――――――――

 

 

「そろそろ魔理沙か咲夜辺りが異変を解決したかしら・・・・・・」

 

賢者『八雲 紫』が去った後、『博麗 霊夢』はその場から動く事はなかった。霊夢はさっき紫から聞いた『星屑 極夜』の名前が頭から離れなかったのだ・・・普段だったら大好きなお茶を啜って煎餅や羊羹を食べ直ぐ嫌な事や気になっている事を忘れるのだが、煎餅は全て食べ切ってしまっており、羊羹もこの前魔理沙に強奪されたので生憎切らしていたのだ。

 

――――――――煎餅も全部食べちゃったし、そろそろ人里に買いに行こうかしら・・・・・・

 

そんな事を考えていると突然スキマが出現し、そこから紫の式である『八雲 藍』が出てきた。普段の彼女は冷静だが今の彼女は普段の様子とは全く違い凄く取り乱していた。そんな藍の様子に流石の霊夢も驚く、何かあったのだろうかと・・・・・・

 

「あの人が・・・極夜様がここに来ていないか!?」

 

「はっ・・・?い、いや・・・・・そんな人来てないけど・・・・・・」

 

「そうか・・・すまない、邪魔したな・・・・・・」

 

そう言って藍はスキマの中へ消えて行った。

 

まただ・・・何でまた、その名前を聞かなくちゃいけないんだろう・・・・・・

 

そう思いながら霊夢は炬燵から出て、縁側へと向かった。外は未だに雪が深々と降っており止む様子は無かった。霊夢は溜息を一つ吐き、その場に座った。そして空を見あげるとこの神社に近づいてくる一つの人影に気付いた。

 

その者は『射命丸 文』文々。新聞という新聞を作っている記者で度々この神社に来る迷惑な客の一人だ。しかし、文の様子は普段とは全く違っていた。いつも営業スマイルを振りまいている彼女の表情はとても暗かった。そして文は霊夢の前に降り霊夢を見据え、口を開いた。

 

「お久しぶりですね、霊夢さん。魔理沙さんと咲夜さんから聞きましたが・・・まだ異変解決に向かってなかったんですね・・・いつもの貴女だったら面倒事は直ぐ片づけてゆっくりすると思っていたんですが・・・・・・」

 

「別に私がどうしようと勝手でしょ。こんな寒い中お仕事ご苦労様って言ってあげたいけど、今は誰の顔も見たくないの・・・とっとと出てって・・・・・・」

 

「・・・霊夢さん、貴女本当に自分の親の事を忘れてしまったんですね」

 

文のその言葉に霊夢の目が鋭くなり、文を睨み付ける。文はそれを無言のまま受け止めていたが、少し経つと懐から一枚の写真を取り出し、霊夢の手に握らせた。

 

「藍さんと紫さんからこの写真を貴女に渡すように言われたので一応渡して置きます。この写真を見て、霊夢さんがどう行動するかは霊夢さん次第です。只、これだけは言って置きます・・・決して現実から目を背けようとしないで前に進んで下さい。では、私はこれで失礼しますね」

 

そう言って文はその場から飛び去った。その場に残された霊夢は渡された写真を見た。そこに写っていたのは幼少の頃の霊夢の姿、そしてその頃の霊夢の頭に手を置いて笑っている霊夢の母親の姿、そして霊夢の母親の隣に立っている男性の顔を見た瞬間、霊夢の頭を激しい頭痛が襲った。そして霊夢の脳裏に様々な光景が蘇る・・・・・・嘗て、彼女が失った大切な記憶が・・・・・・

 

―――――――――お父さん!また新しい技覚えたから戦って!!もし勝ったら今日の夕食豪華にしてほしいな~なんて・・・・・・

 

―――――――――はいはい、分かったよ・・・じゃあ、行くぞ!!

 

―――――――――お父さん・・・一緒に寝ていい・・・・・・?

 

―――――――――霊夢・・・そろそろ一緒に寝ないで一人で寝ろよ・・・・・・

 

―――――――――お父さん、なんで泣いているの?

 

―――――――――いや・・・なんでもないよ・・・・・・

 

―――――――――霊夢、よく聞いて頂戴・・・極夜は・・・貴女のお父さんは・・・もうこの世界に、幻想郷に居ないわ・・・・・・

 

―――――――――嘘よ、お父さんは約束したのよ・・・絶対一人にしないって・・・私と約束・・・した・・・のに・・・・・・

 

―――――――――貴女の記憶を封じさせて貰うわ・・・本当はやりたくないけど・・・ごめんね・・・霊夢・・・・・・

 

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・今の記憶は・・・・・・」

 

その記憶の中に幼い頃の自分とよく夢に出てきた男性の姿があった。そうよ・・・なんでおんぶされた時気付かなかったの・・・なんで・・・私は・・・こんな大切な記憶を・・・・・・

 

「お父・・・さん・・・」

 

私の目から涙が溢れた・・・私は渡された写真を抱きしめ、大声で泣いた・・・久しぶりだった。こんな大きな声で泣いたのは、幼少の頃父親に無断で妖怪退治に行って、死にそうになった時以来だった。私はお父さんが死んだと聞いた時、嘘だと思った・・・いや、死んだという現実が受け止めきれなかった。私は死にもの狂いで修行した・・・強くなればお父さんは絶対に帰ってきてくれるという淡い希望を信じて。でもお父さんは帰って来なかった、そして自殺しようとしていた時、紫が私の目の前に現れ私の記憶を封印した・・・そして私の記憶から『星屑 極夜』は完全に消えた。それ以降は私は母親の事しか思い出せず、異変を解決して魔理沙達と宴会で酒を飲み明かし縁側でお茶を啜るそんな日々を送った・・・そして一ヶ月前、紫の暇つぶしで私は幼児化してしまい上手く家事が出来ず年が幼くなったせいなのかは知らないが、出掛けるのが怖くなり神社から出てこれなくなった。そんな時、神社に客が来た金髪の長髪で背中に虹色の翼を生やし赤黒い服を身に纏った一人の男性が。私はその人が誰だか分からなかった・・・そしてその人が妖力を持っていると分かると私は本能的にスペルカードを使い、彼に攻撃した。結果は私の負けだった。幼児化していたせいか、私は相手の攻撃が当たった瞬間つい泣き出してしまった。そんな私をあやして私に飴を握らせ彼は私をおぶった、その時だ私はその人の事をお父さんと呼びそうになった・・・あの時はお父さんがいたらこんな感じで甘えていたのかなという私の気持ちで、彼が私の父親とは微塵も思っていなかったのだ。でも今なら分かる・・・フランが・・・私の父『星屑 極夜』だと言う事が・・・・・・。

 

暫くして私は目尻に溜まった涙を拭い、静かに立ち上がった・・・弱音は吐いていられない・・・それにお父さんはいつも言っていた・・・『大切な人を目の前で失うくらいなら俺は自分の命すら投げ捨ててその人を助ける』と今度は自分がその言葉を実践する時だ。

 

私は蔵へ行きいつも使っているお祓い棒を取り出し、霊力を纏い空へ飛び立った。大切な物を守る為に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻前―――――――――某所―――――――――

 

 

「星砲『スターライトブレイカー』!!」

 

「禁忌『レーヴァテイン』!!」

 

「黄泉『死者の悪戯』!!」

 

襲いかかってくる妖精達をスペルカードでなぎ倒して行く三人の人影・・・その者達はこの次元世界の住民では無い。一人は祖龍一族唯一の生き残りであり祖龍と修羅神の種族両方を合わせ持つ存在『レン・リュウヤ』。もう一人はレンに封印されレンの中に封印された闇に触れ具現化した存在、吸血鬼でもあり最高神ゼウスの部下、狂神王『アイ・スカーレット』。最後の一人は黄泉の国の統率者でもあり最高神ゼウスの補佐でもある、黄泉の神『ハデス』。彼らは普段は余り他の次元へ出向く事は無いが今回はレンとアイの個人的な理由でこの次元世界の幻想郷へと赴いているのだ。それは友人であり共に戦った戦友の『星屑 極夜』に会う為だった。ハデスは興味本位で付いてきただけで極夜の事は詳しくは無い。だが極夜と連絡が取れず、幻想郷から春がある一か所に集まっている事を知り、レン達三人は冥界へと向かっていた。

 

「全く、ゴキブリみたいに湧いて来るんだけど!・・・いい加減やめて欲しいよ。ゼウスお爺ちゃんの任務で徹夜続きだって言うのに・・・・・・」

 

「愚痴言いたくなる気持ちも分かるが、神王になったばかりのアイにはあれ位が丁度いいだろ。俺やハデスのほうがもっとめんどくさい任務やっているんだからな」

 

「そうだよ・・・。ゼウスは君の事を信頼しているからね、それに愚痴を吐くなら酒の席だけにしてくれよ」

 

「はいはい・・・それより、極夜が冥界に居るのは本当なの?お兄様」

 

「あぁ・・・念話しても極夜にも一緒にいる駄神にも連絡がつかない。それに春の気が冥界のある一か所に集まっている。どうにも嫌な予感がしてな・・・・・・」

 

「はぁ・・・せっかくの休日なのにこんな事に巻き込まれるとは。私もついてないな・・・・・・」

 

「すまないな、ハデス。また厄介事に巻き込んでしまって」

 

「慣れているしいつもの事だから気にしてないよ。それより早く向かわないと」

 

「あぁ、そうだな・・・じゃあ飛ばすぞ!しっかり付いて来い!!」

 

「了解~」

 

「了解したよ」

 

 

 

 

極夜・・・絶対にあの力は使うなよ・・・お前があの力を使いこなかったら・・・この世界は『終焉』を迎えてしまうからな・・・・・・




龍夜「今回も解説・・・といきたい所ですが、今回は解説は無しです」

レン「無いのかよ・・・じゃあ一つ質問するが、なんで俺達を出したんだ?」

龍夜「まぁ、一度向こうの世界に関わっているからっていうのが主な理由ですね。別に戦闘に参加させる気はありません。だってこんなバクキャラ達戦わせたら極夜の見せ場が無くなってしまいますしね・・・・・・」

アイ「てか、私の事に関して説明したほうがいいんじゃないかな・・・・・・」

ハデス「いや、そこを説明したら駄目だろ・・・本編じゃ、まだなっていないし・・・・・・」

龍夜「そんな訳で今回はここまで。今回もこんな駄文を見てくれて有難うございます」

龍夜&レン&アイ&ハデス「「「「それではまた次回お会いしましょう」」」」



※活動報告でアンケートを実施しています。よかったら答えて下さると嬉しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。