バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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最近ハイスクールD×DのSSにはまっています。

しかしこのss一巻が一体いつになったら終わるのかという状態です。

明久の本領を発揮させる予定の回が外の姫と獄の弓の間。

早く明久覚醒回を書きたいです。

バカテスってある意味クロスオーバー万能だと思うんですよね。


第7話 バカですバカがいます

凄まじいオリエンテーションを終えて部屋で寝かかっていた明久は突如部屋に取り付けられたスピーカーで起こされた。

 

 

≪すぐに門の前に来い。でかい仕事だ。急げ≫

 

 

簡潔な面倒事の知らせだった。

 

 

 

現在、明久はジェットコースターに乗っている気分だった。

 

車はすごい音をがなり立てながら、高速道路をものすごいスピードで突っ走っている。

 

運転席にいるのは伊織貴瀬。

 

散々運転させられていた鈴蘭は現在助手席でビビりまくっている。

 

ちなみに明久は後部座席である。

 

「社長、ジェットコースターみたいなんですけどいったい何キロ出してんですか?」

 

聞いて鈴蘭も不思議に思ったのか計器を恐る恐る見たがあわてて目をそらした。

 

「たかだか240キロだ気にするな」

 

法定速度とはなんだったのか?

 

「はぁ・・・・。でどこに向かって…・げぅっ!!」

 

車は急ブレーキとともに進路を変え、インターチェンジを旋回しつつさらに加速し、料金所をありえない速度で抜けた。

 

「ご主人様、ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

鈴蘭はもういやだという気力も残っていなかった。

 

「そうはしゃぐな。今回ばかりは急ぎだから仕方がない」

 

「急ぎって重要なことなんでしたよね?」

 

と、明久は問う。

 

「ああ、今回はうちの敵を邪魔してもらう。」

 

「「敵?」」

 

「正義の味方だ」

 

 

 

車は霧の深い峠を法定速度で登っていく。

 

「正義の味方って・・・・・・・」

 

「悪の組織の敵がほかにあるか?」

 

「改造人間もあるくらいだから会って当然でしょ」

 

明久はこともなげに言う。

 

彼はだいぶ第3世界になじんできているようだ。

 

「明久の言うとおりだ。それに今回はその中でもとびっきりの勇者だ」

 

「勇者って・・・・・・・ご主人様バカじゃないですか?」

 

 

 

ガツンッ

 

 

 

「いったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「バカとはなんだこのくそバカ給仕!!!」

 

「いやでも勇者なんて、そんな馬鹿な」

 

ゴツンッ、ゴツンッ

 

「ごめんなさいごめんなさいもう言いませんから」

 

またもや鈴蘭は涙目になっている。

 

「そういや社長、勇者がいるってことは魔王もいるんですか?」

 

「いや、いないが」

 

「吉井君でも外すんですね」

 

大概第3世界のことには勘が働いていたが今回は外れたらしい。

 

「あの・・ご主人様・・」

 

そこで何かに気が付いたような鈴蘭が言う。

 

「勇者って、何か神殿教会とかかわりが?」

 

「バカなのによく気が付いたな」

 

「バカは吉井君の専売特許ですぅぅぅぅ」

 

「ひどいよ。それは」

 

明久は落ち込み気味である。

 

「まあ、今は公にされていないがそのうちフェリオール同様教会のマスコットになるだろう」

 

フェリオールというのは神殿教会の宣伝でよく見る司教である。

 

「その勇者様がそこの坂を上った展望台にいるわけだ。」

 

「で・・・あの何をすれば・・・」

 

「一発かまして来い」

 

そういって伊織は黒いものを鈴蘭に投げた。

 

「って、これって・・・・」

 

投げ渡されたのは拳銃だった。

 

「社長、僕には?」

 

「そんなこと言ってる場合ですか。これ撃ったら人が死ぬんですよ!」

 

「君らも銃弾なら昨日さんざんくらっただろ。君ら程度でも無傷だったんだ勇者に聞くわけがないだ

ろ」

 

「はぁ・・・」

 

「それと明久はこれでも持ってけ」

 

渡されたのはたくさんのナイフが収まったベルト。

 

「鈴蘭が撃ってから撤退時にでも使え。お前なら何とかできると信じているからな。お前の本当の実

力ならできるだろう?」

 

「分かりましたよ。社長がそこまで言うなら本気をお見せしましょう」

 

乗せられて調子に乗ってる明久であった。

 

「それでも・・・・・」

 

「仕留められたら20億の借金をチャラにして、あの屋敷を君に譲り、僕が君の執事になって靴にキスをしてやろう」

 

そんなことを言えるくらいに無理らしい。

 

はたまたそれほど見下されているのか。

 

しかしこの偉そうな人が自分に傅くというのはうれしくないとは言えない

 

これでも伊織はなかなかの美男子だ。

 

(お・・・・・お嬢様とお呼び?…・くくっ)

 

 

 

ゴッ!

 

 

 

「ったああああぁぁぁ」

 

伊織のこぶしが鈴蘭に炸裂した。

 

「涎を垂らしてないでさっさと行け!」

 

鈴蘭は涙目になりながらリボルバー拳銃片手に明久の待つ車外に出た。

 

が、そこで何かを思いついたように立ち止まり車内を覗き込んで言った。

 

「そういえばご主人様キスするだのなんだの私に言いますけど、もしかして私に気があるんじ

ゃ・・・・・」

 

とそこまで言って鈴蘭は車内の伊織の顔が鬼のような形相になっているのに気付いた。

 

「そんなことは、背中と胸の見分けがつくようになってから言え。このくそバカ給仕」

 

「むぅかああああぁぁぁぁ」

 

鈴蘭は思い切りドアを足で閉めてやった。

 

(ったく勇者だか何だか知らないけど一発で仕留めてやる。)

 

ッとそこで自分が怖いことを考えてることに気付いて、思い直した。

 

(はあ…私が勇者だったらうれしいんだけどな。)

 

等と考えながら階段を上っていった。

 

ちなみにその横では明久はナイフをいかに使うかを考えていた。

 

FFF団では文具すら武器とするのでナイフでも相当使いやすいものだったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ・・・・・急がないと!夜が明けてしまう!」

 

少年が霧の中叫んでいる。

 

声の高さから判断するに高校生ぐらいだろう。

 

「ふっ!はっ!・・・・・・はぁっ!」

 

東の空が白んでくる中彼は一人剣をふるっていた。

 

シャドウボクシングならぬシャドウ剣術?をするその少年動きがとんでもなく速い。

 

しっかりと目を凝らしているのに鈴蘭には時々目で追えなくなる。

 

動きなどから見てまず勇者だろう。

 

「俺は今日こそレベル20になるんだ!」

 

現在レベル19のようである。

 

((勇者にレベルとかあるんだ・・・・・))

 

この時鈴蘭は初めて伊織から受け取った携帯電話を使った。

 

「・・・・・あ、もしもしご主人様」

 

《なんだ鈴蘭。どうかしたのか?》

 

「バカです!吉井君並みのバカがいます!」

 

《は?》

 

「ちょっとひどいよ吾川さん」

 

「なんか一人で叫びながらチャンバラごっこ・・・・・」

 

《そのかわいそうなやつが勇者だ。そいつの脳天にでも鉛玉をぶち込んでやれ。どうせ死なんから遠

慮はいらん》

 

そこで電話は切れてしまった。

 

「どうすればいいかな?」

 

「まあ、撃っても勇者なんだから大丈夫じゃない?」

 

明久は能天気だ。

 

もうどうとでもなれという気持ちで鈴蘭は勇者に銃口を向ける。

 

(必殺の・・・・・一撃・・・!)

 

その割にきちんと狙っていた。

 

しかしここで鈴蘭には誤算があった。

 

始めて撃った弾丸はものすごい反動をもたらしたのだ。

 

訓練も受けていない女の子がその反動に耐えられるわけもなく。

 

「あれ!?うわあ!!きゃああああああ!」

 

思いっきり後ろに吹っ飛んだ。

 

つまり後ろは階段なわけで、まっさかさまに転がり落ちた。

 

「いったああああああああ!」

 

階段をおちた鈴蘭だったが、あわてて銃を拾う。

 

あわてて明久がこっちに来ようとしたが、いきなり鈴蘭は不自然な霧に捲かれた。

 

「へっ!えっ!あぐっ!」

 

さらにその霧は締め上げてきたのだ。

 

伊織は「死ぬ確率が非常に高い」と言っていた。

 

どうやらその通りのようだ。

 

(ああ、私死ぬんだ。)

 

鈴蘭はぼんやりと思った。

 

ピンチによって眠っていた力が目覚めるとかもないらしい。

 

世の中そんなもんだ。

 

鈴蘭の持つ唯一の持論が「世の中は甘くない」である。

 

故にこうなっては仕方がないとあきらめてしまった。

 

「その子を放せええええええええ!」

 

勇ましい気合いの声。

 

「うおおおおおおおおお!」

 

明久の声も聞こえる。

 

そして銀色の閃光が幾重にも走ると同時に太陽の光が差し込んだ。

 

(え・・・・!)

 

鈴蘭はそこに真っ白な巨人がいたのを見た。

 

そして直前まで自分を殺しかけていたのがそれだと分かった。

 

が、その巨人は朝日とともに消滅していった。

 

必然的に締め上げられ、持ち上げられていた鈴蘭を支えるものはなくなるわけで・・・・・

 

鈴蘭は真っ逆さまに落下した。

 

が、その時鈴蘭をやさしく受け止めるものがいた、勇者だ。

 

(・・・・こ、これって運命の出会い?・・・・・)

 

勇者様はこんな悪の組織の一員の女の子でも救ってくれるんだ。

 

「大丈夫か?ケガはないか?」

 

(あれ・・・・どこかで聞いたような声?・・・・・・・)

 

鈴蘭が目を開けてみると、意志の強そうな少年の顔がそこにあった。

 

「・・・・吾川?」

 

「せせせんぱいいいいいいいいいいい!!」

 

 




どうでしたかちゃんと投稿できましたよ。

「まあゆった通りにできたのはいいことなの」

前回に引き続きあとがきはリップルラップルとともにやっていきたいと思います。

別のキャラがやっているのが見たいという方はご意見を活動報告または乾燥にお書きください。

「まあ、私をここから引きづりおろそうという覚悟があるのなら言えばいいの」

まあ、作者の励みになるので好きなキャラクターとかについてでもいいので感想をください。

「そんなに感想がほしいとはあきれるの」

どうか感想をください。

「うっとおしいの」

リップルラップル的には今回はどうでしたか?

「さっさと勇者など倒してしまえばいいの」

そういえば金曜日についに友人にさんざん言われて艦コレ始めました。

かといって投稿が遅れることはないのでご安心ください。

「何のための報告なの?」

わかりません

それと活動報告のほうに新しく作るSSについての検討をやりますので良ければ見てください。

「宣伝はそこまでなの」

わかりました。

「さっさと次回予告をするの」

はい次回は十月二十七日を予定しています。

早くはなっても遅くなることはありません。

「遅くなろうものならミズノの餌食になってもらうの」

わかってますよ。

勇者の正体は学校でもてるFFF団の宿敵たる先輩だった。

次回 第8話「勇者は学校の先輩で、シスターは殺し屋で、同級生はメイド、果てに僕は戦闘員」

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