テストは終わった。え?とばすな?わかった。簡潔に言うと、結構手ごたえがあった。
回想?
体育:筋肉痛の後に、運動前より筋肉が増える現象を、なんと呼ぶか答えなさい。
A超回復
世界史:紀元前一年の次の年を答えなさい。
A西暦一年
数学:次の中から、存在しない数の種類を選びなさい。
A結婚数
現代文:ILOVEYOUを月が綺麗ですねと和訳した人物を答えなさい。
A夏目漱石
論理:自らを制し得ないものは自由たり得ずという言葉を残した人物を答えなさい。
Aピタゴラス
地理:太陽系で一番高い山を答えなさい。
Aオリンポス山
終了
といった感じだ。範囲は見直したからな。問題ない。
そしてテスト終了後、話をせずとっとと帰った、次の日の夜。
暴走族の報道がされている。
「静かな町をおびやかす暴走行為を、誇らしげに見せ付ける少年たち……。そのリーダー格の一人が、突然、カメラに向かって襲い掛かった!」
「てめーら、何しにきやがった!」
って完二じゃん!なにやってんだ?
これ、母親に知れたら大目玉だろうに。……暇が出来たらからかってやろう。
「見せもんじゃねーぞ、コラァ!!」
おお、怖い怖い。懐かしいな。昔はあいつもこんな風にガン飛ばしてきたっけ。
顔ぼかしかかってても知ってるやつにはすぐわかりそうだな。
族つぶした理由ってたしか眠れない母親のためだったよな。まったく、疑われるような言動は慎めばいいのに。ま、俺に言えたことじゃないがな。
そして数日後の月曜日、完二の家へ向かった。
「ちぃーっす、てあれ?」
なんということでしょう。そこにはいつもの四人組がいたのです。
「あら、闇討くん、こんにちは」
「あ、どうも。……なんでお前らここに?」
「いやお前こそ」
「うん、不思議だよね」
「俺、完二と交流があっからさ。こないだのテレビのことでからかいにきた」
店内を見回してみる。どうやら完二はいないみたいだ。
「ってかお前らは?」
「えっと、あの」
「天城の付き添いだ」
ああ、天城屋関係の。納得。
「なぁ完二いないのか?」
「そうなのよ、帰ってきたらもう一度お説教だけど。まだ帰ってきてないのよ」
「ふーん」
「まいどー、お荷物でーす」
「ちょっと待っててね」
そういって席をはずした。
あれ、四人がいない。そういえば俺しか見て無かったよーな?む、外が騒がしいな。
「なに見てんだコラァ!!」
「あ、完二の声」
そのまま帰ってきた。
「あれ、先輩」
「よー、完二、からかいにきたぜ?」
「もしかしなくてもこないだの特番の件っすか?」
「そ、おふくろさん、まだ怒ってたぜ?」
「さぁてと」
そう告げると逃げようとする。
「待てい」
「いやっすよ!おとといもしこたま怒られたんすから!」
「へぇ、じゃあ今日もお説教ってことでいいのね?」
「……じゃ、がんばれよ、完二」
「ちょ、先輩!?」
逃げるが勝ちってことで。
……完二の悲鳴が聞こえたのは、気のせいだよな?
その後、ぶらぶら歩いていると見知らぬ小さいやつにあった。
「おや? あなたは……」
「あん? んだ?」
「あなたは闇討護、でしたか?」
「違います」
即答した。
「嘘をつかないでください。少々、聞きたいことがあるんです」
「俺には聞く気も、答える気もない。この腕だからな、とっとと帰りたいんだよ」
「あまり時間は取らせません」
「ちっ、わぁーったよ。そこの神社で聞いてやる」
そういって二人で神社に向かうのだった。
「んで? いったいなんのようなんだ?」
「あなたは巽さんの家とかかわりがあるようですが、何故ですか?」
「ダチがいんの、それだけさ。俺、回りくどいの嫌いなんだ。とっとと本題入ってくれないかね」
「ではききます。あなたは今回の事件に関わっていますか?」
「んだ、俺が犯人だってのか」
「そうは言いません。ですが、あなたの経歴を見ていると話を聞いておいたほうがいいと思ったんです」
経歴だと?……ああ、あのくだらねー濡れ衣記録か。
「その経歴ってお前、警察の記録だろ?なんでしってんのかは興味ないから置いといてやる。いっとくがあれは全部濡れ衣だ。俺は、犯罪なんて喧嘩くれーしかやったことねーよ」
「信じるとでも?」
「必要悪扱いされてるから言い訳に聞こえるかも知れないがな。信じる信じないはお前さんの勝手だ。なぁ? 男装少女」
「!?」
「おまえさん、白鐘直斗だろ?」
「覚えているんですか?」
覚えて? 何言っているんだ? 初対面の相手に向かって。まぁいいか。どうでもいい
「いや? こないだ落し物届けに行ったとき、お前のこと聞こえた。白鐘直斗って子供が調査に来た、と。それに、男みたいな名前、格好をしたって無駄。性別くらい、見りゃわかる」
なかなかうまい変装だがな。骨格とか男のものとは思えん。
「なるほど、中々の推理力、いえ、洞察力ですね。わかりました、信じます。あなたの行動を見る限り、嘘をついているようには見えませんから」
「そいつは何よりだ。……またな、白鐘」
「ええ、また会うでしょうね。ああそうだ。すみませんが、できれば、僕のこと黙っててもらえませんか?」
「あ? ……ああ、女だってことか?別に言ったりしないから安心しろ。まぁ、正直どうでもいいし。まぁ、もっとも……」
「もっとも?」
「別嬪さんがそれを隠してちゃ、もったいないとおもうけど、な」
すれ違いざまぽんぽん、と頭を叩いてやる。
そのままひらひらと手を振ってその場を去る。……似合わないことやったかね。
そんなこと、思うのだった。
ちなみに作者である自分頭悪いので、わかりづらい伏線など張れないと思いますが、気にしないでください。