魔法少女リリカルなのは~カレイドの魔法…少年?~   作:朱羽総長

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どうも、お久しぶりです。
約2ヶ月。まったく更新できませんでした。
申し訳ありませんm(_ _)m
この調子じゃ無印終わるのはいつになるやら…。

では、どうぞ。


タオサナキャ

 

 少し時間は巻き戻る。

 

 

「捕縛成功っと」

 

 茨の塊を少し上の位置から見下ろす。

 

「それじゃあ、トドメを…ん?」

「どうしました?」

「いや、あれ何だろうって」

 

 指差した先、そこには透明なチューブのような物が塊から伸びていた。

 

「うーん、どっかで見たことあるような」

 

 前世の作品の何かだろうか?流石に英霊の名前と宝具は覚えているが、他のことは意外と曖昧だ。

 はやての付き添いで図書館に行って、英雄達の伝説は結構読んで忘れないようにしているが。

 

「…まぁ、いいか」

 

 自身の持つクラスカード、その中でも現状最大火力と思われるランサーのカードを取り出す。ちなみにヴラド三世ではない。

 いざ使おうとした時だった。

 

「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」

 

 そんな雄叫びとともに黒い魔力が茨の膜を弾け飛ばした。

 

「なっ!?」

 

 魔力放出で対処されるだろうと、かなり厚めに張ったのに破られた。

 それだけじゃない。感じられる魔力量がさっきの数倍になっている。

 驚いてる間に相手は次の動きをみせた。

 剣を両手で握り、刀身に魔力が集まっていく。

 

「ヤバいっ!」

 

 前面に出せるだけの障壁を展開する。

 

約束された(エクス)

 

 剣を振り上げ、言葉を紡ぎ、

 

勝利の剣(カリバー)!!」

 

 黒き一撃が放たれた。

 

 

 

 

「ここらへんかい?フェイトとえっと」

「なのはだよ。高町なのは。で、そうだよ。二人がいた形跡があるのは」

 

 大きな魔力を感じ、ひとまず休戦とした僕と彼女、アルフはなのはと彼女の主を探していた。

 二人の魔力を辿ってみたが、どうやら別の場所に向かったみたいだ。

 

「念話も応答ないし、なにかあったのかな」

「こっちもだよ。一体どこに…」

 

 アルフが喋ってる途中で止まった。

 何か見つけたみたいだが?

 そっちを見て、唖然とした。

 

 そこにいたのは、男性。

 歳はなのはや悠斗よりも年上で、恭也さんくらいだろうか?

 その人が仁王立ちしてる。

 

 

 

………………全裸で。

 

「「へ、変態だぁぁぁぁぁ!?」」

 

 

 

 

 

「うっ……」

 目を開くと視界には結界のせいで少し色が変わった空が見えた。

 生きてる。

 宝具を察知してセイバーの目の前から間隔を空けて障壁を8枚張り、威力が軽減するか試してみたが多少は効果あったようだ。

 どうやら気を失って倒れてたようだ。

 

「がっ…」

 

 起き上がろうとすると全身を激痛が走った。

 よく見ると転身も解けてる。

 

「う、ぐっ………」

 

 痛みに耐えながら起き上がり、近くの樹を支えに立つ。

 

「なんだ…これ」

 

 木々はなぎ倒され、地面には大きく削られ、結界の天井が大きく割れている。

 

(軽減出来てなかった?だったら僕はなんで…)

「そうだ、エメラルド!どこにいるの!?」

 

 今の状況を思い出し、エメラルドを探すが見当たらない。

 確か転身はステッキと使用者が一定距離以上離れると解除されてしまうんだったような。

 

「エメラルド!…ッ!?」

 

 大声を出したからか、身体中を走る痛みが強まり再び倒れてしまった。

 額に水のようなものが流れる感覚がし、手を当ててみると手には血がべっとりとついていた。

 思ったよりもダメージを負ってるようだ。

 前のほうで足音のようなものが聞こえたので見てみると、奴がいた。

 

(セイバー!?…こっちに気づいてないのか?)

 

 セイバーから見て右斜め後ろの自分には気づいてない。

 真っ直ぐ前に進んでる。

 

(セイバーはどこへ行く気だ…?)

 

 視線を動かすと、白と茶色、黒と金が地面に見えた。

 

(なのはとフェイト!?なんで、いやそれよりも二人が…!)

 

 転身の解けた自分よりも、バリアジャケットを着ている二人のほうが危険と判断したのだろうか。

 気を失ってると思われる二人から、注意をこっちにそらすため、身体に鞭打って起き上がりガンドを放つ。

 鎧にあたり、こっちを向いた。

 

「お前の相手は僕だ!」

 

 ゆっくりと下がりながら、攻撃を続ける。

 セイバーには対魔力があるのでこんな攻撃じゃ傷一つつけられない。

 けど、これしかない。

 フッとセイバーが突然消えた。

 

(どこに!?)

 

 周囲を探ろうとした瞬間、目の前にいつの間にかセイバーがいた。

 気づいたと同時に、腹部から痛みが襲ってきた。

 刺された。

 剣は引き抜かれ、蹴り飛ばされた。

 為すすべもなく吹き飛び、木にぶつかって地面に落ちた。

 

「がっ…つぅ…」

 

 考えて欲しい。大人ならともかく、子供の体長に剣を刺された。

 傷もかなり深いし、当然出血もひどい。

 視界がぼやけてきた。

 

(あぁ、死ぬな、これ)

 

 そう考えたら、痛みが感じられなくなってきた。

 しょうがない。やっぱりセイバーは強かった。

 諦めて楽になろうとした。

 

 

 

 

 

 

『悠斗くん!』

『悠斗!』

 

 

 

 

 

「しょうが…な、いで…すませ…られ、るも、んか」

 

 自分が今死んでしまえば、二人も死んでしまう。

 自分はいい。けど、彼女たちはやらせない!

 

 

 

 ミシリと身体の奥底から、罅が入るような音が聞こえた。

 

 

 

 

(倒すんだ…)

【タオサナキャ】

 

(どうやって?)

【チカラガホシイ】

 

「力?それなら」

【チカラナラ】

 

 

【「ココにある」】

 

 右ポケットから、カードを取り出す。

 入れっぱにしていたカード。

 そのクラスは『Saber』。

 

 

 

夢幻召喚(インストール)

 

 

 

 パキリと鎖が砕ける音がした。

 

 

 

 

 




次はセイバー戦決着。
アンケートまだ実施中です。

感想、アドバイスお待ちしております。

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