カンピオーネ〜転生〜   作:アキラ78

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第14話 正史編纂委員会東京分室室長とエージェント登場です

 恵那との二人っきりの京都旅行から帰ってきてから二日が経ち俺は今、都内にある七雄神社に呼び出されていた。

 昨日は何事もなく平穏に過ごした。ただ、何か上げるとしたら妹の美羽が「ゴールデンウィークに私を置いて旅行に行った罰だー」とか言って買い物に付き合ったぐらいだ。

 それにしても昨日は急に俺に直接甘粕さんから電話が掛かってきて

『初めまして、羅刹の王須郷海斗様。このたびは我が組織のものを助けていただきありがとうございます。…ま、和泉さんから海斗さんが堅苦しいのは嫌いと聞いているのでここからは砕けさせて貰います。すでに和泉さんから私がお会いしたいと言ってることは聞いていると思うんですが明日の午後あたりから七雄神社という都内の神社でお会いしませんか?』

 

 今日も予定は特に入っていなかったので二つ返事で了承した。

 程なくして七雄神社に辿り着いた。

 境内までたどり着くとそこには紅白の巫女服に身を包んだ恵那が立っていた。

「ようこそいらっしゃいました。魔王須郷海斗様」

 いつもなら『恵那も行くーー!!』って言ってついてきそうな恵那が今日はいないなと思っていたらいつも制服姿なのが姫巫女の正装(?)の巫女服でしかも言葉遣いなんかも俺がカンピオーネになった時みたいな感じの堅苦しいのに変えて俺を出迎えてくれた。

「やー、恵那。前にも言ったけど、堅苦しいの嫌いだから恵那はいつも通りの口調で話してよ」

「うん..分かった....ごめんね...海斗がこういう口調苦手なのは知ってたんだけど.....」

 恵那は少ししょんぼりしながらそう言った。

 やはりというか悪いと思いつつあの口調で話していたようだ。

 俺は、気にしてないよと言って恵那の頭を撫でてあげた。

「...ぅん///」

 どうやら気は紛れたようだけど少し顔が赤くなっていた。

(あれ?なんか間違えたことしたかな?....美羽だったらすぐにいつも通りになるのに...)

「さあ、今日の目的は甘粕さんに会いに行くことだし、そろそろ案内してもらっていい?」

「うん、わかった。ついてきてね!!」

 俺たちはそれから境内の奥まで進んだ。

 ある一つの部屋の前についたところで恵那は止まった。

「着いたよ、海斗。ここで、甘粕さんが待ってる」

「わかった。でも、一昨日和泉が言ってたけど甘粕さん以外にいるもう一人って誰?」

「それは内緒!!きっと海斗驚くと思うよ!」

 一昨日、甘粕さんと電話で話した和泉が言っていた甘粕さん以外に俺に会いたいひとがいるらしい。俺は気になって恵那に聞いてみたがはぐらかされてしまった。

(甘粕さんが神殺しになった俺に会わせたがる人なんて一人しかいないな。えっと名前は....あれ?何だっけ?)

 死ぬ前の、まだ俺がこの世界に迷い込む前のころの記憶を俺は覚えている。が、今の世界で15年、前の世界で17年、精神年齢だけで言えばもう32歳だ。

 この世界は俺が前の世界で14歳とかの時に読んだ本の世界だ。

 ある程度の内容は覚えているが詳しい内容とか人の名前などはもうほとんど覚えていなかった。

 なのである程度の予測はたてられたのだが名前までは思い出せなかった。

 今、俺を待っているのはそう。正史編纂委員会・東京分室室長ーー

「やあ、初めまして。僕は正史編纂委員会・東京分室室長の沙耶宮馨だ。以後、お見知り置きを、魔王須郷海斗」

「ああ、初めまして沙耶宮さん。俺はもう知ってると思うけど須郷海斗です。よろしく」

 俺が待ち人の一人の正体に予想がたった瞬間に目の前にあるドアが内側から開いた。そこに座っていたのは少女漫画から出てきたのでは?と疑いたくなるようなイケメンだった。

 座っていたイケメンは立ち上がり俺の近くまでやってきてから自分の名前を名乗った。

 俺は、それに答えてからふとあることを思い出した。

(そう言えば、沙耶宮馨は男装してるんだったな)

「沙耶宮さん、それは男装ですか?」

「ん?そうだよ。よく一目見ただけで僕が男装してるってわかったね」

「いや、なんとなく分かっただけですよ」

「あの~そろそろ私のことも紹介して貰いたいんですけどね~」

「ゴ、ゴメンよ。別に甘粕さんのことを忘れてたわけではないんだよ」

(((あ...これ絶対忘れてたやつだ)))

「まあ、このことは気にしてないんで馨さんもあまり気にしないでください」

「ああ、分かった。別に忘れてた事を認めるわけではないけどね!」

(((めっちゃ気にしてる...)))

「では、改めまして。私は甘粕冬馬といいます。実はこう見えて忍だったりします。あ、忍者とは言わないでくださいね?」

((この人はこの人で全然気にしてないんだな...))

「初めまして、甘粕さん。この間はどうも。お世話になりました」

「いえいえ、あれぐらいの事気にしないでください」

「ありがとうございます。で、今日俺がここに呼ばれた用件って何です?まさかただ単に挨拶なだけではないでしょ?沙耶宮さん?」

「ええ、そうです。用件は二つ。一つ目、魔王須郷海斗、あなたはこの国、日本で何をするのかを聞きたい。二つ目、今日本のある場所でまつろわぬ神が顕現しようとしてる。それを倒してもらいたいんだ。日本にいるもう一人の魔王草薙護堂君といっしょにね」




甘粕さんと馨さんの口調が上手く出来ない...
前の話で海斗に妹がいるのは書いたのですが今回やっと名前まだ出させました!

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