転生者・十六夜咲夜は静かに暮らしたい。   作:村雨 晶

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どうも、お久しぶりです。

また投稿が半年後とかね、もうね、遅筆とかってレベルじゃないですよね、ごめんなさい。

とりあえずこれで永夜抄編は区切りになります。

あとは後日談書くだけですね。

……書くの久し振りすぎて書き方を忘れてるので読みにくいかもしれません。


永夜の終わり(レミリア視点)

――レミリア視点

 

スペルカードが私たち五人に向けて展開される。

 

 

 

ちらり、と近くにいた博麗の巫女に目を向けると、いつの間にかその姿は遠くへ引き離されていた。

 

 

……いや、違う。

私たちの間の空間が拡張されているのだと遠目に見える壁を見て気付く。

 

 

 

その手の術式を仕込んでいたか、それともあの女の所業なのか。

まあ驚くべきことでもない。咲夜が普段していることの一つに過ぎないことだ。

 

 

それに近くに誰もいないというのは好都合だ。

周りに気兼ねすることなく弾幕を放てるということでもあるのだから。

別に他の奴らを心配するわけではないが、フレンドリィファイアで同士討ちなど面倒だからな。

 

 

女の弾幕が迫る。

散り散りに向かってくる弾幕を避けながらも違和感を覚える。

 

 

(この弾幕、瞬間的に移動している?)

 

 

遠くにあった光弾が一瞬のうちに眼前に迫っている。

認識をずらされているような感覚。

この感覚は、まるで。

 

 

(咲夜の弾幕?)

 

 

時間を止め、その間に迫ってくる咲夜のナイフにそっくりだ。

こちらの認識外に動かれているような。

 

 

ならば、この女の能力は空間を操作するものか、もしくは咲夜と同じ、時を操作する能力。

 

 

どちらであるにせよ、厄介だ。……しかし。

 

 

(私には分かる)

 

 

何度咲夜と戦ったろう。

最初は戯れに咲夜の修行に乱入しただけだったが、おかげである一つの力を見出すことができた。それは。

 

 

女の弾幕を注視する。そして、能力を発動した。

すると、今まで見えなかった弾幕の軌跡がはっきりと見えるようになる。

 

 

この世のものすべては、運命に囚われている。

人間も、妖怪も、生者も、死者も、有機物も、無機物も。

それが万物である限り、逃れることはできない。

 

そして運命とは、流動するものだ。

過去へ、未来へ。

ならば、その流れを読むことができれば。

視えないものなどこの世には無いのだろう。

 

 

運命の流れを読む。

たとえ停止した時間の中で動いていようと、空間を歪めて移動しようと無駄なこと。

ここに存在する限り、私に視えないものなど存在しない。

 

 

弾幕をすり抜ける。

先程のように避けるのではなく、躱す。道さえわかれば後はそこを進むだけでいい。

速さは必要ない。ゆっくりと弾幕の中を進んでいき、ついには女の前へとたどり着く。

 

 

「あはっ。面白い動きをするわね、貴女」

 

 

女が面白そうに顔を歪めるが、関係ない。

この私が、この女をぶちのめす。そう決めたのだから。

 

 

――神槍「スピア・ザ・グングニル」(紅符「不夜城レッド」)

 

 

スペルカードの二重詠唱。過剰な弾幕が女を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋が元の状態へと戻っていく。

その中心でボロボロになった女は笑いながら転がっていた。

 

 

「あっはははははははは!!!!いやあ、久しぶりに楽しめたわ。長いこと生きてると、やっぱり刺激が欲しくなるのよねえ」

 

 

はーぁ、と息をつく女には楽の相しかない。

言葉通り、女にとってはこの戦いも遊びの一つでしかなかったのだろう。

 

 

「さて、貴方方の回答、実に面白い……、もとい、興味深いものでした。その褒美と言っては何ですが、この夜を終わらしてさしあげましょう」

 

 

永琳も負けたみたいだしねえ、と小声で言う女は天井の月へと手をかざす。

 

 

――「永夜返し -世明け-」

 

 

天井の月が消滅したと思えば、外の景色が瞬く間に変化していく。

まるで夜明けの様を本のページを捲るように見ているようだ。

 

 

 

 

そして数秒後には星と月があった空は消え、日の出の景色へと変わっていた。

 

 

「……終わったのか」

 

 

白黒の魔法使いがぽつりと呟く。

その言葉で場の緊張がほぐれ、各々がふう、と息を吐く。

 

 

そして、それを狙ったかのようにその場に乱入してきたものがいた。

 

 

「あなたがレミリア・スカーレットね?」

 

 

乱入してきた銀髪の女は私へと視線を向けて問う。

何の用だ、と尋ねようとするが、その前にその女が口を開いた。

 

 

「十六夜咲夜が重症よ。あなたの力が必要だからすぐについてきなさい」

 

 

想像の埒外の言葉に、私は立ち尽くすしかなかった。

 






ん?他の四人の戦いはどうした?

皆様の脳内保管でオナシャス……(目そらし)



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