車で2時間ほど移動し、やっと日光に着いた。まず、観光するために日光東照宮に行った。おじいちゃんと一緒に東照宮にあるいろんな神社を参拝して回ったがどこもかしこも人がいっぱいいて落ち着いて参拝出来なかった。
境内にあるベンチにおじいちゃんを待たして俺は自動販売機まで飲み物を買いに来ていた。まさかの自動販売機まで物凄く並んでいた。最後列に並んで2分ぐらいたった頃、急に周りがちょっと灰色に染まった。周りの人達は誰も動いていない、いやほんの少しずつだが動いているが止まっていると表現した方が合ってる気がするぐらいの早さだ。スローモーションのビデオでも見ている気分だ。
(っ!!明らかに通常じゃないなこれ。斉天大聖との戦いの時期より早いから大丈夫だと思ってたけど、やっぱり来なけりゃーよかった)
そう思いながら周りを見回していると、
「あ、あれ!?なんで普通に動ける人がいるの?あなたはだれなの?」
と後ろから声をかけられた。
「え?俺のこと?」
後ろを振り向くと腰まで伸びた黒くて美しい髪をした俺と同じ歳ぐらいの女の子がいた。
俺の他に動ける人はいないと思っていたのでかなり驚いたが周りを見てもやはり普通に動いているのは俺と彼女しかいなかったので俺のことだろう。彼女は腰まで伸びたつややかな美しい黒髪、大和撫子を思わせる整った顔立ち、文句なしの美少女だった。
「まあ、俺以外いないから俺のなんだろうけど。で、これどうゆうこと?それより名前を聞く時は自分から名乗るもんでしょ?」
と聞いたが正直なとこ原作を読んでいてここがカンピオーネの世界だとわかっているので直ぐにこの娘の正体はわかっているのだが....。
「あ、ごめん。そうだね、私は清秋院 恵那っていうんだ、よろしく。で、あなたは?」
「俺は須郷海斗だ。よろしくな」
こうやって出会った清秋院 恵那とはこの先何回も一緒に死闘をくぐり抜ける大切な仲間になる。
「妾のこの結界の中でも普通に動けるやつがいるとは驚いたな、そなた達何者じゃ?」
と恵那と自己紹介を終えた頃いきなり人の声が聞こえた。声の方を向くとそこには、巫女装束に身を包んだ少女が立っていた。俺はその子を見た瞬間その子が人間ではない存在だとすぐに気付いた。何故ならその少女からありえないぐらいの圧力を感じたからだ。
(くっ....なんて存在感だ。これがまつろわぬ神か。しかもこんな神様原作でも見たことないぞ…)
彼女からかもし出させれる圧力により俺はうごけなくなっていた。そして、それにぎづいた恵那がその少女に声を掛けた。
「御身はまつろわぬ神とお受けします。御身のお名前をお聞きかせいただきたい」
「ほう、そなた我を見抜くか。それではそなたはこの国の巫女ということか。」
「はい。今の世では姫巫女とよばれています。わたしは清秋院 恵那と申し上げます」
とまだ出会って数分だかさっきまでとは違う喋り方で少女と喋っていた。
「よかろう。妾の名前は月夜見。天照大御神や須佐之男命と並ぶ三神のうちの一角じゃ」
「え、どうゆうこと?月夜見ってあの月夜見?なんでいるの?」
「ほう、そなたは能力者でも魔術師でもないか。それなのに妾の結界の中でも動けるか!面白い!さて、そなたを今ここで殺すのも良いが、妾は最近退屈をしているのじゃ。普通の人間が動けない結界の中で動いているそなたをここで殺してはもったいない、だから妾とゲームをしようではないか。妾から逃げ切れれば命は助けてやる。」
「今から逃げては私達に勝ち目はありません。ハンデをお与え下さいませ。」
まだそんなに喋れない俺の代わりに恵那が喋ってくれた。
「ほう、まあ確かにそのとおりじゃな。それじゃあ、今から1時間は妾はここから動かない。その間に遠くまで逃げればよい。それでよいな?」
「ありがとうございます。」
そういい、動けなくなっていた俺の手を引っ張って恵那は走りだした。どれぐらい走っただろうかここが日光の中なのかもわからないぐらい奥にきていた。
「とにかくこれから危険になるからもっと奥までいって。ここで私が足止めするから。」
「いやだね!女の子一人危険な所に置いて行けるわけがないだろ」
「でも死ぬかもしれないんだよ!!それでもいいの?」
「ああ、いいさ。それに俺は何故かこの闘いにワクワクしているんだ。だから俺は闘うよ。」
(それに多分逃げても俺は恵那を見捨てたことを後悔するし、逃げ切れる自信ないからな....)
「海斗っておかしいね?」
「う、うるせー」
と和気あいあいと喋っていれるぐらいの仲になれた。