ペルソナ4ザゴールデン 平和を望んだ異端者   作:無幻

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GW

次の日、俺は普通に登校していた。流石に学校に行っておかないと授業に追いつかん。

まぁ明日からゴールデンウィークだし、今日くらいいいだろ。

お、天城と鳴上が話してる。仲良いな、うらやましい。

 

二人を見ながら先に行くことにした。

 

 

教室に着くと里中と花村がいた。

 

「よ」

「あ、護。退院したんだ」

「え? 最近来てないなと思ったら入院してたのか? いや、俺はてっきり登校拒否中なのかと」

「……シメルぞ? ああそうだ。お前、俺に対して変な噂流したみたいだなぁ?」

「ひっ、ななな何のことだかわかりませんですよ!?」

「里中から聞いたぞ? しらばっくれるならお前の体に直接……」

「ひぃっすみませんでしたー!!」

 

まぁこんなもんで許してやろう。目つきが悪いってのは、こういうときに役に立つ。

そのまま雑談に入り込んだ。おもに花村弄りだが。

 

授業中

「いいか! 世間ではGWだのなんだのと騒いでいるが貴様らの本分は学生だ! 本分を忘れ、チャラチャラ遊ぶようなマネが許されると思うなよ!! わかってるな!? 自由の意味を履き違えるな! 責任を果たさぬものに自由など無い! ‘自らを制し得ないものは自由足りえず‘。ピタゴラスもそういっている! よし、次! 来週から中間テストだからな! 結果は全て貼り出して、振るい落としてやる! 貴様ら、恥ずかしい思いをしたくなければいい結果を残せ! 良い結果を出せば人気があがる! 即ち、仲が早まるのが早くなるわけだな! そしてワシの株も上がり、いいこと尽くめだ! 心するように……わかったな!」

 

まぁ私情が入っていたがいいや。いってることは正しい。もっとも、いい点取るだけで仲良くなんて、なれるわけないけどな。

 

 

放課後

 

特になにをするでもなく、家に帰った。

 

 

 

次の日

 

今日からGW。カップラーメンや、簡単に片手で作れる料理の材料を買いにジュネスに行くことにした。

 

セールまで待ってもこの腕じゃ難しい。ということで普通の時間帯に買いに行くことにした。

んで、メニューに悩んでるうちに結構いい時間になってた。

なのでフードコートに行く。最近、ビフテキを始めたらしい。それを味わおう、ってわけ。食べづらいだろうが、それだけだ。

 

行ってみると、見覚えのあるのが何人かいる。

 

「あれ? お前ら何やってんの?」

「あ、ま、護くん」

「見てわからないのか?」

「いや、わからないから行ってるんだが? というかその女の子誰だ?」

 

いたのはクラスメイトの四人。と、小さい女の子だった。

 

「ああ、この子ね」

「この子は菜々子。俺の妹だ」

「ふーん、名前は? なんていうんだ?お嬢ちゃん」

「どうじま……ななこ」

「どう、じま!?」

「どうかしたのか?」

 

どうかしたっていうか堂島ってあの叩き上げ刑事だろ!? そうか、鳴上は堂島さんちに住んでんのか。

 

「や、堂島さんにゃ、色々と世話になったんでな。懐かしいな、と思って」

「おじさんと? そうか」

「そうだね護くんって関係ないことに巻き込まれてよく捕まってたね」

 

そう、俺は何もしなくても濡れ衣で捕まった。だけど濡れ衣だって証拠とかを提示して助けてくれたのが堂島さんだった。……本当は、それだけじゃないんだけどな。

 

「なぁ、俺も同席していいか?」

「ああ、構わない」

「もちろん」

「別に構わないぜ?」

「当たり前だよ」

「……いいよ」

「Thankyou」

「え?」

「ありがとうっつったんだよ。んじゃ、失礼するわ」

 

そういって座る。……ビフテキは注文済みだ。

 

「しかし、ゴールデンウィークだってのに、こんな店でじゃ菜々子ちゃん可哀想だろ」

「だって他無いじゃん」

「まぁ稲葉市って名所ないしな」

「ジュネス大好き」

 

珍しいな、稲葉市の人って結構ジュネスを目の敵にしてるからな。好きだっていうの、結構難しいが。

花村が相当感激してるぞ。

 

「な、菜々子ちゃん……!」

「でもほんとは、どこか、りょこうに行くはずだったんだ。おべんとう作って」

「お弁当、奈々子ちゃん作れるの?」

 

天城がそう訪ねると菜々子は首を振ってじっと鳴上を見る。

 

「へー、家族のお弁当係? すごいじゃんお兄ちゃん」

「お兄……ちゃん」

「へー、お前、料理とかできんだ。確かに、器用そうな感じあるけどさ」

「そうだな、鳴上は料理うまいぞ」

「食べたことあるの!?」

「こないだ見舞いに来てくれてな」

「あ、あたしも何気にうまいけどね、多分」

 

 

うそだ。そう直感的に思った。

正直料理できそうに見えんぞ?

 

「お弁当ぐらいなら、言ってくれれば作ってあげたのに、うん」

「いっやー……それはないわ」

「ああ、無いな。はむ。んぐ、ふう。もっとましな嘘をつくんだな、里中」

「なんで護までムリって決めつけんの!? んじゃあ勝負しようじゃん」

 

むきになるなよ、わかりやすいぞ?ま、わかりやすいからこその里中か?

 

「ムキんなる時点でばれてるっつの。てか勝負って、俺作れるなんて言ってねーよ?」

「俺はこの腕じゃムリだな。元々できるが流石に片手一本じゃムリだ」

「あ、けど、不思議とお前には勝てそうな気がするな……」

「あはは、それ、わかる」

 

いや、天城、それくらい否定してやれよ。

友達だろ?てかあれ?妙に明るくなったきがすんな。なんか心境に変化あり、か?

 

「ちょ、雪子!?」

「じゃあ、菜々子ちゃんが審査員かな。この人ら菜々子ちゃんのマ「そうだ花村! この間だした問題解けたのか!?」え?なんだ突然」

 

さっと目配せをする。堂島さんちに住んでる鳴上なら少しくらい事情はしってるはずだ!

 

「あ、そうだ、菜々子。ジュース買いに行こう。のど、渇いたろ?」

「うん、いいの?」

「ああ」

 

そういって鳴上は菜々子をつれてジュースを買いにいった。

どうやら気がついてくれたらしい。

 

「なぁなんだよ、話の途中で」

「……堂島さんちには母親がいないんだ。……事故で、死んだんだ」

 

みな、驚いたようだ。もしかしたら菜々子を傷つけたかもしれない花村は特に。

 

「ちょっと花村」

「ああ、悪い。もう言わないから。あ、けどさけどなんでお前そのこと知ってんの?」

「…………ちょっと、訳アリだ。この話は、もうやめだ」

「お、おう」

 

雰囲気を察したのかそれ以上は追求してこなかった。

そのまましばらく待っていると二人が戻ってきた。

 

「菜々子ちゃん、お姉ちゃんたち、いつでも菜々子ちゃんと遊んであげるからね」

「ありがとう!」

「小さいのに、偉いね」

 

その後、しばらく雑談をかわす。鳴上が菜々子と絆を感じたようだった。

すると花村が話しかけてきた。

 

「なぁ、問題ってなんだっけ?」

「成竜伝説」

「あ、あれか。結局意味わかんなかったんだが答えなんだ?」

「問題って何出したの?」

「えっと、よし、紙あった。これ、どういう意味なんだ?」

 

前渡した紙を取りだす。すっと取って答えがかわらない程度に書き換える。そしてもう一度おく。

 

「んじゃ、答え変わってないからみんなで考えてみようのコーナー」

「なんだそれ」

「はじめが肝心だからな?」

「意味わかんねーって」

 

そういいながら紙をみんなで読んでいく。

 

「じゅうのネズミが歩いていると向こうから何かがやってきました。それは

ネコでした。猫はこちらを見つけるといきなり襲い掛かってきました。

すぐに逃げましたが五匹は捕まりました。これが問題か?」

「さっぱりわからん。里中は?」

「あ、あたしに聞かないでよ! 雪子は?」

「うーん、文字に不自然は無いんだけど、なんか引っかかるの。……鳴上くんは?」

「あまり自信は無いな。あえて菜々子。わかるか?」

「えっと、ちょっと見せて」

 

ていうか誰もわかんねえの!? というか鳴上、妹に任せるな! それくらいとけよ!

 

「あ、菜々子わかったよ」

「「「嘘ぉ!!」」」

「がっこうで、なぞなぞやったんだ。そのときに、こういう問題のときかた、教わったよ。これ紙のさいしょのもじだけを読むんだ。えっと、じゅ、ね、す? ジュネス!」

「正解。っていうかお前ら小学生に負けてどうすんだよ。ジュネスのどっかで名作価格でかなり安かった」

「うーん、嬉しい気もするが妙に悲しいな」

 

ま、自分で働いてるところで売ってるもんだし。

その後、雑談して帰った。中々に楽しい一日だった。

 

第三者視点

 

鳴上、菜々子、闇討が帰った。

天城と里中も帰ろうとするなか、花村は二人に声をかけた。

 

「なぁ里中、天城。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか」

「だめ」

「うん、いいよ」

「いや、どっちだよ……。すっげえ今更なんだけどさ、二人って闇討のこと前は、少なくとも一年の時は名字で呼んでたのに、なんで今は名前で呼んでんの? しかもすっげえ自然だし」

 

と、なぜか顔を若干赤らめる二人。そのことで花村は察したようだった。

 

「はっはーん、なるほどね。そういうことかね」

「な、なによ!」

「二人ともあいつに惚れちゃったわけだ。なるほどねぇ、まぁ確かに話してみるといいやつだし? 目がああだからこえーけど、それ以外は十分にかっこいいもんな。中身含めて」

 

そう二人をからかう事にしたようだった。

 

「うっさい! んな、あ、あたしが、護に惚れてるなんて! あ、あるわけ」

「花村君、黙ってないと、怖いよ?」

「いや、あの、アマギサン? 怖いですよ? いや、冗談、誰にも話しませんはい! おっと、バイトの時間だ、じゃ、じゃあ俺はこれで、失礼します!!」

 

そういって花村は逃げ出した。速い、ホンの一瞬時速数百km出ていたというくらい速かった。

 

「ゆ、雪子?」

「なんとなく、気づいてたんだ。千枝が護くんのこと、どう思ってるのか」

「け、けど雪子」

「ううん、違うよ、千枝。私は千枝にも悲しんで欲しくないの。知ってると思うけど。私、護くんのこと、好きなんだ」

「!?」

「千枝もでしょ?」

「う、うん。けど、それだと、雪子」

「いいの。大丈夫、私いいこと考えたんだ」

 

と、天城が明るく言った。

明るくなったことには安堵したみたいだが、里中はむしろ不安になったみたいだ。

 

「えっとね、護くんは優しいから、多分私たちがその、こ、告白したら、決められないと思うんだ。だから分け合うって方法があるんだよ」

「わ、分け合う!?」

「えっと調べてみるとハーレムっていうんだって。もしかしたら私たち以外にも護くんのこと、好きになる人がいるかもしれない。千枝ならともかく、そのほかの人たちに護くんがとられるのは嫌なの。だからその人たちも、私たちも悲しまないためのハーレムを建てる計画なの」

「それ、いいの?」

「ううん。ホントは千枝とだけ共有したい。でも、護くんは優しいからきっといろんな人が好きになっちゃう。なら分け合ったほうがいいと思うの」

「ん、わかった。護のためだもんね。うん。……なんか、間違ってる気もするけど」

「うん。……がんばろ?千枝」

「うん。告白、か」

 

色々と方向が間違ってる方向にぶっ飛んでいる気がするが、本人達の間だけで終わることであるし、もんだいはないだろう。

 

「まぁ見た目がああだから、多分無いとは思うけどね」

「油断大敵だよ、千枝」

「わ、わかってるよ」

 

そのころ

 

「は、はっくしょん!!な、なんだ、風邪か?もう治ったと思ったんだが……」

 

天城達がそんな会話がしてるなど、夢にも思わない護なのであった。

むしろわからないほうがいいだろう。




実際は成竜伝説はジュネスで売ってないと思われますが、そこは、ご都合主義ということで。

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