ダークソウルとかモンハン4Gとかやってたらね、時間があっという間に過ぎ去っていってたんです…。
今回はパチュリー視点。ある程度のプロットは出来上がったので次は早く投稿できます。……たぶん。きっと、めいびー…(目そらし)
――パチュリー視点
「そこの竹を右に。20歩ほど歩いたら左に進んで」
解析された結界の情報を基に私を運ぶ魂魄妖夢に結界の抜け道を伝える。
魔術によってもたらされる情報を頭の中で分類し、必要な物だけをこしとる。
そのために並列思考を行っているが、予想以上に結界は難解だった。幸いにも正規ルートの情報があったためにそれを基に結界を抜けているにすぎない。
結界のことなどまったく知らないと思われる、私を抱えている剣士はもはや帰り道すら分からなくなっているでしょうね。
「このまま真っ直ぐ竹の間を抜けて。貴方の感覚で真っ直ぐだと思う方向でいいわ」
難解な迷路もとうとう終わりが見えてきた。
竹林を抜け、そこにあったのは紅魔館ほどではないにしろ、大きな屋敷だった。
全体的に和風にまとめられており、この奇怪な竹林の只中にありながらそれが自然だと感じられる。
魂魄妖夢に降ろすように伝え、屋敷の門に触れる。
当然ながらそこにも結界が張られているが、それを一時的に解除し、少しの間だが入れるようにした。仮に咲夜がフランを抑えてこちらに来るなら問題なく入れることだろう。
感嘆したように屋敷の庭を眺めている剣士の襟首をつかみ、中へと入る。何やら後ろで剣士が騒いでいるが、この際無視だ。咲夜一人にフランを任せている以上、無駄な時間をかけている暇はないのだから。
中へと入ると、予想に反して特に何も仕掛けられなかった。
紅魔館での妖精メイドのような存在が襲い掛かってくるかと警戒したが、どうやらいらない心配だったみたいね。
紙のようなものでできている扉を開けていき(魂魄妖夢が言うには襖というものらしい)、結界の基点を目指す。
そしてもう何度扉を開けたか分からなくなった頃、突然、周囲の空間が歪み、私達は暗闇の中に放り出された。
周りをよく見ると、星のような光が無数に浮かんでおり、宇宙を模した結界の中に閉じ込められたことが分かった。
「あの竹林の迷宮結界を抜けてくるなんて、なかなかやり手みたいね」
私達の目の前に突然女が現れる。
赤と青の服を着て、髪を長い三つ編みにした女は敵である私達の前で、しかし悠然と微笑んでいた。
魂魄妖夢が突然目の前に現れた女を警戒して刀を構える。
しかし、私は女が現れた瞬間――いや、結界が構築されたと感じ取った瞬間から魔法を練り上げていた。
――日符「ロイヤルフレア」
魔法が発動したのを感じ取ったのか、女は一瞬で自分を囲うように障壁を展開させる。
その速さたるや、魔法使いである私ですら感嘆するものだったが、私の狙いは女ではない。
太陽を模した魔法は女の頭上を通り抜け、未だ構築途中だった宇宙を模した結界の一部を吹き飛ばす。
それを確認し、私は声を上げた。
「行きなさい、魂魄妖夢!」
剣士は突然の状況変化に驚いた顔をしていたが、次の瞬間には猛然と駆け出し、私が開けた結界の穴から脱出していた。
「まさか結界の構築途中に破壊されるとはね。でもこれであなたはここに閉じ込められた。あなたも今ので逃げ出すべきだったんじゃない?」
魂魄妖夢が結界から脱出した後、穴が塞がれる。これでこの結界は完成し、私がここから出るのはかなり困難になったと言えるだろう。
「わざわざ自分の領域でこんな結界を張るということは、あなたはどうしてもこの先に行ってほしくなかった。それに、あの剣士とあなたの相性はおそらく最悪。ここは私が残るべきだったのよ」
図星なのか、女の顔から笑みが消え、無表情でこちらを見つめてくる。
真正面から戦うことをよしとするあの剣士では策を弄する戦い方をするであろう目の前の女との戦いで苦戦するのは必然。
ならばあそこは剣士を先に行かせ、私が彼女の足止めをするのがあの場での最善だった。
それに――
「確かに、あなたを倒したとしてもこの結界を抜けるのは難しそうだわ。――私一人ならね」
そう言った直後、私達の上から声が聞こえてきた。その声はだんだん大きくなり、こちらに落ちてきているのだと分かる。
「きゃあぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!へぶっ!!!???」
私達の間に落ちてきたそれは顔面から落下し、情けない悲鳴を上げて着弾した。
「いたたた……。もう、いきなりなんなんですか!ユウちゃんと図書館の整理をしていたの…に…?」
顔を抑えて立ち上がったそれは、周囲を見回して停止した。
「こぁ」
「はひっ!!」
固まっていた彼女に声をかけると物凄い勢いで振り返り、またしても固まった。……面倒臭いわね……。
「今すぐここの結界を解析して、解除なさい。時間は私が稼いであげるから」
「ぱ、パチュリー様、状況がよく……」
「や り な さ い 」
「ハイヨロコンデー!」
声を一段低くして命令してようやく涙目ながらも仕事を始めるこぁ。
「彼女が私の結界を解除する……?それほどの力を持っているようには見えないけど、不安要素は摘み取らないとね」
女が弾幕をこぁへと向け発射する。
しかしそれを私が許すはずもなく私の障壁で弾幕はすべて弾かれた。
「私の使い魔がただの能無しな訳がないでしょう?こぁはね、悪魔の中でも珍しい対魔技術を持っている悪魔よ。戦闘能力が皆無の代わりにほぼすべての魔法を無力化できる。結界や呪いなんかが最たる例ね」
そう話す私にこぁが目を向けることはない。完全に集中した彼女の気をそらすにはそれこそ弾幕などを当てる必要があるだろう。――無論、そんなことは私がさせないのだが。
「さあ根競べと行きましょう。根負けするのはどちらが先かしらね?」
「……足止めするはずが足止めされることになるなんて、とんだ冗談だわ」
お互いにスペルカードを取り出し、構える。
そして同時に宙へと浮き、弾幕が激突した。
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