バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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おわんねー一巻

では、どうぞ


第十四話 鈴蘭ミサイル

「どうなることやら」

 

 

 

明久は持ち場でため息をついていた。

現在明久は玄関のホールにいて、支給された端末を見ていた。

 

そこでは鈴蘭が聖騎士を相手に攻撃をやめてもらうように頼んでいた。

 

(とまってくれるかな・・・・・・・・・くれないだろな・・・)

 

さらには明久の隣で沙穂がそわそわと刀を握っていることもその気持ちに拍車をかけている。

 

そんな風に明久が思っていると、動きがあった。

やはりというべきかと待ってくれないらしく逃げる吾川さんを追って聖騎士がわんさか来ていた。

 

(マジで多いな・・・・)

 

そうこうするうちに吾川さんが玄関に突っ込んできた。

たぶん改造による強化された脚力を利用したのだろう。

そして、それを追ってきた聖騎士が・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

落とし穴に落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

これこそが鈴蘭の役割だった。

聖騎士を落とし穴に落とす。

バカみたいなようでれっきとした作戦だ。

何せ十数メートルもある落とし穴なのだから。

ここから這い上がるのはなかなか骨が折れる。

鈴蘭はその隙に作戦室まで逃げ延びている。

これにより聖騎士のおよそ三分の二が脱落した。

 

 

しかし落ちなかった聖騎士たちが、だんだんと穴を飛び越え玄関ホールに突入してきた。

そう、沙穂と明久のいる玄関にである。

そしてスピーカーから指示が下る。

 

 

『軍曹。獲物のみ切ってよし』

 

 

その瞬間明久は沙穂から距離をとる。

 

「了解です。主様」

 

沙穂に切りかかろうとした聖騎士はそこで剣がすっぽ抜けたように感じた。

しかしそんなことはない。

ちゃんと握っていた。

柄だけを。

刀身はそこになかった。

沙穂に切られていたからだ。

そこからは蹂躙だった。

聖騎士は対応することもできずに剣を刀身から切られていった。

それを見ながら明久は鈴蘭に聞いた話を思い出す。

 

「とにかくすごかったんですよ!ズバズバッと切っちゃって!剣なんか見えなくてほんっとにすごいんです」

 

確かにその通りだと明久は思う。

あんな速度で剣を振られては対応できないだろう。

しかしすごいだけでは済ませない。

危ないのだ。

明らかに表情が危ない人間のそれになっている。

そんな沙穂を明久は巻き込まれないように距離をとってみることしかできなかった。

 

 

 

 

 

そのころ。

穴に落ちた聖騎士は人間ピラミッドを気づいて落とし穴からの脱出を試みていた。

「ロープを用意するべき・・・・」「それでは威厳が・・・・」

と第十一聖騎士団隊長および副隊長が話している間にだんだんとピラミッドができて行った。

 

そうして完成したピラミッドの上に体調がのぼり外へ顔を出すとそこに青みが買った紙をした女の子が金属バットを持って立っていた。

 

「君はなんだ・・・・・?」

 

お分かりであろうがリップルラップルである。

 

「ミ○ノなの」

 

「いったいなぜこんなとこに小さな子が・・・・?」

 

「月のきれいな夜なの」

 

(保護者はいなさそうだ。・・・・・・ということは伊織は孤児を自分の手ごまにしているのか?なんと酷いことを・・・・)

 

「故に今宵のミズ○は血に飢えているの」

 

「君・・・我々の邪魔をするんじゃない我々は正義のために戦っているんだ」

 

それを聞いてリップルラップルは思案するような様子を見せる。

 

「いい子は大人の言うことを聞きなさい。わかったな?」

 

「・・・・・決めたの」

 

「そうか」

 

「思いっきり行くことにしたの」

 

どうやらこつんと行くか思いっきり行くか悩んでいただけらしい。

 

そして、パガンッという打撃音とともに騎士のピラミッドは崩れていった。

 

 

「楽しすぎるの」

 

 

 

 

『まずいぞ明久!!』

 

「は?」

 

ちょうど今、沙穂がすべての聖騎士の剣を切ってしまったところである。

 

『沙穂は切るものを切り終えるとああだ!!』

 

「?」

 

沙穂のほうを見ると完全に動きを止めていた。

 

聖騎士のど真ん中でだ。

 

あわてて駆け出そうとする明久を伊織が止める。

 

『明久動くな!新兵器を使う』

 

『えっ?ご主人様そんなものがあるんですか?』

 

『ああ』

 

『ガコンッ』

 

そんな音が聞こえた直後に、

 

「うわああああああああ」

 

鈴蘭が射出されてきた。

 

『ははは、これが新兵器鈴蘭ミサイルだ!』

 

呆然と明久がみていると、

 

「バーカバーカ!たぁくんのスーパーバーカ!クタバレクソメガネェーーー」

 

鈴蘭が伊織にどなっている。

聖騎士もあまりのことに動く様子がない。

 

『あー、鈴蘭、あとで君をドクターに改造素体として渡すとしよう』

 

「ひぇぇーーーーーー」

 

『それが嫌なら沙穂をつかんでさっさと離れろ。そこからは明久が戦う』

 

「は、はいいいいいいーーーーー」

 

そして鈴蘭が走り去った後に残るは明久のみである。

 

 

 

 

「さてガンバろっか」

 

 




今回短いうえにめちゃくちゃな感じで済みませんでした。

次回投稿は十二月九日を予定しています。

次回 第十五話「ドクターのびっくりドッカンメカ」

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