遊戯王GX-至った者の歩き方-   作:白銀恭介

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学年最強決戦、軋む学園の姿

新入学生歓迎デュエル タッグ戦

 

    1年代表 『新入生カップル代表(仮)』

      鷹城久遠 & 神倉楓

        VS

    2年代表 『石原姉妹』

      石原法子 & 石原周子

 

    タッグルール:タッグフォース

 

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TURN 1

新入生カップル代表(仮)

    - LP 8000

    - モンスター

    - 魔・罠

  神倉楓(TP)【魔法使い族】

    - 手札 6

  鷹城久遠【???】

    - 手札 5

 

石原姉妹

    - LP 8000

    - モンスター

    - 魔・罠

  石原法子【???】

    - 手札 5

  石原周子(P)【???】

    - 手札 5

 

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「先攻は私、ドロー!」

 

一年タッグの先攻でデュエルがスタートする。

一年生の先手は神倉楓、推薦試験トップの成績で通過し、新入生総代として入学していた少女である。

一般試験に参加していないため、ここにいる大半のメンバーにとっては特待生のデュエルは初めてのものとなる。

 

「私は《魔導騎士 ディフェンダー》を守備表示で召喚、このとき、効果発動、魔力カウンターを一つ、ディフェンダーに乗せます。カード2枚をセットして、ターンエンドです。」

 

魔法使いデッキとしてはまずまずの立ちあがりである。この布陣ならやすやすとは突破されないだろう。

 

「私のターン、ドロー!」

 

カードを引いたのは『石原姉妹』の短髪の方。

特待生でもあることだし、どんなデッキで来るのかは久遠としては楽しみではあるのだが。

 

「私は魔法カード《愚かな埋葬》、デッキからモンスターカードを1枚墓地に送るわ。私は《黄泉ガエル》を選択。」

 

《黄泉ガエル》が墓地に送られる。警戒を強める楓、それに対して相手は

 

「そっちのコは『墓地肥し』をきちんと理解してるみたいだね、普通なら愚かな埋葬を見た瞬間、馬鹿にした目をするもんだけど」

「落としたモンスターが問題です。黄泉ガエルなんて厄介ですよ」

「落ちたモンスターの効果を知ってこそか、それに比べてそっちの少年はぽかんとしてるね。何されたかわかってないように見えるけど」

「………」

 

何をしたいのかは分かっている。黄泉ガエルをたたき込む以上、連続して生贄召喚をするデッキ。

1体の生贄でそれをやって一番おいしいデッキなんてあのデッキ以外にあり得ない。

しかしながら顔には出さない。相手に情報をやっていいことなんて何一つないのだから。

故に解っていないふりをして相手にナメてもらう。

 

「ま、いいや、それならそれで攻めさせてもらうまでだ。私は魔法カード《デビルズサンクチュアリ》を発動!私のフィールドにメタルでビル・トークンを一体特殊召喚、生贄に捧げて《地帝グランマーグ》を生贄召喚」

 

魔法カードによって現れた銀色の人形を生贄に、現れたのは土色の巨大な手をしたゴーレムの様な人型。予想はドンピシャ【帝】、いや、黄泉ガエル軸なので【黄泉帝】といったところか。

 

「グランマーグの効果発動、フィールドのセットされたカードを1枚破壊、神倉さんの伏せカードを破壊するわ」

「リバースカードオープン、《和睦の使者》このターン私は戦闘ダメージを受けず、モンスターは戦闘破壊されません」

「あっちゃー、フリーチェーンかー。仕方ない、私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー」

 

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TURN 2(MP1)

新入生カップル代表(仮)

    - LP 8000

    - モンスター 《魔導騎士 ディフェンダー》(守2000)

    - 魔・罠 伏1

  神倉楓【魔法使い族】

    - 手札 3

  鷹城久遠(TP)【???】

    - 手札 6

 

石原姉妹

    - LP 8000

    - モンスター《地帝グランマーグ》(攻2400)

    - 魔・罠 伏1

  石原法子(P)【黄泉帝】

    - 手札 2

  石原周子【???】

    - 手札 5

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さて、どうするか、と一瞬考える

相手が帝デッキである以上、その最大の妨害は手札に帝を置かせないこと。

黄泉ガエルを置いた以上、伏せカードはフリーチェーンの可能性が高い。

もう片方も黄泉ガエルを使うと想定すれば、パートナーも重量デッキか…と当たりをつけ

 

「俺は、魔法カード《強欲な壺》を発動、カード2枚ドロー、モンスターセット、カード3枚セットでエンドです」

 

それに対応できる布陣を整える。どちらかというとこのデッキは楓が自由に動けるように場を整えるデッキ。最初はサポートがほとんどになる。

「エンドフェイズ、もったいないけどリバースカード《和睦の使者》」

 

フリーチェーンの予想は当たり。攻め込まなかったため使うタイミングがなかったが、黄泉ガエルのために魔法ゾーンを開けた形になる。ということっは、やはりパートナーも重量デッキか…。

 

「私のターン、ドローです」

 

相手のパートナーにチェンジする。顔立ちは似てるが、髪が長い。あと、もう片方に比べてちょっと内気そうなイメージを受ける。

こっちが妹だろうか。

 

「スタンバイフェイズ、黄泉ガエルが特殊召喚されます。私は黄泉ガエルを生贄に、《ホルスの黒炎竜LV6》を生贄召喚です」

「そっちか!させません、召喚成功時トラップ発動!《死のデッキ破壊ウイルス》セットしてあった見習い魔術師を生贄に発動、チェーンして《トラップ・キャプチャー》、手札を1枚捨ててチェーン前のトラップを回収します。そしてウイルスの効果発動。相手フィールド・手札の攻撃力1500以上のモンスターを破壊。フィールドのホルスとグランマーグを破壊」

 

デッキ破壊ウイルス。

重量デッキにはこの上ない効果をもたらしてくれる。ステータス至上主義のこの時代に置いて、ある意味もっとも刺さりやすいカードであるといえる。

 

あえてこのタイミングで発動したのは、生贄召喚で黄泉ガエルをどけてくれることを期待してである。

パートナーも帝だった場合、テスタロス以外でこちらの被害はほぼ0にできることが分かっていたからだ。

ザボルグならディフェンダーのカウンターをはずせばいい。

メビウスならチェーンして発動すればいい

グランマーグも同様である。

テスタロスはよけきれないが、タッグで1枚カードを墓地に送られる程度ならシングルよりも被害は少ない

結果的に黄泉ガエルを生贄で消費してくれる方が、アドバンテージ的に美味しそうだったのだ。

 

「ウイルス効果で手札を見せてください」

「は……はい…。」

 

石原周子の手札

   《王宮のお触れ》

   《バーニンブラッド》

   《プロミネンス・ドラゴン》

   《ホルスの黒炎竜LV8》

   《レベルアップ!》

 

「(あぶねぇ、【お触れホルス】が成立しかけてたのか!)」

 

間一髪である、次の石原姉のターンを待っていたらウイルスまでも封鎖されていた。

 

「ホルスとプロミネンスを破壊です」

 

墓地に送られる2枚のカード、これでこのターン相手ができることはないはずだ

 

「カ…カードを1枚伏せてターンエンド……」

「エンドフェイズ、罠発動、《砂塵の大竜巻》伏せカードを破壊!」

 

伏せカードは案の定《王宮のお触れ》、レベルアップもブラフで来るかとも思ったが、それはなかったようだ。

 

「そして、大竜巻の効果でカードを1枚伏せます。」

 

相手は崩した。ここからが楓のターンである。

 

「私のターン、ドロー!」

 

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TURN 3(MP1)

新入生カップル代表(仮)

    - LP 8000

    - モンスター 《魔導騎士 ディフェンダー》(守2000)

    - 魔・罠 伏1

  神倉楓(TP)【魔法使い族】

    - 手札 4

  鷹城久遠【魔法使い族】

    - 手札 3

 

石原姉妹

    - LP 8000

    - モンスター

    - 魔・罠

  石原法子【黄泉帝】

    - 手札 2

  石原周子(P)【お触れホルス】

    - 手札 2

 

  《死のデッキ破壊ウイルス》(T0)

----

 

「私は《熟練の黒魔術師》を召喚、さらに魔法カード《強欲な壺》、2枚ドロー、黒魔術師にカウンターが乗ります。さらに《天使の施し》、3枚ドローして2枚捨てます、カウンター追加。装備魔法、魔術師の力をディフェンダーに装備、これで魔法カウンターは3つ」

 

乗っている。攻め手になった楓はいつもこうなる。

 

「カウンターが3つ乗った黒魔術師の効果、生贄に捧げることでデッキ・手札・墓地から《ブラック・マジシャン》を特殊召喚できます」

「《ブラック・マジシャン》ですって!?」

「ええ、残念ながら私は《ブラック・マジシャン》をもっていませんが……」

「じゃあ発動できないじゃんか!!?」

「俺の《トラップ・キャプチャー》のコストで《ブラック・マジシャン》を墓地に捨ててます。タッグフォースルールにより墓地は共用、だから黒魔術師の効果は成立です」

「あらわれろ!《ブラック・マジシャン》!!」

 

場に立つのは、黒衣をまとった魔術師。デュエルモンスター界において伝説の一角『武藤遊戯』が絶対的エースとして信頼した相棒。それがこの場に立っていた。

 

「ブラック・マジシャン……すごい……。」

「ええ、私もそう思います。ですが、いまはデュエルの真っ最中。行きます。」

 

動き出す。楓のラッシュが始まる。

 

「カードを1枚伏せてディフェンダーを攻撃表示に、魔術師の力の効果で魔法カード3枚分、1500の攻撃力アップで攻撃力は3100!バトル、ディフェンダー、ブラックマジシャンでダイレクトアタック!」

 

「う……くあああああっ!!」

 

石原姉妹:LP 8000 → 5500 → 2400

 

「やるねっ!でも次のターン、巻き返すよ!」

「残念ながら、このターンで終わりです、久遠くんが伏せていたリバースカード、速攻魔法《光と闇の洗礼》を発動!ブラックマジシャンを生贄に、デッキ・手札・墓地から《混沌の黒魔術師》を特殊召喚します。私はデッキから《混沌の黒魔術師》を攻撃表示で特殊召喚します」

 

そうして現れる楓のエースカード

この流れを使うのは初めてのはずなのに、もう完全に自分の手足のように扱っている。

やはり楓のタクティクスはすでに中1離れしている。

 

「混沌の黒魔術師の効果で墓地の《強欲な壺》を回収します。そしてバトルフェイズ中の特殊召喚なので追加攻撃が可能です。ダイレクトアタック!!!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっっ」

 

石原姉妹:LP 2400 → -400

 

 

勝利:『新入生カップル代表(仮)』

  1年生 1 - 1 2年生

 

 

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「決まった―、2年エースタッグを打ち破ったのは一年生のカップル代表ペア!」

 

ぱちぱちぱちぱち………

壇上を降りるときの拍手はまばら。それも主に1年生ばかりで2年生以上はあまり拍手をしていない。

特に、明日香、紬先輩、石原姉妹、ブーイングだがこちらのペアが紹介された時と比べて明らかにテンションが低い。

これは一体……。

 

「よし、よくやったぞ鷹城、神倉。後はこの俺、万丈目準に任せろ!」

 

……と、試合が終わったこちらにねぎらいを向ける万丈目。

次が自分の試合だからか、静かにだがテンションをあげているようだ。

まだ、回りの様子には、気付いている様子はない。

 

「んー?みんな盛り上がってないね~、それじゃあ3回戦、いってみようかー、ノリノリで頼むよ~?」

「(壇上の天上院先輩も不思議に思っている?)」

 

回りで今何が起こっているのかがわからない。

壇上へ意気揚々と上がっていく万丈目。

相手の生徒は…赤制服、特待生でないにせよ、成績上位組の様だ。

 

「さあ皆さんお待ちかね、1年生と2年生の最終決戦だ!一年代表は万丈目準君、二年代表は瓶田武司君だーーーーーー。」

 

歓声が上がる。先ほどの懸念はウソだったのかと思うほどに大きく。

『瓶田ー負けんな―!!』という応援も聞こえてくる。

 

そして、1年生対2年生の最後のデュエルが始まる。

 

「さあ準備はいいかな!!?それじゃ、いっくよーーーーーーーっ」

「「デュエル!!」」

 

 

言い知れぬ不安を感じながらデュエルが始まる。

…と、こちらに寄ってくる人影が一人、校長である。

入学式の際に挨拶をしていたが、やり手のビジネスマンといった風貌の男。

その校長先生は柔和な顔をしながら、こちらに声をかけてくる。

 

「やあ、ナイスデュエルだったよ、鷹城君、神倉さん」

「どうも、ありがとうございます」

「ありがとうございます」

「万丈目君がまだデュエル中だから終わったら話をしようと思ったんだがね、作戦会議にも影響するだろうと思って早めに話をしておきたいんだ。」

「何でしょう」

「1年生と3年生の試合なんだが、3年生代表が1名体調を崩してしまってね、申し訳ないんだが、そちらのデュエルに関してはシングル3回戦にしてもらいたいんだ」

「シングル3回戦ですか…私たちの一存ではちょっと……」

「こちら側が1名溢れることになりますしね、ちょっと待ってください。おーい、明日香」

 

こちらにゆっくりと歩いてきた明日香を呼ぶ。

 

「お疲れ様、どうしたの?久遠くん。あら、校長先生?」

「天上院君も、お疲れ様。いいデュエルだったよ」

「…ありがとうございます」

「それで、繰り返しになるのだが、3年生の代表選手が1名体調を崩してしまっていてね、次の試合はシングル3つでお願いしたいんだ」

「シングル3つですか?じゃあ私たちが1名出られなくことになるんですね。」

「大変申し訳ないが、そういうことになる。どうだろうか?」

 

つまりは誰がでなくなるかを考えないといけないのか

 

「私は出てみたいけどなぁ」

とは楓。まあこいつはデュエルになると好戦的になるから仕方ない。

 

「できれば私も出てみたいわ、最上級性のレベルがどんなのかを知りたいし」

とは明日香。色々試行錯誤してるらしく、負け試合でも得るものがあると思っているらしい。

 

「俺のターン、ドロー」

壇上の万丈目。こいつは言わなくても出たがるだろう。ついでに言えば、知らない間に次の試合からはずされていました。というのはさすがに万丈目に悪い。

 

「わかりました。では次は私が抜けてシングル3つで組みます。」

「すまないね、鷹城君。君には別に3人と戦う機会を設けさせてもらうよ」

「いえ、お気になららず」

 

そう言って、去っていく校長。一瞬感じていた違和感が首をもたげる。

デュエルの専門学校なのに、代表選手の代理を最上級性が出せないのか。

 

「やあ、ナイスデュエルだったよ。まさかブラックマジシャンがみられるとは思わなかった」

 

不意に声をかけられる。

振り返ると、そこにいたのは天上院吹雪先輩。

さっきまで司会をしていたのに、試合中に降りてきたようだ。

 

「やあ、きちんと挨拶するのははじめましてだね。僕は天上院吹雪、3年生だ。そっちにいる明日香の兄でもある」

「あ、どうも。鷹城久遠です。よろしくお願いします、天上院先輩」

「神倉楓です」

「ああ、名前の方でいいよ。明日香と紛らわしいだろ?この試合が終わったら1年生と3年生の試合になるんで、挨拶に来たんだけど……。おーい、亮、藤原、こっちだ」

 

天上院先輩……吹雪さんが手招きした先にいた2人の青制服の先輩達。

吹雪さんの呼びかけに応じてこちらに歩いてくる。

他の先輩方とは何というか、貫禄があるたたずまいをしている…様な気がする。

 

「なんだい?吹雪……あ…」

「吹雪、どうした……おっ」

「やあ来たね、紹介するよ。こっちが3年生代表の丸藤亮と藤原優介。君達の対戦相手になる相手だ。」

「どうも、はじめまして。鷹城久遠です」

「……神倉楓です」

「はじめまして、天上院明日香です」

 

先輩たちを紹介されたので、軽く挨拶をする。

 

「よろしく、丸藤亮だ」

「藤原優介です。よろしく」

 

挨拶を返してくれる。吹雪さんを含めて非常にさわやかである。

先ほど校長と話した時や決闘を終えた直後のような微妙な違和感は感じない。

 

「先ほど校長先生から1年生対3年生の試合をシングル3つで頼むといわれたのですが…。」

「ああ、すまない。こちらの選手が1名、体調を崩してしまったようだ。」

「そうですか……でしたら仕方ないです。お大事にとお伝えください」

「うん、先生に伝えておくよ」

 

……そういうことか。と久遠は納得する。

 

「お、そろそろ試合が終わるね。僕は司会にもどらなきゃ。」

「そうか、鷹城、神倉、天上院。またあとでな」

「デュエル、楽しみにしているよ」

 

そう言って、去っていく先輩三名

……というか、万丈目のデュエルを全く見ていなかった。

状況はどうなっていたんだろうか……結果だけ見ても仕方ないか。

それよりも問題は3年生戦である。

 

 

おそらく、歓迎会というのは名目、そう久遠は考える。

実際は見せしめの意味合いが大きいのだろう。

それは下級生が勝ってしまった久遠と楓のタッグで拍手がまばらだったことが示している。

ついでに言えば、3年生戦で1名減らしたのも勝率を上げるためだろう。

校長経由でそれをこちらに依頼してきた理由がわからないが、これに関しては先生ぐるみで行われていることなのだろう。

ついでにいえば、特待生はこの件には噛んでいない。

それは2年の特待生3人はまっすぐデュエルをしてきたことからもわかるし、3年生の欠席者に至っては特待生でもない。

それは「お大事に」と伝えるように依頼したとき「先生に伝える」と回答した藤原先輩からも明らかだ。

 

全ては……学生生活における階級制度の確保。

それがアカデミアの体質の正体。

 

そう考えると、海馬社長が久遠を強硬にここに入るようにしたのも納得がいける。

おそらく、その体制に一石を投じるため。

それを踏まえてどう動くべきか。

 

3年生戦のブリーフィングが始まる。

 

 

 

 

 




志高き挑戦者はを待ち受けるのは無慈悲なる実力の世界

纏わりつくは強者にぶら下がる悪意。

純粋なる少年少女は悪意にさらされ、異端は立ち上がる。


次回

――― 頂は高く、纏わる悪意は厚く、異端ははるか遠く



--------------

というわけで、タッグデュエルでした。

楓がデュエルすると1キルばっかになってしまうのはなんでだろう……。
もうちょっと先輩方には頑張ってもらう予定だったんですが……。
勝ち試合はほとんど1キルっていう…。



アカデミア高等部の階級主義はGX世界ではよく書き表されています。
ブルー生の高慢さは有名ですが、それがどうやって熟成されるかというと、中等部で熟成されるんじゃないだろうか?というのが作者の考えです。

高等部から入ってくるやつは中等部で入ってこれなかった落伍者
下の寮に入る奴は上の奴についてこれなかった落伍者。
そこに実際の実力はあまり問題視しない。
これが基本理念

で、それについてこれなかった生徒が居たとして、落伍者全員が気のいいやつになるわけがないのです。
じゃあそいつらはどうやって下を見下そうとするかというとわかりやすい階級制度として「学年」があるわけです。

実力主義の裏に隠れた階級制度の弊害。
これがアカデミアの膿なのではなかろうか。






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