頑張れ、小鷹。
皆さん、前回の話を覚えているだろか?
前回、僕が性欲拳最終形態に至った理由は『日曜日に姉さんとデートして、夜には裸エプロンでハンバーグとおにぎりを作ってくれて、しかも一緒にお風呂にも入ってくれる。』という天にも昇るようなご褒美のおかげだ。
そんな素晴らしいご褒美を僕が忘れる訳がない。そして今日は金曜日だ。
「お前ら、ここは今度のテストに出るぞ。」
先生は僕たちのために一生懸命に分かりやすい授業をしてくれていた。
しかし、僕には授業など念仏のように聞こえた。
だって姉さんと日曜日にイチャイチャできる初めてのチャンスのほうが1000倍重要なのだ。
さて、デートはどこにいこう?
やはり遊園地なのかな?お化け屋敷で怯えている姉さんを僕が元気づける姿が思い浮かんだ。
でも、ショッピングも良いな。姉さんとお買い物か~。かな?『弟くん、こっちの花柄の服とこの水玉の服どっちがいいかな?』『姉さんが着るならどっちでも似合うよ。』みたいな甘い会話を楽しみたい。
どっちにするか、これは難問だな。
さてと、今日は百合先輩との約束で姉さんとは一緒に昼ご飯が食べられないので食堂に行くことにした。
「小鷹名誉会員No.2。お疲れ様です。」
食堂の中から10人以上の男が凄まじい声で叫んできた。
「君たち、頼むからもっと声を小さくしてくれ。」
「分かりました、小鷹名誉会員No.2。」
この暑苦しい男達は、生徒会長ファンクラブの連中だ。
ちなみに、僕は名誉会員No.2だ。そして名誉会員No.1は師匠だ。
あの時は名誉会員No.1の座を巡って戦った日々を思い出す。
さて、今日はコイツらは何の用事だ?頼むから姉さんの今日の下着の色は勘弁してほしい。
僕も確かに知りたい。けど分からない。新しい新技はパンツの色が分かる技でも作ろうかな?
彼らと話すと僕の技のレパートリーが増えるな。女神の裸体も彼らと話していて思い付いた技だしな。
僕は新技とデートの場所について、うどんをすすりながら考えた。
でも新技は姉さん以外には使えないな。
さてと、今日はオアシス(生徒会室)で姉さんをじっくりと眺められる。
今日は何も起きないだろう。
「弟くん、今度はこの資料の整理もよろしくね。あと、それが終わったら各団体の予算案を読んで予算が出せないような所は教えて、私が対処するから。」
しまった、文化祭の準備だと。
そういえば、僕が真剣にデートの事を考えている時にクラスメイトがうるさかったな。
何をするか、一生懸命考えていたのだろ。
彼らも考えに考え抜いた案だろう。会議に参加していなかった僕がその努力の結晶を潰すのも悪いな。
よし、うちのクラスの出し物がどんなに過激でも少し目をつぶってあげよう。
僕はそんなことを考えながらクラスの出し物を考えた。
『劇』、案外普通の案だな。組長とかミカドはあまり参加していなかったのかな?あの二人ならもっと派手なのをしそうなのだが。
まぁ、これなら止める事もあるまい。よし、承認。
しかし、僕はこの時に明らかなミスを起こしていた。そのミスのせいで僕は大変な事になるのだ。
いよいよ明後日はデートだ。絶対、成功してみせる。僕の野望の第一歩だ。
姉さんとのデート。
しかし、そこで待ち構える刺客とは………。
次回『デート。それは戦場だ。』