魔法少女リリカルなのは~カレイドの魔法…少年?~   作:朱羽総長

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間に合った…!

という訳で今月中にギリギリ間に合いました。

オリジナル要素強めですが、どうぞ!


魔法よりSFじゃないか?ここ

 

 

「友達になりたいんだ、フェイトちゃんと」

 

 

…なんていうか、なのはらしいなぁ。

あっちはこのまま戦闘って雰囲気じゃなさそうだし、カードだけでも回収しようかな。

そう考えて動こうとした時、ゾクリと嫌な予感がした。

 

 

 

(どこから、横、下…違う。なら、上!)

 

 

 

上空に大規模な魔法陣が現れる。

その中心から巨大な雷が丁度真下にいたフェイトへと直撃する。

 

 

「フェイトちゃん!?」

 

「フェイト!」

 

 

近寄ろうとする僕となのは、それを妨害するかのように魔法陣から光線が降り注ぐ。

中心のフェイトを囲むように放たれた光は僕らの足を止めた。

 

 

「邪魔!限定展開(インクルード)!」

 

 

クラスカード『バーサーカー』を取り出し

限定展開(インクルード)して、銀鎖を取り出す。

銀鎖を伸ばしてフェイトをたぐり寄せようとするが、雷光が弱まると同時にその姿は突如消えた。

 

 

「こんのぉぉぉ!」

 

 

消えたフェイトに動揺したが、叫び声に反応して後ろを振り向く。

そこには海上のジュエルシードへと接近したアルフと恐らく僕より少し年上の男の子が対峙していた。

 

「邪魔を、するなぁぁ!」

 

 

アルフさんが魔力弾を海面へと叩きつけ水しぶきを盛大に上げて目くらましに使う。

その間にジュエルシードへと迫るが、男の子が周り込むように加速して追いかける。

一瞬の交差。

アルフさんの手には4つのジュエルシード。

男の子の手には3つのジュエルシードとクラスカード…って取られた!?

 

 

「う、ァァァァァァァ!!」

 

 

雄叫びを上げ突っ込もうとするアルフさんを魔法陣が囲み姿は消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蒼崎 悠斗です」

 

「初めまして。時空管理局所属アースラ艦長のリンディ・ハラオウンよ」

 

 

あの後、黒髪の男の子、クロノ君に拘束もとい連行され今はここ、巡航艦『アースラ』の艦長室に連れてこられた。

というか、凄い近未来感。この艦、ロボット物に出てきてもおかしくはない。

 

 

「さて、色々聞きたいけど何から話そうかしら」

 

「そうですね、ではまず……」

 

 

リンディさんの横にクロノが、僕の後ろになのはとユーノがいる中で話が始まった。

 

「君は何者だ?彼女、なのはから存在は聞いてるが」

 

「えっと…」

 

 

なんて答えよう。「魔法少年です♪」なんて答えたらなにされるか。

 

 

「フリーの魔導師です」

 

 

頭を悩ませているとエメラルドが代わりに答えてくれた。

 

 

「目的は?」

 

「住んでる町で変な魔力を感じ、なおかつそれが住民へと被害を出しているのを、手を出さずに見ていられるような人ではないので。私の主は」

 

「あの鎖や槍については?」

 

「ノーコメントです。答える気も理由もありません」

 

「何?」

 

「はいはい、そこまで」

 

 

クロノ君とエメラルドの間に不穏な空気が漂い始めた途端、リンディさんが話を中断させた。

 

 

「詳しいことは後ででいいわ。それで蒼崎君?私達に協力してもらえないかしら?そうしてくれるなら今回のなのはさん達の命令違反は見逃してあげるけど」

 

 

協力。確かにこちらはこの世界の魔法に詳しくない二人。ユーノは詳しいけどフェイトとら戦えるタイプじゃない。

それに組織のバックアップがあったほうが都合がいい。

 

「……じゃあ、こちらからも1つだけ。フェイトに関することはなのはと僕に任せて貰えませんか?」

 

 

話して見た感じ悪い人ではないが、今回のようにフェイトが危険な状態でも効率よく捕らえるために放置するという方法を取るかもしれない。

勿論、それがリーダーとしては正しく仕方のないことだとは分かるがこちらはフェイトのほうが大切でもある。

なのはとフェイト、この二人の決着も着けさせてあげたいし。

 

 

「いいでしょう」

 

「母さ…艦長!?」

 

「こっちは協力を申し込んでる側なのよ。その位の条件は呑んであげてもいいじゃない」

 

「…ありがとうございます」

 

 

申し込んでる側とか言ってるけど、さらりと脅してきてたよね?とかはスルーした。

 

 

そしてなのはと話す間もなく、流れるように開かれた会議に参加させられた。

 

 

「フェイト・テスタロッサへと行われた攻撃と同時にアースラへとも攻撃が行われました」

 

「被害は?」

 

「一部のシステムがダウンしており、現在復旧作業中です。ただ3日は動けないかと」

 

「わかりました。次はクロノ」

 

「はい」

 

 

横に座ってたクロノ君が立ち上がり機械を弄ってる女の人に目線で合図した。

 

 

「今回の次元跳躍攻撃の魔力から犯人の目星が付きました」

 

 

空中へと映像が投影される。

そこには紫の髪の綺麗な女性が映っていた。

 

 

「プレシア・テスタロッサ。僕達と同じミッドチルダ出身の魔導師です。かつては次元航行エネルギー専門の優秀な魔導師とのこと」

 

 

……うん、わからん。まぁ、いいや。

けど、この人がフェイトのお母さん…。

 

 

「ですが、数年前に魔導炉『ヒュドラ』実験の事故、違法研究によって放逐されました」

 

「元々テスタロッサって名前から候補にはしてたけど、フェイトちゃんの戸籍も無かったし決め手がなかったんだよね」

 

「エイミィ」

 

「いいわよ、クロノ」

 

 

女の人はエイミィさんというらしい。

 

 

「さて、問題はまだ見つかってない最後の1個のジュエルシード、そしてフェイトさんね」

 

「ラスト1個なんですか?」

 

 

確かに今回のは数が多かったけど。

 

 

「現在この街に確認出来る反応は0。今回の件で色々な所をくまなく探してる最中だけどね」

 

「最後の1個……」

 

 

何かわすれてるような……

 

 

 

「あっ」

 

「どうかしたの?悠斗君」

 

「最後の1個わかったかも」

 

「何!?」

 

 

そう、すっかり忘れてたがすずかの事件の時のジュエルシード、回収してない。

あれはどうなったのだろうか。アルクェイドの消滅と同時に空間こど消えたのだろうか。もしくは……

 

 

「カイト…長剣のデバイスを使う男か」

 

「はい、多分その人がわかるんじゃないかと思います」

 

 

あの事件をすずか名前を出さずに簡単に纏めて説明した。

 

 

「わかりました。その人物についてはこちらで調べて置きます。とりあえずなのはさん達は家に帰ってもらっていいわ。しばらくは動けないし」

 

学校もあるでしょ、とニコニコと笑顔で言ってくる。

学校……なんて説明しよう。休んでた理由。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なんで、なんでだよ…!)

 

 

暗闇の中、フェイトの使い魔アルフは歯ぎしりしながら渦具ってうた。

背中の扉、その奥からビシッ、バシッ、と何かを叩く音と自身の主のうめき声が漏れてくる。

 

 

(フェイトはあんたの娘だろ、なんで、なんで!?)

 

 

今すぐにでもフェイトを助けにいきたい。けれど、自分が彼女の母親プレシアに勝てるかは怪しい。

それに仮に勝てるとしてもフェイトはそれを望んでいない。

だからこそ、今までこんなこと(・・・・・)があっても我慢してきた。

今日もまたこれからフェイトはプレシアに……

 

 

(……?)

 

 

どういうことだろうか。いつもならまだ続く音が途絶えた。

今日はもう終わり?もしかしてプレシアに今更ながら罪悪感でも…いや、そんな訳ない。

疑問に思いながらも扉を開けようと取っ手に手をかけた。

 

 

「――――――――――!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

フェイトの声にならない叫び声を聞いて反射的に扉を蹴破っていた。

部屋には倒れ伏すフェイト、それを見下すプレシアがいた。

 

 

「フェイト!」

 

 

倒れ伏す彼女を抱き上げる。

気絶しているようだが、その顔は苦痛に歪められていた。

身体のいたる所に鞭による裂傷が見受けられ、満身創痍といえる有様だった。

 

 

「プレシアァァァァァ!!」

 

 

フェイトをゆっくりと床に寝かせ、プレシアへと殴りかかる。

突き出した拳は障壁に止められるが、両の拳でひたすら殴る。

 

 

「アンタはッ!親なんだろ!なんで!こんなことがっ!出来るんだ!」

 

 

障壁にヒビが入り始める。

行ける。

そう思い、拳に籠める魔力を増やす。

あと、一撃。それでこのクソ女に一撃入れられる。

 

 

「くたばれぇぇぇぇぇ!」

 

 

全力の一撃。

それは確実にプレシアの顔面を捉えた。

 

 

「えっ…?」

 

 

捉えた、筈だった。

プレシアと拳の間には1枚の障壁。

それ自体には驚かない。プレシアが自分の攻撃よりも早く展開できるならそうするのが普通だ。

驚いたのはその術式、その黄色の(・・・)魔力光。

 

「なんで…ッ!?」

 

 

背後から焼き付くような痛み。

斬られたと感じながら振り返り、

 

 

「ふぇ、いと」

 

 

鎌へと変化させたデバイスを振りかぶる自分の主を最後に意識は途切れた。

 

 

 




七月も2本を目指しますが、受験がある為確実とは言えないです。


感想、アドバイス頂けるとありがたいです。

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