魔法少女リリカルなのは~カレイドの魔法…少年?~ 作:朱羽総長
空く期間短く出来るように頑張ります。
目を覚ますと、真っ白い空間だった。
「最近、意識飛びすぎな気がする」
そんなことを呟きながら起き上がる。
周囲は、古びた建物。所々崩れてはいるが無事な建物が多い。
ただ、何より気になることは、
「少なくとも、日本の建物ではないよなぁ」
円錐形というのだったか。そんな形状の建物ばかり並んでいるのだ。
それも真っ白。街並みが広がっているというのに、全てが白である。
「ここはどこなんだろう…ん?」
足元を見ると矢印が書いてあった。よく見ればいくつも。まるで道標だ。怪しいけど…
「行くしかないよね」
「そうですね」
「あ、エメラルド」
フワフワと同意しながら飛んできた相棒に声をかける。
なんか大分久しぶりに声を聞いた気がする。
「周辺を見てきました。生体反応無し。それどころか、生活の痕跡すらありません」
「無人ってこと?」
「はい。ただ矢印の先に僅かですが魔力反応があります」
となると、やっぱりこの矢印に従うしかない。エメラルドを握り転身。警戒しつつも歩き始める。
歩き始めて約10分。ざっと見た限り本当に人はいないみたいだ。建物は真っ白、色の無い世界ってここのことを言うのだろうと思った。
矢印に従って、一件の建物にたどり着いた。スタート地点からも見えていた巨大なドーム状の建物だった。ここらへんで、恐らく一番大きな建物じゃないだろうか。
「魔力反応は中です」
恐る恐るドアを開く。
視界全てを埋め尽くす本棚。本も棚も真っ白。
どれだけあるのか考えるのも億劫になるほどの本。
視界の中心、本棚に囲まれた先に黒いものがその存在感を放っていた。
「遅かったね」
ソレは言葉を発した。流暢に、普通に。
観ただけで感じた。
この人は、サーヴァント
「あぁ、そんな警戒しなくてもいい。といっても無理かな」
少し前の神様との会話を思い出す。
──『上位のは特徴がありますから』
「特徴?」
『はい。彼らは、言葉を話せる、会話が成り立つだけの理性と意識があります。それでいて人間のように自由気ままに過ごしています。魔力を意図的に隠せるのもいますね』──
この人は自我があり、はっきりと意志疎通出来ている。つまり、上位…!
「恐らく会話が出来るほどのサーヴァントは危険と聞いてるのかもしれないがそれは違う。当然そういった者もいるだろうけどね」
目の前の男は椅子に座ったまま、体をこちらへ向けた。
普通の男、というには整った顔立ち。黒いコート…なんだっけ、インバネスだったかな、を着込んでる。
「本来ここには私ではない私、『彼』のほうが居るはずだったのだがね」
「?」
何を言っているのかわからない。けど、襲いかかってくる気配は無さそうだ。
「さて、時間も無い。君達へとアドバイスしなければ」
「アドバイスって?」
「なに、初歩的なことだよ。……これから先、君は覚悟を決めなければいけない。その覚悟とは……」
ドゴォンと、どこか遠くで建物が崩れたような音がした。
「不味いな本格的に時間はなさそうだ。すまないが、君自身で見つけてくれ」
「いや、ちょっ!?」
「これを渡しておこう」
投げ渡されたのは1つの瓶。それと読めない字で書かれた資料。
そして、カードのような……
「って、クラスカード!?」
「君がやろうとしていること、『彼女』にはそちらのほうが適任だろうとね」
何なんだこの人!?こっちのやろうとしてること全部把握してるの!?
「私ではない私からそう伝えられてね、では時間だ。またどこかで会おう」
そうして視界は光に飲まれ──
さて、彼を送り出すことは出来た。『彼』の時間稼ぎも限界だろう。
「私はいつかのためにこの謎に挑むとしよう」
余談ですが、感想にて指摘されたことを読んで
「設定の小出しは駄目だったなぁ」
と反省。
改めて設定まとめてきます。
感想、アドバイス待ってます