バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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原作勢は知っていると思いますが今回はあれがあります。


第二十三話 地下ダンジョン   

『たぁくんへ。

  少し出かけてきます。

  おやつは棚の中。

               みーこ

                     追伸 捜さないでください』

 

 

そんな書置きが厨房で見つかった。

母のような愛情を感じさせると同時に、女として疲れてしまったような微妙な文面だった。

 

「呼んでも出てきてくれないわけですよね」

 

複雑な表情をした吾が、名護屋河さんが言う。

半面社長はたぁくんの部分をにらみつけている。

 

「それじゃもう一人の沙穂って子を呼んでみましょうよ・・・・・・あら、おはぎ」

 

棚をあけながら真琴先輩が言う。

ちょっと昼ご飯作ろうかな?

そう思って隣の食材部屋に行き材量を持ってくる。

戻ってくるとなんかもめてた。

 

「どーなってんのよあんたの家は?!」

 

「そんなことはみーこに聞け!主人の僕は台所事情などしらん!」

 

「どうしたんですか?」

 

「伊織貴瀬、自分ちのどこに食材があるかも知らないんですって、なんであんたは食材持っているのよ?!」

 

「ふつうに隣の部屋にありますよ。じゃあ、チャーハンでも作りますから」

 

「・・・・・・お前料理ができるのか?」

 

「吉井君普段は水で済ますような人なのに、めちゃぅちゃおいしいんですよ」

 

「・・・・・・本当にか?!」

 

「水で済ますってどういうことよ?」

 

「・・・・・・あいつは遊びに金を使うために食事を削っていった挙句水と塩や砂糖で済ますようになった人間だ」

 

「それ大丈夫なの?」

 

「・・・・・・奴はあれでぴんぴんしている」

 

「でもそんな子が作った料理がおいしいの?」

 

「・・・・・・俺は食ったことはない」

 

「どうにも不安ね」

 

後ろで何か言われてるけど気にしない。

 

「まあまあ安心するの。味なら保証するの」

 

この場ではリップルラップルだけが味方だ。

もう実力で分かってもらったほうが早いな。

 

 

 

「うーん、ごちそうさま」

 

みんな食べ終わった。

鉄人や康太、真琴先輩の口には合ったかな?

 

「いやあ、十分おいしかったわ。関東機関の食堂に戦闘員も兼ねてで来ない?」

 

「・・・・・・いったい誰に習ったんだ?」

 

「いい腕だな吉井」

 

どうやら僕の料理の実力をちゃんとわかってもらえたようだ。

 

「えっと習ったっていうか、我流?あと、魔殺商会所属なんで無理です」

 

「そう、給料はずむわよ?」

 

「・・・・・・・」

 

ちょっと悩むなあ、来月欲しいゲームがあったし。

 

「そう簡単に話に乗るものではないの」

 

リップルラップルが横から言ってきた。

まあ、リップルラップルがこう言っているし、

 

「そうだね。真琴先輩この話はなしで」

 

「そういうなら仕方ないわね」

 

この話は終わりみーこさんを探すことになった。

 

 

 

 

 

「いったいどんだけ広いのよこの屋敷はああああ!!」

 

二十分ほど探して真琴先輩が悲鳴を上げた。

まあそれもそうか。

確かここの敷地面積はディズニーランドの半分らしいけれど。

 

「時間がないのよピンポイントにここが怪しいって場所はないの?!」

 

「・・・・・・あ!ありましたよ真琴先輩!地下ですよ地下!すっごいダンジョンみたいになっててお宝とかありそうですよ!」

 

「みーこはきっとそこにいるの」

 

リップルラップルがいうのなら確実だろう。

・・・・・・あれ?ちょっと待てよ。

 

「あそこって危ないんじゃないの?」

 

「え?」

 

「春休みにそう聞いたんだけど」

 

「えっ、そんな危険なところに私行かされたんですか?」

 

「あれ?吾が、名護屋河さん行ったことあったっけ?」

 

「あの・・・・・改造される前に」

 

言いながら落ち込み始めた。

そういえばリップルラップルの部屋にいたっけ。

 

「伊織っ・・・お前やっぱり名護屋河をっ・・・・」

 

「はいはい話が進まないからそのことはあとで」

 

「あの・・・・・ご主人様地下が危険っていうのは・・・・・?」

 

「君の行った地下一階は問題ない。あるとすればリップルラップルのごみ箱くらいだ」

 

「へ?」

 

「リップルラップルの燃え盛るごみと書かれたごみ箱が相当やばいらしい」

 

そんなものがあるんだ。

 

「結局地下二階より下はどうなっているのよ」

 

「わからん。僕もその全貌は把握していない。が、強力な魔物が巣食っているらしい」

 

その事実に鉄人と社長、リップルラップル以外が驚愕する。

 

「みーこが探すなというなら確実にそこがらみだろう。人間が立ち入るには危険すぎる」

 

「そんなに危険なところにみーこってのはなんでいるのよ?」

 

「さあな、そんなことは僕にはわからん」

 

社長はうそぶく。

 

「・・・どうする真琴?魔物がたくさんいるならレベル上げにはもってこいっだから俺はついていくが?」

 

「そうね行きましょ」

 

そういうことで地下ダンジョンに行くことになった。

そこで吾が、名護屋河さんが思い出したように言った。

 

「みーこさんはご主人様がいなくなっていたって言ってました。もしかしたら何か知ってるかもしれません」

 

「余計なことを言うな鈴蘭。みーこはぼけているのだ」

 

どうなんだろう?

僕はみーこさんのこと知らないからよくわからないけど。

リップルラップルならそこそこ仲いいと思うんだけど。

 

「あんたはどうなの伊織貴瀬。ほんとにE0じゃないの?ずっとここで暮らしてきたって断言できる?」

 

「何度言わせる。人違いだ。E0などしらん。ここで生まれ、ここで育った。すべての記憶は・・・」

 

「いや・・・あるとも。僕は伊織貴瀬だ。君らがそう呼ぶもの以外の何者でもない」

 

なんか一瞬詰まっていたけどほんとなのかな?

 

「まあ何でもいいわ。そのみーこって人に会えばはっきりするかもしれないし」

 

「では、覚悟することだ」

 

なんか社長がにやって笑ってる。

 

「うちに居ついた魔物どもは半端じゃない。踏破して帰ってこられたあかつきにはクソガキのレベルは上がりまくっているだろう」

 

「何カッコつけてんのあんたも行くのよ」

 

「何!?せめて手錠は放せ!!・・・・・・おい」

 

 

 

 

 

 

 

地下二階まで下りてきた。

どうなっているのか、明かりもないのにほんのりとあたりは明るい。

鉄人は一人で地上の建物を捜索している。

社長の手錠はいまだ解かれていない。

 

「ダンジョンに潜るのだから戦力は多いほうがいいだる」

 

そういって社長が示したのは戦闘員詰所のプレートがかかった部屋の扉。

 

「って、戦闘員?!」

 

吾が、名護屋河さんが驚いているけれど、そういえば前に一応いるって言ってた。

 

「ごめんくださーい」

 

吾が、名護屋河さんが戸を叩くとドアが少し開いて、幾何学模様の覆面に全身タイツの男が顔を出した。

 

「せっ戦闘員だー!」

 

あまりにもまんまのため吾が、名護屋河さんが驚いている。

長谷部先輩も驚いて剣を握りしめている。

真琴先輩は無表情になっている。

康太は目が死んでいる。

そういや関東機関の戦闘員だったっけ。

同じ戦闘員なのが恥ずかしいのだろう。

 

「・・・・・・何?」

 

冷めた声で戦闘員が言う。

「イーっ」とかは言わないらしい。

 

「あー、社長じゃないですか」

 

社長の存在に気づいたようだ。

けだるそうな戦闘員。

 

「ふんバカ目戦闘員詰所の文字に怪しみもせんとはな」

 

「騙したのね?!」

 

「騙されるほうが悪いのだよ!」

 

康太も武器を構えている。

 

「さあ、お前たちの力を見せてやれ!」

 

「いや・・・・・俺たちストライキ中なんですけど・・・・・・」

 

「さあさっさと僕の手錠を解いて、こいつらを・・・・・」

 

「・・・待遇改善考え直してくれましたか?」

 

「見てわからんのか!?雇い主である僕が窮地に立たされているんだぞ!?」

 

「なんですか?可愛い女の子に手錠されて、新しいプレイかなんかですか?」

 

「人聞きの悪いことを言うな!!」

 

てか、めちゃくちゃやる気がないな。

なんでだろう?

 

「あんた、こんな豪勢な家に住みながら給料けちっているの?」

 

一番聞きたいことを真琴先輩が聞いてくれた。

 

「いやお嬢ちゃん俺たちの要求は衣装についてでさあ」

 

「そうよねこんなふざけた衣装いやよね」

 

隣で康太がうんうんとうなづいている。

 

「いや、衣装はいいんだけど、こう・・・・ここにビッグな盛り上がりをね」

 

「そんな卑猥な要求を受け入れられるか!!」

 

ばたん

 

とドアが閉まった。

 

「え・・・・と聖騎士の人たちが来たときにあの人たちがいなかったのは・・・・」

 

「あの時はすでにストに入っていたんだよ」

 

「・・・・・詰め物で済まされる意地くらい叶えてやればいいの」

 

気が付くとリップルラップルが歩き始めていた。

 

 

 

 

 

 

地下三階。

 

「モンスターなんて出ないじゃないか。貴様の狂言だったんじゃないか?」

 

長谷部先輩が社長に言う。

 

「ふん、地下十階でその言葉がはけたらほめてやる」

 

すると、先頭を歩いていたリップルラップルが右に行きかけた分かれ道を左に行く。

 

「リップルラップル、今なんか道変えなかった?」

 

「道を間違えかけただけなの」

 

そして突き当りの扉の前に来た。

 

「まずはスライムが相手なの」

 

「スライムなんて今更どんだけいても問題ないぜ」

 

そういいながら長谷部先輩は扉を開ける。

 

するとそこには・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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体育館ぐらいの大きさの部屋に一面スライムがいた。

どこを見てもスライムしかいない。

 

「えっとこれはさすがに多すぎるだろ・・・・・」

 

「どうしたの、勇者ならこのぐらい勝てるでしょ」

 

「くそ、やってやるさ。おおー」

 

さすがは勇者、次々にスライムを切り倒している。

 

「でもなんだか、かわいそうねー」

 

「真琴先輩もですか?」

 

リップルラップルが飼っていたのが可愛かっただけにちょっとこのありさまは悲しい。

 

「スライムはとってもかわいい生き物なの」

 

「やっぱぷるよね」

 

「でろではだめなの」

 

「あっわかる?」

 

「そっちこそなの」

 

そしてリップルラップルは手を差し出した。

 

「スライム友達なの」

 

真琴先輩はその手をしかっり握った。

その一方で長谷部先輩がどんどん消耗していった。

 

「あの、長谷部先輩がやられちゃったんですけど・・・・」

 

「じゃあ、鈴蘭ミサイルどーん」

 

吾が、名護屋河さんをスライムの海に投げ込んだ。

 

「おい、小娘、鈴蘭ミサイルは魔殺商会の登録商標だぞ!」

 

「たあ君ミサイルもどーん」

 

「なにをする!?」

 

社長もあg、名護屋河さんもスライムの海に沈んだ。

 

「鈴蘭も伊織貴瀬もダメか・・・・」

 

あれなんか嫌な予感がする。

 

「吉井も行っちゃえー」

 

「うわー」

 

プルプルしたスライムの上に投げられる。

 

(スライムに襲われる!)

 

とっさに身構えたがスライムは襲ってこなかった。

周りには寄ってくるのだが、プルプルしてるだけで攻撃してこない。

 

「・・・・・・信じられない」

 

「えっとあれってなついているの?」

 

「なついているとしか言いようがないの」

 

なんかスライムになつかれたっぽい。

しかしこうして見るとほんとにかわいい。

プルプルしたわらびもち代の塊。

 

「・・遊んでないで助けろ」

 

社長が言ってるし。

 

「みんな話してあげて」

 

それを聞いたスライムたちが離れていった。

 

「そういえばリップルラップル」

 

「なんなの?」

 

「さっきの道左に行ったらどうなっていたの?」

 

「何事もなく地下四階につくの」

 

 

 

 

 

 

 

その頃菊人はレーダーを見ていた。

そのレーダーは二つの点のZ軸の値がどんどん下がっていくことを示していた。

 

(このままだと電波が届かなくなるか・・・・・)

 

菊人はトランクの中敷きをはがし支給品の短機関銃とサーベルを取り出し装備する。

そして紙巻きたばこを吐き捨て屋敷に向かう。

 

「ポイ捨てはマナー違反だぞ少年よ」

 

「?!」

 

後ろを取られたことに菊人は戦慄する。

振り返るとそこにはタキシードを着てステッキを持ち口に煙草をくわえた、古き良き時代の英国紳士のような骸骨が立っていた。

 

「なんなんだてめえ一体?!」

 

「リッチという。人はミスターリッチと呼ぶがね」

 

(まさか死霊使いのリッチってことは・・・)

 

「さよう」

 

(心を読まれた?!)

 

「まあ一度捨てたものを拾うのも抵抗があるだろう」

 

ソ言ってステッキで吸殻に触れると吸殻はドロリと溶けた。

 

「しかし少年、ごみはゴミ箱に、クズはくずかごに死体は墓場によく覚えておくことだ」

 

「死体はともかくクズにはならんようにな」

 

そして次の瞬間には消えていた。

 

「まさかな・・・・」

 

死霊使いリッチ

 

使者の組成を繰り返し最後には自分をよみがえらせたとされる、人間出身のアウター。

 

まさか本物なわけがない。

そう言い聞かせながら屋敷に入っていった。

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
あれとはもちろんプルです。
それと休暇で実家に帰るのでまたしばらく書けなくなります。
バカテス篇が遠いですね

まだまだ明かされていない改造設定もありますが温かく見守っていただけると嬉しいです。

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