隻眼の猛将、恋姫無双の世界へ   作:恭也

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戦闘場面って書くの難しいですね。
イマイチ上手く書けないです、すいません。

こんな思いつきだけの作品を待っていてくださる方々には感謝しかありません、ありがとうございます。


第七話 肩慣らしには丁度いいか

覇気を纏って子供達を怯えさせてしまってから1月程経った。

俺は今、この世界で初めての戦に向かっている。と言っても洛陽付近に現れた小規模の賊を討伐に向かうだけなのだが、やはりかつての俺が最後に参戦した戦からは十数年経過している。いくら体は若く、戦の記憶があるとは言え緊張するな。

 

ただ一つ疑問なのは・・・。

 

 

 

何故俺は黄蓋と進軍を共にしているんだ?

 

確かに今回の討伐は父の部隊と孫堅の部隊に命令が下りた。なので父と孫堅が共に進軍するのはわかる。

だが俺と黄蓋が共に進軍する必要は無いだろう。しかも黄蓋の副将という立場にされている、何故だ?

その黄蓋を見るととても愉快そうな顔をしている。何か良いことでも有ったのだろうか。

 

とにかく俺の初陣だ。剣の手入れは万全、準備も抜かり無い。何時でも行ける。

今までの修行の成果を試してみるか。

 

 

 

 

偵察は大事だ。それは分かる。分かるが・・・。

 

何故俺と黄蓋の2人だけなんだ?

途中で黄蓋に聞いても直ぐに分かるとしか言わない。何がしたいんだ?

 

 

俺と黄蓋は賊の拠点らしき砦の裏側の高台にある森の中に潜んでいる。

どうやら砦の正面から父と孫堅の部隊が攻めて、賊が迎撃に出た所を裏から攻める様だが・・・いくら少数の奇襲が有効とはいえ、俺と黄蓋の2人だけなのはどうなんだ?それにここからどうやって砦を奇襲するんだ?飛び降りろということか?

 

 

砦の正面の方が騒がしくなった。囮の戦闘が始まった様だな。

 

「そろそろ奇襲に向かうか?」

 

俺は黄蓋に聞く。

 

「うむ、頃合いね、行くわよ。」

 

黄蓋が俺に返す。

 

 

俺は返事を合図に走る。久々の戦闘だ、朴刀を握る手に力が入る。だがこの先の乱世を戦い抜く為に、俺は止まらない。

砦の裏の崖に来た。俺は迷い無く飛び降りた。

崖下には賊がいる、こちらには気付いていない。俺は足と朴刀に気を込めて・・・着地と同時に朴刀を地面に振り下ろす。

気を込めた朴刀が地面に当たり衝撃波が起こり、廻りにいた賊を吹っ飛ばす。

 

 

「な・・・なんだ!?」

「き・・・奇襲だーっ!!」

「うわああああっ!?」

 

奇襲等想像もしていなかったであろう賊は混乱している、その隙を逃すほど俺は甘くない。

 

「夏侯子雲・・・推して参る!!」

 

 

 

俺は砦内を走り回りながら賊を斬っていく。

向かってくる者、怯え逃げる者構わず斬り捨てる。既に数十人は斬っただろう。

 

「この餓鬼が!!死ね!!」

 

賊が俺に斬りかかってくる。

俺は朴刀で受け流し、そのまま斬る。人を斬る感触が朴刀を通じて手に、体に伝わる。

 

「な・・・何だこの餓鬼は・・・化物か!?」

 

賊は俺の姿を見て恐怖している。

朴刀も衣服も返り血をかなり浴びながら、それでも平然と子供が人を斬っているのだ。化物と思って当然だろう。

 

かつての俺も初めて人を斬った時にはもっと恐怖し、錯乱したものだ。だが今の俺は既に数千、数万もの敵を斬った経験がある。初陣であって初陣で無いのだ。

 

賊を斬って回りながら大将らしき奴を捜しているがまだ見つからない。囮の戦闘の方に出てしまったのかもしれないな。

砦内の賊は粗方斬ったし後は黄蓋に任せて正面に行こうと思っていると大男が現れた。

 

「てめぇかぁ?奇襲してきた餓鬼ってのは?」

「ああそうだ、貴様がこの賊の大将か?」

「そうだと言ったら?」

「知れたこと、さっさと討ち取らせて貰おうか。」

「生意気な糞餓鬼が、死んで後悔しな!!」

 

大男が持っていた斧を振り下ろす。俺は後ろに跳んで避ける。

大男は力任せに斧を振り回すが俺は全て避ける。

俺はわざと壁際に避けて、追い詰められた様に見せる。

 

「死ね!!糞餓鬼がぁ!!」

 

大男は斧を振り下ろす。

 

俺は腕と足に気を込めてその一撃を防ぐ。

 

大男が呆気にとられた隙を逃さず、俺は大男に朴刀を振り上げた。

 

「ぎゃあああああっ!!」

 

 

大男は断末魔を上げながら倒れた。俺は大男の首を斬り、それを持ち上げて高らかに声を上げた。

 

 

「敵総大将、夏侯子雲が討ち取った!!」

 

 

 

黄蓋視点

 

あの子供・・・とんでもないわね。

あの崖から何の躊躇も無く飛び降りた時には私も流石に焦ったわ。崖から覗き込んだ時には剣を地面に叩き付けて衝撃波を放っていた。

そこからの戦ぶりは堅殿以上のものを見た。私ですら初陣で人を殺めた時には恐怖し吐いたと言うのにそんな素振りは一切見せずに賊を斬っていく姿に私は戦慄を覚えた。いずれは堅殿や策殿の前に大きな障害として立ち塞がると私はこの時予見した。

夏侯恩殿はそれから砦内に残った賊をどんどん斬っていき、賊の大将らしき大男との一騎討ちも軽々と制して賊を壊滅させた。

今回の賊討伐が初陣とはとても思えないわ。あの戦働き、まるで何年も戦を経験している歴戦の将の様だわ。

夏侯恩子雲・・・どうにかしないといけないわね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

夏侯恩視点

 

賊の討伐を終えて洛陽に帰還している。

俺は父の部隊に戻っている。やはりこっちの方が落ち着くな。

しかし・・・黄蓋には明らかに警戒された様だな。まあ当然だろう、まだ子供である俺があれだけの行動をしたんだ、警戒や危険視されて当たり前だろう。

まあ父が洛陽での任期を近く終えて町に戻る事になっている。黄蓋や馬鹿ともさよならだ。

町に戻るのは4、5年振りだな。孟徳、元譲、妙才は元気にしているだろうか?

っと・・・いい加減俺も真名を呼ぶ事に慣れないとな・・・。

 




賊相手に無双っぽく戦ったらただのチートになりました。ただの賊ならしょうがないと思いたい。

黄蓋とどうなるかは自分でもわかりません。


次回は久々にあの3人と戯れるかも。

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