魔法少女リリカルなのは~カレイドの魔法…少年?~   作:朱羽総長

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あけましておめでとうございます……?(今更)

ギリギリ4月、ギリギリ4月に間に合いました。

うーん、どうも執筆がうまくいかない。

とりあえずお久しぶりの1本、どうぞ。


突撃2

 

 

『クロノくん!駆動炉に着いたんだけど』

 

『クロノ、僕だ、ユーノだ。駆動炉の周辺をよく分からない結界が守ってて手出しが出来ない!なのはの砲撃も無意味だった!』

 

『分かった。君たちは、ひとまずアルフと合流してくれ。それとしばらくは艦長のほうに指示を仰いでくれ』

 

『クロノくん?』

 

『僕は、暫く連絡が出来そうにない』

 

 

目の前に立つのは今回の事件の主犯、プレシア・テスタロッサ。

 

その手には杖と、彼のデバイス(?)が入った籠を持っている。

 

 

「あら?もうイイのかしラ」

 

「あぁ、あなたを捕らえてからまた連絡すればいい」

 

 

相対してわかったことがある。彼女は正気ではない。いや、そもそも娘のクローンを造り、それに手を加えている時点で 正気とも思えないが。

 

 

(ただ、何なんだ。この変な感じは)

 

 

プレシアから感じる僅かな違和感。まるで人間が上書きされていく様な……。

 

 

(いや、考えるのは後だ。まずは彼女を捕まえる!)

 

 

プレシアへと1歩踏み込むと同時に、戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

 

迫る骸骨共を叩き潰す。切りがない。

フェイトの元に辿り着いたというのに、拘束を解除する方法を探す暇もない。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ…………」

 

 

1体1体は対して強くない。けど、こうも連戦が続けば魔力も体力も無くなっていく。

 

 

(なのは達もこっちに向かってるってことだし、あと少し踏ん張らないと)

 

 

 

 

「あら、意外と頑張ってイルのね」

 

 

 

「!?」

 

 

その声を聞いてゾッとした。

そのせいで反応が一種遅れ、骸骨達を巻き添えにして襲い来る砲撃を防ぐことが出来ずに直撃を受けながら吹き飛ばされた。

 

 

「プレシア……あんた、どうして……、クロ…ノは」

 

「あぁ、アノボウヤね。あと4、5年したらもう少しモッタかもしれないわね」

 

 

放り投げられたのは無残にも壊されたクロノのデバイスだった。実物を知ってるからこそ、かろうじて原型がわかる位の損傷にベッタリと付着した赤黒い何か。

 

 

「さて、そろそろコロアイかしら」

 

 

そう言って悠斗のデバイス(?)を入れた籠を置き、彼女の杖を手元に呼ぶ。

いや、あれは……

 

 

(いつものデバイスじゃない?)

 

 

奴が握ってるのは異様な気配を出している杖。

それを握りゆっくりと歩み寄る。

 

(けどやるしかない!)

 

 

主の為に。その一心で。

今戦闘に回せる魔力のほとんどを使い魔力弾を3発造る。

 

 

「はぁぁぁぁ!」

 

 

それらをプレシアへと出せる限りの速度で放つ。

奴の身体はもう限界の筈。魔力も魔法のキレも変わらずでも、肉体のほうは別だろう。

 

 

(防ぐか打ち消すか、どちらにしろほんの僅かに隙が出来る)

 

 

予想通りプレシアは、障壁を張り防いだ。ぶつかり、小規模の爆発が起きる。

その一瞬。

 

 

「!」

 

 

プレシアの身体を橙の鎖が絡めとる。

魔法はこれで打ち止め。後は全力で………

 

 

(殴る!)

 

 

後ろへと周り込み、拳を握りしめる。一撃。それがチャンス。

 

 

(これで!)

 

 

最後の1歩を踏み込む。

その時、視界に映ったのは、僅かに口元を上げるプレシアの顔だった。

 

 

「……おバカさん」

 

 

足元から光の柱がアルフを包み込み爆ぜた。

 

 

「がっ…な…!?」

 

「所詮獣ね。コンナ罠にも気付けない」

 

 

背後で倒れる自分には目もくれず、フェイトの元へと歩き始める。

不意に足を止めた。

 

 

「そういえば、アナタフェイトの魔力供給をウケてたわよね?少しでも魔力ガ漏レルのを避けたいし」

 

 

霞む視界のなか、こちらへと身を翻し不思議な形なナイフを手に近づいてくる。

 

(ごめん、フェイト……。アタシじゃ、時間稼ぎも……)

 

 

蹴られ、仰向けの状態にされる。

今の自分では動くこともできない。

 

 

そして、鮮血が舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……………………………ん?)

 

 

顔に血がかかる感じはしたが、痛みが来ない。目を開けると………

 

 

 

顔めがけて落ちてくるナイフが。

 

 

「うぉぉぉぉぉ!?」

 

 

首を逸らす。顔の横へと突き刺さるナイフ。

 

(あ、危なっ!?)

 

 

視線をプレシアへ向けると、彼女の腕を短い刀が突き刺していた。

 

 

 

 

 

 

気づけなかった。

獣へと突き刺そうとした瞬間、上空より飛来した短刀が自身の腕を突き刺した。

思わす手を離した武器には目もくれず、すぐさま上を見る。

 

 

(気づけナカった)

 

 

自分達を跳び越えていく姿。

 

 

(攻撃をウケるまで、全く、ナニも、足音も……!)

 

 

危険と判断し、足元から標的を切り替える。

速度の速い敵と判断し、追尾性のあり速度の速い魔力弾を数10発作り放つ。

標的は、ちらっとちらっと一瞥するのみ。着地で、減速した標的へと魔力弾が着弾………………するはずだった。

 

 

(!?)

 

 

敵は上着を脱ぎ上へと放り投げ、さらに加速した。

本来なら上着など気にせずに突き進む魔力弾が吸い込まれる様に上空の上着へと突き刺さる。

そうこうしている内に、標的はフェイトへと迫りいつの間にか持っていた長剣を振り上げる。

 

 

「ヤメナサイ!!」

 

 

放つ砲撃。

あの剣は危険だ!

砲撃が着弾し、爆発が起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイトは返してもらったよ」

 

 

 

 

 

 

炎の中から現れたのはは口元を覆うスカーフ。

目の描かれた帽子。

そして逆手に剣を持ちながらフェイトを抱える姿。

 

 

「次はお前だ、覚悟しろ」

 

 

 




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