隻眼の猛将、恋姫無双の世界へ   作:恭也

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やっと出来ました。
待っていてくれた方もそうでない方もお待たせしました。

今回は新たなキャラが出ます。


第二一話 旅の再開、新たな出会い

孫堅の城に来てから数日経った。

俺と雛里は昨日から東に向かって旅を再開した。

 

何故昨日からなのかと言うと色々あったからだ。

 

 

本当なら翌日には手形を貰い旅に出るつもりだったのだが、雛里が二日酔いで寝込んでしまったのでまず1日ずれた。

更に手形を貰おうと孫堅の元を訪ねたら孫策と黄蓋と共に溜め込んでいたらしい政務をしていて4日程待たされた。

 

その際に周瑜を紹介された。周瑜は鞭を片手に3人が逃げない様にずっと見張っているらしく、時折見張りを代わってやった。

又溜まっていた政務が片付いた日の夜に気晴らしに酒に誘ったら、相当鬱憤が溜まっていたのだろう、かなりの酒を煽り3人に対する愚痴を散々聞かされた。まあ俺も従妹3人の愚痴を言ったのでお互い様だろう。同じ様な苦労をする者同士として酒を酌み交わし、真名も預け合ったのだがこれが更に余計な事態を招いた。

翌日に手形を貰いにいった時に周瑜が俺の真名を口走り、3人が周瑜を問い詰めた。俺はその隙に部屋を出ようとしたが、周瑜が白状してしまい逃げられず、今度は俺が問いただされた挙げ句3人と勝負させられる羽目になった。まあ勝負にはきっちり勝たせてもらったが。

そして3人からも真名を預けられた。

 

孫堅の真名が蓮虎、黄蓋が祭、孫策が雪蓮、周瑜が冥琳だ。

しかしこいつらの服はどうにかしてほしい限りだ。4人が4人とも女でも羨む様な体つきをしている上に布が少ない。正直目のやり場に困るし雛里が蔑んだ様な怨みが籠った様な目で俺を見てきて俺の心が責められる。雛里、頼むからそんな目で見ないでくれ……。

 

 

そんな事があり予定がずれたが、俺達は東、江東に向かい馬を進めているのだが雛里の機嫌がまだ悪い。前に座らせているから表情は見えないが明らかに怒っている雰囲気を纏っている。原因は俺とあの4人なんだろうが……どうにも声をかけづらい。

だが何時までもこのままでは俺が持たないので意を決して声をかける事にした。

 

 

 

「ひ…雛里…。」

「何ですか?巨乳好きな冬椿さん。」

「うぐ…頼むから機嫌を直してくれないか…?」

「何を言ってるんですか?私はもう怒ってませんよ?」

 

そう言って振り返る雛里は確かに笑顔だったが、俺はその笑顔を見て背筋が冷えたし明らかに不機嫌な雰囲気を纏っているんだが…。

 

「ただ私はどうしたら巨乳をこの世界から消滅させることが出来るのかを考えてるだけですから、もう怒ってませんよ。」

 

 

それを聞いて、俺は雛里に話しかける事が出来なくなりった。そして雛里の機嫌を損ねるのは止めようと心に誓って馬を進めるのだった。

 

 

 

???視点

 

 

私は今森の中に身を潜めて人が通るのを待ってます。目的は通りがかった人のお金や食べ物を頂く為です。そうしないと私は生きていけません。それしか生き方を知らないですし誰も教えてくれません、私はこの森で1人で生きてきましたから。

私はお兄ちゃんと一緒にこの森で生きてきました。お父さんとお母さんは私は知りません。お兄ちゃんが話してくれたのは暮らしてた邑が山賊に襲われて死んだって事だけでした。そのお兄ちゃんも少し前に死んじゃいました。お金を頂こうとした人が強くて私が殺られそうになった所をお兄ちゃんが私を庇って斬られちゃって…私はこの森に1人になっちゃいました。

それにしても最近この森を人が通らなくなっちゃいました。最後に人が来たのはもう10日も前で、最後の食べ物は昨日食べちゃって朝から何も食べてなくてちょっとフラフラします…。

そんな事を考えてたら近くに人の気配がしました。森の入り口の方に行くと馬に乗った男の人と女の子が森に入ってくるのを見ました。久しぶりの獲物です、絶対に食べ物を頂かないと…。私は慎重に2人に近付きながら背中に背負ったお兄ちゃんの剣に手をかけました。

 

 

???視点終了

 

 

 

東へと馬を進めて2日経ち、森に差し掛かった。直前に立ち寄った邑で仕入れた情報だとこの森を抜けるのが建業への最短距離らしいが、賊が頻繁に現れて金や食料を奪っていくらしい。しかもかなりの手練れで現れるまで気配が全くしないそうだ。それほどの手練れなら普通の行商人や護衛では太刀打ち出来ないだろうな。

だが俺には通用しない。なので森を抜ける事にした。雛里は慌てていたが俺は大丈夫だと雛里の頭を撫でてやった。

 

そして俺達は森の入り口まで来た。俺は森の中の賊の気配を探ってみたが人の気配を感じない。この森の広さがどの位なのかは知らないが、俺の気配探知の広さは陳留の街の端に居ても反対側の端にいた春蘭の気配を探知出来る程だ。つまりこの賊は相当気配を消す事に長けた奴だと言うことになる。

このままでは賊を見つけ出す事は出来ない。なら誘き寄せるしかない。俺は馬を森の中に進めた。雛里が怯えた様子で俺にしがみついてくる。俺はあえて馬の足音が辺りに響く様に歩かせて賊の気配を探る、範囲はこの近くに絞る。俺の気配探知力は範囲を絞れば絞った分精密になるが、もしこれで見つけられなかったら俺もお手上げだ。しかし微かながら気配を感じ取る事が出来た。正確な位置までは解らないがおおよそ何処にいるか判れば動きやすいからな。

どうやら賊は1人らしく、付かず離れずつけてきている。おそらく期を伺っているのだろう。どうするべきか考えていると雛里が立ち寄った邑で調達した果物を取り出して渡してきた。なるほど、更に餌を撒いて引き寄せるか。俺は果物を受け取るとあえて賊に見せつける様に持つ。一瞬だが賊の気配が揺れた。そして近付いてくる。俺は果物を賊に向かって投げると馬を降りる、と同時に馬の腹を蹴り馬を森の外に向けて走らせる。馬に残した雛里に一応馬術は教えているから止める位は出来る筈だ。

俺は賊の方に向き直る、そこには目を疑いたくなる奴が居た。

 

 

俺の前には身の丈よりも長い剣を背に背負い、投げた果物が当たったであろう額を擦る少女が居たのだから。




投稿頻度は遅いと思いますがなんとか続けていきますのでこれからもよろしくお願いいたします。

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