死神達の恋歌   作:yatenyue

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太陽の導き 一章 第五話 絶望と希望

第五話 絶望と希望

 

 

 

 また 守れなかった。

 

 私はいつも無力。

 

 いつも、いつもってあれどうしてだっけ?

 

 一護は傷だらけで、それでも立ち上がった。

 

 ルキアのために

 

 織姫も、チャドも、一護のために、ルキアのために 行くと決めた。

 

 

 石田も

 

 私だけ立ち止まったまま

 

 

 

   私は弱い。

 

 

 「・・・」

 

 「っ・・・もう・・・卯月姉様っっ!!」

 

 「・・留依・・いきなり耳元で叫ぶな」

 

 

 「何言ってるんですか。これで5回目ですよ

 

 もう、心に閉じこもらないでくれます?

 

 姉様。もう少し私を頼ってくれませんか?」

 

 

 

 私はそのときハッとした、

 

 3年前、美月が死んだ時、自分のことをみんなは支えてくれた。

 

 みえないように

 

 

 だから、私はその全てを護りたい

 

 そう思った。

 

 

 だから頼ってしまったら弱くなる?

 

 いや違う

 

 

 そんな強さ本当の強さじゃない

 

 私のことを支えてくれる

 

 見てくれる。

 

 だからこそ、私は力を求めたんだ。

 

 力そのものが欲しかったんじゃない

 

 

 「ありがと、留依。

 

 なんか、吹っ切れたわ。私は一人じゃないから。

 

 そうよね。守れなかったから、助けに行けばいいし、会いに行けばいいよね。

 

 留依 私がいない間この家の任務とかこの家のこと頼める?」

 

 

 私も尺魂界(ソールソサイティー)にいく。

 

 そして、私は書庫へと歩を勧めた。

 

 その書庫の中に、赤黒い血のようなものがこびりつき鎖で塞がれた扉があった。

 

 

私は、ここにあるもの以外の教本を読んでいる。

 

 あとはここのだけ。

 

 ここにあるのは禁術やそれに近い術だけ。

 

 禁術とは、危険な術で、例えば空間術や魔術(悪魔召喚とか)などが挙げられ、

 

 術者に負担がすごく掛かり、力量のないものや覚悟のないもしくは弱い者が使うと死んだりすることや

 

 代償が必要になる術もある。

 

 姉の美月が得意としていた空間や時間回帰系の術もここに部類される。

 

 そしてここに入るには普通当主もしくは次期当主の許可が必要だ。

 

 

 

 

 私は指の皮膚を噛み切る。

 

 血が少し滴り落ちる。

 

 「オン バサラ イン ハッタ」

 

 「リリース(解放)」

 

 鎖は解け、扉は開く。

 

 そして中へと私は入った。

 

 

 

 

 そして、紐綴じの本や巻物をとり、読み始めた。

 

 

 

 数時間後

 

 

  ずっと読んでいたのか彼女の周りには読み終わったらしい本が積み重なっていた。

 

 「・・これしかないか」

 

 文字は草書体で慣れている人ではないと読めないそれ。

 

 その一番上にはこう書いてあった。

 

 “生きながらに死神になる術 生死術”

 

 と書いてあった。

 

 そう、卯月が探していたのは、尺魂界(ソールサイティー)に行く方法。

 

 その世界は霊子で構成された世界で、この世界の人間が生きていくことはできない

 

 器子を霊子に変換しない限り。

 

 下駄帽子のしようとしている方法は知らないが、精霊術師の自分に適応できるかもわからない  

 

(のちのち無駄になるよねって思った人

 

 そうだけど、卯月は知らないんだよーー)

 

 

 だからこそだ。

 

 「これ、ここじゃ危なくてできないな。桃子ばぁのところを借りれないか聞いとこ。」

 

 

 

 そして、彼女はそれを実行することを決めたが

 

 「日にちないし 三日間こもるか」

 

 

 

 ここは修行所

 

 

 

 周りには何もない荒野の一軒家

 

 そこに卯月はいた。

 

 白い着物をまとい、下の床には何かが書かれている。

 

 アルファベットや梵字、数字や星や月や太陽が書かれたそれ

 

 魔法陣だ。清らかな墨汁で描かれた陣。

 

 そして書き終わったのだろう。

 

 その上に座る。

 

 突然自分の肌のいたるところに傷をつけ始めた。

 

 腕に足に浅くだが腹にも

 

 動脈は切っていないのだろう。

 

 勢いよく血は出ない、しかし、それでもその傷の数だけ血が流れる。

 

 白い着物は血の赫に染まる。

 

 そして血で腕に何やら文様を書く。

 

 

 「そろそろいいかな、」

 

 

 霊力を瞬間的に多量に霊力を放出する。

 

 そして離魂術を使用する。

 

 なぜか、

 

 卯月はそれを使ったことがないのに、ごくごく自然な動作でそれをできた。

 

 それは以前(ぜんせ)に使ったことがあるからだが、

 

 彼女はまだ記憶が戻り始めてもいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 卯月の身体から魂魄が出る。

 

 藍色の髪に藍色の瞳。

 

 髪の色のみが違ったそのままの姿。

 

 胸には鎖が見える。

 

 (実はそれは術が未熟な証拠で、体が慣れていないため。

 

 この術を使うと普通は鎖は見えないし、存在しない)

 

 

 

 

 

 

 「・・動きにく、の前に鎖に」

 

 術をかけ、鎖を保護する。

 

 それは生をつなぐものだから。

 

 

 

 「...力の制御がしにくい・・来るっ」

 

 現れたのは何体いや何十体にも及ぶ虚。

 

 「B~C級か。」

 

 今の卯月に精霊術は肉体ほど使えない。

 

 その術が、その身に流れる血に宿るものであるから

 

 死んだら全く精霊術は使えない

 

 

 普段は特に意識せずに生み出す水や氷が少し集中しないと出せなくなっている。

 

 

 

 「ふぶけっ吹雪よ」

 

 近くに来た虚は凍りつき遠くのも吹き飛ばされる。

 

 その余波なのか、部屋まで凍りついてしまっている。

 

 普通の人間なら、血を流してこんな部屋に入れば、間違いなく死ぬ。

 

 血が流れ、体温が下がっている上に、なのだから

 

 

 

 

 しかし卯月は水術師。

            

 だからこそ、水や氷では死なないいや死ねない

 

 

 よって肉体の方は平気なのだ。

 

 精霊に護られているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それでも虚がたくさん集まってくる。

 

 卯月が先ほど走った霊力と、血に宿る力に惹かれて

 

 虚にとって、精霊術師は近しい人間と同格以上にすばらしく良いものであるらしいから。

 

 

 その血に 肉に 髪の毛一本でさえ

 

 力を与える。

 

 

 

 

 卯月の手には弓矢が現れ、虚に向かって撃つ。

 

 

 「あああ、もうめんどくさいっっ

 

 銃で、肩をつけちゃえ。」

 

 弓矢は形を変え、銃へと変わる。

 

 いつもの小型ではなく、マシンガンに。

 

 

 が何発撃つと消えてしまった

 

 

 

 理由のひとつは慣れないものの維持だったためと

 

 もう一つは肉体との縁(エン)が薄くなったため

 

 

 

 「ヤバっ・・・・

 

 一回戻ったほうがいいのかな?

 

 いや、それじゃ意味ないし」

 

 鎖と縁は違う。

 

 因果の鎖は切られると死ぬもの

 

 縁とは肉体から送られる霊力(ルン)が通るミチのこと

 

 霊力(ルン)は生者だけがもち、それが途絶えると、鎖は切られたりせずとも腐食(?)を始める。

 

 最後には俗に言う脳死患者のようになる。

 

 

 

 霊力(ルン)が形を変えたものが

 

 一般的に言う霊力と霊圧、見鬼である。

 

 

 

 

 

 

 虚が動くのを一時でも止めた卯月へと襲いかかってくる、

 

 卯月は、いつもの5倍以上の力を使って、結界を作る。

 

 (絶対生きて会うんだから、死にたくない!!)

 

 『本当にそちはそれを望むか?』

 

 卯月の意識は遠のいた。

 

**

 

  そこは、灰色の建物や空の世界。

 

 さびしい    世界。

 

 その端に少しだけ、色づく場所がある。

 

 

 

 「何・・ここ?」

 

 『ここはそちの心の世界。大丈夫だ。外では、こちらに比べて時間が遅いからのう。』

 

 

 少し古風なしゃべり方をし、その口調に似合わない可愛らしい10くらいの少女がいた。

 

 その瞳と髪は卯月と同じ藍色。

 

 顔立ちも卯月を幼くしたようであった。

 

 

 

 

      To Be Continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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