僕とウチと恋路っ!   作:mam

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僕とウチと冬休みの課題part02

 

 

「ただいまー」

「お邪魔します」

 美波に続いて玄関に入ると……ぱたぱたと可愛らしい足音が聞こえて

 

「お姉ちゃん、お帰りなさいですっ!」

「葉月、ただいま」

 美波が葉月ちゃんの頭を撫でている……あれ?なんかデジャヴ。

 

「お姉ちゃん。今日はバカなお兄ちゃんは来てくれなかったんですか?」

「アキなら、ちゃんと来てるわよ」

 美波が一歩横に動いて……僕は葉月ちゃんと見つめあう。

 

「バカなお兄ちゃんっ!」

 葉月ちゃんは嬉しそうな笑顔で僕にしがみついてきた。

 助走するほど距離は無かったので鳩尾にさほどダメージは無かったけど……

 

 あれ?いつもみたいに鳩尾におでこをぐりぐりしてこないな?

 葉月ちゃんを見てみると……にこにこといつもの天真爛漫な笑顔で僕を見上げていて

 

「お兄ちゃん。昨日はぬいぐるみありがとうです」

「どういたしまして。可愛がってくれてるかな?」

「はいですっ!昨日一緒に寝ました!」

「そっか。ありがとう」

 葉月ちゃんの頭を撫でてあげると目を細めながら

 

「葉月、お願いがあるんですっ」

「なにかな?」

「ぬいぐるみにバカなお兄ちゃんのお名前をつけてもいいですか?」

 名前が無いと呼ぶ時、不便だよね。僕は笑顔で

 

「うん、良いよ」

「ありがとうですっ」

 葉月ちゃんは僕の鳩尾におでこを当てるといつもより嬉しそうにぐりぐりしている。

 そして思う存分ぐりぐりしたのか、僕のお腹に頬を当てながら、ぎゅっと抱きついてきて

 

「やっぱりお兄ちゃんは優しいです……葉月、早く大きくなってお嫁さんになりたいですっ」

 

 すると美波が、僕の首から“こきゅっ”と聞こえちゃいけない音と共に

 僕の顔を真横の自分の方に向けると……涙目になりながら小声で

 

(アキっ!アンタ、なんで葉月にきちんと言わないのっ!?)

(いっ、言うって何を!?)

 美波は頬を赤らめて少し俯くと

 

(そっ、その……アキのお嫁さんは……決まってるって)

(えっと……僕は、まだ結婚なんて考えられないんだけど……)

 僕がそう言うと美波はキッと僕を睨んできて

 

(何よっ!アキはウチにずっと傍に居て欲しくないのっ!?)

(居て欲しいですっ!僕の傍に居てもらいたいですっ!)

(それなら葉月にちゃんと言いなさいよっ!?)

 美波が僕の頭を上下に激しく揺さぶる。

 

「あー、二人とも。それくらいにしておかないと明久君が壊れちゃうぞ」

 たぶん、なかなか戻ってこない葉月ちゃんを心配して見に来たのだろう。

 美波のお父さんが苦笑しながら二人を止めてくれた。

 

 

 

 食卓に行くと……椅子の配置は昨日と同じで

 片方に美波の両親、向かい合わせに美波と葉月ちゃんに挟まれた僕と言う席だった。

 

「昨日御馳走になったのに、またお邪魔してすみません」

 僕がそう言うと美波のお母さんが笑顔で

「気にしなくて良いのよ。美波も葉月もお世話になってますし……料理が冷めないうちにどうぞ」

「「「頂きます」」」

 

 昨日はクリスマスと言う事でローストチキンやグラタンなど洋食メインだったけど

 今日は里芋とイカの煮物や茶碗蒸しなど和食メインだ。

 

「明久君のお口に合うかしら?」

「はい、すごく美味しいです」

 甘過ぎず、しょっぱ過ぎずでほんのり柚子の風味が香る里芋の煮物や

 ダシが効いている茶碗蒸しなど、昨日の洋食も美味しかったけど今日の和食も美味しい。

 僕の横では葉月ちゃんが嬉しそうに茶碗蒸しを食べていた。

 

「葉月。今日も嬉しそうだね」

「はいですっ。今日もバカなお兄ちゃんが来てくれて葉月が好きな人がたくさん居るから嬉しいですっ」

 お父さんの言葉に嬉しそうに返事をする葉月ちゃん。

 そんなに喜んでくれると僕まで嬉しくなってくるなぁ。

 

「アキは明日もうちに来てくれるのよね」

「うん。冬休みの課題を終わらせないとね」

「お兄ちゃんっ!明日も来てくれるんですかっ!」

 嬉しそうに両手を上げて喜んでくれる葉月ちゃん。

 

「葉月。食事中にお行儀が悪いわよ」

「ごめんなさいです」

「それだけ明久君が来てくれるのが嬉しいんだろ。良かったな、葉月」

 お母さんに(たしな)められてしょぼんとした葉月ちゃんを励ますお父さん。

 本当に仲の良い家族だなぁ。

 

「でも、それなら明久君は今日は泊まっていくのかしら?」

「いえ、冬休みの課題とか持ってきていませんし」

 美波が「失敗したわね」と呟いていたけど……葉月ちゃんが嬉しそうに

 

「でも葉月、昨日からバカなお兄ちゃんと一緒に寝てるから寂しくないですっ!」

 

「ちょっとアキっ!どういうことなのよっ!?」

「いっ、いや、僕にもさっぱり……」

 僕は美波に胸座(むなぐら)を掴まれてガクガク揺すられながら考えてみる。

 昨日は一人で真っ直ぐ帰ったから葉月ちゃんと一緒に寝た記憶はないんだけど……

 

「葉月、本当なのかい?」

 美波のお父さんが葉月ちゃんに確認をすると……

「はいですっ!さっき、クリスマスプレゼントでもらったぬいぐるみに“バカなお兄ちゃん”って名前をつけて良いってお兄ちゃんが言ってくれたですっ」

 にこにこと満面の笑顔でお父さんに答えている葉月ちゃん。

 なんだ、さっきのぬいぐるみに名前をつけて良いってそう言う事だったのか。

 

 

 …………ん?

 僕の名前って、バカなお兄ちゃんなのっ!?

 

「アキ。ウチの早とちりでごめんね……って、何で泣いてるのよ?」

「いや……僕ってそんなにバカだったんだなって」

 

 

 

 そして夕御飯を御馳走になり、僕は家に帰ってきてから

 昨日のゲームの続きをしようかなと思ってパソコンの電源を入れようとした時……

 

 机の上に置いてあった課題の問題集が目にとまる。

 やっぱり、早く終わらせた方が良いよね。

 ゲームはいつでも出来るけど……冬休みの間に美波と遊べる時間は限られているし。

 とりあえず、化学の問題集を手に取った。

 

 

 

――次の日

 

 

  ピンポーン  ピンポーン

 

「今、開けるですっ」

 

 ガチャ

 

「バカなお兄ちゃんっ!今日も葉月に会いに来てくれたんですねっ!」

 葉月ちゃんは満面の笑顔で元気良く僕の鳩尾目掛けて突進してくる。

 今日は右手に勉強道具の入った鞄、左手に買い物袋を持っているから

 正面から葉月ちゃんを受け止めるしかない。

 

 避けて葉月ちゃんが怪我でもしたら大変だから僕が受け止めるしかないんだけど

 葉月ちゃんの衝撃を僕が後ろに下がる事で吸収できないだろうか。

 

 葉月ちゃんが僕に触れるかどうかと言うタイミングで…………よしっ、ここだっ!

 葉月ちゃんが僕に触る直前に後ろへ身体を動かすと……

 

 僕よりちょっと早いタイミングでさっきまで開いていた玄関のドアが閉まり

 僕は……まず背中をドアにぶつけて、そのまま身体全体が後ろに行く勢いが止まらず

 頭が後ろに振られて……次に後頭部をドアにぶつけた。

 

 そして葉月ちゃんのおでこが逃げ場の無い僕の鳩尾へ容赦なく当たる。

 

「葉月、アキが困ってるじゃない……って、アキ。そんなに泣くほど困ってるの?」

「いや……泣けるだけ幸せだなって」

 ほぼ同時に三箇所を痛打して気を失わなかった自分を褒めてあげたい気分だ。

 

 葉月ちゃんと美波は頭に『?』を浮かべていたみたいだけど。

 

「ところでアキ?何を買ってきたの?」

 美波が僕の持っている買い物袋を見ながら質問をしてくる。

「昨日、美波がお昼御飯を作ってくれたから今日は僕が作ろうと思って」

「気を遣わせてごめんね」

 申し訳無さそうな美波と

 

「バカなお兄ちゃん、大丈夫ですか?すごく痛そうです」

 葉月ちゃんが僕に抱きつきながら心配そうな顔で見上げている。

 葉月ちゃんに心配を掛けちゃいけないな。僕は出来るだけの笑顔で

 

「大丈夫だよ。心配掛けてごめんね」

 両手が塞がっているので頭を撫でてあげられないのがちょっと寂しい。

「アキ。荷物持ってあげるわよ」

 そう言って買い物袋の方を手に取る美波。

 僕は空いた手で葉月ちゃんの頭を撫でてあげてると

 

「じゃあ、ウチはキッチンに荷物を置いて何か飲み物でも淹れてくるから、葉月はアキを案内してあげて」

「はいですっ!バカなお兄ちゃん、こちらへどうぞですっ」

 葉月ちゃんは自分の頭を撫でていた僕の手を握ると引っ張るように案内をしてくれた。

 

 

 リビングに着いてソファに座ると僕の隣に葉月ちゃんも座って

 

「今日は何をしに来たんですか?」

 アーモンド状の吊り目をキラキラさせながら質問をしてくる葉月ちゃん。

「美波と冬休みの課題をしに来たんだよ。葉月ちゃんも一緒に冬休みの宿題をやらない?」

「はいですっ!じゃあ、宿題を持ってくるですっ」

 トトトッと軽い足音を立ててリビングを出て行く葉月ちゃん。

 

 しばらくして葉月ちゃんが勉強道具を持って戻ってきて

 ほぼ同時に美波もお盆に飲み物が入ったカップとクッキーやチョコレートが載ったお皿を載せてやってきた。

 

 僕がココアの入ったカップに口を付けながら課題を準備していると

 

「ウチ、昨日の夜に少し化学の課題をやったんだけど、アキは勉強したの?」

 美波が何かを期待するような顔で僕をジッと見ている。

 

「うん。僕も昨日、少しだけど化学をやっておいたんだ」

 と言うと、ぱぁっと花が咲いたような笑顔になって

 

「勉強するだけじゃなく教科も一緒なんて……やっぱりウチとアキは相性ぴったりねっ」

 すごく喜んでくれている……昨日勉強しておいて良かった。

 

「じゃあ、お昼の準備もあるから最初は化学から始めましょうか」

「そうだね」

「葉月も一緒にお勉強するですっ」

 

 二人とも昨日少しやっていたおかげで午前中には化学が終わった。

 そしてお昼御飯を作るためにキッチンへ……

 

「アキ。今日は何を作るの?」

 美波と葉月ちゃんが僕の顔を見ている。

「この前は和風パスタを作ったから今日は洋風うどんにしてみようかと思ってるんだ」

「それは楽しみね」

「二人とも手伝ってくれるかな?」

「うんっ」 「はいですっ」

 

 三人で仲良く作って……うどんを茹でるのとソースを作るだけだから、さほど時間も掛からずに出来た。

 そしてお昼御飯を食べて午後の課題へ……

 

 午後からは僕と美波は英語の課題から始める。

 葉月ちゃんは理科の宿題をやっているらしく、時々ふりこや音の事などを聞かれた。

 いくら僕でも小学生の理科の問題は答えられたけど……

 午前中は葉月ちゃんの宿題の算数の問題はほとんど美波に答えてもらっていたけどね。

 

 英語の課題が終わって、また少し休憩を取っていると

 

  Prrr! Prrr!

 

「あ、ウチの携帯ね」

 美波が携帯で話をして……すぐ終わったみたいだ。

 

「誰からだったの?」

「お母さんからよ。今日仕事納めだったんだけど、ちょっと遅くなりそうだから夕御飯をお願いしますって」

「それなら僕が作るよ。ここのところ御馳走になってばかりだったし」

「葉月もお手伝いするですっ」

 美波が、僕と両手を上げてお手伝いを申し出ている葉月ちゃんを見ながら

 

「そうね。それならボルシチにしない?アキに色々教えてもらいながら……ね?」

「はいですっ」

「うん、良いよ」

 満場一致で気持ち良く最後の課題を片付けられそうだ。

 

 

 そして最後の課題の現代国語を美波と二人で頭を抱えながら解いていく。

 葉月ちゃんは少し疲れたのか、おやつを食べ過ぎたのか、今は昼寝をしている。

 

 葉月ちゃんが起きた頃、日はすっかり暮れて午後6時前。

 昨日とほぼ同じくらいの時間だった。全部終わらなかったけど、ちょうどきりも良いし

 今日はここまでにしようと言う事になり、三人揃って夕飯の買い物に行くことにした。

 

 

 

「お姉ちゃんとバカなお兄ちゃん?葉月と手を繋いでもらっても良いですか?」

 僕と美波を見上げるようにお願いをしてくる葉月ちゃん。

 

「ええ、良いわよ」 「うん」

 二人とも笑顔で葉月ちゃんと手を繋ぐ。

 

「えへへー」

 と言って、僕と美波の間の葉月ちゃんはすごく嬉しそうだった。

 

 

 

――スーパー

 

 さてボルシチを作るとなると……この間はテーブルビートを売っていたけど、今日もあるかなぁ。

 

 昨日までクリスマス一色だった店内は、今は注連飾(しめかざ)りやお餅や小豆

 伊達巻や栗金団(きんとん)など、おせちに使う食材が所狭しと並べられている。

 

 えっと、たしか野菜のコーナーにあったはず…………あ、あった。

 

「バカなお兄ちゃん。今日もこれを買うんですか?」

「葉月。これが何か知ってるの?」

 僕が手に持っているテーブルビートを見ながら美波が葉月ちゃんに聞いている。

 

「お兄ちゃんの作るボルシチに使うって、葉月聞いたです」

「うん、これでボルシチに色がついたり甘みがつくんだよ」

「へぇ……アキって勉強は苦手だけど料理の事はちゃんと覚えているのね」

「うっ……」

 僕が言葉に詰まっていると……野菜売り場のおじさんが声をかけてきた。

 

「おっ。そこのお兄ちゃん、この前もそれを買って行ったよね。ボルシチでも作るのかい?」

「あ、はい……僕のこと、覚えているんですか?」

「忘れる訳無いじゃないか。こんな可愛いお嫁さんを連れているのに」

 おじさんは笑いながら僕と美波の方を見ている。

 

「かっ、可愛いお嫁さんだなんて……」

 美波が顔を真っ赤にして俯きながら僕の左手を握ってくる。

 するとおじさんは……

 

「今日も旦那と一緒に買い物かい?偉いねぇ、お嬢ちゃん」

 葉月ちゃんの頭に手を載せて撫でている。

 

「お嬢ちゃんじゃないですっ。葉月はバカなお兄ちゃんのお嫁さんなんですっ」

 ぷぅっと頬を膨らませて横を向く葉月ちゃん。僕の隣では……

 ゴキッと僕の手首を外して横を向く美波。

 

「両手に花で羨ましいねぇ」

 と、笑いながらおじさんは行ってしまった。

 

 僕が涙目になりながら外された手首をはめていると

 美波は大きな吊り目を吊り上がらせて顔を近付けてきて

 

「どう言う事なのか、説明してくれるカシラ?」

「は、はい……」

 

 ボルシチに使う他の食材を探しながら、美波に説明をする。

 前回、このスーパーに来たときに清水さんに会ったこと。

 そして清水さんが葉月ちゃんを僕と美波の子供だと勘違いしたこと。

 それを葉月ちゃんが自分の事を僕のお嫁さんだと言って否定したこと。

 

「なるほどね……しかし、美春にも困ったわね」

「そうだね」

「美春もお姉さまの事で困っています」

「そうなの?」

「はい。お姉さまにまとわりつく豚野郎をどうにかできないものかと……」

 

 …………ん?豚野郎?

 いつの間にか清水さんが美波の隣で腕組みをして頷いてる。

 

「しっ、清水さんっ!?」

「豚野郎の分際で美春の事を馴れ馴れしく呼ばないでください」

 清水さんは、キッと僕を睨んできた。

 

「何で美春がこんなところに居るの?」

 美波が質問をすると……清水さんは美波の方を向くと笑顔になって

「美春はお姉さまが居るところなら何処でも参ります……お風呂の中でも、お布団の中でも」

 清水さんの欲望が丸判りの場所ばかりだ。

 

 すると美波が真面目な顔になって……

 

「あのね、美春。良く聞いて欲しいの」

「はい。何処のお布団へ行くんですか?美春の家ですか?お姉さまの家ですか?」

「今から言う事は冗談じゃないの」

 と言って、美波が僕の手を握り締め……

 

「この間のクリスマスから、ウチとアキは結婚を前提として付き合っているの……ウチのお父さんも知ってるわ」

「ええっ……むぐっ」

 僕がビックリすると美波に口を押さえられて足を踏み抜かれた。

 

(美春を諦めさせるのよ。いいからウチにあわせなさい)

 僕は涙目になって首を縦に小さく振った。

 

「じょっ、冗談ですよね?お姉さまも人が悪い……」

 美波は首を横に振ると……

 

「冗談じゃないって言ったでしょ。今から妹の葉月とアキとウチの三人で夕御飯を作るのよ。ね、葉月?」

 美波はそう言うと葉月ちゃんの頭を優しく撫でる。葉月ちゃんは目をキラキラさせながら嬉しそうに

 

「はいですっ。昨日も一昨日もバカなお兄ちゃんとお父さんとお母さんとお姉ちゃんとみんなで夕御飯を食べて、今日は一緒に作るんですっ」

「そっ……そんな……」

 その場にひざをついてしまう清水さん。

 

「美春?そう言う訳だから……ウチと友達として仲良くして欲しいの」

 美波が清水さんの肩に手を置くと……清水さんはその手をそっと握り、立ち上がった。

 

「判りました」

「美春……判ってくれたのね。ありがとう」

「はい……」

 清水さんは美波の手を離すと……

「美春がクリスマスで実家が忙しくてお姉さまのところに来れなかった間に……」

 

 そして僕をビッと指差し

「クリスマスで浮かれたそこの豚野郎がお姉さまに告白をして」

 

 美波を潤んだ瞳で見つめると

「クリスマスで油断していたお姉さまがそこの豚野郎の言葉に騙されたのです」

 

「クリスマスなんてあるから、お姉さまが美春の方を見てくれないんですっ!!」

 そう叫んで清水さんは走り去ってしまった。

 

 

 来年のクリスマスは清水さんのところにだけ……来ないかもしれない。

 

 


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