『進撃の巨人』×『パシフィック・リム』=『進撃の巨兵』   作:主(ぬし)

1 / 2
映画『パシフィック・リム』を観る。

超おもしれえ

もう一回観に行く。

やっぱり超おもしれえ。

【進撃OP MAD】進撃の巨兵 パシフィック・リム【作ってみた】(sm20770934)という動画を観る。

なにこれ超カッコイイじゃん。

母ちゃん「今日のお昼ごはんはうどんよ」

完成 ←今ここ


『進撃の巨人』×『パシフィック・リム』=『進撃の巨兵』

奴らが現れるのは宇宙からだと思っていた。

 

だが実際は、壁の外から来た。

 

最初に襲われたのは、ウォール・マリア。

 

すぐに被害は、他の城郭都市にまで及んだ。次々と、壊滅的に。

 

奴らの侵略は止まらなかった。

 

だから。

 

我々は叡智を結集し、最終兵器(・・・・)を開発した。

 

こうして生まれたのが、人型巨大兵器―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「行けるな、ミカサ」

 

「もちろん、エレン」

 

「よし―――。一緒に、悪い巨人をやっつけよう!!」

 

 

 

 

 

 

 

進撃の巨兵  第五話 『初陣』

 

 

 

 

 

 

 

 

人類歴850年

ウォール・ローゼ南端 突出区画トロスト区

 

 

 

 この日、ウォール・ローゼが破られた。3年前にウォール・マリアの開閉扉を破壊した超大型巨人が再びその威容を顕したのだ。

 脚を持ち上げ、前に向かって振る。

 たったそれだけで、重厚な扉は轟音とともに弾け飛んだ。鉄片と木片と化した扉が散り散りに吹き飛び、外縁部に備え付けてあった固定砲台が根本からもぎ取られていく。百年以上の時を費やして人類が着実に強化してきた壁は、超大型巨人の圧倒的な膂力を前にしてあまりに無力だった。

 壁に穿たれた穴から、一体の巨人が姿を現す。大きさはおおよそ15メートル。通常の巨人と変わらないサイズだ。だが、その表皮はまるで鎧のように分厚く、頑健だった。鎧の巨人がつま先を地面に食い込ませ、筋肉をギリと唸らせる。一瞬後、その姿は爆音と噴煙ともに掻き消える。タックルだ。ウォール・ローゼ内に敷設された対巨人用防壁を狙い、鎧の巨人は猛烈なタックルで襲いかかったのだ。巨人を防ぐはずの防壁は、鎧の巨人の体当たりによって呆気無く崩壊し、散逸した。

 防壁がなくなったその先には、家々が無防備に広がっている。人々の平和で温かい営みを体現するようにレンガ造りの質素な建物が寄り添い、積み重なり、抱き合うように密集している。そして、それを優しく見守るように、とても大きくて太い塔(・・・・・・・・・・)が聳えていた。砲台など一つもない。見るからに、全てが無力だった。

 鎧の巨人の背後から、次々と巨人たちが侵入してくる。日常の破壊者がその醜い姿を現す。ズシズシと鈍重な足音を踏み鳴らし、人類の領地を我が物顔で蝕んでいく。尊厳を踏みにじり、痛ぶり、徹底的に滅ぼすための餌を―――ニンゲンを求めて、世にも醜い巨人たちがグリグリと目玉を動かす。

 

 

――――――?

―――?

―――――?

 

 

そうして、奴らは異変に気付いた。

 

 

 

―――ニンゲン、ガ、イナイ

 

 

 

 いなかった。人っ子一人いなかった。どの家ももぬけの殻だった。誰も彼も、姿を消していた。皆が皆、避難(・・)をしていた。まるで、これから大きな戦い(・・)が―――戦争(・・)が起こることを知っていたかのように。

 

 そう、これは戦争(・・)だ。

無残に滅ぼされるだけの陵辱でもなければ、餌として食い尽くされていくだけの食事でもない。人類が初めて巨人を圧倒し、駆逐し、恐怖のどん底に叩きこみ返す(・・・・・・)ための戦争だ。記念すべき、最終兵器の盛大なる初陣だ。人類の叡智を結集して開発された、人型巨大兵器(・・・・・・)の大いなる誕生なのだ。

 

 

 

―――まずい。よくわからないが、この状況はまずい。

 

 

―――なんだ、この嫌な予感は。“死”を明確に感じる、この寒さはなんだ。

 

 

 

 超大型巨人の知性が、鎧の巨人の第六感が、その身に迫る危機(・・)をヒシヒシと訴えていた。その恐れは波紋のように伝播し、知能が低い他の巨人たちもビクリと動きを止めて身体を引き攣らせる。

 巨人たちは焦った。本能が叫ぶ悲鳴に立ち竦んだ。ここにいては危ない、と。焦る理由など、危ない敵など、恐れる存在など無いはずなのに。自分たちが常に勝者であるのは疑いようもないのに。だというのに、総身を震わせるこの震えは何だ。

 

 

 

否!!

大地を揺るがす、このとんでもなく巨大な地響きは何だ!?

果てしなく巨大な鉄の塊が歩んで(・・・)いるような、この破壊的な足音(・・)はなんだ!?

まるで狩人(イェーガー)が獲物を見下すような、心臓を刺し貫くこのプレッシャーは、なんだ―――!?

 

 

 

 

 

 

「ミカサ、ロケットパンチだ!!」

「了解!!」

 

 

『―――ROGER―――“ROCKET PUNCH”―――ENGAGED―――』

 

 

「「今だッ!!!」」

 

 

 

 

 

 突如。大きな塔が、内側から(・・・・)爆砕した。

 火薬による爆発ではない。拳による爆発(・・・・・・)だった。超大型巨人のソレよりも遥かに大きく(・・・)、遥かに硬く(・・)、遥かに強力な(・・・)拳の一撃が、肘部に装備された推力発生装置(ジェットエンジン)の雄叫びを引き連れて塔の内部から猛然と突き出されたのだ。

 轟音と爆風が収まるのを待たず、内部から、一歩、脚部(・・)が歩み出る。グオン、と大気を切り裂いた青銀の鉄の脚部が塔の基礎部を粉砕して歩み出る。足先から膝部だけで通常の巨人の全高を上回る鉄の塊が地表を抉った。鎧の巨人の腕ほどもあるショック・アブソーバーが火花を散らせて着地の衝撃を吸収する。石造りの路面が見るも無残に耕され、路面の巨石が粉砂と化す。その一歩だけで、呆然と立ち尽くしていた巨人3体が羽虫のように跳ね飛ばされ、コンマ数秒も持ちこたえることなく死に絶えた。

 

 

――――……!!!???

 

 

 鎧の巨人が反射的に後退する。一秒前に立っていたその場所に、ズドンと、二歩目が穿たれる。“歩んだ”など生ぬるい。その破壊の痕跡は、一歩一歩が“爆発”だ。

 持ち前の鋭敏な戦闘的感性を持つ彼は、その一歩だけで理解した。自分たちが、戦いを挑む相手を、決定的に間違えたことに。

 

 

――――そんな、馬鹿な……!!!!

 

 

 超大型巨人が呻いた。壁を隔てた先でこちらに向かって真っ直ぐに歩んでくる巨兵(てき)に恐れおののいて仰け反った。超大型巨人が見上げる(・・・・)先で、重量にしておよそ2000トン、全高にして80メートルにまで及ぶ超々大型巨兵(・・・・・・)の全容が陽光の下にその姿を現していた。

 

 

 

 

 

 

 

巨人たちはいきなり襲ってきた。

 

人類が逃げ出し、滅びる存在だと見くびって。

 

巨人たちは我々を甘く見た。

 

人類が一つになり―――戦いを挑むとは、思ってもみなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 後方、『巨人駆逐作戦本部』。

 総指揮を務めるピクシス司令が、自らを見上げる兵士の隊列を見渡して野太い声を張り上げる。全人類を鼓舞するように、腹の底から高々と張り上げる。その声は拡声器を伝い、巨兵の背を押す形でウォール・ローゼに響き渡る。

 

 

 

 

 

『今日が最後の日だ! やるべきことは一つ! 今日こそ巨人たちと対決し―――世界の滅亡を阻止するのだ!!!』

 

 

 

 

 ドズン!!!

 巨兵が歩みを止める。巨兵と超大型巨人が、壁一枚を隔てて相対する。「ここから先に踏み入ることは許さぬ」とばかりに己を見下ろす眼前の巨兵を前にして、超大型巨人が頬を引き攣らせてブルリと震えた。圧倒的なプレッシャーを放ってくる巨兵は、筋肉と骨ではなく、莫大な量の鋼鉄によって構成された人造の人型兵器だったからだ。

 

 

―――アレは……!?

 

 

 はたと、己より20メートルは上回る鉄の巨人の頭部に少年と少女が乗り込んでいるのを見つけた。少年と少女が金属の全身鎧に身を包み、燃える双眸でもってこちらをギロリと貫いている。その視線に火箸を突き刺されたような激痛を覚え、超大型巨人は我知らず息を呑んでゾッと怯んだ。その鋭い痛みは、鉄の巨兵が豪腕を振りかぶる動作を見逃させるほどの痛みだった。

 神経接続(ドリフト)によって心を一つにした少年(エレン)少女(ミカサ)が力強く吼える。スロットル・レバーが完全に同じタイミングで振りかぶられ、最終安全装置(ラスト・リミッター)が解放される。

 

 

 

「「見ろ、巨人ども!! これが人類の力だ!! 喰らえ―――――――ッッッ!!!」」

 

 

 

 全人類の尊厳を掛けてそびえ立つ鉄の巨人が―――イェーガーが―――“ジプシー・デンジャー”が、唸りを上げて胸部の動力炉から3000度の爆熱を噴出させてそれに応える。

 

 

『―――STANDBY―――“PLASMA CANNON”―――READY―――ENGAGED―――』

 

 

 ジプシーの腕部が瞬く間にその形状を変化させ、銃口部を剥き出しにする。次の瞬間、超高温の爆炎が業と噴き出し、たちまち2000ケルビンにまで達する超々々高熱のプラズマ大火球を出現させた。

 

 

 

―――俺は、いったい、今まで、何のために、何を―――

 

 

 

 突然頭上に出現した太陽によって、ウォール・ローゼ内に侵入していた巨人たちは呼吸をする間もなく炎上し、黒い燃え滓となった。鎧の巨人もその例外ではなかった。眩い白炎に照らされながら諦観にそっと目を閉じた彼は、音もなく熱い光に呑み込まれて消滅した。

 

 振りかぶられた右腕部がガキンと轟音を立てて固定され、発射体制が完了する。全身を焼く痛みに頬を叩かれた超大型巨人は自身の危機を悟るが、何もかもが遅かった。

 ジプシーの装甲融解温度に達したプラズマが遂に解き放たれる。ウォール・ローゼの壁をゴッソリと円形に繰り抜いて、太陽を凝縮した火球が超大型巨人の表皮に着弾した。

 

 己の肉を隅々まで焼きつくしていく爆炎の中で、超大型巨人は激しく後悔する。

 

 

 

――――勝てない。僕は、巨人は、人類に―――勝て、ない。

 

 

 

 巨人は、人類を甘く見た。人類を追い込み過ぎた。人類の最大の短所であると同時に最強の長所でもある“果てしない進歩への渇望”を見くびりすぎた。人類は、立ちはだかる障害が大きければ大きいほど、それを完膚なきまで叩き潰すモノを創造してまた前に進む生き物なのだ。

 然らば、人類にとって巨人という障害(・・)は―――その気になれば、こうして簡単に打ち砕けるほどの些細な邪魔者(・・・)に過ぎなかったのだ―――。

 

 

 

 火球が爆裂し、衝撃波が拡散する。天空の雲すら吹き飛ばすソレは、人類のリベンジ(・・・・)を世界に報せる狼煙となった。

 

 

 

 

人類歴850年

ウォール・ローゼ南端 突出区画トロスト区

 

 その日、その地から、世界の運命は激変した。

 狩られる者は、狩る者へ。狩る者は、狩られる者へ。

 滅ぼされる者は、滅ぼす者へ。滅ぼす者は、滅ぼされる者へ。

 

 これは、陵辱されるだけだった人類が、その叡智を結集して創りあげたイェーガーたちを操り、逆襲の火蓋を切って落とす、進撃の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっすがアルミンだぜ。たった3年で原子力パワーコアからイェーガーまで開発しちまうんだもんな」

「エレンとドリフトするのすごく好き」

「ははは、それほどでも。本を読めば誰でも出来ることさ。

あれっ、ライナーにベルトルトじゃないか。どうして二人とも真っ裸で黒焦げなんだい?」

「「人類ってスゲー」」

「「?」」

「エレンとドリフトするのすごく好き」




エレン「自分が巨人化できるような気がしたが、そんなことなかったぜ!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。