死神達の恋歌   作:yatenyue

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サイドストーリー  「四」という字を背負う者 その2

 

「四」という字を背負う者

 

 

     ‐2‐

 

        ≪side 皐月≫

 

 

 今日が入隊試験日ですわ。

 

 全く心配してませんけどね

 

 私も 由宇、海依達も

 

 実力がわかってるはずなのに、六回生の後というのもいいでしょう

 

 

 まぁ弱い奴に実力を見せる必要なんてありませんもの

 

 一人目は、海依。

 

 結果は思った通りの圧勝。

 

 もっと怪我させてもよかったのに・・

 

 あのおなかの傷、少し深めですけどいたって治療しやすいように傷入れてますし。

 

 ていうか、本当にあれで3席ですの?

 

 弱すぎですわ

 

 そう思いつつ大前田3席のほうに向かう。

 

 「どうしたのじゃ、お主。」

 

 総隊長が聞いてきた

 

 決まっているが、まぁ私たちがどれかわかってないのだろう。

 

 「治療ですが?

 

  それに私の名前はお主ではなく大道寺皐月ですわ。」

 

 そして私は治癒霊力を使った。

 

 私の霊力は少し特殊だといっていた。

 

 治すときは糸状となりまるで蚕のように集まって行く。

 

 こういう治療のとき目をつぶる。余計な感情を入れないためだ。

 

 だから終わったと同時に目を開けた。

 

 「その治癒霊力申し分ない。

 

 たしか、四番隊希望じゃったな。

 

 合格じゃ。」

 

 そういった直後、十一番隊の3席の斑目一角が、

 

 「よかったよなぁ。

 

 四番隊みたいな ラク  な隊に入れて……」

 

 私は少しその言葉にキレた。

 

 

 「貴女、斑目三席でしたよね。

 

 そうですわね。あなたがたのようにすぐに怪我する人がいなければ楽でしょうね。

 

 まぁろくに自分の傷を自分で治せない人には言われたくありませんわ。」

 

 当然反論してきた

 

「そっちこそ、どうせ碌に戦えないんだろっ」

 

 しかしその言葉は皐月の最後の一線を切った。

 

 

「そんなに言うのでしたら戦ってみます?

 

 それとも、私に負けるのが怖いですか?」

 

「おもしれーやってやろうじゃないか」

 

すると総隊長が、

 

 「ぺいっ やめんか。やるなら試合で

 

 「じゃあそれでやります、さっさと始めてください」

  わかった

 

 

 大道寺皐月 対 十一番隊三席斑目一角

 

 

 

 

 

 

 

      試合  初め」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  試合が始まった。

 

  後ろのほうでは「あーあ、あの一回生可愛そ、余計なこといい過ぎだぜ」とかいう声が聞こえてきた。

 

 

 

 私(ワタクシ)は、とても小さな声で始解の解号を唱えた。

 

 

 「惑わせ、花音」

 

 

 

 

私の真名と同じ名を持つ私の斬魄刀。

 

緑の柄(つか)に鍔は花のような形でこれも色は淡い緑。

 

そして柄からはリボンのように白い飾り紐が巻かれ結ばれている。

 

 それを包む鞘は、深緑色。

 

  長さは普通の斬魂刀と同じか少し長いくらい

 

 もう一本ありますけど、こちらは完全に後方支援用。

 

 花音の能力は、植物に関する多くのこと

 

私は主に、花の香りを使う。

 

 今回使う香りは麻痺効果を持つ香り。 

 

 始解すると同時に、白い飾りひもは緑に染まる。

 

 効果範囲は、人にも効くで、半径5mくらいかしら

 

 今回は刀の周りに漂わせるだけでいいか

 

 固体にすることも、液体にすることもできますけどね

 

 

 ちょっと体が動きにくくなる程度の麻痺毒にしようかな

 

 (それは、皐月様にとってだからーーー

 

 <泣っ>

 

 皐月を始め、海依・由宇・美月・卯月には毒などに対する耐性を拷問訓練でつけていて、

象が数mgで死ぬ毒でも平気です。

 

一族皆も付けていますが、彼女たちには及びません

 

5人>>>>>他一族>>

 

全体的にその基準が高くて対一族レベルにしています。

 

 皐月さんの斬魄刀の香りは自分にも香っています。が、自分の作る毒の耐性は使う前につけています。

 

一般にあるどの毒とも成分が違い、彼女にしか解毒剤が作れません

 

      byユエ)

 

 

 

 白い糸状の霊気が刀を覆い消える。

 

「なんだかしらねーが、始解できるなら...

 

 こっちも使わせてもらうぜ、

 

 身の程を知れよ、

 

 “延びろ、鬼灯丸” 

 

       見余るなよ」

 

 

能力解放と共に柄と鞘が繋がり菊池槍(穂先が片刃の短刀状の槍)へ変化する。

 

 

 槍ですか

 

 あと勘ですがこれだけではありませんよね

 

 

 器用に考えながら攻撃をよける。

 

 

 香りの効果範囲狭めだから離れすぎないようにしなきゃ

 

 なのでほとんどつかず離れずだが

 

 想像より切り返しが早く

 

 とっさに刀で受け止める。

 

 

 「さけろ、鬼灯丸」

 

柄を分割し三節棍へ変形する。

 

 

 「(っ、三節棍)」

 

 変形し、懐に入ってくる攻撃をとっさに刀で受け止める。

 

 

 「さすが、三席ですね。でも」

 

 

腕で棍を受け止めなおした後、片手に持ち直した刀で相手に切りつけた。

 

 向こうもよけたのでかすっただけだがそれで十分。

 

 香りをかぐだけでは数分聞くのにかかるが、体内に直接入れれば

 

   それは

 

 

      速効性だ。

 

 

 

 がくんと崩れ落ちる。

 

 

 (皐月基準にとっては動けなくなる程度でも

 

 耐性の全くない人間にとっては筋肉麻痺を引き起こします。)

 

 

「何しやがった…」

 

 

「麻痺毒ですわvvv。(すっごい機嫌がよさそうな笑顔をしつつ)

 

 いつも塗ってるんですv(大嘘)

 

 ちなみにいうと、虚にも効きますよ

 

 それ私が調合しているんで解毒剤私しか作れませんよ。」

 

 「はぁ?

 

  それを扱うお前も危険があるんじゃないのかよ。」

 

 

 「だって毒に耐性ありますからね。

 

  どうします?

 

  筋肉麻痺結構ひどいみたいですけど」

 

 自分がやったくせに他ごとのようにいう薄情者1名。

 

「わかったよ。今回は俺の負けでいい。

 

    馬鹿にした俺が少し悪かったからな」

 

 

 

 

少しねぇ

 

 

 まだ気は収まらりませんが、

 

 

 

   まぁいいでしょう

 

 

 私の勝利に変わりないですしね

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 

 斑目に皐月はある袋を渡した。

 

 

 「なんだ、これ?」

 

  「解毒薬です」

 

   「はぁぁぁ?

    持ってないんじゃなかったのかよ。」

 

 

 「持ってないなんか言ってませんが?

 

  毒を使うものが解毒剤を持て歩くのは常識ですわ。」

 

 

 味方を巻き込んだときとか

 

 

哀れ、一角。

 

 

  心理戦の得意な皐月さんの黒い一面だった。

 

 

 

 

 

     ≪side 由宇≫

 

 

 相変わらず苦手な戦い方をするやつねぇ

 

 皐月のやつ。

 

 皐月の逆鱗に触れた斑目も悪いけどね

 

 皐月が切れるとやっぱり怖いわ

 

 絶対零度の笑みってやつ

 

 これ以上切れたらもっと怖いよね

 

 次はあたしかー

 

 吉良さん可哀想だし、絶対勝たなきゃな

 

 

 心配はしないけど、力加減がめんどいしね

 

 

 

 これからも皐月に心配とかかけないようにしなきゃな

 

 

 

 毒舌で

 

 冷酷に見えるけど

 

 

 本当はやさしいからな

 

 

 

 皐月も海依も大好きだよ

 

 

 

 いまも前世(むかし)も

 

   

      ずっと大切な朋友(とも)だよ

 

 

 

       - 2 end‐

 

 

 

 

 

 

 

 


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