遊戯王GX-至った者の歩き方-   作:白銀恭介

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アカデミア入学試験と再会

久遠帝(フリー(KC,I2))

    1年目成績

      年度開始所属リーグ

        海竜族リーグ(CHAMP)  27勝0敗-防衛1

        炎族リーグ(1位)  22勝0敗(CHAMP挑戦待)

        雷族リーグ(3位)  20勝0敗

        魚族リーグ(8位)  18勝0敗

        機械族リーグ(24位)  17勝0敗

      シーズン途中加入

        岩石族リーグ(10位)  18勝0敗

        爬虫類族リーグ(17位)  12勝0敗

        植物族リーグ  (22位)  10勝0敗

        獣戦士族リーグ (42位)  7勝0敗

        恐竜族リーグ(ランク外)  2勝0敗

      年間成績 153勝0敗

 

    2年目成績

      年度開始所属リーグ

        海竜族リーグ(CHAMP)  5勝0敗-防衛5

        炎族リーグ(CHAMP)  4勝0敗-防衛3

        雷族リーグ(CHAMP)  8勝0敗-防衛2

        魚族リーグ(CHAMP)  12勝0敗-防衛2

        岩石族リーグ(CHAMP)  22勝0敗-防衛0

        爬虫類族リーグ(CHAMP)  22勝0敗-防衛0

        植物族リーグ  (CHAMP)  21勝0敗-防衛1

        恐竜族リーグ(CHAMP)  22勝0敗-防衛0

        機械族リーグ(2位)  21勝0敗

        獣戦士族リーグ (7位)  17勝0敗

      シーズン途中加入

       鳥獣族リーグ(9位)   18勝0敗

       水族リーグ(10位)    18勝0敗

       昆虫族リーグ(25位)    12勝0敗

       戦士族リーグ(ランク外)  13勝0敗

       アンデット族リーグ(48位)   7勝0敗

       獣族リーグ(37位)  6勝0敗

       天使族リーグ(ランク外)  1勝0敗

     年間成績 247勝0敗

 

 

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「ふぅん、まずまずの成績だな」

「まずまずですか。一応2年連続MVPなんですが。」

「当然だ」

「負けてないんですが」

「当然だ」

「年間勝利数ぶっちぎりでトップなんですが」

「当然だ」

「……そうですか」

 

海馬コーポレーション社長室。

一応2年目のリーグ戦が終わったため、結果報告に来いと言われ会いに行ったのだが、報告の結果もらったのはあんまりといえばあんまりな言葉。

この男のことだから予測はできていたが。

 

「去年から今年にかけて名を売るために突っ走らせてみたが、そろそろペースダウンと行くか?」

「ええ、まぁそれでいいと思います。8リーグくらいは防衛戦だけなのでペース下がりますし。」

「これまでと同等でいいと思うがな」

「すみません、さすがに無理です。休日の3リーグダブルヘッダーとかよくできましたね」

「まぁお前に勝ったら賞金を出すようにしてるからな、その選手の年俸の40%」

「初耳なんすけどそれ!?」

「ちなみに、負けたらお前の年俸から差し引きの予定だった」

「ペナルティが重すぎる!!」

「おかげで相手には困らん」

 

本人のあずかり知らぬところで賞金首にされていた。

しかもそれを笑い話の様に話される。年俸ダウンも含めて。

結果として全て退けてるので問題なしといえば問題ないのだが。

それに、おそらくだが、差し引きは彼なりの冗談なのだろう、試す勇気はないが。

 

「つか、国内リーグばかり出しすぎだとペガサス会長言ってましたが。」

「さすがに小学生を海外リーグに行かせるわけにはいくまい。」

「あなたにそんな常識があったことに今更ながら驚きですが」

「ふん」

 

雇い主相手に大層といえば大層な物言いである。

もう今更ではあるが。何のかんのと、もう彼との付き合いは4年近くなる。

海馬自身が有能な人物は認める方針であることも一因だと思うし、それに甘えてる部分も多数あるが。

 

「後は、共通リーグか」

「そっち参加0です。結局共通で勝ってないんで、総合ランキング上がってませんから」

「今何位だ?」

「国内27位です、世界ランクだと125位くらいですかね。あっちだと国内の種族リーグはあまり評価されないんで」

「低い」

「どないせーと」

「まぁ、そちらは別で考えよう」

「お願いします」

 

報告事項としてはそれくらいか。

面と向かって話すのは約1月ぶりだが、レポートと仕事の指示書の形で定期的にやり取りしているのだ

問題があれば、そちらに書いている。

 

「そうだ、鷹城。」

 

ふと思い出したように海馬が話し始める。

 

「お前、中学はどうする?」

「え?行きますけど。」

「そうではない、進学先をどうするかと聞いている」

「普通に地元の中学に行きますが」

「デュエルアカデミアに行く気はないか?」

「デュエルアカデミアですか?うーん…どうしよう」

 

選択肢の1つには考えていた。

プロとして活動していく以上、デュエルの専門学校に行けばそれなりの理解とサポートは得られるからだ。

考えてはいたが……。

「んん……少し考える時間が欲しいです。いつまでに回答いりますか?」

「今日だ」

「みじかっ!!」

「で、どうする?」

 

考える暇も与えてくれないらしい。

とはいえ、この場で決めるのも無理な話だ。

 

「んん…じゃあとりあえず受験して、それから決めるでもいいですか?」

「いいだろう、しかし何をそんなに悩む必要がある」

「全寮制の学校でしょう?さすがに親とかにも相談しないと」

「親などなぎ倒して行けばいい」

「そらアンタはそうでしょうが、こちらは普通の家なので」

「それもそうか。わかった、一応受けておけ」

 

こうして、デュエルアカデミアの受験がとりあえず決まった。

準備も色々あるだろうが、リーグもオフシーズンだし、比較的余裕を持ってあたれると思う

 

「しかし、デッキを組む時間など色々メリットがあるんだ、入らん理由はないと思うがな」

「まぁそうですね。シーズン中はデッキ修正時間の確保が大変でしたから」

「というか、いつやってたんだ?」

「初戦を適当に組んで、回りにくいギミックを変えたりってのを繰り返しですね」

「それでよく負けなかったな」

「《スパイクシードラ》単体で立ててドヤ顔してる相手にはさすがに負ける要素がないです。」

 

スパイクシードラ:海竜族/水 LV5 ATK1600/DEF1300

 

「ふぅん、まぁいい」

「興味ないなら聞かんでください、そーいやアカデミアの受験日っていつです?」

「明日だ」

「……聞き違いですか」

「明日だ」

 

余裕なんてどこにもなかった。性急にも程がある。

話を聞いて24時間以内に受験て……。

 

「……了解、じゃあ帰って一夜漬けしときます」

「まぁ待て。折角来たんだ、一戦くらい相手をしていけ」

「嫌です。どうせ《青き眼の乙女》出すまで解放してくれないんだし。」

「当然だ」

「しかもこっちが【青眼の白龍】組むと文句言うじゃないですか」

「当然だ、ブルーアイズは俺以外に使うことは許されん」

「乙女の生かしようがないんですが。」

「何とかしろ」

「横暴ですよ…つか、カード返してください」

「行くぞ」

「聞いてくれよ頼むから。」

 

結果として、【青眼の白龍】で相手することになった。

青眼の白龍や青き眼の乙女が出てくると都度プレイを止められた。

そして、3戦した後、帰宅したのは日が暮れる時間だった

そして、深夜になって、受験会場と場所を聞きそびれたことに気づくのであった。

 

 

 

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次の日

結論から言うと、試験に遅刻というベタな真似は免れた。

朝食を食べてるとKCから迎えが来たのである

ちなみに、昨晩帰宅後親に明日デュエルアカデミアの試験を受けると言ったら

 

「あら、そう。お弁当いる?」

 

とだけ返された。

この数年で親たちも大分慣れてきたようで何よりだ。

ほぼ100%自分のせいだというのが悲しいが。

 

朝食をとり、弁当を受け取り、迎えの車に乗り込む。

移動時間は勉強時間にあてる。

昨日思った以上に拘束されたので勉強できていないのである。

 

試験までの時間は、あわただしく過ぎて行った。

説明を半分聞き流しながら直前の追い込みを続ける。

どうも午前中に筆記、午後に実技らしい。

午前中に全部の科目終わるのか?とも思ったが、よく聞くと今日の試験は推薦試験らしい。

早く言ってほしい。4教科の試験勉強が全て無駄になった。

 

午前中は筆記試験

実際にはそんなに難しくはなかった。

一度引っかかりかけたのが、

「《融合》を使用せずに融合できるモンスターを述べよ」

一瞬シンクロ・エクシーズの総枚数なんだっけ?と勘違いし、【剣闘獣】とか【コンタクト融合】ってまだないよな?とさらに深みにはまり、最終的にVWXYZだと気づく。

これは危なかった。

 

できはまずまずだったと思う。

後は、実技試験だ。

 

 

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午後、実技試験が始まる。

どうも筆記下位の生徒から呼ばれるらしく、午前の試験が終わった後頭を抱えてるやつから出て行った。

しばらく待ちながらデッキを再確認。

鷹城久遠として試験を受ける以上、今のカードプールから逸脱しない構築が求められる。

さて、どう構築したもんかな?

 

 

「えー、それでは上位4人について試験を始めます。特別試験となりますので全員一度にお越しください」

 

事前に全く知らされてなかったが、上位陣は試験官との実技ではないようだ。

上位4人ということは、呼ばれるのかと何となく思っていた。

そういえば、いつの間にか4人になっていた。

デッキ構築確認に夢中になっていた。

 

「まず、筆記4位、天上院明日香さん」

「はい」

 

立ちあがったのは、栗色の長髪の少女。まっすぐと立ち上がる姿からみて、非常に真面目そうだ。

視線もまっすぐに試験官へと向けている。

 

「次、3位、鷹城久遠さん」

「はい」

 

3位だったのかと思う。一夜漬けの割にはましな方か。

一夜漬けの内容は全く試験に出ていないデュエル問題だけだったのが泣きたいが。

 

「次、2位の万丈目準さん」

「はい」

 

自信満々な態度を隠しもしない黒髪の少年。

心なしか、こちらを見下しているような眼をしている…と思うのは被害妄想か。

 

「最後に1位、神倉楓さん」

「はい」

 

最後に立ちあがったのは黒髪の少女。声もそんなに大きくなく、おとなしそうである。

 

 

 

「(……ってん?神倉?)」

 

 

 

「神倉?」

「久しぶり、鷹城君、きちんと話すのは、4年ぶりかな?」

 

 

言葉が出なかった。

あの時以来、もう会うことはないと思っていたのに。

それだけのことを自分はしたはずなのに。

目の前の、きれいに成長した幼馴染は。

あの時のままの光を目に携えて、優しく微笑んでいた。

 

「え……ああ、久しぶり」

「筆記の時気づいていなかったの?」

「悪い、いっぱいいっぱいで」

「そういうとこ、変わってないねぇ」

「まいったな……」

 

変わっていない

あの時の巻き戻し。

それが、どうしても嬉しいはずで、いつまでも求めていたもののはずだったのに

あまりのことに緊張して頭が回らない

 

「なんだ、お前ら知り合いだったのか」

「仲良しこよしで生き延びれるほどここは甘くないんだぜ?」

「この程度でトップ3なら主席はいただきだな」

ともう一人の……だれだっけ?が言ってるが、耳に入らない。

 

「っておい、聞けよっ」

耳に入らない。

 

「騒がしいですが、試験が押しています。行きますよ」

「「「はい」」」

「やっぱ聞こえてるんじゃないかっ!!!」

聞く耳持たない。

 

----

 

場所を移動する。

試験会場は海馬ドームのデュエルスタジアムらしい。

何度か試合をしたことがあるが、その時と違うのが、回りに誰もいないということ。

不思議に思っていたが、試験官が説明を始める

 

「それでは試験の内容を説明します。これからあなたたちにはトーナメント形式でデュエルをしてもらいます。対戦の組み合わせは1位対4位、2位対3位です。勝者同士で決勝、敗者同士で3位決定戦となります」

「「「「はい」」」」

 

対戦カードは1位の楓と4位の天上院、2位のなんとかさんと3位の久遠になる。

しかし、久遠はすでに心ここにない。

神倉楓が、自分をこのデュエルの世界に引き込んだ少女が、一度は分かれることになった相手が、こうして目の前に立っている。

こころなしか、楓も落ち着きがないように見えるが、それは気のせいだろうか。

 

「3位決定戦と決勝は別に行いますが、初戦は同時に行います」

「「「「はい」」」」

「精一杯やるように、とのオーナーからのお達しです」

「それでは準備してください」

「「「「はい」」」」

 

 

フィールドの4隅にそれぞれ分かれる前に目の前の何とかさんに一応挨拶する。

「よろしく。えーと……名前なんだっけ?」

「万丈目だっ!!聞いてなかったのか」

「おお、悪い。」

「なめてんのかっ!!」

 

どーも怒らせてしまったらしい。

定位置に付くと、騒ぎ始める。

向こうのフィールドでも二人が挨拶とデュエルこ向上を始めるようだ。

「("精一杯"ということは、マジでやっていいんだな。そのためのギャラリー0なんだろうし)」

それならこちらも始めるか、今はあんまり手加減してやろうという気がしない。

事前の調整は無駄になったが、瑣末なことである。

 

「ナメた態度とりやがって、お前なんぞ瞬殺してやる!!」

「神倉さん、いいデュエルにしましょう」

 

「なぁ、万丈目」「ねぇ、天城院さん」

 

「さんをつけろっ!!」「何かしら」

 

「正直勝ちを譲ってやってもよかったが」「あなたとはよいお友達になれそうな気がするけど」

「ちょっと次に進みたくなった」「このデュエルは負けられない理由ができました」

「だから、瞬殺するけど簡便な」「だから、本気で行きます」

 

「「「「デュエルっ!!!」」」」

 

 

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天上院明日香   VS   神倉楓

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TURN 1(MP1)

天上院明日香(TP)

    LP 4000

    手札 6

神倉楓

    LP 4000

    手札 5

---

「私のターン、ドロー」

相手は先ほどの挑発とも取れる宣言でヒートアップしている。

こういうタイプは熱くなるほど強くなるタイプなのだろう。

 

「(でも、この試合はどうやっても負ける気がしない)」

それは、2年ぶり、いやあの「事件」からすれば4年ぶりの再会だからか。

彼が、待っていてくれると確信できるからか。

 

「私は、《エトワールサイバー》を攻撃表示で召喚、カードを2枚伏せて、ターンエンド」

無難な滑りだし、と思っているのだろう。それでも。

「(いける、久遠が待っていてくれている、久遠と、またデュエルができる)」

 

何年も待ち続けた少女にとって、その壁は踏み越えるにあまりに容易い。

 

「私のターン、ドロー」

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TURN 2(MP1)

天上院明日香

    LP 4000

    手札 3

    モンスター ブレードスケータ―(攻1200)

    魔・罠  伏2

神倉楓(TP)

    LP 4000

    手札 6

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手札は最高、ここぞというときにはやはりデッキが答えてくれる。

あの日久遠にもらったカードをエースに据えたデッキはここぞという時に必ずこたえてくれた。

その恩を、次に待つ彼に返したい。

だから、一切の手を抜かない。

 

「私は、《魔導戦士 ブレイカー》を召喚、このモンスターが召喚に成功したとき、魔法カウンターを1つ乗せます。そして効果発動、魔法カウンターを取り除いて右の伏せカードを破壊します」

「攻撃の無力化が……」

「バトルっ!ブレイカーでエトワールサイバーを攻撃」

「それは封じさせてもらうわ、リバースカード、《サンダー・ブレイク》、手札を1枚捨て、ブレイカーを破壊!」

「なら、チェーンして速攻魔法《ディメンション・マジック》、ブレイカーを生贄に手札の《コスモクイーン》を特殊召喚」

「攻撃力…2900!?」

「ディメンションマジックのもう一つの効果、相手モンスター1体を破壊します。」

「エトワールサイバーが!」

「サンダーブレイクは対象のブレイカーが居なくなったので効果を発揮しません。」

「くっ、来なさい!!」

「フィールドは空、コスモクイーンでダイレクトアタック!!」

「くぅっ」

 

天上院:LP 4000 → 1100

 

「やるわね、でもここからよ。」

「いえ、終わりです。速攻魔法《ディメンション・マジック》2枚目です。コスモクイーンを生贄に、現れよ、《混沌の黒魔術師》!!」

「そんなっ!!あれは、"伝説"のっ!!?」

「破壊効果は使いません、混沌の黒魔術師の効果発動、墓地の魔法カードを1枚手札に加えます。私は、再度ディメンションマジックを回収します。そしてバトルフェイズ中の特殊召喚なのでまだ攻撃権はあります。混沌の黒魔術師、ダイレクトアタック、滅びの呪文!!」

「きゃーーーーーーーっ」

 

天上院:LP1100  →  -1700

 

勝者:神倉楓

 

「っし!!」

ガッツポーズを決める

あっけなく勝利したように見えるが、まだ彼女の手札は3枚あった。

このターンを乗り切られたら、長引いたかもしれない。

今回はこのデュエルへの『想い』の差だと思う

 

そして、これで、次へ進める。

4年待った、次のステージへ、私は行ける。

 

 

----

鷹城久遠 VS  万丈目準

 

「先攻は?」

「俺がもらう!!ドロー!!」

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TURN 1(MP1)

万丈目準(TP)

    LP 4000

    手札 6

鷹城久遠

    LP 4000

    手札 5

---

「俺は、《地獄の番熊》守備表示を召喚、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

まだ全容は見えてこないが【チェスデーモン】だろうか。

伏せカードは気になるが、攻めない理由は今はない。

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TURN 1(EP)

万丈目準(TP)

    LP 4000

    手札 3

    場  地獄の番熊(守1800)

    魔・罠  伏2

鷹城久遠

    LP 4000

    手札 5

---

 

 

「俺のターン、ドロー」

手札を引く。手札は上々、これは早く勝てと言っているようにすら見える。

だから、即行く

 

「手札から、《バイス・ドラゴン》を特殊召喚、このカードは相手フィールドにのみモンスターがいるとき特殊召喚できる、そしてフィールドのドラゴン族モンスターを除外して、来い《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン: LV10/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400

 

「1ターン目から攻撃力2800だと!?」

「まだまだ。ついてこれっかな?永続魔法、《未来融合-フューチャー・フュージョン》を発動、融合デッキの《F・G・D》を選択し、《エクリプス・ワイバーン》、《マテリアルドラゴン》、《青氷の白夜龍》、《真紅眼の黒竜》、《ダークホルスドラゴン》を墓地に送る。墓地に落ちた《エクリプス・ワイバーン》の効果により2体目の《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を除外。永続魔法《生還の宝札》、墓地からモンスターを特殊召喚するたびに3枚ドロー。そしてレッドアイズの効果発動、1ターンに1度手札、墓地からダークネスメタル以外のドラゴン族モンスターを特殊召喚する、《マテリアルドラゴン》を蘇生し、生還の宝札の効果で3枚ドロー。墓地のエクリプス、ダークホルスを除外して手札より《ライトパルサードラゴン》を特殊召喚。これにより除外された《エクリプス・ワイバーン》の効果が発動、除外した《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を手札に加える。手札の《真紅眼の飛竜》を召喚」

「ま、待て。トラップだ《落とし穴》、《真紅眼の飛竜》を破壊する!!」

 

この展開の中でちゃんと通常召喚を聞き分けられるのは正直すごいと思う。

でも、残念だが。もう守備態勢はできてる。

 

「《マテリアルドラゴン》効果発動、手札を1枚捨ててモンスターの破壊効果を無効、《ミンゲイドラゴン》を捨てる」

「なんだとっ!?」

「続ける、飛竜を除外してダークネスメタルを特殊召喚、効果発動、《真紅眼の黒竜》を特殊召喚、3枚ドロー、生贄に捧げて《真紅眼の闇竜》を特殊召喚。永続魔法《一族の結束》を2枚発動、墓地のモンスターが1種類の種族の時、1枚に付き800ポイント攻撃力アップ、速攻魔法《飛龍天舞》を3枚発動、デッキから12枚ドラゴン族モンスターを墓地に送り、《真紅眼の闇竜》の攻撃力を1枚に付き300アップさせる。《真紅眼の闇竜》は墓地のドラゴン族1体につき300ポイント攻撃力が上がる。以上かな。」

 

墓地には《飛龍天舞》発動前に3体、つまり合計15対ドラゴン族のモンスターが居る。

結果として久遠のフィールドは

    レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン(攻4400(2800+800+800))

    レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン(攻4400(2800+800+800))

    ライトパルサードラゴン(攻4100(2500+800+800))

    マテリアルドラゴン(攻4000(2400+800+800))

    真紅眼の闇竜(攻9100(2400+800+800+300×12+300×15))

となっている

 

「今まで発動してなかったってことは攻撃反応トラップだろ?手札はあるからな。」

 

つまりはマテリアルドラゴンの効果は発動可能と言っている。

 

「バトル、マテリアルドラゴンで番熊を攻撃」

「ぐっ!!」

「残り、総攻撃だ」

「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ」

 

万丈目:4000  → -400  →  -4800  →  -8900  →  -18000

 

勝者:鷹城久遠

 

「悪い、どーにも負けてやるわけにはいかねーので。」

「くそっ……」

 

崩れ落ちる万丈目を横目に中央へ。すでに勝利を決めていたらしい楓が立っている

これでお互いに決勝進出が決まった。

 

「負けないよ」

「ああ、楽しもう」

 

4年分の二人の思いは、デュエルでのみぶつけ合える。

 

「その前に3位決定戦です」

できれば空気を読んでもらいたかった。

 




4年ぶりの想いは時を経て交差する。
多くを捨てた少年と、捨てさせてしまった少女。
それらの想いが、デュエルでぶつかり合う。

「強くなったね」
「ああ、強くなった」
「今度は私が追いつく番だ」
「ああ、待ってるよ」

次回「時を経た想い」





2031/10/10追記:生還の宝札は原作効果仕様です。

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