USOくえ   作:生甘蕉

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4話    仲間

 一時的とはいえ嫁たちとの再会を果たし、やる気に満たされた俺。

 早くレベルを上げてルーラを覚えたい。

 そのためには魔法使いに転職した方がいいかもしれないが、今の俺では魔法使いじゃ勝てない。

 一番戦いやすいクラスは今のパラディンのはずだ。

 それでも、スライム8匹には勝てなかったので、敵の数が多かったら逃げることにした。

 

 すぐに回復できるように城のごく付近でモンスターを探す。

「いた!」

 しかもスライム1匹。これなら勝てる!

 鋼の剣を抜いて俺はスライムへと向かった。

 

 スライムが俺に気づくよりも早く先制攻撃。ふいをつけたようだ。

 振り下ろした剣から、ぐにょぷるんっという微妙な感触が伝わる。

 振り抜けずに剣が途中で止まってしまったのは、俺のレベルが低いせいか。

 一撃では倒せなかったが、ふいをつけたので敵の反撃はない。次のターンで無傷で仕留めることができた。

 レベル1とはいえ、パラディンが鋼の剣を使ってるのに一撃じゃ倒せない。ドラクエのプレイヤーキャラだったらそんなことないだろうに。……やっぱり俺って弱いなあ。

 城の入り口に戻ってセーブ。

 せこいが安全第一。これを地道に繰り返して経験値を溜めてレベルを上げることにする。

 

「ふう」

 本日7匹目のスライムを倒してため息。

 城の周囲は、タムさんが結界でもはったのかスライム1匹のグループしか出てこないみたいだな。

 危険は少ないけど経験値も少ないのでレベルはまだ上がらない。

 美少女二人もパーティに入れて、もう少し遠出するべきか?

 ……仲間の人数が増えることで、経験値が分配されちゃって貰える分が減るかもしれない。

 ドラクエ6は人数関係なかったから、明日試してみないといけないか。

「ふう」

 ステータスのウィンドウを見ながらもう一度ため息。

 HPも減ってきたし城内にそろそろ戻ろう。

 

 城内の回復ポイント、通称『回復の泉』で傷ついた身体を癒す。

 泉といっても別に水が湧いているわけではない。

 床の上に描かれた光っている魔方陣の上に乗ると、HPとMPが全快するタイプである。

 普通に泉だったら水をコップにでも汲んで異次元倉庫へ収納しておくのに。

 それにしても、ドラクエ6だとこの泉にくるまでに滑る床とかあったはずなのに、それがない。

 荒れ果ててるとはいえ、城の内部の形もドラクエ6とはだいぶ変わっているみたいだ。

 まあ、住む分には余計な仕掛けがない方がいいか。

 

 フォズちゃん、リッカちゃんには俺の休憩は見つかってないようだ。二人はまだ城の調査してるのかな。

 無駄に大きすぎるもんなあ。

 早く帰してあげたいけど、人手もほしいし、寂しいし。なによりその手段がわからない。

 フォズちゃんならルーラ使えるだろうけど、この世界からは出られなかったのかもしれない。ドラクエ6だとルーラはこの世界内でのみ効果を発揮した。

 タムさんの話では俺は世界越えられるようになるっぽく感じたから、俺のレベル上げが帰還の近道だと信じることにする。

 

 泉での回復は瞬時に済むようだ。

 魔方陣の上に乗って一瞬視界が緑色の光に包まれたかと思うと、傷がもう治癒していた。

 凄いな。

 DALKの世界だとセイルが自分のHPと引換えに治していたのに。まあ、DALKは能力値にMPが無かったんで、HPを消費して魔法を使うんだけどさ。

 ……戦いで手足が欠損しても治るのかな?

 怖いので試す気はない。

 うん。まだ時間はあるな。

 もう一踏ん張りしてくるとしよう。

 せめてレベル上げるか、仲間を増やしたい。

 

 

 倒した数が二桁を超えた頃、ようやくレベルが上がった。

 てれれれっ、てってってーん♪

 急にどこからともなく、レベルアップした時のあの音が鳴り響いたのでビックリした。

 思わず辺りを見回すが誰もいない。なんか気味が悪い。

 メッセージウィンドウが立ち上がって、レベルアップと能力値の上昇を教えてくれる。

 戦闘中とか邪魔だからオフにしていたのに勝手に出てくるのか。見たら、前の戦闘時のログも残っていた。今まで気にしなかったけど、与えたダメージとか、貰った経験値とかゴールドとかもわかった。

 もしかしてメッセージウィンドウを見ながら戦った方が便利なのかもしれない。後で表示方法を考えて試してみよう。

 能力値は上がったが、『じゅもん』も『とくぎ』も覚えなかった。パラディンの職業レベルは上がってない。ブロンズナイトのままだった。

 そろそろ帰る時間だろうけど、せっかくなので上がった力を試すためにもう一度城の周りを回って敵を探す。

 

 見つけたスライムを俺はやっと一撃で倒すことができた。

 これは、レベルアップで純粋にダメージが増えたわけではなく、パラディンの急所をつける特種能力だとメッセージウィンドウで確認。

 かなり気持ちがいい。

 そしてさらに、急所をつかれて絶命したはずのスライムがむっくり……ぴょこんと起き上がってこっちを見ている。

 ついにきたか!?

「仲間になりたいのか?」

 頭上の角が前後に動いているところを見ると、頷いているようだ。

 当然、仲間になってもらった。

 

「名前は?」

「スラオウ」

 喋れたのか。けど、それよりも名前の方にショックを受けるな。

 見た目はぷるんとした青いボディに、つぶらな瞳と標準的なドラクエスライムで、某世紀末覇王っぽくはないのだが。

「スラおう?」

「ううん、スラオウだ」

 スラ王って意味じゃないのかな?

 

 

 レベルを上げ、仲間を増やした俺は意気揚々と城内に戻り、二人を探す。

 せっかく増えた戦力や経験値が分配されるかを試したい気もするが、熟練度を無駄にしないためにもスラオウに転職……今は無職だろうから就職してもらうことにする。

 この名前だとやっぱり武闘家だろうか。

 

「お帰りなさい」

「ただいま」

 二人が俺をむかえてくれた。

「遅いぞ」

 タムさんもいたか。

 もったいぶらずに新たな仲間を紹介する。

「オラ、スラオウだ」

 ……もしかしてスラオウって、方言キャラ?

 

「本当にモンスターが仲間になるんですね」

 おそるおそるスラオウに触れるのリッカ。スラオウの頬を人差し指で突っついてその感触に驚いている。

 あれはやみつきになる感触だよな。肉球の次くらいに。

「魔物使いにもなっていないのに。……本当に魔王子なのですね」

「その呼び方は恥ずかしいんで勘弁して下さい」

 なんで知ってるかな、それ。

 タムさんが教えたんだろうか。

 それとも称号は自然にそう呼ばれてしまうものなんだろうか?

 

 食堂とした部屋で夕食をとることにした。

 残した食材でリッカちゃんが夕食を用意してくれたらしい。

 スープとサラダとゆで卵。

 パンは明日になればできるそうだ。発酵とかさせてるのかな? イースト菌とかいるんじゃなかったっけ?

 慣れないキッチンや調味料でここまでのものをつくるなんて、さすが宿王の娘。

「すごい。うまそう」

「ありがとうございます」

 せっかくなので乾杯したいところだけど、二人にお酒はまだ早いかもしれないと思って我慢した。

 異世界の俺である皇一は異次元倉庫にお酒も入れておいてくれてたけど、ワインじゃなかったから慣れない味だろうし。

 

 それに酔える状況でもない。

「まあ、まずは食べてからだね。いただきます」

 まずはサラダへ手を伸ばす。

 リッカちゃんが慣れない野菜もいたせいか、温野菜のサラダだな。少し固めのゆで具合に、酢と塩の加減が絶妙だ。

「うん、うまい!」

「はい。美味しいです」

 俺とフォズちゃんに褒められてリッカちゃんが喜んでいる。

 

 スラオウがゆで卵の殻を剥くのに苦労していたので、剥いてやった。

「ありがとうだ」

 スラオウの口にゆで卵を放り入れる。もぐもぐと咀嚼して半透明なスライムの身体にゆで卵が消えていく。内臓とかどうなってるんだろう?

「わしにもじゃ」

「はいはい」

 タムさんにも手はついているが、おおめだまをそのまま小さくした形状なので、指は二本。しかもティラノサウルスのように腕自体が小さい。

 その小さな手で持てるようにゆで卵を割って渡す。

「おっ、半熟か」

 ゆで卵は半熟派な俺が見ても、見事なゆで加減。あのキッチンでよくできるな。タイマーもないのに。

 リッカちゃんの料理の評価をゆで卵一つで大幅上昇させる俺。

「うむうむ」

 目玉からとろっと黄身を滴らせているタムさん。美味しいのかな。

 やっぱり口がどこにあるかは、よくわからないけど。

 

 スープを飲み終えてから、これなら城の冷蔵庫に肉と魚も入れておけばよかったと気づく。美味しかったんで不満はないけどさ。

「城の付近には、食べられそうな生き物はいないみたい」

 というか、スライムにしか会っていない。スライムは食えそうじゃないよね。

「そうですか」

「冷蔵庫に肉と魚も入れておくけど、大事に食べよう」

 あ、魚か。

「スラオウ、魚の獲れそうな川とか池ってある?」

「魚ってなんだべ?」

 ……存在からして知りませんか。

 

「お城の高い所から景色を見ましたが、付近には水場はなかったようです」

 ああ、俺も昨日ちょっと見たっけ。城があるのは小さな島で、そのまわりはいきなり異空間。海すらなかった。あそこに落ちたらどうなるのかな。

 植物は生えてるんで雨は降るんだろう。どうなってるのかわからないけど、このはざまの世界にも太陽と月もあって、昼と夜もあるし。

「キッチンで水が使えるのが救いか」

 なんか瓶から湧いてくるんだよな。タムさんに聞いたら異次元の水源に繋がっているらしい。

 倉庫といいトイレといい、異次元使いすぎ。

 

「そういう機能が、お風呂にもあったんです」

「風呂?」

「はい。どうやら温泉と繋がっているみたいです」

 それはいい。……って温泉?

「タムさん、温泉って大丈夫なの?」

「ヘルハーブ温泉とは別の源泉じゃ。気力を失うことはないわい。むしろ癒されるんじゃ」

 ヘルハーブ温泉は、あまりの気持ちよさに出る気力をなくす温泉だったはず。

 その温泉の奥に現実世界に戻れる井戸があったんで行こうとは思ってるんだけどさ。小船か足場を組めば温泉に浸からなくても奥の岩場に行けると思うし。

「なら安心か」

 よく考えたら自分で入るためなんだろうし、変な温泉使わないか。

 温泉好きの大魔王ってちょっと想像つかないけど。

 

「じゃあ、二人は先に入って。その間に俺は手紙書くから」

 今のところ、異次元倉庫経由での補給のみが生命線だ。皇一にちゃんとお礼したい。

「はい。スラオウさんもいっしょに入る?」

「オラ、お風呂初めてだ!」

 嬉しいのか、スラオウがぴょんぴょんと飛び跳ねている。

 ……美少女と混浴なんて俺もまだやったことないのに。スラオウめ、俺内部で貴様は淫獣決定だ。

 

 

 食堂に残り、異次元倉庫から紙と筆記具を出す。

 筆記具といっても、墨と筆だった。

 むこうもそんなに文明進んでないのかな?

 

 異世界の俺だという皇一。

 タムさんが選別のために送り込んだ世界だ。戦いに明け暮れていることだろう。俺より強かったりして。

 何度も行き倒れたりしてるらしいが、こちらに食料をあんなに送れるぐらいにはなっているようだ。

 現状を教えてくれないかな。

 嫁さんもいるらしいが、俺の嫁さんの方がいいだろうな。七人もいるし。

 ……まあ、今はすぐには会えないんだけどさ。早くこの別居状態を解消したい。新婚なんだぞ、俺は!

 

「たいへん美味しくいただきました。ありがとうございます……そちらの話も教えて下さい……っと、こんなもんかな?」

 筆での手紙なんて初めてなので、字も上手く書けなかったが読めないことはない。きっと、俺の感謝の気持ちが伝わるはずだ。

 墨が乾いたのを確認して手紙を倉庫に収納。収納した瞬間の状態を保つ異次元倉庫内だと乾かないだろうから。

 風呂を後にしてよかった、と墨に汚れた手を見て思う。

 

「いいお湯でした」

「お待たせしました」

 フォズちゃんとリッカちゃんが風呂から上がってきた。

 ロリでもやっぱり湯上りは色っぽいな。

「待ってないから気にしないで。今やっと手紙を送ったところだから」

「オラ、あんなの初めてだっただ!」

 スラオウまで色っぽく……見えるわきゃないか。

「そうか。野生のスライムってあんまり身体を綺麗にしたりしないのか?」

「雨で洗うだ」

 やっぱりこの世界も雨、降るんだ。

 

「あ」

「どうしたんですか?」

「……着替えも頼めばよかったか」

 二人が風呂に入る前に着ていたのと同じ服装なのに気づいた。

 俺もそうだが、この世界には着の身着のままで召喚されたんだった。

「いえ、さすがにそこまでおねだりするのも気がひけます」

「そう?」

「ちょっと大きいけれど裁縫道具も見つかりました。シーツもありますし、なんとかなります」

 リッカちゃんが張り切っている。

 この子は本当にすごい。このままいけば、この城で宿屋を始めてしまえるんじゃないだろうか。

 客は俺たちしかいないけど。

 

 ……見せてもらったら、針も鋏も武器だろこれってぐらいでかかった。

 タムさん用か……タムさんが一人で繕い物とかしてたのか。

「タムさん、風呂に入ろう」

 俺が手紙を書くのをじっと見ていたタムさんを抱えて風呂へ向かう。

 さすがに茶碗風呂というわけにもいかないだろう。背中ぐらいながしてやろうと思う。

 

「……これが風呂?」

「そうじゃ」

 ……無駄にでかくて豪勢だった。

 壁に彫刻された巨大なライオンの頭。それが異次元の源泉に繋がっている給湯設備らしく、かなりの量のお湯がその口から出ている。毎秒何リットルなクラスだ。

 当然、湯船からもその量が溢れて排水溝へと流れていく。

 もう湯船いっぱいなんだから、お湯止めとけばいいのに。貧乏性な俺にはもったいないとしか思えなかった。

 

「なんか落ち着かん」

 大浴場にいるのは俺と小動物だけ。風呂に入っているだけなのになんでこんなに緊張するんだろう。

 自分の小物っぷりを認識しながら、湯船に入る前に墨で汚れた手を洗ってかけ湯をする。

 よくこのサイズの桶があったなと見たら、ボウルだった。キッチンから持ってきたのか。

 後で桶と椅子を作るか。

 

「くうぅ~」

 肩まで湯船に浸かる。やっぱり風呂はいい。

 ……けど、深い。

 ここもタムさんサイズなのか。この風呂、あの小さい二人には大変だったんじゃないか?

 明日、適当な瓦礫か岩を探して風呂の底に沈めよう。

 指輪の力を使えば、そんなには苦労しないはずだ。

 

「どうじゃ、湯加減は?」

 湯船が深すぎるので、結局ボウルで入浴中のタムさん。それでも文句はないようだけど。

「もう少し熱くてもいいかな?」

「ふむ。あの像の目がスイッチになっておる」

 よく見たらライオンの目が水道のようなハンドルになっていた。

 あの二人でこの大きなハンドル回したのか? 大変だったろうに。

 もったいないとか思ってごめん。この深い湯船だと二人じゃ、もうお湯止めるの無理っぽい。

「右が水で左がお湯じゃ。好きに調整するがよかろう」

 なんでこんなとこハンドルにするかなとデザインに呆れつつ温泉ライオンの目を回す。

 

「うん。こんなもんか」

 口から溢れ落ちるお湯の温度を確認。

 温泉ってタムさんは言うけど、色は透明。匂いもあまりしない。効用はわからない。

 まあ、すごい気持ちいいんだけどね。

 嫁さんたちも入れてあげたい。

 ライオン族のファローラや、元ライオン使いのティロルちゃんはこの温泉ライオンにどんな感想持つんだろう。

「この広さならみんなといっしょに入れるよなあ」

 ……嫁さんとの入浴を妄想したら、一部が元気になってしまった。

 タムさんいなかったら処理したのになあ。

 

 

 翌日、城内のことをフォズちゃんとリッカちゃんにまかせて、俺はスラオウと付近の調査と経験値稼ぎ。

 風呂用の岩は、城の裏手で手頃なのが見つかった。

 そういえば、デスタムーアの城は昔は山の頂上にあったのを、イベントで山が吹き飛ばされたんだっけ。おそらくその時のものだろう。

 できるだけ表面が平な岩を探して異次元倉庫に収納していく。イベントの時に結構転がったのか、角もとれている。

 直接触れるだけで済むので別に持ち上げる必要はないのは助かるなあ。

 

 戦闘はスラオウのおかげでだいぶ楽になった。メッセージウィンドウで確認しても、経験値は分配されて減るようなこともなくて一安心。

 こちらの人数が増えたので、敵の攻撃はばらける。複数の敵ともなんとか戦える。

 スラオウには「おなべのフタ」を盾として渡してある。結構有効に使ってるみたいだ。

「ごめんな、スライム同士で戦わせちゃって」

「かまわないだ。ナワバリ争いでケンカなんかしょっちゅうだ」

 スライムでも野生の世界はハードらしい。

 それとも、このはざまの世界が生きるのは辛い世界なんだろうか。

 

 てれれれっ、てってってーん♪

 俺より先にスラオウがレベル3になってしまった。武闘家もレベル2の白帯になっている。

 どうやら俺はレベルの上がりが遅いらしい。魔改造の影響だろうか。

「……頼りにしてるぞ、スラオウ」

 スラオウのとんがりを撫でながら、早くレベル上がりたいなあと思う俺だった。

 

 スラオウが『まわしげり』を覚えたので、一旦城に戻って回復とセーブをしてから嘆きの牢獄を目指すことにした。

 倒したスライムがドロップした薬草がいくつかあるので、なんとか行けると思う。

 ……スラオウには武闘家よりも先に僧侶になってもらえばよかったかもしれない。DALKの世界じゃ回復できる職になれるの、主人公のセイル一人しかいなかったんで回復呪文のことを綺麗さっぱり忘れてた。

 嘆きの牢獄には、城の下にあった山を吹き飛ばした大賢者の兄弟が開けた穴があったはず。

 現実世界へと通じる穴が。

 ドラクエ世界の現実世界だし、ルーラも覚えていないから、ここに帰って来れなくなるので確認だけだけどね。

 

 

「誰?」

 無事に辿り着いた嘆きの牢獄には一人の少女がいた。

 ピンクの髪の少女。ロリに分類していいと思う美少女。

「俺はコーイチ。こっちはスラオウ。スライムだけど味方だから安心していい」

「……わたしはサリジェ」

 力なく答えるサリジェちゃん。

 この様子だとやっぱり絶望しちゃって、このはざまの世界にきちゃったのかもしれない。後でタムさんに確認してみよう。

 あと、気になるのはサリジェちゃんの格好。

「えと、なんでスク水なの?」

 サリジェちゃんはスクール水着装備だった。

 

 




 ドラクエ6をプレイして確認したら、デスタムーアの台詞が
ムーア「……」
 ってなってました。
 やっぱりムーアの方が正しいようですね。


 もちろんタムーアで通します。

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