僕とウチと恋路っ!   作:mam

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ウチとバカとバレンタインpart02

 今日は、なんとか記念の日で学校はお休み。

 祝日というもので日本中がお休みの日らしい。

 だから、お母さんが朝から家に居てくれるので

 ウチは家事をすることなく自分の部屋で……なんとなくベッドで横になっている。

 

 本当は勉強をしなければ、いけないんだけど……

 二年生になる時にクラス分けの振り分け試験という物があるから。

 特にウチの場合は問題文が理解出来ないという大きなハンデが……

 

 でも今は……昨日お母さんに教えてもらった日本のバレンタインの事で頭が一杯だった。

 

『本命は本当に好きな人のことよ』

 

 アイツにチョコをあげるって事は、ウチが好きだって告白するのと一緒って事よね。

 でもアイツは挨拶だって思ってるみたいだし……

 

 ウチがこんなに悩んでいるのに……

 アイツはウチからチョコを貰っても「おはよう」って言うのと一緒だと思うのかしら?

 なんか納得できないわね。

 

「美波」

 ふいに、ドアの外からお母さんに呼ばれる。

「何?」

「ちょっと買い物に行ってくるわね」

「お姉ちゃん、行ってくるですっ」

「行ってらっしゃい」

 

 少しして玄関のドアが閉まる音がした。

 お母さんが葉月を連れて買い物に行ったみたい。

 

 ぼんやりとカレンダーを見ていると……

 今日は2月11日だから……バレンタインデーの2月14日は日曜日なのね。

 アイツとは普段学校くらいでしか会わないから、チョコを直接渡すとしたら明日の金曜日しかない。

 

 わざわざ学校が休みの日曜日に、それもバレンタインデーに待ち合わせなんてしたら

 それこそ告白するのが見え見えじゃない。

 そんな事が出来るくらいなら、こんなに悩んでいないわよね。

 でも……

 

 …………ウチがやりたい事は……

 

 

――――

―――

――

 

 

 数時間後、ウチはチョコレートを買って帰ってきた。

 ついでにハート型の型枠……しかも『I LOVE YOU』の文字が入っている物も一緒に。

 せっかくチョコをあげるなら吉井にもハッキリ判るようにと思って……

 流石にあのバカでも『I LOVE YOU』の意味くらい判るわよね?

 

「ただいまー」

「お姉ちゃん、おかえりですっ。何処へ行ってたんですか?」

 すでに帰ってきていた葉月が出迎えてくれたので頭を撫でてあげながら答える。

 

「ちょっと買い物をしてきたのよ……キッチン使うわね」

「何を作るのかしら?……あら、チョコレートを買ってきたのね」

 お母さんがウチの買ってきたチョコを見ると笑顔になって

 

「吉井君にあげるチョコね」

「うん。あげるなら手作りにしようかと思って……」

「お姉ちゃん、何を作るんですか?」

 するとお母さんが葉月の頭を撫でながら

 

「美波はこれから大切な物を作るのよ」

「大切な物って何ですか?」

 葉月が首を傾げながら質問をするとお母さんは……

 

「美波の一生を左右する事になるかもしれないから邪魔しちゃだめよ」

「お母さんっ!」

「ふふっ。悔いの無いようにしっかりやりなさい」

 そう言うとお母さんは葉月の背中を押すようにしてキッチンから出て行った。

 

 そしてウチはハート型のチョコを作り、ラッピングもして……

 明日、このチョコを渡したらアイツはどんな顔をするかしら?

 

 

 

――次の日

 

 教室に入って、吉井を探すと……

 居たけど坂本たちと一緒ね。

 アイツ一人でも渡すのに勇気が居るのに

 周りに人が居る時に渡すのはすごく恥ずかしいな。

 

…………

………

……

 

 なんでアイツは一人にならないのよ!?

 ずっと坂本たちと一緒に居るし……もぅ、お昼休みじゃない。

 こんな事なら朝早く来て机の中にでも入れて置けば良かったかな。

 

 でもアイツの事だから机の中なんて見ないかもしれないし……

 それに、ちゃんとウチの手から渡したい。

 ……出来れば、受け取ってくれた時のアイツの笑顔を見たいから。

 

 チョコレートを入れてある紙袋を見ながら

 そんな事を考えていると……

 

 あれ……ちょっと考え事してる間にアイツが何処かに行っちゃったみたい。

 もぅ、本当にタイミングが悪いんだからっ!

 仕方ないから坂本たちに何処に行ったか聞いてみるかな。

 机の上に紙袋を置いて立ち上がり、坂本たちに近付く。

 

「ちょっと聞きたいんだけど」

「ん?島田か。何の用だ?」

「吉井は何処に行ったの?」

「明久なら来週の月曜に提出する数学のプリントを無くしたとか言って貰いに行ったぞ」

 それって……今日の午前中に貰ったやつじゃない。

 なんでそんな簡単に無くすのよ?

 

 ウチがあっけに取られていると……

 

「そう言えば、島田よ」

「なに、木下?」

「お主、今日はわしらの方ばかり見ておったようじゃが」

「えっ……そっ、そうかな。気のせいじゃない?」

「俺らじゃなくて、用があるのは明久だろ。何か渡したい物があるんじゃないか……例えばチョコとかな」

 坂本がニヤニヤしながらそんな事を言ってきた……

 判ってるなら、ちょっとくらい気を利かせなさいよっ!

 

「島田も存外乙女じゃな」

「…………妬ましい」

「ウチ、ちょっと用事を思い出したから」

 これ以上ここに居ると何を言われるか……ウチは逃げるようにその場を離れた。

 

 とりあえずアイツの行きそうな場所は判ったから、後を追ってみるしかないわね。

 ウチは机の上に置いてあった紙袋を手に取って教室を出る。

 

 プリントを貰いに行くなら職員室よね。

 戻ってくるところを関節技を極めてでも何処かに連れ出して……

 なんて考えていると

 

「お姉さまっ!」

 この声、そしてウチの事をこんな呼び方をするのは……

 出来れば今は関わりたくないんだけど……恐る恐る振り向くと

 

「美春に何か用事はないですか?」

 胸の前で両手を合わせてキラキラした目でウチを見つめている、髪型に特徴のある女の子。

 

「今日()美春には何も用事は無いわよ」

 そう言って立ち去ろうとするウチの前に立ちはだかる美春。

「ひょっとして、その手に持っている物は……バレンタインのチョコでは?」

「そうだけど……なんで美春が知ってるの?」

 ウチが質問をすると……待ってましたとばかりに美春は顔を輝かせて

 

「昨日、お姉さまがチョコと型枠をお買いになるところをずっとスト……いえ、見ていたんです」

「ええっ!?」

 ひょっとして……チョコに書いてあるメッセージを知ってるのっ!?

 なんか恥ずかしくて顔が火照ってきた気がするわね……

 

「美春はお姉さまから貰えるチョコを美味しく食べるためにお昼を抜いて待っていたんですっ!」

「ダメよ。これはあげる人が、ちゃんと居るもの」

「美春ですか?」

 そう言うと、両手で何かを招き寄せる仕草をしている美春。

 

「違うわよっ!!」

 この子、思い込みが激しいから……これ以上、話していても埒が明かないわね。

 ちょっと遠回りになるけど……ウチはその場でくるっと向きを変えて走り出す。

 当然、美春はウチを追いかけてきた。

 

「お姉さま、美春にチョコを渡すの忘れていますよ」

「これはウチの好きな人にあげるのよっ」

「ここに居るじゃないですか」

 と言って自分を指差す美春。

 その自信は何処から来るのかしら?

 

「いい加減、ウチの事は諦めてよっ!」

「嫌ですっ!美春にはお姉さましか居ないんですっ!」

 その台詞をアイツが言ってくれたら……なんて今は考えている場合じゃないわね。

 とにかくビシッと言わないとダメね。

 

 ウチが階段の踊り場のところに立ち止まると美春は階段の上で止まった。

 

「美春っ!二度と言わないわっ!」

「美春を愛してるって事ですか?」

 両手を広げてウチに向かって階段を下りてくる美春。

 

「ウチには……好きな男の子が居るの。このチョコはその人に渡すのよ」

「そんな……お姉さまが愛しているのは美春一人じゃないんですかっ」

 ここからでも美春が泣きそうになっているのが判る。

 

「その人はウチがどんなに突き放そうとしても……ウチを元気付けるために友達になろうって言ってくれた」

 美春は階段の途中で止まっている。

 

「ウチはその言葉の意味が判った時から……その人の傍に居たいってずっと……思ってる」

 すると美春は階段を駆け下りて……

 

「そんなのっ!美春は認めま……きゃあっ」

「美春っ!?」

 あと少しで降りきるという時に美春が階段を踏み外して体勢を崩した。

 ウチは咄嗟に階段に一歩、足を踏み出して美春をかばう様に受け止める。

 

 ……しかし、ウチ一人では支えきれずに美春と一緒に踊り場に転んでしまう。

 

「いたた……美春、大丈夫?」

「はい、美春はお姉さまのおかげでちょっと足が痛いくらいですが……」

 恐る恐るといった感じでウチを見る美春。そして……

 

「お姉さま、ごめんなさいっ」

「良いのよ、でも、これからは……」

「あの……お姉さまのチョコが……」

 そう言うと自分の身体の下から紙袋を取り出す美春。ひょっとして……

 

 中身を開けて確かめるまでも無い。

 袋の上からでも…………砕けているのが判る。

 

 とりあえずウチは立ち上がると……

 

「美春、立てる?」

「はい…………ッ!?」

 美春は立とうとすると顔をしかめてバランスを崩しかけた。

 ウチが手を貸してあげて何とか立ち上がる。

 

 アイツを探しに行きたいけど……

 

「ほら、美春?肩を貸してあげるから保健室へ行きましょ」

 

 

――保健室

 

 

 美春がベッドの上で……

 

「お姉さま……ごめんなさい」

「気にしなくて良いわよ」

「でも……チョコ割れちゃってます……」

「ウチの好きになった人は……こんな見てくれは気にしないわ」

「お姉さま……」

「だってすっごいバカだけど……とても優しいから」

 

 確かにアイツはバカで……要領が悪くて……

 でもそんな事なんか全部吹っ飛んじゃうくらい……とても優しくて……

 そんなアイツを好きになる事が恥ずかしい事なの?

 誰かに見られてるとか、そんなの関係ないじゃない。

 さっき渡しておけば……

 

「そのチョコ……」

 紙袋を今にも泣きそうな顔で見つめる美春。

 割れちゃった物は仕方ないのに……今更、元になんて戻せないんだから。

 ……と、心の中で自分に言い聞かせる。

 

 ウチは紙袋の中のラッピングを少し破って、割れたチョコをひとかけら取り出し

 美春の口へ入れてあげた。

 

「これをあげるから、もう気にしなくて良いわよ」

 チョコを食べて、少し落ち着いてくれたかな?

 

「それは『ともチョコ』だからね」

「……お姉さま」

「ウチには、ちゃんと好きな男の子が居るんだから……ウチの事は諦めてね」

 

 美春にそう告げてウチは保健室を後にした。

 

 

 

 そして教室に戻ると……何よ、アイツ戻ってるじゃない。

 

 でも……さっき、美春には偉そうな事を言っちゃったけど

 このチョコを渡すのは……

 

 ウチは紙袋を握り締めたまま自分の席に着くと……アイツの方から、やって来た。

 

「あの、島田さん」

「どうしたの?」

「なんか僕に用事があるのかなって……」

 坂本が何か言ったのかしら?

 

「そうね。でも、もぅ済んだから良いわ」

「ほぇ?済んだ?」

「うん」

 ウチは今……どんな顔をしているんだろう?

 泣いてはいないけど、笑える気分じゃかった。

 するとアイツは……

 

「なんか元気が無いように見えるんだけど……何かあったの?」

「別に何も……じゃあ、元気が無いかどうか、見せてあげるわよっ」

 ウチは立ち上がり、腕と足を絡めてアイツの身体を締め付けるように関節技を極めてあげた。

 

「痛たたぁぁっ!ごっ、ごめんなさいっ!よく判らないけど、僕が悪かったですっ」

「判ればよろしい」

 関節技を解くとアイツは身体をガクガクさせながら坂本たちのところに戻り

 

「雄二っ!島田さんの用事って僕に関節技を掛ける事だったのっ!?」

「あれ?なんか渡す物があるような気がしたんだが……俺の勘違いだったか。まぁ、気にすんな」

「雄二たちは見てるだけだから良いけど僕は実際に痛かったんだよっ!」

「明久が島田に技を掛けられるのはいつもの事じゃろう」

「…………女の子と接触できるなんて明久が羨ましい」

「ムッツリーニや秀吉までそんな事を言うのっ!?」

 

 少し離れた席でアイツらの会話を聞いていて……

 そう言えば「友達になりませんか」って言ってくれて、ウチとアイツは友達になったはずだけど……

 

 坂本たちは名前で呼んでいるのに、ウチは「島田さん」って苗字で呼ぶのね。

 同じ友達のはずなのに……

 

 

 

――ホームルーム

 

「では今日はこれで終わりだ。寄り道などせずに早く帰るように」

 西村先生がそう言って締め括り、放課後になると……

 

「ああ、そうだ。吉井はこの後、俺について来い」

「ええっ!何で僕が鉄人について行かないといけないんですか?」

「馬鹿者っ!先生と呼べといつも言ってるだろう」

「はい、鉄人先生」

 

 ボゴッ

 

 アイツが、西村先生の持っていた出席簿で頭を叩かれている。

 

「まったくお前というヤツは……まぁいい。音楽室にあるピアノを動かすのでお前の召喚獣を使うからだ」

 そう言うとアイツの襟を掴んでそのまま引きずって行った。

 

 一人でさっさと教室を出て行く人、寄り道をする相談をしながら友達と一緒に帰る人

 部活へ行く人、先生に引きずられて出て行く人……

 思い思いにみんな教室を出て行き、10分もしないうちに教室の中に居るのはウチ一人になった。

 

 せっかく作ってきたんだから……

 食べちゃえば一緒よね、とは思うんだけど……

 

 結局、割れたチョコはまだ渡せずに……ウチの手元にある。

 

 

 

 どれくらい時間が経ったのかな。

 窓から差し込む光が薄らとオレンジ色に変わっていた。

 

 ウチは席に着いたまま、アイツの机の上にある鞄を見ていると

 

 

 ――ガラッ

 

 教室の扉が開き……

 

「良かった。島田さん、まだ居てくれたんだ」

 

 息をせき切らしながら……手には全然似合わない物を持って吉井が現れた。

 

「まだ居てくれたって……どうして?」

「雄二からメールが来てさ。島田さんが待ってるから早く戻って来いって」

 あはは、と笑いながら、そんな事を言っている。

 そして……

 

「あの……こんな物で元気になってくれるか判らないけど」

 と言って、手に持っていた……真っ赤なバラを一本、ウチに向かって差し出してくる。

 

「これ……ウチにくれるの?」

「うん。ちょっとバレンタインには早いけど、ドイツだと男の人から女の人にお花をあげるんでしょ?」

 バレンタインに贈るのはまだ挨拶だと思っているのね。

 

 ウチはバラを受け取って

 

「ありがとう……ウチ、すごく嬉しい」

 やだな……自分でも顔がすごくゆるんでしまうのが判る。

 

 今なら……今しかないわよねっ!

 

「吉井。ちょっと目を瞑って口を開けてくれる?」

「ふぇ?どうしたの?」

「良いから、ウチの言う通りにしなさい」

「うん。でも痛いことはしないでね?」

「する訳無いじゃない」

 

 吉井が目を瞑って大きく口を開けてくれる。

 ウチは紙袋から手探りで大きめの割れたチョコを取ると吉井の口に入れてあげた。

 

 吉井が口を動かしてチョコを食べてくれている。

 そして食べ終わると……

 

「ごちそうさまでした」

 

 ウチが見たかった笑顔で……そう言ってくれた。

 

 そして吉井が

 

「あまり遅くなっちゃうと家の人も心配するから早く帰ろう」

「うんっ」

 

 残ったチョコは紙袋ごと吉井にあげると……

 

「こんなにカロリーをたくさん……ありがとう」

 まぁ喜んでくれたから……笑顔も見れたし。

 

 

 

――校門の前の長い坂道

 

 吉井と二人でオレンジ色の空の下

 長く伸びた影を追いかけるように坂道を下っていく。

 

「ところで、このバラどうしたの?」

 ウチが手に持っているバラを見ながら尋ねると

 

「えっと……ピアノを動かしている時に重過ぎてちょっとふらついたら花瓶落として割っちゃったんだ」

 頭をかきながら苦笑いしている吉井。

 でも……この前、ウチが言ったドイツのバレンタインの事覚えていてくれたんだ。

 

「吉井……ウチの事、女の子として見てくれていたんだ」

「うん。胸以外はね」

「なんですってぇーっ!!」

 こんな良い雰囲気のところで何でそんな事言うのよっ!?

 とりあえず腕を取って関節技を掛けながら歩く。

 

「いだだだぁぁっ!ごっ、ごめんなさいっ!」

「何よ。吉井が悪いんでしょ」

「いや、ちょっと思ってる事を素直に言ったらっ、僕の腕が両方とも左腕にぃーっ!!」

 ぐるっと腕を捻ってそのまま歩く。

 

「ごっ、ごめんなさいっ。お願いだからそろそろ解放してくれないと僕の腕が脱着可能になっちゃうよっ!?」

「それなら……」

 ウチは腕を離してあげると……吉井のおでこにビシッと人差し指をつけて

 

「これからは毎年ウチにお花をくれる事。いい?」

「ええっ!?」

「二月十四日限定にしてあげるわよ……ただし、一生だけどね」

「えっと……ありがとう?」

「もしバレンタインデーにウチ以外の人にお花をあげたりしたら……関節技フルコースだからねっ!」

 ちゃんと最後まで説明してなかったウチも悪いけど

 ドイツだとバレンタインに花を贈る相手はほとんどの場合、ずっと同じ人に贈るのよ。

 もぅ貰っちゃったんだから、これからもずっと……ウチだけに贈ってよね。

 

 

 そして別れ道に差し掛かり……

 

「ウチ、こっちだから」

「僕はこっち。じゃあね、島田さん」

 

 あ、また苗字で呼ばれた……

 

「じゃあね、また来週……あ……」

「ん?どうかした?」

 吉井が首を傾げている。

 

 でも「明久」って呼んでも良いの?

 それだと……坂本たちと同じ友達ってことよね。

 

 ウチは……

 

「じゃあね、吉井。また来週」

「うん。バイバイ」

 

 歩いて遠ざかっていく吉井を見ながら、今はまだ無理だけど……

 

 そうね。いつか絶対名前で呼び合うようになるんだから。

 しかも誰よりも親しい呼び方で……

 

 

「じゃ、今後ウチはアンタのことを『アキ』って呼ぶから、アンタはウチのことを『美波様』って呼ぶように」

 

 


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