魔法少女リリカルなのは~カレイドの魔法…少年?~ 作:朱羽総長
そして、セイバー戦完結です。
温泉話は、次で終わらせます。
あと、今回もかなりオリジナル混ざってるのでご注意を。
「
足元に出現した魔方陣から、膨大な魔力の渦が巻き起こる。
それは、僕を包みこんだ。
全身に力が溢れてくる。
周囲の魔力の渦を片手で払うように振り、消滅させる。
(これが…セイバー?)
疑問を抱きながら改めて、自分の姿を確認してみる。
正面のセイバーのような、騎士のような格好ではなく、ブレザータイプの制服でどこか近代的だ。
手には剣も持っておらず、制服に隠されてはいるが、手甲のようなものが装備されてるだけ。
「…………」
セイバーはこちらへと剣を構え、様子を伺っている。
視線をずらして、倒れてる二人を見る。
(なのは、フェイト。こいつが…!)
―ドクンッ―!
身体の中心に、焼き付くような不思議な感覚が巡った。
同時に、このカードの英雄の記憶が、知識が流れ込んできた。
「!!」
さすが弱体化しててもサーヴァント。とても速い。
さっきまでの俺なら反応出来ないかも知れないが、今の俺は
「一味違うんだよ!」
後ろへと飛び退きながら、制服の内側へと手を突っ込み、全体的に銀色の物体を取り出しセイバーへと向ける。
ガンッ!ガンッ!キキンッ!
轟音が響き、セイバーは剣でそれを弾く。
先ほどの銀色の物体、マットシルバーのベレッタM92F。拳銃だ。それも只の拳銃ではない。
見た目こそ普通だが、これはこのカードに宿ってた力の一部。つまり、サーヴァントの武器に匹敵する。
さらに今の感じから、魔力の霧では防げないようだ。
(さすがに防がれたが、足は止めることができた)
セイバーとの距離は、目測15メートル。
すぐさま詰められる距離だ。
牽制がてら、右手でベレッタを撃ちながら左手を背中にやる。
背中に収まっていた、スクラマ・サクスという形状の片刃刀を抜く。
銃弾を避け、一気に斬りかかってきたセイバーの剣をサクスで受け止め、つばぜり合う。
何回か切り結び、再び離れる。
かのエクスカリバーとぶつけ合い、全く欠けた様子も見せないこの刀。
別世界とはいえ、同じエクスカリバーというだけのことはある。
「aaa!!」
目の前のセイバーから膨大な魔力が放出された。
魔力放出による強化を本格的に使ってくるのだろう。
(なら、こっちも)
自身の魔力を用いて、強化を行う。
エメラルドがいないため、魔力量には限りがあるが、なんとかなるはず。
対してあちらは、後ろにうっすらと見えるコードのようなもの。
そこから、半永久的に魔力が流れてきてるのだろう。
この状態になって、そんなことが出来る存在を思い出した。あれを英雄と呼べるかは別だが。
「aa!」
魔力放出により威力も速度も上昇した剣撃を繰り出してくるが、目を強化し、この英雄の最大の特徴ともいえる力により、全神経が強化されてる今の俺には全て見切れる。
(そこだ!)
ベレッタを投げ捨て、横凪ぎに振られた剣を
そして、瞬時にサクスで剣を持ってない右腕を切り落とす。
「gaaa!?」
腹の辺りを蹴り飛ばす。
そのまま飛んでいき、木にぶつかって止まった。
宝具は両手でなければ使えないはずだから、これでもう使えない。
(次此方にまっすぐ駆けて来たときが、最後だ。問題があるとすれば、供給している奴だけど、大丈夫だろう)
サクスをしまい、両手を地面につけてクラウチングスタートの姿勢をとる。
セイバーは、起き上がりこちらを睨みながらも駆け出す体勢を取る。
「「っ!」」
駆け出したのはほぼ同時。
そして、
(駄目だ、負ける!)
今の冴えてる頭は、そう判断した。
勝つには、どんな要因でもいい、相手が一瞬でも減速してくれれば…!
ほんの少し前。
「よし、これで…って、縛ったら変な動きしだした!?気持ち悪い!」
「我慢して捕まえときな!!」
気配から、人間じゃないと判断したアルフは全裸へと攻撃を開始した。
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
バインドで縛られた全裸目掛けて、全力の一撃を放つ。
その一撃をくらった全裸は、ゆっくりと消えていき、その場には『キャスター』のカードと行方不明だったジュエルシードが残った。
それは突然だった。
カクンッと、セイバーが急に減速しだした。
後ろのコードのようなものが消え去り、放出されてる魔力量が減っていた。
(これなら…!)
右手を引き絞る。
減速したものの、セイバーは迎え撃つために剣に霧を纏った。
片手な上に、魔力供給が無くなったので一撃で決めようということだろう。
構えは、下から斜め上へと振り上げる形。
けど、それは現状で一番の悪手だ。
だって、その進行上には、
「…!?」
最後の罠、『落とし穴』があるのだから。
見事にはまり、落ちていく。
穴は深いが、狭い。そんな感じで作った。剣を振り上げることは、不可能なはず。
落ちていくセイバーを見ながら、
( この姿にあう決め台詞的なものを言ってみますか)
「この桜吹雪、散らせるものなら散らしてみやがれ!」
『桜花』
時速1236Kmの超音速の突きが、赤い桜吹雪を撒き散らしながらセイバーの頭蓋を貫いた。
それとアンケートですが、予想外に四人も答えていただけて驚きました。
結果は、この温泉話の後はオリスト『朱月のヴァンパイア』に決まりました。
上手くフラグ立たせられるか、頑張ってみます。
…それと、更新も早くするように頑張ります。
感想、アドバイスいただければ嬉しいです。