USOくえ   作:生甘蕉

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漢数字話の今回は恋姫†有双アフター編です。


九話    危ない水着

 異世界のコーイチからの三通目の手紙とカメラを異次元倉庫から取り出す。

 手紙を見るとだいぶ筆になれたのか、筆跡が俺に似てきた気がする。

 へえ。仲間が増えたんだ。3の女商人か。

 ……スクール水着か。いいなあ。

 無印では朱里ちゃんや大喬ちゃんたちが着てたけど、完全に無印世界だった一周目でそのイベントに遭遇できなかった。

 それどころか、嫁さんたちの水着姿すらまだ見たことがない。

 今は真や萌将伝のような世界になっているせいか、水着自体が存在していない。

 萌将伝で見れるイベントがあったから期待はしてるんだけど、水着の素材である竜の退治が必要だろう。

 一刀君や、仲のいい兵士さんたちといっしょに鍛錬もしといた方がいいんだろうなあ。

 ドラゴンキラー、あっちで見つからないかな。

 

 カメラを真桜に渡して現像をお願いする。スク水女商人、楽しみだ。

 本日の初夜一回目は、昼間は朱里ちゃん、雛里ちゃん、月ちゃん、詠か。

 ……イベントでスク水になるメンバーばかりじゃないか!

 なんか悔しい。いつかきっとみんなのスクール水着姿を見ると心に誓った。

 

 

 昼間の初夜を済ませた俺は、真桜から現像された写真を受け取った。

 みんなでそれを見る。

 ……初夜を済ませたばかりの四人は疲れ果てて寝ているので、それ以外のみんなで。後で見せてあげよう。

「ふむ。皇一が可愛いと評価するのも頷けるわ」

 ゲーム画面や攻略本のイラストでは見たことあったけど、撮影された写真を見るというのは全然違うなあ。

 フォズちゃんもリッカちゃんもかなりの美少女だ。

「ちっちゃくてご主人様好みだよねえ」

 うん。可愛いなあ。

 

「この妖怪が大魔王ですか?」

 稟が見ているのはタムさんの写真。妖怪じゃなくて、モンスターだけどね。

「元大魔王。名前はタムさん。大きさは手のひらサイズだよ」

「珍妙な生き物だな」

 他にももっと奇妙な生物があっちにはいると思う。

 ベビーパンサーで喜ぶ娘も多そうだ。

 

「なにこれカワイイ!」

「そう?」

 スライムの写真を見ているのはシスターズか。

 俺も生で動くスライム見たいなあ。

 手触りもいいらしい。穏のおっぱいとどっちが柔らかいかな。

 

「この娘は?」

「仲間になったばかりの商人だって」

「なんか季衣に似てますね」

 言われて見れば似てるかも?

 商人ならたしか破壊の鉄球を装備できたはずだし、数は違うがピンク髪のおさげ。そして、スク水がよく似合うロリ! ふむ。似ているな。

「そっかな?」

 首を傾げる季衣ちゃんのスク水を妄想して、ちょっと興奮した。

 

「むこうの商人はこんな格好で商売するのか?」

「どうなんだろう? さすがにそれはないと思うけど」

 だとしたら、バザーとかすごそうだなあ。

「ならばむこうの貴様が着せたのか? さすがは同じ皇一だな」

「春蘭が俺をどう思っているのかよくわかったよ」

 納得してるようだし、後で絶対にスクール水着を着てもらおう!

 ……やはり竜退治に行かなければならないか。情報と装備が必要だな。

 

「なあ、あっちの武器や鎧も撮ってくれるよう頼んでくれへん? ちょい興味あるんや」

 俺の心を読んだかのように真桜が聞いてきた。

「そうね。写真の褒美として料理を追加するついでに、かめらをまた入れておきましょう」

「使わないアイテムだったら、指輪の倉庫経由で送ってくれるかもしれない。頼んでみるよ。ただ、むこうのは呪われてるのがあるから、華琳ちゃん、指輪から出す時は注意してね」

「呪い?」

「うん。碌なことがないから」

 こっちだと呪いをとくのってどうすればいいんだろう?

 解呪のアイテムってなかったはずだし、用心しなきゃいけない。

 

「それにしても、本当にそっくりね」

 集合写真には、コーイチも写っている。

 これは焼き増しして送ってあげよう。

「そう? コーイチの方が格好良さがカンストしてるぐらいだから俺よりいい男なんじゃない?」

 夢で見たコーイチの格好良さは500だった。改造されたせいでカンストしてるなんて滅茶苦茶だな。レベル99のバーバラでさえ、200いかなかったのに。

「そっくりよ。それに、普段から眼鏡を外しているようだし」

「そうしてるとモンスター……化物が仲間になりやすいって手紙に書いてあった」

 あと愛用の眼鏡は呪われてはいないけど、マイナス効果のアイテムだとも。

「ご主人様も外してた方がいいのに」

「ここ数日は外してる時間の方が長い気がする」

 外すことを厳命されている閨にいることが多いからね。

 少しは街も歩きたい。初夜が終わるまでは無理っぽいけどさ。

 

 

 みんなが仕事に戻った後、料理ができるのを待ってる間に手紙を書いた。

 前回は二周目の出だしまで書いたのでその続きを書く。

 二周目は書くことが多かったので、また途中で引っ張ってしまった。

「ずっとこちらを見ていたのに、ちゃんと書いていたのね」

「急いで仕上げて、後はずっと華琳ちゃんたちを見ていたよ」

 だってさ、厨房貸切にして華琳ちゃんや流琉たちが料理しているんだよ。

 

 しかも!

 裸エプロンで!!

 

「生きててよかった」

「泣くほどのこと? だいたい、あなたは何度も死んでるじゃない」

 そう言う華琳ちゃんの頬は僅かに赤い。

「やっぱりこれ、恥ずかしいです。それに、危ないし」

 流琉は真っ赤だ。

 普段、へそ出しで料理してるんだから、正面の露出はむしろ減ってるような気もする。

 後姿は料理中にじっくり堪能させてもらいました。最高の眺めだったなあ。

「火傷してない?」

 してたらぺろぺ……冷やして消毒しないといけない。

「私たちがそんな失敗するわけないでしょう」

「それもそうか」

 

 出来立ての料理を手紙とカメラ、焼き増ししてもらった写真とともに異次元倉庫に入れた。

 華琳ちゃんたちを撮影したいのをぐっと堪えてたよ、俺。

 料理を手伝っていた季衣ちゃんは悲しそうな表情を見せている。

「食べたかったなあ」

「季衣はつまみ食いしてたじゃない」

 ……つまみ食いか。

「夜の初夜にはまだ時間あるよね?」

「そうね。……桂花たちに怒られるわよ?」

 俺の意図を察した華琳ちゃんが微笑む。

 本日二回目、夜の初夜は桂花、稟、風の番。もちろん華琳ちゃんも参加する。

 だからこそ、この場にはいない。今頃は仕事が残らないように頑張っているはずだ。

「華琳ちゃん、仕事増やすんだもんなあ」

「あの娘たちなら十分できる量よ。それにここにいても邪魔になるもの」

 まあ、料理だと戦力外だろうけど。稟なんて鼻血が止まらないだろうし。

 

「幸い、季衣ちゃんも流琉も初夜済んでるし」

 流琉は、春蘭、秋蘭といっしょに昨日の昼間、既に初夜を終えている。

「に、兄様、もしかして」

「兄ちゃん、ここでしちゃうの?」

 こくこくというより、ぶんぶんと頷く俺。

「ついでに作ったって流琉がくれた料理で精がついちゃってさ」

「そ、それは兄様に元気になってもらおうと」

「ありがとう。すっごく元気になったよ」

 主にムスコが。

 まあ、食べてなくても裸エプだけで元気溌剌になってるんだろうけど。

 

 苦節三周目。

 やっと。

 そう、やっと。

 憧れの新婚さんプレイ、裸エプロン編に突入できる!!

 

 

 

 

 昨日も結構がんばったけど、まだまだ頑張れそうな気がする。

 特に閨で。

 以前とは違うこの絶倫状態。連日連夜の初夜を考えたらありがたいんだけど、我ながらちょっと怖い。

 精のつきそうな料理が多かったり寝ている時間も多いけど、主にコーイチの魔改造の影響なんだろうな、これは。

 華佗に診て貰ったが、特に異常はないらしい。若返ったのにもあまり驚かなかった。

 

 朝一セーブと同じく日課になってきている手紙の確認。今日もきている。

 今回も撮影したのか。また真桜に現像してもらおう。

 それにしても、聖刀日光か。

 コーイチがはじめにいったDALKと同じアリスソフトだけど、ランス世界はハードすぎるからなあ。

 処女厨にやさしくないし。

 ランス世界の創造神ルドラサウムには気づかれたくない、ってのはわかるな。

 

 現像された写真を見たら、華琳ちゃんの表情が変わった。これはあれだな。

「これは誰」

「さっき説明した日光さん。元は人間だけど、今は刀。少しの間なら人間の姿になれるらしい」

「美しい……手に入れたいわね」

 あ、やっぱり。日光さん美人だもんなあ。

「刀であるというなら、指輪の倉庫に入るのではないかしら?」

「いや、どうだろう?」

「試させなさい」

「いや、でもさ」

「新婚だというのに今日は放っておかれるのよ、私」

 ……今日の順番は昼呉、夜蜀だったか。

 そう言われると俺も困るけど。昨日は裸エププレイだけじゃなくて、ちゃんと夜の魏軍師たちの初夜にも華琳ちゃん参加してたのになあ。

 

「昼の初夜と夜の初夜の合間に、じゃ駄目?」

「私は忙しいのよ。あなたと違って」

 誘いを断られてしまった。そりゃ華琳ちゃんが忙しいのはわかっているけどさ。

 まだ叶えたい新婚さんプレイはあるのに。いっしょにお風呂とか。

 そういえば大浴場の写真もあったな。すごい豪華で羨ましい。

 

「一応頼んではみるけど、断られたら諦めてね」

「ええ。その時はもう少し撮ってもらいましょう。中身の写真を」

「裸はまずいでしょ」

「あら、刀身を見たいというのはおかしくないでしょう? まったく皇一ときたら頭の中はそればかりなんだから」

 ……やつ当たりされてるのだろうか?

 機嫌をとろうにも、今日はこの後華琳ちゃんに会えそうにないしなあ。コーイチに期待するしかないか。

 手紙にはお願いとして書いておいた。

 

 

 翌日、コーイチからの返信を確認。

 異次元倉庫には残念ながら、刀は収納されてなかった。

 日光さんをアイテム扱いしたくないから、と手紙に書かれている。うん。そうだよねやっぱり。

 ……だが、代わりにそれ以上の物が納品されていた。

「これは?」

「危ない水着!」

 正直、聖刀日光よりも嬉しい。

 取り出したそれを華琳ちゃんに渡す。

 

「水着? 下着のようだけど」

「泳いだり、水遊びしたりする時に使うんだよ。だからあんまり邪魔にならないような形になってるんだ」

「危ないというのは、どういうこと? 呪われてでもいるの?」

「着てみればわかるよ」

 というか着てください。是非!

 手紙には着る人物によって変わる方の、みたいだとあったし楽しみだ。

 

「ふむ。危険はないのね」

「もちろん」

 そんな物は華琳ちゃんや嫁さんたちに薦めません。

 華琳ちゃんが着替えに行って少しの時間の後、戻ってきた。

 目の前では着替えてくれなかった。残念。

 

「着ようとしたら、色や形が変わったわ」

 そう言いながら出てきた華琳ちゃんが着ていたのは、スクール水着だった。

 旧型、旧スクといわれる物だと思う。

 それも白!

 実際には透けやすい白いスク水なんてないだろうから、まさにレアな一品だろう。

 ……無印で二喬が着てた気もするけど。

 

「そういう品なんだ。魔法の防具は装着者に合わせて大きさも変わるらしいんだけど、それは形状や色も変わるみたい。よく似合ってるよ」

「水着というのはよくわかりませんが素晴らしいです、華琳さま!」

「……ぶはっ」

 絶賛している春蘭の隣で稟の鼻血が大きなアーチを描いた。この大きさは新記録かもしれないな。

 

「装着者によって? そう。春蘭、今度はあなたが着てみなさい」

「か、華琳さまがお召しになったそれをですか? なんと光栄な!」

 春蘭が喜んで華琳ちゃんについてってしまった。

 水に濡れた時も試してほしかったんだけどなあ。やっぱり透けたのかな?

 

「おい、なんだこれは!?」

 戻ってきた春蘭が俺に掴みかかってくる。

「これではせっかくの華琳さまの残した温もりが感じられんではないか!」

 怒ってるのはそこ?

 春蘭の危ない水着は、水着というより、もはや紐だった。スリングショットというやつだろう。

 確かにそれでは温もりなど感じられないだろうけど。

 

「たしかにこれは危ない水着ですねー」

 稟の首の後ろをとんとんとしながらの風。まだ止まってなかったのか。

「面白いわね。もっと試してみましょう」

 どうやら、華琳ちゃんの機嫌は戻ったらしい。よかった。

 

 

 色々試した結果、ロリっ娘はスクール水着、巨乳さんは露出度の高い水着、ロリじゃない貧乳さんは競泳用、となる傾向があることがわかった。

 ビキニだったり、Tフロントだったり、いいものを見せてもらいました。

 ただ、悲しむべきは一着しかないこと。

 

「このまま楽しみたくなるわね」

 ほとんど隠れていない蓮華のお尻を眺めながら華琳ちゃんが熱い吐息。

 裸の時とは違う美しさを堪能しながら俺も相槌。

「その気持ちはわかるけど、一着しかないから無理かな。元々、むこうでもかなり高価な品なんだよ」

 水着や防具としてじゃなくて絶対、別の目的の品だよなあ。

「さすがにこれは真似できへんわ。魔法っちゅうのはすっごいもんやなあ」

 先程マイクロビキニを披露したばかりの真桜も頷いている。

「まあ、あの形状で水着をつくってもらえばいいでしょ」

 早いとこ素材を揃えないといけないな。

 他の男にも見られるかもしれない川での水浴び用には普通の水着を用意するけどさ。これの後だったらみんな素直に着てくれると思う。

 露出度のすごいブラジル水着は閨用、いや、風呂用かな?

 楽しみでしかたがない。

 コーイチありがとう。次はエッチな下着をお願いしたい。

 

 

 数日後。

 勇者を仲間にしたという手紙が届き、真桜に頼んで予備の螺旋槍を異次元倉庫に納品した次の日。

 俺の初夜ノルマが終了して、少しは自由がある日。

 ドリルのおかげで嘆きの牢獄を抜けたという報告とともに、待望のアイテムが収納されていた。

 ある意味、エッチな下着以上に望んだ品が。

「これが……キメラの翼!」

 目的の町や村に瞬間移動ができる呪文、ルーラと同じ効果があるアイテムだ。

 異次元倉庫を確認したら二桁以上の数が納品されていたので安心して使わせてもらうことにした。

 ただ、手紙には嫁のいた世界には行けたが、自分の生まれた世界には戻れなかったとある。

 やっぱり、帰れないのだろうか?

 

 残念ながら、コーイチと同じ様に俺も元の世界には行けないようだった。デスタムーアがそう調整しているのだろう。

 だが、キメラの翼はチートアイテム級なほどに便利だ。

 たぶん、むこうのコーイチ以上に有効に活用できるだろう。

 なぜならば。

 

「一刀君、本当に使えるんだね?」

「ああ。行き先のウィンドウに浅草やフランチェスカが表示されている」

 この世界には、やはり別世界の人物である北郷一刀がいる。

 そして、一刀君はキメラの翼で元の世界へ行けるのだった。

 

 俺のいた世界とは違うが、現代日本へ行ける。

 消耗品とはいえ、キメラの翼は複数ある。つまり、こっちにも戻ってこれる。

 それだけで、かなりのバランスブレイカーなのは間違いがないだろう。

 異次元倉庫もあるから、むこうの物をいろいろと持ってくる事もできるし。

「ちょっと帰ってみる?」

「え?」

「大丈夫。こっちにもちゃんと戻ってこれるから」

 一刀君が了承したので、一刀君の実家のある浅草に行ってみることになった。

 浅草ならばちょうどいいかもしれない。

「フランチェスカに行ってもまだ生徒扱いされているかわからないから」

 一刀君はそう言うけど、無印エンドじゃフランチェスカで新生活スタートみたいだったからなんとかなるんじゃない?

 

 服や財布を用意して一刀君と旅立つ準備。

 万が一、はぐれてしまった時のために一刀君にもう一つ、キメラの翼を渡しておく。

「袁紹も行くの?」

「うん。なんとかおとなしくさせるから、安心して」

 麗羽の格好はOL風。俺のと同じ形の眼鏡に、大きな二本の三つ編み。

 これはこれで悪くないと思うんだけど、全然目立っていないので大丈夫だろう。

 ついてからの予定を考えると麗羽にはついてきてもらわないと困る。

 華琳ちゃんも行きたがったけど、軍師たちや春蘭に止められたので諦めてもらった。その内、いっしょに行こうね。

 

「一刀君は、祭さんや柄ちゃんはいいの?」

「まだ産まれたばかりだし。親にはちゃんと説明してからじゃないと……」

 結婚式の少し前、無事に一刀君と祭さんの娘、黄柄ちゃんが産まれている。

 いきなり孫連れてった方が上手く行くような気もするけど。

 キメラの翼使うのも初めてだし、なにが起こるかわからないから人数は少ない方がいいか。

 

 練兵場に一刀君と麗羽とともに並ぶ。

 見送りのみんなが見ている前で、一刀君はキメラの翼を放り投げた。

 途端に浮かび上がる俺たち三人の体。凄い勢いで空中へと昇っていったかと思ったら、一瞬のブラックアウトの後、景色が変わっていた。

「天井があると使えないから、空飛んで移動するものかと思ったけど違うのか」

「あれじゃないか。某車のタイムマシンみたいに、速度か高度が発動に必要なのかもしれない」

 一刀君とまるでワープだと考察した後、辺りを見回す。

 

「本当に浅草みたいだけど……」

 一刀君の視線の先には完成しているスカイツリー。

 やっぱり知らなかったか。一刀君が恋姫†無双の世界に行ってから、どのくらいの月日が経っているんだろう。

「あれはスカイツリーだよ。とにかく、家族に会いに行ってきなよ。俺たちはこの辺うろついているから」

 集合時間と集合場所を決めて、一刀君と別れた。実家の場所も教えてもらえばよかったかな?

 

 スカイツリーはあるけど、やっぱりここは俺の生まれた世界じゃないらしい。

 道を行く女の子が可愛い娘ばかりだし、髪の色も多種多様だ。

 俺の家なんてないんだろうな。

「さて、まずは目的を果たすかな。麗羽、はぐれないようにね」

「も、もちろんですわ」

 おのぼりさんよろしく物珍しそうにキョロキョロしている麗羽がはぐれないように腕を組む。

 密着すると麗羽の巨乳がよくわかる。いかん、危ない水着姿の麗羽を思い出して、歩きにくいことになりそうだ。

 深呼吸深呼吸。

 ……やっぱり空気が悪いような気がする。排ガスとタバコの臭い。

 これからたぶんもっとヤニ臭いとこに行くんだけど、ちょっと気後れする。まあ、仕方ないか。

 

「ここですの?」

「うん」

 ついたのは場外馬券売り場。浅草にはこれがあるので、ちょうどよかったのだ。

 麗羽に適当に馬券を買ってもらう。実は俺も競馬初体験なので購入にはちょっと時間が掛かってしまった。

 上手くいくかな?

 俺は袁家の幸運力で資金を稼ぐつもりだ。

 恋姫†無双の世界についた時は、コミケに行くつもりだったから財布にはそれなりの現金が入っていたとはいえ、これからを考えると全然足りない。

 袁家の幸運力がこっちでも効くかどうかを試すにもここはぴったりだろう。

 

 レースの結果が出るまで待ってようにもなんか落ち着かなかったので、場外馬券売り場を出てみんなへの土産を買うことにした。

 浅草だから雷おこしかな?

 途中でジャンボ宝くじも売っているのに気づき、麗羽にお金を渡して買ってもらった。

 

 麗羽をOLコーディネイトしてくれた礼に沙和にファッション雑誌を、予備の螺旋槍を渡してくれた真桜にはたこ焼きを買って土産にすることにした。工具セットとかがいいんだろうけど、予算もないしそれはまた今度の時かな。

 後はみんなにアイスでも買っていくか。異次元倉庫なら溶けないし。

 コンビニに入ると欲しい物が多すぎて困った。

 やはり資金は必要だよなと再認識しながら、高級アイスとガムを大量に買う。

 ついでにサッカーくじもやはり麗羽に購入をお願いした。

 

「なんだか疲れましたわ」

「どこかで休憩しようか?」

 ……待てよ。ご休憩か。

 魔法使いだった俺には未知の領域。

「うん。せっかくだからご休憩、行ってみよう!」

 麗羽と腕を組んだまま移動しながら未体験ゾーンな目的地を探す。

 早くこの腕に感じている柔らかさを堪能したい。

 

 レースはどうなったかな?

 袁家の幸運力、こっちの世界でも発揮されてくれるといいなあ。

 駄目だったら、こっちでの商売も考えないといけないかもしれない。

 

 




どこかズレやミスありそうな日程

1日目
(コーイチ)
 目覚める
 フォズ、リッカ仲間に
(皇一)
 コーイチの夢を見る
 いつのまにか若返っていた
 死亡、ロード
 手紙1を書く
 華琳、季衣と初夜

2日目
(コーイチ)
 ステータス確認、手紙に気づく
 戦闘、死亡、ロード
経験値稼ぎ、レベルアップ、スラオウ仲間に
 返信1を書く
(皇一)
 雪蓮、蓮華、小蓮と初夜(昼間)
 桃香、愛紗、鈴々と初夜(夜)

3日目
(皇一)
手紙2を書く。写真とカメラを倉庫に
 華琳、春蘭、秋蘭、流琉と初夜(昼間)
 雪蓮、冥琳、大喬、小喬と初夜(夜)
(コーイチ)
 サリジェ仲間に
 撮影
 返信2を書く。撮影したカメラを倉庫に

4日目
(皇一)
 朱里、雛里、月、詠と初夜(昼間)
 手紙3を書く。カメラと料理を倉庫に
 華琳、流琉、季衣と厨房で
 華琳、桂花、稟、風と初夜(夜)
(コーイチ)
 城の調査。キメラの翼、日光発見
 返信3を書く。撮影したカメラを倉庫に

5日目
(皇一)
 日光の写真を見る。華琳が会いたいと熱望
 手紙4を書く
 穏、亞莎、明命と初夜(昼間)
 星、翠、蒲公英と初夜(夜)
(コーイチ)
 スライム2仲間に
 返信4を書く

6日目
(皇一)
 日光の代わりに危ない水着を受け取る
 手紙5を書く
 華琳、凪、真桜、沙和と初夜(昼間)
 蓮華、思春と初夜(夜)
(コーイチ)
 スライム3仲間に
 返信5を書く

7日目
(皇一)
 手紙6を書く
 桃香、焔耶と初夜(昼間)
 華琳、天和、地和、人和と初夜(夜)
(コーイチ)
 スライム4(スラキン)仲間に
 返信6を書く

8日目
(皇一)
 手紙7を書く
 麗羽、猪々子、斗詩と初夜(昼間)
 美羽、七乃、白蓮と初夜(夜)
(コーイチ)
 勇者襲来、死亡、ロード
 勇者仲間に
 嘆きの牢獄調査
 返信7を書く

9日目
(皇一)
 手紙8を書く。螺旋槍を倉庫へ
 恋、ねね、霞、華雄と初夜(昼間)
 美以、ミケ、トラ、シャムと初夜(夜)
(コーイチ)
 現実世界に
 返信8を書く。キメラの翼を倉庫へ

10日目
(皇一)
 キメラの翼入手
 浅草へ


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