バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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さて今回も予定ギリギリの投下です。

いやはやそろそろ話数が十を超えますね。


ついに勇者登場です。

ちょっとオリ設定を含みます。


第8話 勇者は学校の先輩で、シスターは殺し屋で、同級生はメイド、果てに僕は戦闘員

明久は勇者の正体が学校の先輩である長谷部翔希だと知りとても驚いた。

 

吾川さんが銃を撃ったとき先輩はとっさに剣で銃弾をはじいた。

 

その銃の反動で吾川さんは階段を転げ落ち、その後白い巨人に捕まえられた。

 

先輩は巨人に突撃していったので僕はナイフをせめて援護になれとありったけ投げた。

 

結果、巨人は消滅し、吾川さんは先輩に助けられた。

 

それを確認して今明久は投げたナイフの回収をしている。

 

 

 

・・・・・回想終了

 

 

 

鈴蘭と翔希はお互いに黙り込んでしまっている。

 

何せこんな一般人のかかわらないところで学校の先輩(後輩)と会ったのだ、かたまりもするだろう。

 

「あの・・・・吾川?」

 

「な、なんでしょう先輩?」

 

「どうしてこんなところに君が?」

 

「それは先輩もでしょう?」

 

「「・・・・・・・・」」

 

「えっと吾川のそれは拳銃だよな?」

 

「先輩のは剣ですよね?」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

再び沈黙。

 

「まあまあそこまでにしたら」

 

ナイフを回収し終えた明久が言う。

 

が、しかし翔希はそこでいきなり剣を抜き明久に突き付けた。

 

「なぜ、吾川をこんなことに巻き込む!何が目的なんだ!」

 

きつい口調で明久を問い詰めた。

 

「えっと・・・・・・・先輩何を?」

 

明久はわけもわからず聞き返す。

 

「は?・・・・・・先輩?」

 

「あの・・・先輩が攻撃しかかったのって吉井君ですよ。観察処分者の」

 

「え・・・・」

 

明久をじっと見る翔希。

 

「ああ、悪かった。でもプロ並みの動きだったぞ。」

 

どうも翔希も明久も有名なのだが翔希は明久の顔を覚えていなかったらしい。

 

まあ接触もほとんどなかったし、明久がモテる翔希を異端者としてマークしているだけなのだから。

 

「ところでさっきの白い巨人はなんだったんですか?」

 

「そんなものいたか?」

 

「「いやいや、いましたって!」」

 

ごまかそうとさらっと嘘をつく翔希だったが、この状況ではまあ無駄である。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

何かを考え込んでいた翔希だったが、やがて口を開き、

 

「知ってしまったら仕方ないか。このことは誰にも言わないでくれよ」

 

そう前置きした。

 

「あれはミストゴーレム。ゴーレム系のモンスターだ」

 

「へぇぇぇーーーー」「は?」

 

(うわあ・・・先輩バカっぽーい・・)

 

とあきれる鈴蘭とは正反対に明久は目を輝かせ。

 

「ゴーレム系ってことはほかの系のモンスターとか。ほかのゴーレムとかもいるんですか?!」

 

「まあ・・・・いるな」

 

食いつき気味な明久に対して翔希は引き気味だ。

 

「それで先輩は勇者ってわけですね。」

 

「ああ、よく分かったな」

 

「あーあ、バラしちゃったっすね。」

 

 

 

 

 

 

そこには駅前などでビラ配りをしているシスター姿の女性が立っていた。

 

 

 

 

 

 

腰のベルトに拳銃をさして・・・・・・

 

 

 

「・・・・クラリカ」

 

展望台から踊り場に降りてきたその女性を翔希はそう呼んだ。

 

「ダメっすよー、翔希さん。こちらに関しての不用意な発言はこっちの迷惑以上にそっちの人たちを

巻き込むんすよ」

 

どうも彼女も第3世界の住人らしい。

 

「知りあい見たいっすけど、どちらさんですか?」

 

「この子は吾川鈴蘭と吉井明久。うちの学校の後輩だ」

 

「へぇぇーーーーー。明久君ってバカっぽい顔っすね。鈴蘭さんはかわいいっすねえ。翔希さんの彼

女かなんかっすか?」

 

「バカなことを言うな。・・・・・ただの・・・先輩後輩のだな・・」

 

なっ、という風に翔希は鈴蘭のほうを見る。

 

それにあいまいな風に鈴蘭はうなずき返す。

 

鈴蘭にとって翔希はあこがれの先輩なのだが、さっきの明久並みのバカっぽい行動がとても印象強く

なってきた。

 

ちなみに明久は負のオーラを全身から立ち上らせていた。

 

明久から見れば今の翔希の状態が女連れのチャラチャラした勇者でしかないのである。

 

「まー、汝嘘をつくことなかれですがここはシスター・クラリカが多めに見ましょう」

 

「あっ、やっぱりシスターなんですか?」

 

「ああ彼女は神殿教会のシスターだ。それで・・・」

 

そこで何と説明しようかと翔希は考え込む。

 

「まあ、勇者のお供ってところっす。翔希さんそういえばこの子らなんでメイド服やら戦闘服やら来てるんですか?」

 

「そういやそうだな。というかそれで明久が吾川に何かさせようとしているのかと思ったんだ。」

 

なるほど服装の問題だったようだ。

 

と、そこで鈴蘭は自分たちは現在悪の組織所属でいわゆるショッカー戦闘員みたいなものだと思いだす。

 

つまりそれが勇者のお供になんかばれたら大変なことだろう。

 

鈴蘭が反論する。

 

「そんなのクラリカさんの格好だって」

 

「シスターですから」

 

「その腰の拳銃は?」

 

「シスターですから」

 

「あっUFOが」

 

「シスターですから」

 

どうやらこの人に口では勝てないようだと、鈴蘭は思った。

 

ならば翔希はと会話の矛先を変える。

 

「そういや先輩レベルとか言ってましたけどどうなったんですか・」

 

「そうだ!クラリカ俺はレベル20になれたのか?!」

 

「ああ、ダメっすね。ミストゴーレムにとどめを刺したのはそこの明久君ですから。経験値は明久君のもんになってるっす」

 

「なっ、そんなお前いったい何もんなんだよ?!」

 

翔希が驚きの声を上げる。

 

ただでさえモンスターに一矢報いただけでも、素人がそれを成し遂げたことは快挙なのだ、それがと

どめを刺したなど想像を絶する事態である。

 

「いやいやナイフを投げることくらい誰にでもできますよ。それと経験値ってそんなゲームみたいなもんまであるんですか?」

 

「ああ、魔物を狩ることでその魔物の持つ魔力をいくらか手にするみたいな感じなんだよ」

 

「ということは僕にも魔力が?」

 

「ああ、ダメっすねほとんどいってないっす。ふつうミストゴーレムなら一般人を1から3くらいま

で上げられるんすけどね?」

 

と、クラリカは腕時計のようなものを見ながら言った。

 

「先輩は何でレベル上げを?」

 

「翔希さんのレベルじゃ受けられない任務があってそのためにレベルが20でないといけなかったん

すよ」

 

「そうですか・・・・」

 

そして鈴蘭は改めて聞く。

 

「その機械は何ですか?」

 

「これはマジカライズインジゲーターと言ってモンスターを狩った経験値なんかを図れるっすよ」

 

「なんか現代的ですね・・・・・・・」

 

呆れながら鈴蘭も言う。

 

「まあ昔は教会まで言って主のお告げをもらわなきゃいけなかったっすけど、これがなかなか便利なんすよ。たとえばここのモードを変えて鈴蘭さんに向けると」

 

ピーっ!という電子音とともに-1と表示される。

 

「えっとマイナス1ってどういう?」

 

「鈴蘭さんには不位置の魔力があることが検出されたっす。未確認情報じゃなく、正式に聖なる巫女になれる資質が確認されたっす」

 

「「は?」」

 




どうでしたか?今回もリップルラップルと一緒にお送りします次回予告兼あとがきです。

「感想があれば受け取らないことはないの。」

そうです依然来ないので、感想暇があれば書いてください。

「来ないのは人徳がないからなの」

そうですか。今迷っているのですが明久のヒロインが決まっているということですが、タグに書いたほうがいいと思いますか?それとも本格的にそういう感じになってきてからがいいですか?
ご意見待っています、。というかさっさと知りたいという方でも構いません。

「案外私かもなの」

こらそこ問題発言しない。明久がロリコンってことになるから。

「そういう展開がないと言い切れるの?」

それは知りたいという人が出るかにかかっています。

これくらいでいいでしょううか?

「まあ待つの今日の仮面ライダー鎧武の予告には驚いたの」

全くです。次の五話で鎧武ノ第三のアームズが出るとはむちゃくちゃ展開が速いですね。

「しかしミストゴーレムを倒すとはなかなかやるの」

FFF団との戦闘、鉄人からの逃走劇のたまものです。

「まったくそれだけで強くなるなら苦労しないの」

まあ鉄人は並の人間の域を超えていますから。」

「そういえば作者がキャラクター紹介にイカレシスターとバカ勇者にお茶の間のアイドル司教を加えたの」

「はい加えました。そろそろ次回予告に移ります」

次回 聖女になれるといわれた鈴蘭は?

   悪の組織の社長と勇者が遭遇すると?

   一般人(笑)の明久の運命は?!

   第九話 カッターで戦える人間はナイフでも戦える   

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