教室の前にやっと着いた。
「弟くん、今日は二人分のお弁当を作ってきたから、お昼になったら生徒会室に来てね。一緒に食べようよ。」
そう言って姉さんは自分の教室に向かって歩いて行った。教室の中では、姉さんの落とした核爆弾クラスの発言によって大半の男子が僕を睨んでいた。目線が痛い、そんなに睨まないでほしい。眼からレーザーが出そうな勢いだ。僕はまだ死にたくない、だってまだ姉さんとイチャイチャ出来る関係にすらなっていないのだから。
「おっす、小鷹。相変わらずお姉さんとは仲良くやっているな。」
この面倒な声の主は……。
「おはよう、ミカド。」
「おはよう、昨日は何かお姉さんとは進展があったか?」
「そんな事があれば今日は学校を休んで姉さんと1日中イチャイチャしてるよ。」
「そっか、まぁ簡単には無理だな。そういえば、俺が貸してやったギャルゲーは勉強になったか?」
「なる訳がないだろ。確かに僕は姉さんが大好きだけど、攻略キャラのお姉さん金髪のロリじゃないか!僕の姉さんは黒髪美少女だぞ。」
「すまない、あれは俺の趣味だ。ハッハッハッ」
「笑って誤魔化すな。」
僕はミカドの頭を手刀で叩こうとした。すると……。
「真剣白羽取り」
無駄にレベルの高い技で守られた。
おっと、このままでは色々と説明不足になるので説明しよう。
まず、僕の名前は《千条 小鷹》。
気がついている人もいるかもしれないが姉さんが大好きだ。
一応、生徒会会計をやらせてもらっている。
そして、この手刀を真剣白羽取りで止めたこいつは《ミカド》。本人が名前は嫌っているのでみんなアダ名で呼んでいる。去年まで剣道部に所属にして全国大会に何度も出場していた。しかし、去年の最後に起きた事件によって剣道部を止めた。そのあとロリコンに目覚めてしまった、そして今はこの学園の最強のロリコンの右腕をしている。
「お前ら、早く席に付け。ホームルームを始めるぞ。」
先生がやって来たので席に座ることになった。先生は教卓から欠席を確認していた。そしてため息をついた。
「おいミカド、あいつに休む理由を聞いてないか?」
「先生、組長は幼女を愛でるのが済んだら学校に行く。と言ってました。」
先生はさっきよりも深くため息をしてホームルームを始めた。先生お疲れ様です。
先生がホームルームをしている間、僕は弁当のおかずが何か考えていた。
さてと、授業を聞き流しているとお昼になった。待ちに待ったお弁当タイムだ。急いで生徒会室にいかなければ。そう思って廊下をはや歩き(走ると姉さんに怒られるから)しながら生徒会室に向かっていると一番会いたくない人に会ってしまった。
「何か嬉しそうな顔してるけど、何かええことでもあったんか」
後ろから怪しい関西弁が聞こえてきた、きっと幻聴だ。嬉しすぎると幻聴が聞こえてくるみたいだ。今後の教訓にしなければ。さてと、生徒会室に急ごう。
「ほう、無視か。自分の師匠にその態度か少し見んまに偉そうになったな。」
どうやら現実からは目を背けられないようだ。
よろしくお願いします。