初めてのため文章がつたない部分が多々ありますが、読んでいただければ幸いです。
管理局本部。そこのある部屋に二人の男が立っていた。一人は涼しげな表情。それに対しもう一人は眠たそうに目を擦っていた。
「まったく、やめてくださいよ……俺昨日まで長期任務についていたんですよ?少しは寝させてくださいよ、マリック局長」
開口一番、文句を垂れ流さずにはいられない。なぜか?睡眠をとろうとベッドに潜った矢先に招集がかけられたからだ。
「いや、おまえに頼みたいことがあってね」
「あ~、でしょうね」
でなきゃ俺を呼び出したりしませんもんね。青年の呟きを聞きながら、普通の局員とわ違う黒い制服を着ているマリックは小さいモニターを出し、手際良く操作する。
「機動六課……?最近できたっていう遺失物管理部の……それがどうしたんですか?」
モニターに表示された字を見つめながら青年は言う。次に、画面には管理局でかなり名の通った人達が表示される。
「そう……八神はやてという人が部隊長をやっている。しかし、彼女はまだ若い……それに頼れる人が欲しいと知り合いから人材を貸してほしいと頼まれてね」
「知り合い?もしかしてゲンヤさんとか?」
「そうだ」
「それで自分が出向けと?」
青年は再び目の前にいるマリックに向き直り軽い口調で聞いてみた。だが、怪訝な表情は顔に張り付いたままである。
「その通りだ。察しが良くて助かるな。それにおまえは休暇にはいったばかりだろう?」
「入ったばかりもばかりなんですけど。一昨日に帰還して、昨日から今日まで報告書作って提出して、寝ようと思った矢先に緊急招集ですよ?そんな部下に人材が足らないからって理由で休暇がなくなるんですか?だいたい『上』がそんな簡単に私用で人員を派遣するなんて許すはずないでしょ?」
今休まないとしばらく休めない気がする……休める内に休まなければ!!
そして、彼の心中での戦慄と悲願は、届いたのだろうか。
「そこは問題ないさ、上が珍しく承認した。それにゲンヤさんが知っている人物であるお前が適任であると私はそう思っているよ」
マリックは真剣な目付きで青年を見る。
「……怪しいですね。まあ、どちらにせよ自分にはあなた達に大きな借りがありますし」
青年は妥協したらしく、素直に従うことにした。 上の意向が絡んでいるのであれば無責任には断れまい。
「それはありがたい。そんな君にいい情報を一つ」
「ん?」
「奴がミッドチルダに出没したらしい」
マリックの言葉に青年は目を細める。先ほどまでの眠たげな表情ではなくなり、緊張感のあるものとなった。
「……それは、ありがとうございます。もちろん……その情報を自分に聞かせたからには自由にして構いませんね?」
落ち着いた言葉にしては、幾分か嬉しさがにじみ出ていた。隠しているつもりなのだろうが、内からあふれ出る感情を抑えられないのだ。
「ああ、構わないよ。その辺のことに関しては『ライセンサー』に準ずる行動をしてもらって構わない。だが、見張り役として後々人員を送るつもりだから、面倒事は控えるように」
「了解しました。ライセンサー所属アーク・グライド一等空佐。本日にて休暇を終了し、機動六課に異動いたします!」