バカと魔王と澱の神   作:アマガキ

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明久のカップリングの予定(ほぼ確定)を知りたいという人がいないので来たるべき時が来るまで隠す予定で行きます。

今回は戦闘会?

描写が怪しいところが多いと思いますので改善点などを感想に書き込んでいただきたいです。


第九話 カッターで戦える人間はナイフでも戦える

「鈴蘭さんには不位置の魔力があることが検出されたっす。未確認情報じゃなく、正式に聖なる巫女になれる資質が確認されたっす」

 

 

 

 

 

 

「えっと・・・・」

 

「さあさあ、教会に言って洗礼を受けるっす」

 

「いやでも・・・」

 

「フェリオール司教もテレビで言ってたでしょ。聖なる巫女になる素質が鈴蘭さんにはあるっすよ」

 

「?」

 

そのニュースを見た後に借金取りが押し掛けたので鈴蘭は知っているが、明久は帰ってきたとこにあの事件だったのでその話は知らなかった。

 

が、テレビでは名護屋河鈴蘭と言っていたはずだった。

 

「まあ、おれも吾川が消えたって聞いて、聖女救出任務に加わるためにレベル上げをしてたんだけど

な。まあ無事を確認できたらそれでいいんだけどな」

 

どうやら長谷部先輩のレベル上げは自分のためだったらしい。

 

「さあ聖女になりましょう!」

 

「でも・・・・私何すればいいかわからないし・・・」

 

「そんなの分かりきったことっすよ。聖女様さえいればこっちのもんっす。悪い奴なんてみんな天に

召されてもらうっす」

 

(ヤバい。めちゃくちゃ怖い)

 

クラリカの危険な一面を見た鈴蘭は怯えを隠せない。

 

「もうよせクラリカ」

 

翔希がクラリカを止める。

 

「何を言うッすか、聖女様さえいれば世界が平和になるっすよ!」

 

「それでも無関係な人間を巻き込むのは!!」

 

「でもそうすれば悪党を滅ぼせるんっす!!」

 

二人が熱くなって言い争う中明久は急に何かに気が付いたようにあたりに警戒し始めた。

が、

 

「それで失敗して吾川が魔王になるかもしれないだろう!」

 

なんか爆弾発言が明久の耳に届いた。

 

「先輩それってどういうことですか?!」

 

明久はあわてて問う。

 

「あっ、いや今の話は忘れてくれ」

 

そう言ってごまかす翔希の表情が余計に真実味を増させる。

 

鈴蘭はあまり事態を分かっていないようだが。

 

それともあまりの状況にあきれているのだろうか?

 

「ええと、つまり吾川さんのさっきの―1は聖女にも魔王にも慣れる才能ってことですか?」

 

「お前ほんとに観察処分者か?!よくそこまで分かったな」

 

「翔希さん観察処分者ってなんすか?」

 

「あっ、クラリカさんそれはちょっとおちゃめな高校生に与えられる称ご・・・」

 

「問題を起こした要注意人物につけられる称号だ。バカの代名詞とも言われる」

 

明久のごまかしも無残にあっさりとばらされてしまった。

 

「でも、明久君の言うとおりっすから、あながちバカでもないんじゃないんですか?」

 

「とにかくだ吾川をこっちの世界に巻き込むのはやめよう」

 

「でも世界数十億の幸せがかかってるっすよ」

 

その時何かに気付いた明久は鈴蘭に耳打ちした。

 

『社長が来るよ』

 

「それでも誰かの犠牲の上に成り立つ平和なんか間違っている!!」

 

「くっくっくっ・・・そうか」

 

凶悪な笑顔を浮かべ伊織貴瀬が現れた。

 

 

 

 

いきなりあらわれた伊織を見て驚きながらも翔希は問いかける。

 

「なんでここに貴様がいるんだ!伊織貴瀬え」

 

「くくっ、さあな。くそガキレベルは上がったのか?」

 

「なぜそれを知っている!」

 

「盗聴していたからな」

 

そういって伊織は鈴蘭のポケットに入っていた小さな機械を取り出す。

 

「よくやった、明久・鈴蘭」

 

「は、はい」「はい!」

 

明久は元気に答えたが、鈴蘭はどもっていた。

 

「そんな・・・・吾川、君はそいつが何者か知っているのか?」

 

「ええと、私この人に借金があって・・・・・・働いてるというか・・・」

 

「吉井お前こいつの手下だったのか!?」

 

「えっ・・・僕は吾川さんがやばそうだから手伝ってるだけですよ」

 

「まあ、二人ともうちの立派な社員というわけだ」

 

「くっ」

 

「それよりも鈴蘭、俺のことはなんて呼ぶんだったか?」

 

鈴蘭の頭には伊織がアイアンクローを仕掛けている。

 

「う・・・・・ご主人様」

 

「あ、吾川一体・・・・・・・?」

 

「分かりきったことだ。鈴蘭と僕はそういう関係になったというわけだ」

 

「なっ・・・・・」

 

意味深な伊織の発言に翔希は顔を真っ赤にする。

 

鈴蘭もショックな顔をしている。

 

ちなみにクラリカは翔希をからかい始めた。

 

が、伊織は勇者がショックを受けている間にこれからの指示を出した。

 

なんでも勇者よりもクラリカのほうが厄介だそうだ。

 

クラリカはプロの殺し屋で異端審問会二分というところで働いている置いうことはわかった。

 

『いいか明久、君が隙を作れ』

 

仕事を任された明久は気合が入っている。

 

が、クラリカはいじるのが飽きたのか翔希に聞いた。

 

「で、あの人なんなんすか?」

 

「ああ、あいつは伊織貴瀬・・・・悪の組織とやらを率いているんだ」

 

「ってことは悪い奴っすよね?」

 

クラリカの目が危険な輝き方をしている。

 

「じゃあ、やっつけちゃってもいいっすよね?」

 

そして貴瀬に銃を向けた。

 

「天に召しませ!」

 

 

 

 

 

クラリカのモーゼル拳銃から放たれた弾丸に伊織はあわてて鈴蘭を引き寄せる。

 

「そんな時代置き売れの代物で俺を倒せると思ってるのか?それ以前にこっちにだれが握られている

かわかっているよな?」

 

「おい!クラリカ、吾川が向こうにいるんだぞ!」

 

翔希が焦った声を出す。

 

「何言ってんすか。聖女様には主のご加護があるから大丈夫っすよ」

 

といい弾丸を放ち続ける。

 

「社長、逃げましょう」

 

明久が言う。

 

「そうだな。僕が囮になるしかないか」

 

「待ってください、囮くらい僕でもできますよ」

 

「分かっているのか?!あいつは一級の殺し屋だと・・・」

 

「いけますよ!」

 

そういって明久はナイフを投げた。

 

「「なに!!」」

 

翔希と貴瀬が同時に驚きの声を上げる。

 

翔希は明久がクラリカを攻撃したことに、貴瀬はその攻撃の鋭さにそれぞれ驚いていた。

が、それを避けながらもクラリカは銃を撃ち続ける。

 

「明久君も悪人っすか?天に召されたいんすか?」

 

危ない目をしたクラリカは狙いを明久に変えた。

 

「この状況から逃げたいだけです!」

 

クラリカの放つ弾丸は魔導被膜によってはじかれるので明久は安全だと考えていた。

が、そこでクラリカの殺気がひときわ大きくなった。

 

あわてて顔をずらすとすぐ横に弾丸が通過した。

 

「「「なっ!」」」

 

「顔狙うとかひどいよクラリカさん!」

 

「いやいや避けれる明久君が異常っすよ」

 

明久はFFF団に追い回される身だ。

 

殺気くらい読めるようにならなければ生きてこれなかっただろう。

 

「社長この場は僕に任せてくれて大丈夫ですよ。」

 

(想像以上だ。めちゃくちゃなガキだと思っていたが。戦闘もこなすとはな)

 

「・・・・そうだな」

 

そういって鈴蘭を小脇に抱え伊織は走って行った。

 

「おい!待て!」

 

といい翔希が止めようとしたのでそちらにもナイフを投げる。

 

「明久お前何するんだよ・・?」

 

「社長の指示なんで悪く思わないでください。あと個人的な恨みも」

 

「恨み・・・・?」

 

「女子に持てるなんて羨ましすぎるうえ、おれイケメンってオーラが出ててむかつくんです!!!」

 

「そんな理由で!?」

 

「だからそれはおまけです!!」

 

なおこの間明久は翔希にナイフを投げ続け、クラリカの弾丸は魔導被膜のないところに飛んできたも

のだけを避け続けている。

 

が、ここで翔希も会話をやめて明久を攻撃してきた。

 

「お前を倒さないと吾川は助けられないんだな?」

 

「やばっ!」

 

二対一はさすがにまずいと思った明久は素早くナイフをクラリカに投げる。

 

それまでのようにかわしたクラリカだが、今回は先ほどまでとは一味違った。

 

一つ目のナイフに隠れるようにもう一つナイフを放ったのだ。

 

これはかわすことができずに、ねらいたがわずクラリカの銃を弾き飛ばした。

 

弾き飛ばされた銃は展望台からそのまま落ちて行った。

 

その後明久は翔希の迎撃に集中した。

 

勇者の剣技に太刀打ちできるものはそうはいない。

 

だから明久のしたことは簡単。

 

避け続けた。

 

そして、隙を見て明久は翔希の背後に回る。

 

(やられた!)

 

翔希が敗北を覚悟したその瞬間、明久はそのまま走って逃げだした。

 

「は?」

 

いや何も間違ってはいない、最初から明久は時間を稼ぐために残ったのだから。

 

そしてクラリカ・翔希はすでに相当な時間を稼がれてしまっている。

 

あわてて追おうとした翔希めがけ明久はありったけのナイフを投げつけた。

 

これをかわし、なぎ払いする間にさらに距離を稼ぐ。

 

そのまま全力疾走する明久には追いつけなかった。

 

 

 

 

 

 

 

車の中で運転席の伊織はすでに準備万端といった体だった。

 

「明久のやつはいったい何者なんだ?」

 

伊織が鈴蘭に聞く。

 

「何者って言われても・・・?」

 

「普通の学生が、あのいかれシスターのような奴の弾丸は避けられん。しかも明久は顔に飛んできたものだけを避けるなんて真似をして見せた。」

 

「はぁ?」

 

「要するに殺気を読んだということだと思うのだがそんなことをたやすくできる一般人がいてたまるか」

 

「それは・・・ってご主人様、吉井君来ましたよ!」

 

それを聞き伊織は車のエンジンをかける。

 

そして鈴蘭が明けたドアから明久が飛び込んできた。

 

「明久ぁぁぁぁぁ!!」

 

少々離れたところから翔希の声が聞こえる。

 

車が動き始めてから伊織が聞いた。

 

「明久、お前はどうやって逃げてきたんだ?」

 

それに対して明久が事の顛末を語ると、

 

「にわかには信じがたいな」

 

と驚いた様子を見せた。

 

「お前勇者の剣をかわしたのか?」

 

「何とかかわしましたけど?」

 

「何とかでかわせるのか」

 

伊織は今度は苦笑している。

 

「まあ、続きは帰ってから聞かせてもらおう」

 

そういって運転に集中し始めた。

 

 

 

 

 

 

 




さて今回も無事?に投稿できました。

今回はリップルラップルを呼ばずにあとがきをやる予定です。

リップルラップル有がいいという方はその旨を感想にお書きください。



ついに明久が戦闘しました。

クラリカの銃弾を顔に飛んでくるものだけよけたり、ナイフの二段投げを披露しました。

この殺気を読むのはFFF団や鉄人との日々の戦いから身についたものです。

ナイフの扱いもタイトル通りカッターの扱いの応用です。

ちなみに鉄人はモンスターぐらい軽く倒せるような存在です。

鉄人の設定改変もあります。

それと新たに活動報告で募集を行います。

あとあと龍の出番を多めにしたいので龍の名前を考えてほしいのです。

原作では火龍=ゲリオキスク、黒龍=ミッペルテルトのように別名があるので他の龍の出番を増やすに当たり同じような別名を考えたいのです。

ちなみに光龍に関しては考えましたのであと必要なのは水龍、風龍、砂龍、怒龍です。

どうかよろしくお願いします。

いつものことになりますが作品に対しての感想・質問・カップリング予想などお待ちしております。

次回投稿は十一月十日日曜日となる予定です。

次回 バイクで追ってくる翔輝たち。

   車さえ切れる勇者の剣が迫りくる。

   その時伊織は?!

第十話 交通弱者って知ってますか?

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