バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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戦闘描写が難しいです。

ですがどうぞ


第十五話 ドクターのびっくりドッカンメカ

避ける。避ける。

 

明久は襲い掛かってくる聖騎士のナイフを避け続ける。

殺気丸出しの攻撃を避けることは明久にはそうむずかしいことではない。

殺気が読めるということは攻撃のタイミングがわかるということだ。

加えて明久はFFF団を相手に逃亡戦をよくしている。

よって多対一の戦いは得意だ。

 

さらに沙穂が長剣をすべて切ってしまったことも大きい。

彼らとてナイフの訓練はしていないわけではないのだが、FFF団相手に戦ってきた明久にはまだ短剣(カッターナイフ)のたぐいのほうが相手をしやすい。

 

そして極めつけがドクターの作った武器だった。

ワイヤー仕込みの投擲用ナイフ

ドクター作のそれには放電機能がついていた。

スタンガンなんて目じゃないその威力は聖騎士を一撃で昏倒させる。

そしてもう一つ渡された炸裂弾というものだ。

ドクターが趣味で作ったそれは投げると投げた方向に衝撃波を放つというそれだけである。

しかし威力は半端なく聖騎士を吹き飛ばし気絶させるという代物だった。

コンセプトとしてはお手軽非殺傷兵器だったらしい。

 

結果、明久はドクターの装備、自分に都合のいい状況、自分の経験を持って一時間以上も聖騎士を相手に立ちまわっていた。

それにしても異常な強さではあったが。

 

 

 

「おいおいあれは異常だな」

モニター室の伊織は言う

「そうなんですか?」

鈴蘭が聞くと、

「本来俺の予定では明久が危なくなったら君を再び発射する予定だったんだが」

「そんなこと考えていたんですか?!」

「ああ。しかしそんな必要性を全く感じん」

鈴蘭が怒るのを無視して、話を続ける。

「とにかく明久を連れて帰ってこい」

「はい?」

「さすがにこれ以上長引いては次の作戦に移れんからさっさと連れてこい」

「そしてら聖騎士もついてきちゃうんじゃ・・・・」

「グダグダ言わずさっさと行け」

「はいいい」

あわてて鈴蘭は退出していくのであった。

 

 

 

明久はナイフを投げる。

聖騎士がかわす。

別の聖騎士が切りかかるのをかわす。

と、同時に投げたナイフをワイヤーを介して引き戻す。

「後ろだ!」

仲間の声により気づいた聖騎士は後ろから引き戻された電気ナイフを避ける。

が、前より投げられた炸裂弾により吹き飛んだ。

「ふう」

明久は場所を変え続けながら戦い続ける。

(めんどくさい)

たくさんの聖騎士を前に明久はそう思う。

すでに六十人ほどいた聖騎士は二十人ほどになっていた。

聖騎士をドクターの装備を持つとはいえ普通の(ちょっとおかしな日常だが)高校生が倒し続けるのはかなり異常である。

明久との攻防は一瞬のすきをとられれば負けるようなものだ、しかし明久はその一瞬のすきを突こうとしたところに畳み掛けて倒すのである。

ここまで正確に殺気を感じる者はいない。

「お前はいったいなんなんだ?!」

「ただの高校生だよ」

それにしては戦闘センスが高すぎる。

「まさか魔人か?」

「聖女様のご学友ではないのか?」

「でもマジカライズインジケーターに反応はありませんし」

明久自身自分がこんなに戦えるのが不思議でならなかった。

丸で戦い方を知ってるかのようだった。

自分に疑問を抱きながら戦う明久だが負ける気は全然していなかった。

 

 

「吉井くーん」

 

 

(吾川さんがどうしてここに・・・・・?)

 

 

 

 

 

 

一方リップルラップルは遊んでいた。

聖騎士のピラミッドで。

「あきらめたらそこで試合終了なの。がんばるの」

「おまえがいうなーー」

隊長が叫ぶがリップルラップルは聞く耳を持たない。

あれから何度も這い上がろうとしたがことごとくリップルラップルに邪魔されていたのだ。

と、その時勇者とシスターが現れた。

「こんなところになんで小さな子が?」

翔希が驚き心配して近づくが

パガンッ

容赦なくバットで殴られ、そのままもんどりうって吹っ飛んだ。

「翔希さんこんななりでもこのこ魔人っすよ」

「なにっ?!こんな子が?!」

「そうなの。見かけでなめてもらっては困るの」

「とりあえず聖騎士を助けるか」

という翔希に対してリップルラップルは言う。

「そんなことをしていている間があると思うの?」

「どういう意味だ!?」

「今頃鈴蘭は大変なの――」

数十秒経過

「――で、ドキドキで、ハアハアなの。私のスライムも参加予定なの。それはもうちょっとした騒ぎなの」

「おのれ伊織いいいいいい」

叫びながら翔希は走って行った。

鼻血を流しながら。

「とんだ変体勇者なの」

「思春期の多感なお年頃って奴っすよ」

「おい、シスター!!助けんかー!」

隊長が声をかけてきた。

「うーん。隊長さんは自己責任なんで自力で何とかしてください」

「何を・・・」

「私は勇者のお目付け役なんでー」

そういってクラリカも行ってしまった。

「・・・・・・」

 

ぱがんっ!!

 

「「「「うわあああああ」」」」

 

 

 

 

 

「楽しすぎるの」

 

 

 

 

 




どうでしたか?

できれば感想ください。

今回明久が強すぎると思ったと思いますが。
明久も神殺しの様にそれ相応の秘密があります。

それとリップルラップルの発言で妄想した人。
タコ部屋行きです。

次回投稿は一月六日になります。
冬休みで寮から実家に帰るので投稿できなくなるからです。
実家ではネットを使わせてもらえないので。

次回 再び邂逅する明久・鈴蘭と翔希・リップルラップル

   高笑いする伊織

   悲嘆にくれるドクター

   平常運転のリップルラップル

第十六話 「ドリル勇者 翔希」

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