死神達の恋歌   作:yatenyue

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月の導き  第二章  第一話 新たなる始め 

 

 

 

 

 

 

あなたには守りたい人がいますか?

 

 大切な人がいますか?

 

 

 大切な人を助けるのに法が妨げになる時あなたならどうしますか?

 

 

 

 お願いします、

 

 

 

         見捨てろなんて言わないで

 

両手いっぱいの大切な人を私は守りたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  一話 新たなる始め

 

 

 

 ここは零番隊隊舎。

 

 かなり暑いためか、この部屋には冷房機(風担当の海依さんが現世のものを改造しました。

 

 エネルギーは電気ではなく、周囲の霊子を集めるようにした。)

 

 ダラーとしつつ、書類を片付けていた少女が一人。

 

 年の頃は10代前半か?

 

 長い腰ほどもある朱い髪を伸ばし、一部を二つのお団子にしている。

 

 瞳も同色で、白い隊首羽織が目に入る。

 

 零(レイ)番隊隊長 雛桜 美月。

 

 それが彼女である。

 

 

 

 「オマエの親友の朽木 ルキア 行方不明らしいぜ。」

 

 「っルキアが?」

 

 そんな彼女に情報を告げたのは中性的な顔立ちをした17,8に見える女。

 

 

 「おい、落ち着け。美月。

 

 それと自ら現世に行こうとするなよ」

 

 透き通るような銀髪に、薄い空のような水色の瞳、整った顔には古い傷がある。

 

 中性的といっても、かなり男性的だ。

 

 彼(彼女というのは違和感があるので)は零番隊副隊長 如月 海依。

 

 

 「だって・・」

 

 「よく考えてみなさい。死神の反応が消える時はどんな場合ですか?」

 

 口答えしようとする美月に冷静かつ丁寧な発言で制する

 

 落ち着いた雰囲気を持つ、ウェーブがかった緑の髪に同色の瞳をもつ女。

 

 「それともそれがわからないほどお馬鹿なのですか?」

 

 言葉に棘が見えるがこれくらいは序の口な毒舌の持ち主。

 

 零番隊三席 大道寺皐月。

 

 

 「わかってるよ

 

 一 死神自身がすでに死んだ場合

 二 故意に霊圧を消し、姿をくらませた場合

 三 霊子を持たない義骸(ぎがい)に入ってるでしょ。

 

 

 三の義骸(ぎがい)は入っても霊力回復しないばかりか吸い取るからありえないけど。

 

 でも、いてもたってもいられないのよ。」

  

 

 ボカっ

 

 美月の頭を殴った女性は言う。

 

 「皐月が言ったことわかってんでしょ。その捜索は隠密機動に任せなよ。

 

 あたしらにはやることあるでしょ。

 

 それとこの書類もやれ。」

 

 ツインテールにした金色の髪に同色の瞳の女。

 

 20代前半にも10代後半にも見える。

 

 零番隊四席 神無月 由宇

 

 

 

 「だって、ルキアが駐在したの空座町だよ。

 

 あそこなぜか虚たくさんいるし。

 

 調べてみたら今の重霊地なんだってさ」

 

 真咲さんも殺されたし

 

 その言葉は飲み込む。

 

 私は大丈夫だと思ったのだ。

 

 だって、彼女は戦う力を持っていたから

 

           ひかる

  「向こうには青木五席がいってるだろうが

 

 大丈夫だ。

  おまえ

 零番隊隊長が出てどうするよ。」

 

 

 

 美月は、そう言われて分からないわけではない。

 

 

決められた仕事をしない人は最低だと思うし、自分の決められた役割や責務を果たそうとしない人は最低だと思う

 

  

 

 

上の立場に立つ者は、

   自らの感情を捨て去ることはなくとも

 

 

  それに流されない心が

 

 下に与える心が必要だから

 

 

  ただ、感情が追いつかないだけで

 

 ・・・・・

 隊長としての一言を告げる。

 

 「わかった。輝に任せる。」

 

 ところで、二人の言葉に出てきた

 

 《青木五席》 《輝》とは現世で滞在している

 

 美月のお願いと、重霊地の監査の名目で送り出しだ女性で

 

 青木 輝

 

 今は零番隊五席で、前は六番隊副隊長をしていた。

 

 

 

 

 

 「ルキア・・・・無事でいて」

 

 

 心からの言葉を彼女は紡いだ。

 

 

 

       To Be Continued

 

 

 

 


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