バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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それではどうぞ


第二十五話 ドクター大暴走

霞が関の某ビルの一室にOLのような姿をした人物が赴いていた。

 

世を忍ぶために変装したクラリカである。

 

「ちゃーっす。神殿教会っすけどー」

 

訪ねたのは関東機関運営委員会である。

 

「女?」

「シスターなど街頭でビラを配っているはずでは?」

「ええい。なんで女など送ってくる?」

 

クラリカは委員会の役員が騒ぐのをうっとうしく感じた。

そして

 

パンっ!!

 

銃声が鳴り響く。

 

この銃声一発で委員会の役員は黙った。

 

「えーっと、神威の出前はいかがっすか?」

 

これにより一気に役員は下手に出た。

 

 

 

 

一時間後彼女は大層な接待を受けたのちにクーデターを止めないと通告した。

彼女からしてみれば関東機関がクーデターを起こしてもつぶれるだけという見解だ。

神殿教会としてはクーデターが失敗した後にそれをそそのかした魔人を浄化し関東機関のいた位置に聖騎士が収まるのが最も好ましい。

異常のことから神殿教会に助けを求めた関東機関運営委員は全くの無駄足だったわけである。

 

 

 

 

 

 

地下九階

 

イワンに言われた通りに僕たちはリップルラップルたちに合流できた。

もう地下十階への階段に差し掛かるところだったが。

 

「ほんとですって!ペンギンがばさーってモンスターを」

 

「でもあのペンギンが?」

 

「・・・・・・局長事実だ」

 

「ほんとに?」

 

「・・・・・・それにリップルラップルの話だと奴はアウターということになる」

 

「「「アウター?!」」」

 

「あの、アウターってなんですか?」

 

鈴蘭さんがもっともな質問をする。

僕も知りたい。

まあ、めちゃくちゃ強い魔人かなんかだと思うけど。

 

「最高位の魔人のことよ。上に立つものがいないといわれるほどの」

 

「なんかめちゃくちゃすごいってことだけはわかりました」

 

「でもほんとにあのペンギンがアウター?」

 

「・・・・・・俺もAクラスの魔物をやすやすと殺すのを見た。」

 

「本当なんだ」

 

「じゃあ、ほむらさんやみーこさんもアウターなの?」

 

「「「「「?!」」」」」

 

ふと疑問に思ったのでリップルラップルに聞いてみた。

 

「まあ、それはいずれ知る時が来るの」

 

「ふうん」

 

そういって歩き始めたリップルラップルに僕もついていく。

 

「ねえ、吉井とリップルラップルっていったい何なの?」

 

「どういう意味だよ?」

 

「なんか二人とも得体が知れなくって」

 

「さあな、リップルラップルに関しては考えるだけ時間の無駄だと思っている。明久に至っては本人も知りたいぐらいだろう」

 

「そう」

 

 

 

 

 

 

地下十階

 

しばらく通路を歩くと七階や六階と同じような広い空間に出た。

 

カミサマ・・・・

 

声が聞こえた。

 

「なんだこの声は?」

 

「またなんか聞こえたの?」

 

カミサマ・・・・・

 

「?!」

 

どうやら真琴先輩にも聞こえたようだ。

 

カミサマ・・・・・・

 

吾、名護屋河さんもおびえているみたいだ。

ってか、リップルラップル以外みんな固くなっている。

 

カミサマ・・・・・・

 

「ものすごい魔・・・・力を感・・・・じる」

 

そこにいたのはさっきまでとは比べ物にならない雰囲気を持った魔物だった。

 

カミサマ・・・・・・ハヤク・・・・・・

 

「こいつら・・・・軽くSクラスだぞ・・・・・・・?」

 

「そんなにやばいんですか?」

 

カミサマ・・・・・・ハヤク・・・・・・タベテ・・・・・・

 

そのモンスターたちに囲まれてその人はいた。

 

カミサマ、ネテル、シズカニスル・・・・・・

オキルノ、イツ・・・・・・

ハヤク、タベテ・・・・・・

 

「・・・・・・一体こいつら何なんだ?!」

 

「あの女いったい何なのよ?!」

 

「みーこさんですけど?」

 

「・・・・・・お前はなぜ冷静なんだ?」

 

言われてみればなんでだろう?

不思議と怖くないし・・・・・

 

「なんでだろう?」

 

ニンゲンダ・・・・・・

 

「くそっ、気付かれたぞ!?」

 

ニンゲンメ・・・・・・

コロシテヤル・・・・・・

デモ、メイユウイル・・・・・・

コロスノダメ・・・・・・

 

なんだか魔物はこっちを見るだけで襲ってこない。

 

「なんで来ないんだ?」

 

みんなが困惑しているとみーこさんが目を覚ました。

 

カミサマ、オキタ・・・・・・

ドウスル・・・・・・

イマハヤメヨウ・・・・・・

 

そういって消えていった。

そしてみんなの緊張もどっと解ける。

 

「鈴蘭ちゃんお久しぶり。あれ?でもみなさんなんでここに?たあくんまで」

 

「そ、の、名、で僕を呼ぶな!!」

 

手錠をかけられていたが、きれいに体をひねって、浴びせ蹴りをかました。

 

「たあくん、ひどい」

 

「知るか!君の残した手紙のせいで僕がどれほどの思いをさせられたか・・・・・」

 

どがっ!

 

「みーこさんに何する!」

 

長谷部先輩が社長にけりをかました。

さすが勇者。

 

「ねえねえたあくん」

 

「その名で呼ぶな小娘!」

 

「いいからいいから、真琴みーこさんがほしいんだけど」

 

「・・・・・・局長、節操がない」

 

「えー、交渉はストレートに生きましょう」

 

「真琴先輩さすがにそれはないと思います」

 

「正直ドン引きだぞ」

 

「右に同じくです」

 

「・・・・・・こういわれてますが?」

 

「気にしない!」

 

「そういうあなたは誰ですか?」

 

みーこさんは聞いた。

 

「えっとあたしは・・・・・・」

 

「ははっ、すげーなSクラスの魔物に言うこと聞かせちまうなんてよ。とんでもねえな、指定一号ってのは」

 

「菊人、ついてきてたの?それと指定一号ってどういうことよ?!」

 

「さあね。悪いがいただいていくぜ飼い主」

 

銃声が連続した。

鮮血が飛び散り、伊織貴瀬は地に倒れた。

 

 

 

 

「たあくん?」

 

倒れた伊織を見てみーこは呆然としている。

どういうことだ?!

俺たちの目的は伊織貴瀬の記憶を取り戻すことだったはずだ。

 

「まるで即死なの」

 

リップルラップルが何か言っているが今はそれどころではない。

 

「ちょっとあんた・・・・何やってんのよ」

 

「これがベルロンドとの取引材料だ」

 

ベルロンド?!

関東機関のクーデターを先導した魔人のはずだ。

ということは・・・・・・

 

「俺はベルロンドに言われてあんたを監視していたにすぎない」

 

「そんなことわかっていたわよ」

 

これには菊人も驚いたのか目を瞬かせた。

 

「へぇ、いつからだ?」

 

「昨日の晩からよ」

 

「監視するのは勝手だわ、でもどうしてあたしの手駒を減らしたりするのよ?」

 

「簡単な話だ。あんたに伊織貴瀬がE0だと吹き込めばいずれ指定一号と接触する。そして指定一号を連れて帰るのが俺の目的だ。そのためには伊織の当代は邪魔なんだよ」

 

「おい、真琴?!今度こそ説明してくれるんだろうな!?」

 

長谷部先輩は状況が分かっていない。

当然か。

 

「ついでに行って奥がE0が伊織貴瀬ってのは・・・・・」

 

「でまかせだったんでしょ?」

 

局長が頼み込んで与えられた1日の猶予。

その一日のうちに菊人の持ってきた情報のE0の記憶を取り戻せれば望みがあるという話だったはずだ。

これでは一切の望みがない。

 

「わかってたか?E0の最後の任務・指定一号殲滅任務ってのももとをただせば宮内庁と関東機関の対立だった」

 

「関東機関がこの国の第三世界で優位に立つには指定一号は積むべき目立った。だから最優先目標の第一号なんでしょう?」

 

「最初から騙されたふりをしてたってことかよ。あんたもこの女を狙っていたのか?相変わらず食えねえな。」

 

攻撃を仕掛けるなら今か?

 

「余計な真似すんじゃねえぞ康太。動けば局長を撃つ」

 

「・・・・・・くっ」

 

「いくら関東機関最速でもこれじゃ何もできねえよな?局長の護衛さん?」

 

俺は平時は局長の護衛も担っているため、常に局長の安全を最優先してしまう。

 

「俺たちだって分かっちゃいたんだよあんたが委員会のクソジジイ共よりうんと有能だってのは。・・・・・・ただ遅すぎた」

 

「じゃあ菊人、私とベルロンドじゃどちらが有能かしら?」

 

「さあな。それでもおれたちはこの国が許せない。そしてそれをぶっ壊すだけの力が奴にはある。あんたの親父が作った龍撃手・・・・・・ありゃ本物だぜ。俺たちはたった数十人だが、あいつがいれば世界がひっくり返る」

 

そして菊人は伊織を見ていたみーこを抱きすくめた。

 

「この女は億千万の眷属の一人にして・・・・・・最強最悪と呼ばれた初代魔王の側近だそうだ。あんたが手に入れられればベルロンドにも勝てたん度ろうがこいつは俺がもらっていく。あんたの残る戦力は勇者にE3、No Numberに魔王候補と不確定要素ってところだ。それだけじゃベルロンドには勝てねえよ」

 

そう言って菊人は宝石を取り出した。

そして宝石が輝き始めた。

それを見たリップルラップルがいそいそと駆け寄った。

 

「ドクターに見せ・・・・・・・」

 

何かを指さしながらリップルラップルは言いかけた。

しかし言い終えるまでに転移は完了してしまった。

 

 

 

 

 

 

社長が撃たれた。

みーこさんもリップルラップルもつれて行かれた。

 

「吉井君早く!ご主人様を!」

 

「でも社長は・・・・・・」

 

「リップルラップルはまるで即死だって言ってたでしょ。だからたぶんまだ生きてる!」

 

吾、名護屋河さんの言葉に皆はっとなる。

 

「なら早く行こう!」

 

僕はあわてて社長を背負う。

 

「待ちなさい!吉井に鈴蘭!」

 

「でも早くしないと社長が・・・・・・」

 

「いいからちょっと待ちなさい!!」

 

そういって真琴先輩は壁のほうに走っていった。

一体何してるんだ?

今にも社長が死にそうなのに・・・・・・

 

「あった」

 

何が?

そう思う間に壁の一部が割れて開いた。

 

「エレベーターよ。さっきリップルラップルはこれを指さしていたのよ」

 

「っていうかリップルラップル知ってたなら最初からここにこれたんじゃ」

 

「・・・・・・確かに」

 

「私もそう思うわよ」

 

 

 

 

 

「だからやめろと言っている!!」

 

「いーじゃないかその肉体にひひっ、僕の武器を詰め込めば無敵だよー!」

 

「だからやめろというのが分からないか!!」

 

今の状況を説明しよう。

ドクターの部屋を訪ねると、ドクターががんばっていた。

鉄人を改造しようと。

なんとあの鉄人が掴み掛られ、引きはがせないでいるのだ。

あの鉄人が!!

あのFFF団が全員で襲いかかってもものともしない鉄人が。

第三世界でも鉄人の二つ名で知られる鉄人が。

もはや異常な光景がそこにあった。

あっ、そんなことしてる場合じゃなかった。

 

「ドクター!!社長が撃たれたんです!!助けてください!!」

 

僕の叫びに気づいたドクターがこちらを向く。

そして社長を受け取り手術台に載せる。

 

まあこれで安心かな?

 

 

 

 

 

「大丈夫ですよ。あの人奈良市タイでも蘇らしそうですから」

 

そういいながら名護屋河自身が彼の人物の部屋に入らない理由を先程からひしひしと感じていた。

何せあの鉄人が今や肩で息をしているのだ。

局長が気付いたことはおそらく鉄人も気づいていたはずだ。

なのにあっさりと菊人が下までこれた理由。

おそらく鉄人はずっとここで名護屋河らの言うドクターと戦っていたのだろう。

 

『ひひっ、どこが痛むんだい伊織いい!』

 

「宗一さんどうしてああなったの?」

 

「ああ、部屋を片っ端から見ていたんだがな。さっきの部屋に行きついたんだ。それであの人にE0のことを聞こうとしたんだが。」

 

「・・・・・・話にならなかったと?」

 

「ああ、こちらの話を全く聞かない。さらになぜか振りほどくこともできないと来た」

 

「西村先生でも振りほどけなかったんですか?」

 

「・・・・・・ウソだろ?」

 

「まじめな話だ」

 

『ん?んん?んんんんんんん?君あの時のドリル勇者じゃないかいいいいいい』

 

「え?・・・・・・長谷部君そんな趣味が?」

 

あまりのことに全員が沈黙する。

 

「・・・・・・勇者がそんなことをしてもいいのか?」

 

「それよりもよく勇者になれたものだ」

 

鉄人も俺に同意見のようだ。

 

『ちーがーうー!!』

 

どうやらこっちに叫んでいるようだ。

 

『ひひひぃ!そ、そ、そうかいい!さあ何がいい?!レーザーかい?!ビームかい?!それともロケットパンチかいいいいいい?!あの時のよりも出力アップしてるよおおおぉ?!』

 

『頼むからやめてくれ!』

 

『そうかい?!全部だね?!全部?!僕はそんな欲張りな君が大好きさああああ?!』

 

『ちょっ?!誰か助けてくれえええええ』

 

そのドクターとかいう扉ひとつ先のマッドサイエンティストには会いたくないものだな。

 

「どうすればいいと思う、鈴蘭?」

 

「半ば予想されていた傾向ですが、対策はありませんでした」

 

『放っ・・・・・・やめっ・・・・・』

 

『ひひっひぃ!昨日完成したこの伝説のドリルで君も真の勇者になるんだ!!』

 

「ねえ鈴蘭昨日完成したのに伝説のドリルってどう思う?」

 

「いいと思います。私が装備するんじゃないなら」

 

「・・・・・・そういや明久の声がしないな」

 

「確かにしないぞ?あいつ大丈夫なのか?」

 

『心配いらないさあああ!ドリルをつけてもこのモテモテ回路でばっちりモテモテさああああ!!』

 

「長谷部先輩モテモテになるみたいですね?」

 

「・・・・・・異端審問会にかけねば」

 

「康太そういうことは明日にしなさい」

 

『ドクターっ・・・・・・そろそろ社長のっ・・・クッ・・・手術をっ・・・クッ・・・』

 

『おおおおお!!明久君も来てたのかいいいい!!君が言うなら仕方がないなあああああ!!君の雷は怖いからねええええ!!』

 

「ぜぇ・・・・はぁ・・・・」

 

息も絶え絶えな勇者が出てきた。

 

「ぷぷっ・・・・・・ハハッ」

 

そのあとに明久が笑いをこらえながら出てきた。

 

「あー、おもしろかった」

 

いまだ笑いが収まらないようだ。

 

「笑ってないでさっさと止めろよ?!」

 

「すみません・・プっ・・あまりにも面白すぎて・・・」

 

どうも明久の声がしなかったのは笑いをこらえていたからのようだ。

 

「というか吉井君はなんで改造されかけないのよ?」

 

名護屋河の言うことももっともだ。

 

「そんなこと言われてもわからないよ。僕が知りたいぐらいだから」

 

「・・・・・・それであれに任せて大丈夫なのか?」

 

「あの人あれで腕は確かだから」

 

「そうか」

 

あれでは不安しかないが。

 

「大丈夫ですよ。春の件で僕が使った武器はドクター製でしたし。吾、名護屋河さんの改造もしたはずでしたし」

 

「「「「改造?!」」」」

 

「ああ、そうでしたね・・・・・・」

 

名護屋河から立ち上る負のオーラが見える。

 

「改造ってどういうことだよ?!何でそんな事態になってたんだよ?!お前たしか春の件は名古屋河助けるためにかかわったんだろ?」

 

「いや、あのときは知ったの改造を張った後でしたし。それに必要なことなのだろうと思いまして・・・・・・」

 

「伊織を信用していたのか?」

 

「まあ結構」

 

「・・・・・・そういや明久」

 

「なに?」

 

「お前名護屋河のことまだ呼び慣れていないのか?」

 

「いきなり話変わったね。まあ、そうだけど」

 

「それなら、名前で呼んでいいよ。そのほうが間違わないなら」

 

「ふうん、じゃあ鈴蘭さんって呼ぶことにするよ」

 

「取りあえず真琴いったん伊織のことは置いといていろいろ隠してることを話してくれよ」

 

「そうね。さすがにそろそろ隠せないわね」

 

「あいつの言ってたベルロンドってのは誰だ?それとお前の部下が何でみーこさんを連れて行ったんだ?」

 

「順を追って説明するわね」

 

「・・・・・・まずベルロンドは魔人」

 

「それもゼピルムの幹部だ」

 

「指定十四号ともいわれるわね」

 

勇者、名護屋河、明久がかたずをのんで見つめてくる。

 

「そのベルロンドに関東機関は乗っ取られちゃったのよ。でも・・・・こんなことを長谷部君に言ったら神殿教会は関東機関を許さないでしょ?」

 

「だからお前は黙ってたっていうのか?お前らしくないんだよ。いつもわがまま言うみたいに気楽に頼ってくれればいいのに・・・・・・」

 

「そうですよ真琴先輩。私戦うのとかあんまりできませんけど車の運転とかならできますし・・・」

 

「僕だって戦闘に参加するぐらいならできますし、それに関東機関がやばいってことは、康太もやばいんでしょ?なおさら協力しますよ」

 

明久がうれしいことを言ってくれる。

 

「ありがとう三人とも・・・・・・あとついでなんだけど」

 

「ああ、もういまさら何が来って驚かないぞ」

 

「そのベルロンドがね。今から五時間後にクーデターを起こしちゃうの」

 

 

 

 

 

 

「「「なんだそりゃあああああああ!!」」」

 

あわてて僕は康太を見る。

どうか嘘だと言ってくれ・・・・・・。

 

「・・・・・・事実だ」

 

残念ながら現実からは逃れることができなかった。

 

「でもなんで五時間なんて急な・・・・・」

 

鈴蘭さんがもっともな質問をする。

 

「正確には機能の未明からの二十四時間が猶予だった」

 

「「「へ?」」」

 

「・・・・・・局長が交渉した」

 

「その二十四時間で戦力を整えようとしたのよ」

 

かなり大変な状況だ。

 

「大体ベルロンドはドラグーンだし」

 

「ドラグーン?」

 

「あれ?長谷部君も知らない?」

 

「龍の体組織を移植して最強のモンスターたるドラゴンの力を得ようとする方法よ」

 

「ドラゴンの・・・・・・」

 

僕も地下七階のあれを思い出し震える。

 

「今のところはベルロンドだけだが、いずれは・・・・・」

 

「・・・・・・ゼピルムは龍の大軍を統べることになる」

 

「こうしちゃいられねえ。フェリオール司教に連絡・・・・・・じゃ、関東機関がってことか・・・・・・」

 

「それに神殿教会はおそらく来てくれないわ。関東機関がつぶれたほうが神殿教会には都合がいいから」

 

大人の事情化・・・・。

 

「それだからE0や神器を探してたんだな?」

 

「そういうことよ」

 

「でもE0ってそんなにすごかったのか?」

 

「あのみーこって魔人、指定一号を殺しにかかったっていえばわかりやすいかしら?」

 

「「「?!」」」

 

「そりゃすごいな」

 

「・・・・・・いつも覆面だったせいで顔さえ分からないんだがな」

 

「じゃあ、社長がE0だってのは?」

 

「神殺しが敵対してる組織の一員だったなんてありえないってことだったろ」

 

「それにご主人様も違うって言ってましたし」

 

「でも社長下のみんなと話してるときは記憶喪失っぽかったけど」

 

「そのことであと一つ言いたいことがあるのよね」

 

「「「「「?」」」」」

 

鉄人たちも戸惑っている。

 

「ちょうどよく着たみたいね」

 

「・・・・・・なっ?!」「そういうことか」

 

「指定一号討伐戦にE0とともに参加して行方不明になった人物がいるの」

 

「・・・・・・当時のE1」

 

「白井沙穂、最終階級は軍曹だったわ」

 




どうでしたか?

次回投稿は今週の土日の予定です。


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