ペルソナ4ザゴールデン 平和を望んだ異端者   作:無幻

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ペルソナの出現

目の前で起こった事象は正直信じ難いことだった。

だが、認めるしかないだろう、これは、真実だ。

 

変異した影にたたき飛ばされた俺は、それでもなお、どうにか意識を保っていた。

どうしてかはわからん。意識を失ってはいけないってなぜか思った。

自分から出たという醜い影。そして、その影を倒した、鳴上達。ははは、俺、馬鹿みたいだな。

 

「おー……い」

 

でた声は驚くほど情けなかった。

だがその声はどうにか里中には届いたようだ。鳴上達がこっちに来た。

 

「護くん!」

「待ってて、今回復を……」

 

天城が心配してか、さっき傷を治していた魔法みたいなものを使おうとする。

だが、まず俺はそれを遮った。

 

「いや、いい。それよりも、やらなきゃ……いけないことが、ある。……手を、貸してくれ」

 

里中達が手を貸してくれて、どうにか俺は起き上がる。

足とか腕とか、色々とひどいが、そこまでじゃない。ゆっくり、確実に、俺の姿に戻った影に近づいていく。影は、もう何も言わず、ただ立っていた。

 

「情けなくて、認めたくなんて無かった。ずっと心のどっかで思ってたこと。それを考えないようにしてた。悲しかった。俺を理解してくれるやつなんて、いない。本当はなんとなく気づいてた。……けどそれを認めたら、後悔する。……母さんの言葉だけが、俺の支えで、だからこそ、認めたくなくて、見ないふりをしてた」

「……」

 

一言一言いい続ける。自分自身に言い聞かせるように。

 

「それでも怖くて、怖くて。お前の言うとおり、俺は逃げたんだ。他の事に没頭して、いやな心も、他人も見ないようにしてた。……ほんと、情けないよな。強くなきゃいけないと思った。誰よりも強くあれば、きっと一人でも大丈夫だと、そう思いたかった」

 

この俺の影の言っていた強くなきゃいけない、という台詞は、確かに俺の心にあったもの。暴走して、曝け出したから、自分の心が理解できた。

足元がふらつく。だが、まだ倒れるわけにはいかなかった。

 

「それでも俺は強くなりきれなくて、誰かが困ってたら、それを助けてきてさ。きっと理解してくれるって、それでも理解してくれないから、いなくなれば良いって思った。なにもかもにも勝手に絶望してた。……俺の、本当の気持ち、か」

「でも、気づいてるんでしょ?」

「うん、護の心は、それだけじゃないよ」

 

そうだ。こんな俺でも助けようとしてくれる奴らがいた。

それだけで、きっと十分なんだ。

 

「大切なものはすぐそばにあったんだ。けど俺は、自分を知ってもらおうってこともしなくて、ただわかって欲しいと。自分自身、相手が信じられなかったのに、そんなことにも気づかなかった。どーしよーも無いとこまで来て、この世界にきて、お前という、俺の影がでてさ。やっと自分のことがわかった気がする。ここで、まだ俺を認めなかったら俺はそれこそ後悔しちまう。……怖くても、必死に誰かと少しでも関わろうとする俺、怖くて怖くて堪らない俺、そんな心を見ようとしない俺。全部ひっくるめて、俺ってことなんだよな。お前は、俺。俺は、お前だ。今なら、認められる」

 

そこまで言うと、影がうなずき、透明のようになり、空中で姿を変えた。

鎧を纏い顔に当たる部分が闇に覆われているものに。

これがどういったものか。俺はなぜか知っている気がした。

 

「ペルソナ……ノブ、ナガか」

 

と、流石に限界なのか、体を支えきれなくなり、倒れてしまった。

……衝撃で体があちこち痛いです、マジで。

…………しばらく悶絶していると体が楽になった。どうも回復魔法をかけてもらったらしい。

 

「色々、聞きたいことあるが、今日は疲れた。また、今度だな」

「そんなことより、早くでよう?」

「そうだよ、一応怪我してるから回復はしたけど、シャドウがでると、何日も消耗するくらい疲れるんだから」

「はい、はい、わかったよ。……情けないな」

 

そのまま肩を貸してもらいながら歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

……天城と里中に。いや、おかしいだろ!? なんで花村とか鳴上とか完二とかじゃないんだよ!

花村に目を向ける、ニヤニヤとするばかり。うぜぇ。

鳴上に目を向ける、サムズアップしてきた。ふざけんな。

完二に目を向ける、首をかしげているだけだった。……そもそも何を求めているのかさえわかっていないようだ。

 

ていうか密着してるんだよ。くそっ、恥ずかしすぎんぞこれ。

 

肉体的疲労のほかに、精神的疲労も負ったのだった。

 

 




やっと主人公を戦いに絡ませられる。最近ゴールデンやってないし、ストックもなくなってきたので更新遅れるかもです。
オリジナルペルソナなどが登場したらのせていきます。


名:ノブナガ

アルカナ:愚者

耐性 
物火氷風雷光闇
無耐弱耐弱弱無

オリジナル×スキル
大空け 相手が自分の弱点属性のスキルを持っていた場合、状態異常にかかっていない限り、必ず使ってくる。即死系使用確率は変わらない。

オリジナルスキル
ショットガン 敵全体に物理で小ダメージを与える。クリティカルが発生しやすく、ダウンして無くても気絶にできる。

スキル
マハムドオン 木っ端微塵切り 恐怖成功率アップ ムド系成功率アップ 剛殺斬 チャージ 亡者の嘆き 両腕落とし デスバウンド ラクカジャ タルカジャ


備考 ×スキルがあるため、倒れやすいが、設定上ステータスが高く、そこそこ強いスキルを持っている。物理が効かないため、特定のやつには無敵。ただし、基本物理のため、闇と物理が効かないとまず勝てなくなってしまう。姿はBASARAのノブナガである。ただし、顔などの身体が見える部分は闇に覆われているかのように真っ黒で見えない。一種の顔なしであると考えてほしい。

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