隻眼の猛将、恋姫無双の世界へ   作:恭也

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今回は繋ぎ的な話です。

アンケートを取らせて頂き、今後はオリジナルで展開させていきます。原作遵守が希望だった方には悪いですが、オリジナルの方が書きたいように書けるので色々変えてみたいと思います。


第十一話 飛躍への足掛かりと俺の準備

凪と会い、華琳達の機嫌を直すのに苦労してから1年。

俺は15になり、華琳達は13だ。

 

大分政務も進む様になったし、町の治安も警備により良くなってきた。商人の出入りも盛んになってきたし、盗みや食い逃げ等の被害もかなり少なくなってきた。

治安や流通が良くなると人も自然と集まる。最近は兵に志願してくる者も多くなってきた。兵が増えれば治安改善が進み町の活性に繋がる。良い様に回ってきたな。

 

そんな中で華琳に洛陽から陳留の太守に命ぜられた。この町からは少し離れるがこの町も領地になるから治める土地が増えたと喜ぶべきだろうな。

ただ洛陽から命を伝えに来た勅使があろうことか賄賂を要求してきたので痛い思いをして帰ってもらった。

さて、陳留の太守に命ぜられたので拠点を陳留に移す事になるが当然町の住人達はここが疎かになることを恐れるので、一先ずは兵になって長く警備経験も多い兵達を町に残し、定期的に兵を入れ替える方針にする事にした。そうした方が住人も安心だろうし、陳留でも警備隊を作る積もりだから大丈夫だろう。

 

俺達は一月程で移動の準備や町に残す兵の選別を行い、陳留に向かう日になった。

町の殆どの住人が見送りに出てきてくれたらしく、大通りには住人が溢れていた。

これは・・・嬉しいな。春蘭も秋蘭も嬉しそうだな。華琳も満更でもなさそうだ。

 

町の門まで来ると残していく兵達が待っていた。俺は警備隊の隊長に任命した兵に話しかける。

「済まないな、残していく兵達を頼むぞ。」

「はっ!!お任せください、夏侯恩様も陳留での新たな警備隊発足、頑張ってください!!」

「ああ、この町を頼んだ。」

 

 

兵達や住人に見送られて俺達は陳留に向けて出立した。

 

 

 

 

 

町を出立から3日で俺達は陳留に到着した。ゆっくりした行軍だった上に途中で発見した賊を討伐しながら3日で到着なら早馬なら1日かからず町に行けるな。

陳留の街に入ってみるとやはり寂れているな。俺が洛陽から戻った頃の町よりも酷いかもな。前任の太守は相当駄目な奴だったんだろう。

俺達は城に入城し、街の長との謁見を行なった。それから華琳と秋蘭と俺で街をどうしていくかの話し合いを始めた。春蘭には兵達を連れて街の様子を見てきてもらっている。街をどうしていくかだが先ずは治安改善が第一なので直ぐにでも警備隊を発足させようと思うが、陳留は俺達の町と比べると倍以上の広さで今いる兵の数ではかなりの負担になってしまう。徴兵してもすぐには集まらないし、今の俺達の名声では効力もないだろう。

それに今の陳留は財政も厳しい様で今すぐ兵を増やすのは得策では無い。

先ずは財政回復と治安向上が第一だ、俺は陳留の治安向上と流通向上を主に担当する事になった。ちなみに華琳と秋蘭は財政面を担当し、春蘭は賊の撃退や兵の鍛錬を担当する。まあ妥当な配置だろうな。

 

 

俺は早速街中を歩き回り、陳留の見取図を作成した。この見取図を元に警備隊の巡回路を決めると同時に治安の良い地域と悪い地域を選別する。そして治安の悪い地域から優先的に向上を進めていく。

治安の良し悪しを比較すると良い地域と悪い地域の差がかなり酷い事が分かった。悪い地域は死体が転がり犯罪は日常的だった。

俺は数人の兵を連れて最も治安の悪い地域に向かい、犯罪を犯した奴等を全員牢にぶちこんだ。それから兵達と共に死体をちゃんと弔ってやり、通りを掃除し、損壊の酷い家々の補修を行っていった。

一通り済ませると見違える様に綺麗になり、住人にはとても感謝された。ちなみに罪人達は罪の軽い奴は兵として徴兵し、重い奴は全員罰した。犯罪を犯した者がどうなるかを住人にはっきりさせる為に、最も重い処刑は住人達の前で行なった。これが効いたのか、陳留に来てから2月で犯罪は激減した。

賊も春蘭が返り討ちにしているし、華琳と秋蘭が財政面も回復させてきた。

陳留に移って6月もたった頃には大分改善された。治安はかなり良くなり人も増え商人も来る様になった。

 

 

 

そんな中俺はこれからの行動の為に商人達を通じて大陸の他の地がどうなっているかの情報を集めている。恐らく黄巾の乱が起こるまで後4年程だ、その4年で大陸を廻ろうと思っている。上手くいけば華琳の元に良い人材を回す事も出来る。

行く先の目星は付けてある。建業、成都、天水、西涼、幽州、それから荊州にある水鏡先生の私塾だ。それぞれの地で人材探しをするが向かう理由は別にある。

建業には孫堅がいる筈だし、いずれは攻める事になる地だ、だから地理を理解しておきたい、成都も同じ様な理由だ。

天水や西涼には董卓や馬謄を見ておきたい、それに董卓の陣営には呂布や張遼がいる筈だから将も見ておきたい。

幽州は劉備がいる筈だ、華琳の最大の敵になるであろう劉備がどんな奴か見たい。もしかしたら関羽もいるかもしれないしな。

水鏡先生の私塾には軍師を探しに行く、うちには軍師がいないから重要だ。

ただ1つ不安がある。恐らく俺の知る将はことごとく女だろう。つまり勧誘するために女を口説く事になる。正直上手く出来る気がしない。女を口説くなんてしたことが無いししようとも思ったことが無い。いくら乱世を勝ち抜く為とはいえ………俺に出来るだろうか………。

 

 

そんな不安を抱えながら街の警備と商人達からの情報収集を行う毎日だ。

 




活動報告のアンケートに自分案のキャラ入れ替えを書きました。
皆様も良ければキャラの異動案や今後の展開の希望等を活動報告にお寄せください。


次回から夏侯恩は本格的に行動を開始します。

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