死神達の恋歌   作:yatenyue

23 / 74
3話完結です。
如月海依メイン
背負う者シリーズ

その1、2が原作約3年前(本編最初前後)
   その3が約2年半前(五話前後)

   詳しい時軸順
 二の1→四の1→三の1→二の2→四の2→三の2→その3はほぼ同時期

【挿絵表示】




サイドストーリー  「二」という字を背負う者 その1

 

「二」という字を背負う者

 

 

 

海依独白

 

 

 

 

 

 

 

心に深くつけられたキズ

 

「男なんて、大嫌い。でも弱い私(=オンナ)も嫌い。」

 

弱い心を殼で覆った俺

 

今は、それがないと落ちつかない。

 

 

 

いつだっただろう。

 

 

私を俺に変えたのは。

 

 

「まったく、あの子邪魔だったらありゃしない」

 

 

この顔のキズは、愚かな私の象徴   

 

義母を信じた私への

 

「海依は海依でしょ。」

 

 

あの二人が弟の風がいなければ

 

「姉様っ」

 

 

私は壊れてた

 

 

誰か助けて・・

 

 

私のココロを

 

 

 

弱くて不安定で私は俺は自らの生を拒絶した

 

風がどれだけ悲しむか考えもせず

 

 

死んで悔いなく成仏し尸魂界に来た途端の過去の記憶の奔流。

 

俺は自分を恥じた

だから死神になった。

 

そう思った時代(頃)もあったんだ。過去の記憶を取り戻す前は

 

前世でも裏切られることばかりだったのに懲りずに人を信じる俺。

 

でも信じてダメだったって思ってもやっぱり信じたいんだ。

 

疑うことより信じることの方が難しくて

 

諦めることより諦めないことの方が難しくて

 

 

でも俺は信じたいんだ

世界は醜いものだけではないことを

 

俺は中途半端だ

 

時々自分が男か女かわかんなくなる

 

でもそれも含めて俺だから。

 

 

 

 

 

 「二」という字を背負うもの

 

 

 

      -1-

 

 

≪砕蜂視点≫

 

 

 

ここ数年目ぼしいものは誰も見つからぬ。

 

 

そう思いつつ、霊術院に向かうのは、各隊につきこの入隊前1月の間に、隊長格は少なくとも一度訪問する義務がある。

 

 

まったくもって面倒であるが

 

 

これも後継育成のため、山本総隊長が決めたことである。

 

 

少し憂鬱に思いながら歩を進めた。

 

 

 

が、突然強い霊圧を感じた。

 

  少なくとも今年卒業する者にはいないはずの値の霊圧

 

 

「なんだ?

 

   この霊圧は・・・?

 

  今日は私以外死神が訪問しているわけではないし

 

  軽く上位席官レベルはあるぞ。」

 

 

 

これは,今年卒業する奴以外が出しているのか?

 

 

おもしろい

 

 

うちの隊にほしいな

 

 

 

そう思いつつそちらに足を向けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それが始まりだった

 

 

 

 

 

時は少しさかのぼる

     暦を言うと、

 

    春、3月

 

   ≪side 海依≫

 

俺が今おかれている状況を説明すると

 

 

   上級生に囲まれている

 

 

 それはすべて 男である。

 

ぁあ

 

  俺のこと知らないかもな

 

 

 俺の名前は、如月 海依。

 

こんな外見、言葉づかい、服装(男用学院制服)だが、

 

    女  だ。

 

 

こんな外見と言うと

 

   作者(ユエ)いわく

 

『少し透明な水色がかったきめ細やかな銀色の髪を乱雑に一つにくくり、

 

 蒼穹のごとく澄み渡った水色の瞳はすべてを見通す綺麗な鏡のようだ。

 

 中性的なその容貌は、どちらかといえば男性的で、

 

 だがその鼻には深い傷跡がある。

 

 その声は変幻自在で、普段の声はとても大人っぽくハスキーだ。

 

 雰囲気も女という感じはしなくて、かといって男のような粗暴さとは程遠い。

 

 いうなら、男装の麗人の雰囲気である。

 

      』

 

   らしい。

 

俺は普通の銀髪水色の瞳だと思うのだが、

 

 (いや逆に思ってたらナルシストだと思うが)

 

まぁ、こんな感じだ。

 

 

 

 

 そんな俺は、この真央霊術院(以前は死神統学院だったらしいが)の一回生特進クラスである。

 

 

 

 

 

ーー≪作者視点≫ーーー

 

絡まれている理由は簡単。

 

 

成績優秀容姿端麗なのにさぼりまくり、しかも入学初日に先生を倒したという海依はいい意味でも悪い意味でも目立つ。

 

同学年内ではあこがれの目で見られるが、

 

上級生には煙たい存在なのだ。

 

なおかつ、彼女(違和感ありまくりなので、海依呼びします)は、一部(数名)を除き男だと思われていて海依もそれを訂正しない。

 

海依いわく女だとなめられるよりましだし、どう思われようと自分は自分らしい。

 

つまり、すごく女子にもてている。

 

 

つまり   僻みだ。

 

 

 

ていうか女ってわかっててももてそう。

 

 

先生を倒したということからわかるようにその実力は、学生のものではない。

 

 

海依は死んですぐ、6月中旬中途入学。

 

 

 

 

もうすでに始解、卍解を習得済みだ。

 

まぁ先生たちは知らないし気づいてもいないのだが、

 

   (私の主観で、先生はせいぜい中位席官レベルとしてます)

 

 この海依を囲むのは

 

 

海依の親友いや朋である、

 

   大道寺 皐月

   神無月 由宇

 

  とともに瞬く間に有名になったなりすぎた3人に

 

 

いつもは陰口をたたいたり(海依の友人の皐月の毒舌で倍返し)、足で転ばそうとしたり(わざと踏む)してくるやつだ。

 

  報復のほうが痛そうだが・・・

 

 

 

とうとう実力行使に来たわけだ。

 

 

かえりうちにあっちゃえ←

 

≪再び海依side途中第三者視点が混ざります≫

 

 

 

「女の子にモテモテの如月君~~

 

   君さぁ、生意気なんだよね

 

 一年のくせに出しゃばって、サボりまくってるし

 

   しかも、あんな美人な女二人もはべらしてさ」

 

 

 

 美人二人って、由宇と皐月のことか?

 

 まぁあいつらの容姿は普通より上。

 

 美人の部類だろう(自分の容姿は自覚していないが、他人の容姿はわかるらしい)

 

 だがな、由宇は恋愛沙汰が大嫌いだし

 

 皐月に至っては、朋の俺に対してでさえ気に入らないことに対して毒舌吐く奴だぞ

 

 俺は朋としてはあいつらは最高だが男だった時でさえ恋愛対象として見たことないぞ

 

 しかも、はべらしてって俺は女なんだが…

 

 女同士に偏見はないが…

 

 っていうか自分の自覚をしろよ

 

 臭いし、こいつら

 

 貴族出身っぽいやつ、香をつけまくればいいもんじゃねぇ

 

 媚売ってるだろうのやつ、プライドのない奴が女に好かれるか

 

 無駄にプライドが高くても嫌われるだろうが

 

あああ  もう

 

  

 

 

 

  うざってぇ

 

 

 

 「…言いたいことはそれだけか?

 

 サボってるのはてめぇもだろうが、

 

 目立ってる?

 

 ただ普通にしているだけだが?

 

 モテモテも別に俺のせいじゃないだろうが」

 

 

 

 

    彼のいや海依の(いかん油断すると彼っていいそうになるよ女なのに)霊圧は少しずつ上昇している。

 

  彼にとってはいつも薄くしている霊圧に(制御状態で)1割ほどたしたぐらいしか上がってはいないのだがそれでも

 

  上位席官レベルはあった。

 

 

あーー

 

 

  昨日鬼道と白打での組み合わせ夜中ずっと考えていたから

 

  寝不足だし

 

 一回実力の差ってもんを教えといたほうがいいよな。

 

 

   もうすでにその上がった霊圧に囲んだ連中は気押されていた。

 

 

 

詠唱破棄で少し抑えればまぁ死にはしないだろう←←

 

 

   寝不足で理性が効いていなかった

 

   

 

「破道の三十三 蒼火墜」

 

 

  青い爆炎が飛び出した。

 

 

 しかし、何者かの放った鬼道で相殺(そうさい)された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ≪砕蜂side≫

 

 

 感じた霊圧の元に向かってみると、そこは学院裏。

 

 ついた瞬間見たのは、青年いや女か?が霊圧で相手を抑え込み鬼道を相手に放とうとする瞬間であった。

 

 

 どうやら威力は殺すつもりはないようで抑えられているが、詠唱破棄であの威力。

 

 

 周りに被害が出るっ

 

 それに、あいつが学院を退学になるかもしれない

 

 

そう思い、とっさに反鬼相殺した。

 

 

なんでこのとき退学になるかもしれないと思ったのかこの時の私には理解できなかった。

 

 

(今思うと、あの時からあの透き通った水色の瞳に心奪われていたのかもしれない

       by●年後の砕蜂様)

 

 

 

「げっ

 

  やりすぎた

 

 

  すいません、お手を煩わせて、砕蜂隊長」

 

 

 銀色の髪に水色の瞳のその女(すごいですよね、普通間違えますよbyユエ)は私に向かってそういった。

 

 どうやら頭に血が上っていたらしい

 

「いい、霊圧を下げてやれ。

 

 けがはさせなかったのだし、お前に否はない。

 

 様子からして一人に対してこんな大人数だったようだしな。」

 

 

まったく男の矜持はないのか

 

 こいつらは

 

 霊圧を下げるとすぐにそいつらは逃げ出して行った。

 

 

 

「それでも、お礼を言いたいんですよ

 

 言い訳になりますけどいつもより寝不足のせいで理性が効きにくかったので。

 

 あのままじゃ、斬魄刀取り出しかねなかったので」

 

斬魄刀。

 

 まだ霊圧に余力がありそうだったし

 

「お前、名はなんという」

 

「如月海依。一回生です。」

 

敬語は馴れないのだろう

 

少しぎこちない。

 

一回生か、 もったいない気がするな

 

さっきの鬼道といい

 

霊圧の制御といい

 

自分の非をきちんと認めることと言い

 

ほしいな  うちの隊に

 

 

「敬語はなくていい。

 

  それより、うちの隊に入らないか?」

 

少し呆けた顔をしたすぐに返答してきた

 

「俺、まだ一回生ですけど。」

 

「構わぬ。さっきの鬼道の詠唱破棄のあの威力、それにその霊圧制御。

 

 すでに始解を習得済みとみた。

 

 死神は実力社会だからな」

 

 

ふところから、一応持ってきていた例の紙を取り出し、渡してその場を離れた

 

 

時間も押してたしな

 

後ろでは大きな驚愕の声が聞こえたが

 

 

  ≪海依side≫

 

俺の鬼道を相殺したのは、≪二≫という隊首羽織を見にまとう・・たしか二番隊隊長の砕蜂隊長だった。

 

 

翻る羽織の裏色は琥珀色(こはくいろ)だ。

 

どこか頑なででもどこかほおっておけない感じがした

 

冷徹という噂もあるけれど、彼女の裏はその琥珀のように優しいのだろうかとそう思った。

 

 

しんでからろくに使っていない馴れない敬語で返したが、

 

人の中身を見る人だと俺は思った

 

さすがに

 

敬語はなくていい

 

  とか 

 

うちの隊に入らないかと言われた時はほおけたぜ。うん

 

 

この俺の目立つ容姿からあまりうれしくはないが、俺が如月海依で先生を倒したということはすぐにわかる。

 

だが、俺の名前を聞いたということは、その噂を知らないということ、

 

 

俺自身を見て、勧誘してくれたのがうれしかった

 

 

思わず聞き返したけど

 

  一回生ですけどって

 

  

俺の噂はどうやら碌なものではじゃないらしい

 

ズルして先生に勝ったとかいろいろ言われてるのも知ってるし、

 

 性格に問題アリと言われているのも知っている

 

 

(授業の大半をサボることから内申が悪い)

 

知らなくてよかったとも思ったがな

 

 

正当に自分の人格や実力を買ってくれたのはうれしかった。

 

 鬼道とか

 

 

斬魄刀の始解を充てられたのにはびっくりしたけどな。

 

 

うちの先公なんて全く気がつきゃしねぇし

 

 

卍解ができることは今のところ言うつもりはないが

 

地位はある程度あったほうがいいがありすぎると困るしな、一番上は勘弁したいぜ。

 

渡されたその紙に目を落とすと

 

 

 

 

入隊依頼書

 二番隊

 推薦者:砕蜂  (判)

 

 備考:この者を上位席官に任命したい

 

 氏名:

 

 

 

 

それはここ数年使用されたことのない

 

  初入隊時上位席官依頼書だった

 

 

 

 

 

 

(作りましたすいません)

 

  

 

 

おまけ

 

海依side

 

 

 

「俺いち早く卒業決定だわ。悪いな。」

 

「ちょっ どういうことよ」

 

 

俺のその言葉に真っ先に反論する俺の朋で親友の神無月 由宇。

 

彼女も俺と同じ目立つ容姿で、金色の髪に金色の瞳をしてるんだよな

 

ツインテールにした髪は揺れ、瞳は目を丸くする。

 

 

「二番隊の上位席官に勧誘された。

   以上」

 

 

「そうですの。

 

    二番隊といえば、隠密機動と関係が深い隊でしたわよね。」

 

 

そう敬語口調で言うのが、もう一人の俺の朋の大道寺皐月。こっちも碧の髪に瞳って目立つけど、感情を表していない。

 

「そうそう。

 

  確か隊花は、翁草で、花言葉は・・・」

 

「何も求めない」でしたわね。他に「背信の愛」「告げられぬ恋」「清純な心」「華麗」みたいな感じもあるけど」

 

 

 

「海依大丈夫なわけ?

 

  合いそうにない気がするんだけど。

 

 そりゃ能力的には問題なしだけどさ。」

 

 

「そうか?

      俺もそういうのあまり好きじゃないが、砕…ちょっとあの目が気になってな。

 

 まぁ、間違ったことに屈するつもりはないけどな。 

 あくまで俺の意思は曲げないしな。」

 

「あなたが決めたことに文句を言う資格はありませんし、言うつもりもありませんわ。

 

崩れそうになろうと私(わたくし)たちは味方ですしね」

 

 

「あたしも応援するよ。

 

あたしも、1(なんとなく)、5(うさんくさい)、6(かたっくるしい)、10(子供に従うのはねぇ)以外なら入りたいかな。

 

あとできれば、治癒霊力使うの神経使うから4番隊も遠慮したいかな~~~」

 

俺が完全に信じている朋という存在。

 

こいつらは何にも代えがたい俺の大切

 

 

「まぁ、私たちもすぐに声をかけられるでしょう。この時期隊長訪問多いですし。

 

私たちの実力のひとかけらも分からない屑はいないでしょうし・・」

 

あいかわらず辛辣だな、おい

 

少し不機嫌そうな由宇は、

 

「それにしても、サボってた海依が最初っていうのがなんか損した気分。

 

 あたし、皐月や海依と違ってちゃんと授業出てるのに…」

 

 

「御苦労さま。

 

  授業なんて聞かなくても、教本一回読むだけで充分だろが。試験で結果を出しとけば文句は言えないしな」

と俺。

 

「時間の無駄ですわ。

 

  視線がウザいですし」

 

と皐月。

 

俺も、皐月も、由宇も、試験では、実技筆記ともに主席を維持している

 

サボりを黙認されるのもそのためだ

 

 

「うわーーーん

 

  理不尽だ。なんでまじめなあたしが向くわれないわけぇーー」

 

 もちろん嘘泣きだが、騒ぐ由宇と、切れて毒舌を吐く皐月、ため息をつく俺で

 

  時は過ぎて行った

 

 

 

後日、皐月は四番隊に

 

   由宇は三番隊に勧誘されることになるのであった。  

 

 

    ≪side 砕蜂≫

 

 

 

あれほどの実力と見栄えだ、噂になっているに違いないそう思い、試しに自隊の3席の大前田に聞いてみた。

 

無駄なことばかりよく知っている奴だからな

 

 

「如月海依というやつ知っているか?」

 

 

「って

 

 

  隊長知らないんすか?

 

 

  一回生にも関わらず、先生を倒した3人組の一人で

 

 

  まぁ、あまり信じられてはいませんがね。

 

  どうせ、ずるでもしたんでしょう

 

  そんな実力の持ち主がひょいひょい出てたまるか」

 

 

もちろん聞いたあとこの男は沈めておいた

 

 

こいつに勝ったら。

 

   副隊長にできるよう総隊長にかけあっておくか

 

 

 

.  




副隊長は空席でした。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。