魔法少女リリカルなのは~カレイドの魔法…少年?~   作:朱羽総長

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感想って嬉しいものだなぁ、と昔の感想見返してたら思ったより早く出来上がりました。
今回は、前々から、というかこの作品始めてすぐに考えたオリジナル設定が出てきます。
一応ご注意ください。


あと、後書きを変えてみました。


|憑依具現《ゴーストインストール》

 

限定展開(インクルード)!ランサー!」

 

 

ヴラドの槍を呼び出し、地面に突き刺す。

 

 

串刺城塞(カズィクル・ベイ)!!」

 

 

アルクェイドとの間を杭が埋め尽くしていく。だが、

 

 

「………!」

 

 

腕の一振り。それだけで発生した衝撃波に八割ほど砕かれた。

唖然としている間、一瞬で目の前に現れた。

 

「くっ…!?」

 

 

爪を伸ばし振りおろした腕を槍で受け止めた、のだが僕を中心に足元から亀裂が走った。

振りおろした腕とは逆の足で蹴り飛ばされ、フロアの端の壁にぶつかった。

 

 

「つっ、何…あれ」

 

「次が来ます!」

 

 

咄嗟にすぐ横の教室へと飛び込む。

同時にぶつかった壁がアルクェイドの一撃で壊される音が聞こえた。

 

 

接続解除(アンインクルード)。アーチャー限定展開(インクルード)

 

 

白銀と漆黒のガバメントを構え、連射する。放たれた銃弾はかわされ、掴まれ、叩き落とされた。

また一瞬で前へと迫ってくる。あらかじめそうくるかもと、備えていたので、ほぼ同時に後ろへ跳ぶことが出来た。

銃口を相手の足下へ向け引き金を引く。

 

 

「武偵弾『焼夷弾(フレア)』」

 

 

爆発が起こり窓側へと跳んでいた身体は、ガラスを破り外へと落ちた。

「よっ、ほっ、と」

 

 

空から降る机の破片やらガラスを避け、地面に着地する。

そしてすぐに、一階の教室に窓ガラスを破って侵入する。

窓側の壁に背を預けしゃがみこむ。

 

 

「痛っ」

 

飛び降りる直前に爪で切られた二の腕を、マントを少し裂き止血にあてる。

下手に治療してその魔力で場所がバレても面倒だ。

 

 

「物理保護が意味をなしてない…。というか、セイバーでもあんな強くなかったよね」

 

「恐らくあれは…確かにすずかさんなら…」

 

「エメラルド?」

 

 

考え事してるのか、ブツブツと呟いている。

だけど、あの強さは異常だ。エクストラの彼女はマスターが原因でかなりの弱体化をしてたとはいえ倒せない相手とは思えなかった。

黒化英霊は、弱体化されるためゲームと同じ、あるいはそれ以下の弱体化が起こるはず。

それに気になることもある。

 

 

「エメラルド。気になることがあるんだけど」

 

「なんでしょう」

 

 

考え事は終わったのか、元に戻っていた。

 

 

「あいつ、一瞬だけど、どこかとパスが繋がってる気配がしたんだ。どう思う?」

 

「…あのキャスター(変態)が残ってれば話は別ですが、そうでないとすると」

 

「すると?」

 

「…マスターが、いるということです」

 

 

ありえない。

口には出さなかったが、そうとしか思えなかった。

 

「悠斗様は、憑依具現(ゴーストインストール)は知っていますか?」

 

「いや、知らないけど」

 

 

何それ?知ってる限りの原作知識にも聞いた覚えすらないが。

 

 

「憑依具現とは、この世界におけるイレギュラーです。回収されてないカードが人を引き寄せ、その人物の身体を乗っ取っていき、最後には人から離れ本来のスペックで具現化されることをそう呼んでいます」

 

「なんで人に…」

 

「魔力を集めるためです。生きている人の身体を介して周囲から魔力を集める。黒化英霊達には、魔力を回収する術がありませんから」

 

 

確かに人によっては微弱ながらも魔力を持ってる人もいるだろうし、魔力も集めやすいのかもしれない。

 

「けど、それとあの強さに関係は?あと、だとしたらあれに憑依されたのは…」

 

「本来のサーヴァント達が現界するには依り代を必要とします。それがマスターであり、山門なんかもいましたね。黒化英霊には、それがありません。よって存在を維持することで魔力やらを使い、スペックが下がってます」

 

「つまり憑依した人物を依り代とすることで、さらに魔力も貯められるから本来のスペックになってるってこと?」

 

「察しがよくて助かります。そして、彼女の依り代は恐らく…」

 

「すずか、ってことか」

 

 

けど、何故すずかなんだ?この街には膨大な魔力を持つなのはを含め他にも魔力を持つ人はいるだろうに。それにすずかには魔力は…。

 

 

「この現象は滅多に起きません。カードが引き寄せるのは、その英霊と本質が似てる人だけだからです」

 

「本質?」

 

「例えばメデューサでいえば、化物になるものと言った感じです。アルクェイドは、真粗、吸血鬼でしょうか」

 

「ちょっと待って。その話がホントだとしたら、すずかは」

 

「すずかさん、いえ、月村家は夜の一族という吸血鬼に近い一族です」

 

 

頭痛くなってきた。今日だけで色々知り過ぎた。キャパオーバーだよ。

けど、色々と不明だったことが分かった気がする。なのはの首筋の穴、すずかがなのはに噛み付き、血と魔力を吸ったのだろう。忍さんの記憶があやふやというのも、それも吸血鬼系の暗示とかで何かあったはずだ。

 

 

「すずかを助けるにはあれを倒すしかないか」

 

「恐らくは。実物と会うのは初めてですから確証はありませんが」

 

「それでも、可能性はあるんだよね?なら、決まり」

 

 

正直、行きたくない。怖い。殺される。

そんな情けない感情が心の奥でチラチラと顔を出してる。

けど、やるんだ。

なのはがいて、アリサがいて、そしてすずかがいる。

それが、僕にとっての一つの日常だ。

覚悟を決め、立ち上がる。

 

「行こう」

 

日常を取り戻す為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パリンッという音と、頭を掴まれる感覚。

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…」

 

 

 

 

 

 

思考が追いつくよりも早く、壁を壊す形で外へと引きずり出された。

その衝撃に耐えると、ようやく掴まれてることを自覚した。

 

 

悲しくも、背中をかつてないほどの痛みと、体内からのなにかが折れる音、衝撃に襲われ校舎へと吹き飛ぶのは同時だった。

 

 

 

 

 




後書き新企画。簡単解説のコーナー!


ランサー
もはや悠斗のメインカード。その内出番が…。

焼夷弾
緋弾のアリアに登場する武装、武偵弾の1つ。


キャスター(変態)
もしかして:全裸


憑依顕現
説明は本編にて。簡単にいえば、寄生?


みたいな感じのをやってこうと思うのですが、どうでしょうか?
感想、アドバイス、頂ければありがたいです。

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