ライバル現れました。
昨日の剣道部の騒動のせいで疲れた僕と姉さんは少し遅めに登校した
「小学生は最高だぜーーー。」
正門の前でこんな事を叫んでいる連中がいた。
なるほど、今は8月の半ば。暑いから頭がおかしくなる人もいるのだろ。
僕はそんな変態さん達は放って教室にあがった。
「大変だ、小鷹。組長とミカドが誰かにボコボコにされて入院したって。」
友達は慌て僕に報告してきた。
「どうせ、エロゲーをやっていて鼻血が出過ぎただけだろ。あんな人外が誰にボコボコにされるんだよ。」
僕は呆れながらそういうと、すぐに否定された。
「違うと思うよ小鷹。だって二人とも身体中に傷があるらしいよ。」
なんという事だ、あの人外どもを倒せるだと、ミカドは多分全国の剣豪が束になっても傷ひとつつけられないし、組長はヤクザと戦ってドスをポキポキと折って、ヤクザの方々が土下座させるまでボコボコにしていた。確か次期組長にならないかとスカウトされていた。
そんな人外どもを倒せるのは多分、師匠くらいしか無理だろう。
「新しい人外が現れたのか?」
僕の質問に友達は分かりやすく教えてくれた。
「小鷹。正門の前で叫んでいた連中いただろう。」
「確かにいたな、夏だから色んな人がいるだろうよ。御愁傷様。」
そう言うと友達は苦笑しながら話を続けた。
「あれは、噂によると全員がとある男と戦って負けたそうだ。」
「とある男?」
「うん、顔や名前は知らないんだけど皇帝と呼ばれる奴だ。」
皇帝ね…………。中二病の人なのかな?いい精神科医を紹介してあげないと。
僕は授業が始まったので席についた。皇帝ね、生徒会の仕事を増やすなよ。
「弟くん、事件だよ。」
姉さんのかわいらしい声が生徒会室に響いた。
「姉さん、事件って?」
僕は素直に質問してみた。
「百合が言っていたの、ロリコンって言う病気にかかった人がたくさんいるから、なんとかしないと学校の名誉に関わるって。」
なるほど、確かにあまり良い状況ではないな。でもどうやって解決するつもりだろう。
「我が弟子よ、心配はいらん。私が解決策を考えてある。」
いつの間にか来ていた師匠が発言していた。師匠、気配を消して入って来ないでください。
「我が弟子よ、貴様に挑戦状が届いたのだ。この事件の犯人から。」
師匠はポケットから時代遅れの挑戦状を取り出した。
千条 小鷹。貴様は剣道部部長を一撃で倒したらしいな。その実力を試させてもらおう。
明日の放課後、河川敷に来い。 皇帝
この挑戦状を見た、僕の感想は………。
「師匠、この人に腕の良い精神科医を紹介してあげましょう。」
僕は真っ先にそう思った。
「我が弟子よ。お前の気持ちも解るかが、今回はガマンしてくれ。」
「嫌ですよ、何で僕が戦わないといけないんですか!」
「こいつに負けた奴らがロリコン化しているからだ。」
僕は師匠の発言で体から力が抜けた。
「そんな事が起きる訳がないですよ。」
「我が弟子よ。今はそれしか考えられないのだ。」
「弟くん、私からもお願い。ちゃんとご褒美にハンバーグ作ってあげるから。」
その悪魔の誘惑を聞いて僕の心は………。
「任せて姉さん、二度とウチの生徒にてを出せなくしてやります。」
僕は命令にしたがった。だって姉さんのハンバーグが食べたいのに。
次の日の放課後、僕は河川敷に行くと恐ろしい光景が見えた。
「花様、花様、花様、花様、花様、」
「幼女、幼女、幼女、幼女、幼女、
「小学生は最高だぜーーー。」
変態さんがたくさんいた。
「よく来たな、千条 小鷹。」
一人の男が僕に話かけていた。
「お前が皇帝か。」
僕が尋ねると、男は舐めた目で僕を見てきて変な名前を言ってきた。
「我は皇帝様の部下にしてロリコン四天王の一人、剣豪のムサシだ。」
中二病の人だった。ロリコン四天王って事は、こんなに痛い人が後三人もいるのか。可哀想に、
僕はキリシタンではないが祈ってあげよう。
主よ、この哀れな人達に救いの手を………。
僕が祈ってあげていると痛い人が話を続けてきた。
「皇帝と戦う資格があるか、俺が見定めてやろう。」
そう痛いセリフを言いながら男は真剣を抜いた。えっ………、真剣だと!
「もしもし、警察ですか?ここに日本刀を持った人がいます。捕まえてください。」
「待ってくれ、これはレプリカだから通報しないでくれ。」
痛い人は僕を止めてきた。くそ、このまま警察にこの痛い人達を逮捕してもらおうと思ったのに。
「仕方ない、戦いますか。」
僕はそう言って準備運動を始めた、別に僕が戦うのは姉さんのハンバーグの為だ。正々堂々と戦う気は毛頭ない。ここは必殺技で倒しますか。
レプリカの剣を構えた中二病の人が、こちらを睨んできた。
止めてくれ、僕は姉さん以外の人に見つめられたくない。この人には悪いが………。
「いきますよ、性欲拳最終奥義ーゴールドボールブレイカー」
僕は全速力である部分を蹴った。
まぁ、名前で気がついた人もいるだろう。
僕のゴールドボールブレイカーをくらった痛い人は、股間を押さえながら悶え苦しんでいた。
「我が弟子よ。お前の技は何故ならばそんなに外道なのだ?」
僕は師匠の言葉を軽く無視していると、高飛車な声が聞こえてきた。
「ムサシを倒すとはやるな。しかし、その程度の実力ではこの皇帝は倒せないぞ。」
うわぁーー、もっと痛い人がきた。恐らく、あれが中二病のトップだろう。なんて可哀想な人だ。
僕は優しく、哀れな彼に僕のやるべきことをしてあげた。
「良い精神科医を紹介しますよ、優しい先生ですから心配しなくても大丈夫ですよ。」
「うるさい、早く戦うぞ。」
中二病のトップさんは慌て戦いを挑んできた。自覚があるのかな?
「お兄ちゃん、頑張って。」
どこからか少女の声が聞こえてきた。すると周りの変態さん達のテンションがあがった。
「かわいいです、マイエンジェル。」
「その澄みきった笑顔で我らに祝福を。」
ダメだ、早くコイツら何とかしないと。
僕が彼らを心配していると、皇帝と呼ばれる中二病のトップは構えていた。
「マズイ、我が弟子よ。そいつは性欲拳の最終形態に至っている。」
性欲拳の最終形態だと!確か、師匠以外は現代で安定して出来る人間はいないはずだ。
それを出来るだと、この中二病も人外なのか。マズイ、人外と戦って勝てる自信は今はない。
そう思って僕がオタオタしていると中二病のトップが僕に攻撃してきた。
仕方ない、勝てるかどうかわからないが試してみるか。
「性欲拳最終奥義ーゴールドボールブレイカー」
僕は技名を言いながら全力で股間を蹴った。よし、直撃だ。これなら人外でも………。
しかし、僕の希望を彼は打ち砕いた。彼は何事もなかったかのようにケロッとしていた。
人の夢と書いて儚い。
なら、僕の全力全開だ。出血多量で倒れてもらおう。
「性欲拳最終奥義ー女神の裸体」
僕は姉さんの裸をイメージした。あの柔らかそうで透明感のある肌、あの豊かでマシュマロのように柔らかそうなオッパイ。マズイ、僕が出血多量で倒れそうだ。
これ程の完成度なら、いくら人外でも………。
中二病のトップは、僕の《女神の裸体》をくらっても鼻から血を1滴も落とさなかった。
僕の必殺技が聞かないだと………。
どうすれば勝てるんだ。
今回から次回予告を始めました。
小鷹の必殺技が一つも効かない。
このまま負けてしまうのか!
次回 『シスコンvsシスコン』
ピンチの時、姉さんの言葉で………。