死神達の恋歌   作:yatenyue

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月の導き  第一章  第五話 変革の時 前篇

 

 

 

 

 

命の大切さをよく知っているから

 

 

 

私はたとえ自分の実力(チカラ)を知られても

 

 

 

護らなきゃと思ったんです。

 

 

 

自分の命をこんなことで賭けるなんて言わない

 

 

 

戦いをする以上戦いで死ぬ覚悟も殺す覚悟も

 

 

できているけど

 

 

私は

 

こんなところでは死ねないし

 

 

死んでも死に切れない

 

 

 

はっきりいって

 

卍解の言霊しか知らない

 

 

だからこそ

 

ギリギリまで使わない

 

 

制御できない膨大なチカラなんて

 

 

無駄以外の何者でもないから…………

 

 

美月の

 

右腕に輝る深紅のどうやらガーネットの腕輪

 

それは 妖しく輝いた気がした……………

 

もう

 

 

 

 

 

隠せない

 

 

 

隊長と一緒にいられなくなるかもしれない

 

 

それでも

 

 

私は戦います

 

 

 

 

 

第五話 変革の時 前篇

 

 

 

 

 

 

                《side 冬獅郎》

 

 

「【緊急連絡緊急連絡です日番谷十番隊隊長、松本副隊長】」

 

 

黒子の

 

隠密機動がそう切り出した。

 

 

 

「何があった。」

 

「【ある一部隊が多量の大虚(メノス)に遭遇。

それが情報に因りますと

こちらの十番隊の部隊でありその中に

 

雛桜3席がいたのを確認。

 

雛桜3席が一人で負傷した隊員を守りながら

戦闘しているとのことです】」

 

 

 

 

 

一瞬

 

時が止まった気がした。

 

 

まあ そんなことあるはずがないのだが…

 

 

 

俺にそうさせたのは

 

気づかない振りができないくらいの

 

既に気付いてしまっていた

 

彼女への思い。

 

 

 

 

 

凛としていて

 

ひとつひとつの動作は洗練され

 

気が付き

 

強い勁(ツヨ)い光を 持っている彼女

 

 

でも

 

どこか儚い気がして

 

 

その強い光を秘める朱い瞳の中で僅かに時折揺れる彼女を見て

 

 

 

 

 

こいつを守るのは俺だと思った。

 

 

強くて弱い彼女を………

 

 

                  《sideout》

 

 

 

 

 

それがあったのは、私が死んで半年の12月

 

私を隊長とした小隊で指令道理に虚を倒し終え、戻ろうとしたときだった。

 

あっという間に私以外の死神は戦闘不能になった。

 

 

周りには大虚4、50体、雑魚の虚が数十体。

 

 

 

心の奥底で思う、のは一つ

 

 

    もしかしたら私のせい?

 

 

 

 今の私は戦闘時以外の霊力コントロールは完璧の域に達していると思う。

 

 

 

    でも過去のあの記憶がそう思わざる得なくなる

 

 

    無力でそれでも持て余す力の量

 

 

 

    私を護り傷ついた“彼”

 

 

 

    

私は自分のせいで誰かが傷つくことが恐ろしい

 

 

  

エゴだってわかってる

 

 

 

たった一人で周りすべてを護るなんて

 

 

       難しいし

 

 

  誇りよりも命を大事にするなんて

 

 

     って自分勝手なことを思ってしまう。

     

 

 

 

 あの人と一緒にずっといたい

 

 

 でも、部下を見捨てて、

 

 

     止める力があるのに

 

 

 何食わぬ顔で彼のそばにいる私は

 

 

 

          嫌だから・・・・

 

 

 まぁ、

 

 

 

  雑魚を相手にしながら、これは始解ではきついな

 

 

  むやみに霊力使ってもあれだしなぁ

 

  忘れがちになるけどこれで

 

 

  霊力8割封じてるし

 

 

 

  美月は自分の腕をちらりと見た。

 

 

   自分の右腕に填められた深紅のガーネットの腕輪を

 

 

 それに封じてても私、霊圧でかいし

 

 

 卍解を下手に使いこなせるようになってもし彼と一緒にいられなくなったらって思って

 

 

 私としてはあるまじきことに

 

 

 卍解の修行一回もしてないし

 

 

 

 ここ一応現世だから

 

 

 

 私3席だからなぁ

 

 

 限定されないし

 

 

 私、護る人たちを巻き込まない自信がない

 

 

 

 現世の生きている人間

 

 

 生きているが動けず自分の身を護れない意識不明の部下

 

 

 

 だから、救援が来るまでは持ちこたえる。

 

 

 絶対に

 

 

    日番谷隊長は

 

          来てくれる。

 

 彼ほど部下想いな人はいないから…

 

 

 

 彼なら私の卍解の効果がほかに及んでも護ってくれる。

 

 

 

 数十分が、ずいぶんと長く感じた。

 

 

 救援が来たのを目で見ずとも肌で感じた。

 

 

 すぐにわかる、覚えている。

 

 

 冬の蒼穹(ソラ)で氷空(ソラ)。

 

優しくて、 どこか温かい

 

     そんな霊圧。

 

 

 

  なら、

 

 

 

 

          これで十番隊にいられなくなるかもね・・・

 

 

 

 

 

「“卍解、火輪朱雀(カリンスザク)”」

 

 

 

        ≪side 日番谷≫

 

 

 救援が来たことに気付いたのか、何か決心したような目をしていた雛桜。

 

 小さい声だが確かに“卍解”と呟いていた。

 

 卍解は、隊長格には、必要不可欠なもの(まぁ例外(更木)もいるが)そのため、取得、修得するには、何年何十年もの歳月や経験が必要だ、それを今呟いたのか

 

       美月は

 

 

 

 

 大きな鳥獣が現れる。

 

 

 神々しく朱い大きな鳥が…

 

 

      ≪sideout≫

 

 

 

 今は私の斬魄刀である“朱夏”は、元私の守護精霊だということは知っているよね。

 

 もともと守護精霊といわれる普通の精霊より高位な精霊が、強弱はあるが、私たち精霊術師には必ず憑いている。

 

 が、多くのものはその名や姿を知ることなく死んでいく。

 

 そのため、目にしたことのない者にとっては、守護精霊というものはいるかいないかもわからない不確かなもの

 

 分家のものが知ることはよほどの才能を持たない限りあり得ない。

 

 宗家でも知る人はめったにいない代物である。

 

 役割はといわれると疑問に思うが、おもに戦いのサポートが多い。

 

 私たちの一族

 

   雛桜家。

 

 神獣・朱雀と契約した超越者の血を継ぐ家系である。

 

 

 炎を操る炎術師の一族・宗家雛桜家をはじめとして分家に従うのはもちろん炎の精霊だ。

 

 

 

  私が具現化した朱い鳥は、中国等で南を護ると言われる4つの神の1つー朱雀だ。

 

 最大の生前の秘密

 

 超越者だった“私”。

 

 私の守護精霊“朱夏”はそのころから私のパートナーで、朱雀の分御霊。

 

 分御霊つまり分けられた魂であり、力のかけらであり、朱雀との交信のためのものであり朱雀そのもの。

 

 いつも傍にいることができない高位の神・朱雀がいとし子のために置いた自分の一部。

 

 

 朱夏を通して送られる朱雀の力

 

 朱雀が本当に認めた人間の魂と記憶を持つ生まれ変わりの“私”

 

 まぁ要は

 

 

  “朱夏”は神・朱雀の化身と思ってくれればいい。

 

 

 現れ出た“朱夏”の朱雀は、別名不死鳥と言われている。

 

 

 

 長い説明はこの辺にして

 

 

「“朱雀七星、≪星(ほととり)≫、≪柳(ぬりこ)≫合成」

 

 何個もの切り裂く火の玉と表現するのが一番正しいのかそれにより、雑魚虚が一掃される。

 

 これは、攻撃の型で≪星(ほととり)≫は炎の剣、≪柳(ぬりこ)≫はいくつのも炎の球ででありそれを組み合わせることができる。

 

 

 

「“解除”。“≪鬼(たまほめ)≫”」

 

朱夏の前には火の玉が現れ、どんどんとその中の霊圧だけが増大していく。

 

「発射!」

 

 

その球からはレーザー上の炎を出し、残りの虚や大虚を焼き払う。

 

≪鬼(たまほめ)≫はレーザー砲で、これと≪柳(ぬりこ)≫の合成が一番の威力を持つ…らしい。

 

 

 直感で卍解を使い、すべて倒し終えた途端緊張の糸が切れ、私は倒れた。

 

 

 

 

 

       ≪side 日番谷≫

 

 

 突然雛桜が倒れた。

 

 

 おれは急いで彼女のそばにより脈を確認する。

 

 脈があることに安心し、四番隊を呼ぶ。

 

 

「おいっ!!四番隊の誰でもいい、こっちに来い」

 

 「は、はい」

 

 一人日番谷の迫力に怯えながら。一人来る≪押しつけられた≫

 

「脈はあるんだが、雛桜がどうしたのか分かるか?」

 

「急に霊圧を多量に使ったからでしょう

 

 少しの怪我はしていますが命の別状はありません、安心してください」

 

 

 ようやく肩の力が抜けた気がした

 

 でもそれを聞いても不安を感じていた俺は彼女が目覚めるまでずっとそばに付いていた。

 

ちなみに、松本の奴はため込んだ仕事を終わらせるように言っておいた。

 

まぁそうでなくても気を利かせていなくなるつもりだったようであるが

 

 

――――――――――――

 

私が目を覚ました時、そばに日番谷隊長がいた。

 

私を見ている間に寝てしまったのか、瞼を閉じ寝息を静かに立てている。

 

本当 綺麗だよなぁ~~

 

  日番谷隊長、

 

   日に透ける白銀の髪とか、今は見えない翡翠の瞳とか

 

 すべてが彼を引き立てている。

 

 って私は思うんだ。

 

 安心して私は完全に寝られることは少ない

 

 そう訓練してあるから

 

 この世界の私はだけど

 

 

 私の意識の一部は覚醒していて、だれかほかの人の気配があるとこんなに深くは眠れない。

 

 私が完全に日番谷隊長を信用してしまっているということだ。

 

 

 その信用が少し怖い

 

 ずっとここにいてくれたのかな?

 

 うぬぼれたくない。

 

 それを裏切られるのは嫌だから

 

 私は体を起こし近くに寝ている日番谷隊長に毛布をかける。

 

 そして

 

    これは衝動的だった。

 

 乱れていた髪を戻すその手を外してそっと彼の唇にそっと自分のそれを重ねた。

 

 

「(つい、衝動で…

 

   起きてないよね…)

 

   ありがとうございます、隊長」

 

 

 自分のした行為を思い出してしまい、思わず私はその病室を飛び出し、自室に戻った。

 

 

 キスしてしまったそのとき、日番谷が起きていたとも知らず・・・・

 

 

     ---------------

 

   ≪side 日番谷≫

 

ごそっ

 

   何かが動いたような物音がした。

 

 起きたのか?

 

 

 目を開けようとも思ったが、それをする前に思考が止まってしまった。

 

 自分の唇に感じた柔らかい暖かな感触に

 

 

 そして薄眼で見ていた、頬を赤く染め走り去る美月の姿を…

 

 

 ただのお礼なのか?

 

 それとも、俺と同じ気持ちだと考えてもよいのだろうか?

 

 

                《sideout》

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 私は、早起きして久しぶりに定時より早く隊舍に来ていた。

 

 というのもあまりよく眠れなかったからだ。

 

 

 まぁ病室で随分ねてしまったようなので仕方がないが…

 

 

 「おはよう・・・

 

  って言っても、誰もいないか

 

   1時間以上早いし、あはははは」

 

 

  「おい」

 

 

 この声は…

 

 

  後ろを向かなくてもこの声と抑えているがかすかに漏れ出る霊圧でわかる。

 

 「ひっ日番谷隊長!!」

 

 瞬歩でいきなり現れないでください、隊長

 

 昨日のこともあって、思わず声が裏返り、頬に少し赤みさす。 

 

 「早かったな、雛桜。

 

 ところで

 

     《【日番谷十番隊隊長…】》」

 

 

 地獄蝶が隊舍の中に入ってきた。

 

 何か言っていたようだが…

 

 はっきり言ってテンパっていたので、聞いていなかった。

 

 何年生きても、

 

 何回転生しても

 

 こういうのには慣れない。

 

 

 何回転生したって恋したのそのうちの3分の1以下だし

 

 考え事をする時周りが見えなくなる癖どうにかしたいわ、まったく

 

 《【もう一度繰り返します。十番隊隊長日番谷 冬獅郎,十番隊副官補佐3席 雛桜 美月。

 

至急、一番隊隊主室に来るように】》

 

一瞬、何を言った…

 

   って思いましたが、

 

それが本当だと自覚した途端

 

すぐに消えたが

 

 あのくそじじいが…

 

    さっさと隠居してしまえ

 

 という考えが浮かんだ。

 

 美月からは真っ黒いオーラが出ていた。

 

(彼女には全く自覚していません、天然で出してます   By ユエ)

 

 

だがすぐに正気というものを取り戻す。

 

「はい?

 

  なんで私まで…」

 

「総隊長の命令だ。行くぞ。」

 

隊長は、普通に私の手をつかんで歩きだした。

 

 

手ってててて。

 

 隊長!!無意識ですか!!

 

あまりに突然のことで、思考は大パニック!!

 

人が少しずつぽつぽつと増えだして、手のことは忘れていたが…

 

(基本は、瞬歩は廊下などではしないようにするのが礼儀)

 

「ひっつん、美月ちゃん。」

 

「ひっつん言うなっ!!」

 

「やちるちゃん!!こんなところでどうしたの?それと何か用?」

 

(美月とやちるの初対面は番外編たちの 【十一番隊初訪問っの巻】で)

 

ここは、十一番隊側ではない。

 

「えー、美月ちゃんのとこに遊びに行こうかなぁって思ったの

 

 仲良さそうにどこ行くの?」

 

“仲良い”ってどこを見て…?

 

やちるちゃんの視線の先を何気なくたどると…

 

 隊長と私の…つないだ手ぇぇ

 

 手をつないでいたことを思い出し、慌てて手を離した。

 

 隊長も、同様気づいたらしく顔は心なしか赤くなっていた。

 

 「や、やちるちゃん。

 

 なんでもないよ・・・・!!

 

 ところでさ、やちるちゃん」

 

 話の方向を変えようとする。

 

 「ごめんね。今から総隊長のところに行くから、仕事前に遊ぶことはできないんだ。」

 

 「えーー、そうなのーー

 

 じゃあ、早く言ったほうがいいよ。

 

 あのおじいちゃん 時間にうるさいから…。

 

 早く終わったら絶対遊んでね、美月ちゃん」

 

 

 「ええ、約束ね。」

 

 おじいちゃんねぇ

 

 かわいい呼び方ね

  

 あはは、

 

 心の中で大笑いをするのだった。

 

 

 

 

 

 ――― 一番隊隊主室 ――

 

 

「お前は声かけられるまで、黙っていろよ。

 

 十番隊隊長日番谷冬獅郎と同じく、十番隊3席雛桜 美月です。」

 

 

 「うむ、入れ」

 

「何かご用ですか?総隊長」

 

うー黙っているのは、嫌だ。

 

  しゃべりたい。

 

私ちゃんと礼儀あるよ、必要な時はちゃんとできるよ

 

 

ああ、日番谷隊長には見せたことなかったな

 

隊長に対して、ため口気味だからか

 

(今頃気づいたのか BY ユエ)

 

 

「うむ、雛桜 美月。」

 

 

「はい…」

 

鋭い視線が私に向けられる。

 

穏やかな用ではないらしい。

 

「おぬしの先日の功績を聞いたぞ。」

 

「はいそうですがそれがなにか」

 

大虚の件のことだろう。卍解を使ってしまった件については総隊長の耳にもすでに入っているだろう。

 

 

 

目撃者は何人もいる。

 

 

だが私はあくまで白を切る

 

少しでも遅くしたいから

 

「分からぬか?

 

 なぜ卍解が使えることを黙っていたのじゃ?

 いつからできるようになったのじゃ?

 

 そして、3本全部の卍解はできるのか?」

 

その質問が強い霊圧とともに放たれる。

 

その霊圧に対抗するため普段は2~3パーセントしか発していない霊圧をあげる。

 

そして、質問に答える。

 

「質問が多いです、総隊長。

 

 まず一つ目ですが卍解が使えたら、どこかの隊の隊長格にならないといけないからですかね。

 

私は十番隊3席です。日番谷隊長に言われない限り降格も昇格もするつもりはありません

 

二つ目の答えは、1本の斬魄刀は半年前にすでにできました。

 

そして三つ目、 できません。

 

回復系、炎熱系の2本はできますが…もう1本は…」

 

 

「なぜかのう。確か”刹那”じゃったか?」

 

 刹那

 

 邪悪すぎて使う条件が難しくてまだ一回しか始解したことのない斬魄刀。

 

 たぶん心からの殺意で望めば応えてくれる。

 

 

 でも私は怖い。自分自身の黒い感情が…

 

 だって識(シ)っているから。

 

 黒い感情は簡単に自分を壊してしまうということを

 

 恐る恐る本当のことを口にした。

 

 「あの、“刹那”は邪悪すぎるんです。」

 

 歯切れが悪いその言葉に、今まで口を挟まずにいた隊長が疑問を口にする。

 

「邪悪?あの一番長い斬魄刀のことだろう。俺は始解をやっているところでさえ見たことがないが…

 

だってお前訓練の時も虚討伐の時も持って行ってもいないだろう。」

 

本当は説明したくない。

 

斬魄刀は自分の魂の片割れ。

 

つまり、それも私の一面。

 

認めたくないけど、認めなければならんない私に確かにある黒の部分。

 

「(あの傷まだ薄く残っていたよね)

 

刹那はもともと気性が荒くて中途半端な気持ちを使うと諸刃の剣として、その持ち主も傷を負うんです。

 

“切る”覚悟はもちろんのこと、少しでも迷いがあるといけない(殺すという感情に)。

 

完全な人を、相手を切るための斬魄刀だから…」

 

「そうだったのか」

 

 

「では本題に移ろうかの。」

 

「「!!!!」」

 

 

「まだ何かあるんですか」

 

 

これで終わって欲しかった。

 

ただ強い3席として記憶してくれるだけで…

 

それは儚い夢だけれども…

 

 

 

「おぬし、零(レイ)番隊隊長にならぬか?」

 

 

 

「零(レイ)ですか王族特務零(ゼロ)番隊でなく?

 

それに、私言いましたよね、昇格も降格も移動もごめんですって」

 

思わず、霊圧が上がる。

 

効果音的にはごろごろと雷が落ちそうなくらい笑顔で起こっている美月・・・

 

 

(こいつを怒らさないようにしておこう…)とひそかに心に日番谷が決めたことを美月は知らない。

 

 

 

 

「おぬしの意見は却下じゃ。それと

 

零(レイ)番隊は一昔前にあった、護廷十三隊の特別部隊でじゃな

 

隊長の行方不明により、休隊となった隊なのじゃ。

 

全隊長の安否は絶望的だと思われているので、適任者がいれば復活させようと思ったのじゃ。

 

仕事は、主に大虚以上も虚討伐に、他隊の救助。

 

なので隊員には他隊以上に個人の力が重視される。

 

お主には適当だと思うのだが…

 

拒否権はないぞい」

 

 

 

「二つ質問。

 

  普段はどこにいるの?昔の隊舎?

 

  過去にも零(レイ)なんて見たことないんだけど。

 

  今は隊員いるの?」

 

 

 

「表では他隊ということにする。

 

 前隊長は十番隊隊長も兼任していたがのう。

 

 行方不明になったときは理由に苦労したものじゃ。

 

 行方不明になったのは零番隊任務中じゃったのでな

 

 ということで、表向きは一番隊副隊長に異動ということにする…といっても仕事はさっき言った内容じゃからどこに行ってもよいぞい。

 

 隊員については、2・3・4番隊から1人ずつ引き抜こうと思っとる。

 

 何お主をはじめ皆が隊長格かそれ以上の実力の人材じゃ。

 

 本人たちは最近までうまく隠しておったがの。」

 

 

 

 

 

 

 

実力を発揮でき、他隊とのつながりもある。

 

日番谷隊長に合っていなかったら、絶対にうなずいた条件

 

 

     それでも・・・

 

  嫌だった。

 

 

 零番隊になるなら私は、十番隊3席をやめる。

 

 仕事をしない3席にも、負担をかける3席にも、なりたくないからである。

 

 私が今までどおりにやろうとしても優しい日番谷隊長のこと、隠れて仕事を減らして自分がやったりするに決まっている。

 

 今だって乱菊さんが溜めたのを結局半分以上やる羽目になってるし、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。

 

 

 

「それは命令ですか?決定ですか?」

 

「有無は言わせんといったじゃろう。

 

 わしを欺くその実力、使わないのはもったいない。

 

 明日からよろしく頼む。」

 

 

「はい、了解しました」

 

先に日番谷隊長が返事をしてしまった。

 

しかも明日って別れを惜しむ時間もないじゃない。

 

 

 「雛桜」

 

日番谷隊長に声をかけられる。何を求められているかはわかる。

 

 「……分かりました。」

 

 「うむ、下がってよいぞ。」

 

 「失礼しました。雛桜行くぞ。」

 

 「ふ、ふぇ~~?」

 

 太陽が引っ掴むのは私の手。そして今度は部屋を出てからすぐに気づき、

 

 「悪い、またやっちまった」

 

 「手のことは良いですよ、隊長。

 

  それよりあのじじぃ」

 

 燻る怒りにより、黒いオーラがあふれる。

 

 「まぁ、

 

 

  昇格おめでとう、雛桜」

 

 「ありがとうございます。」

 

 この人に言われたくなかった。

 

 この人だけには

 

 所詮私は部下に過ぎなかったんだ。

 

 隊長は私の気持ちに気づいてくれなかった。

 

 私はちゃんと笑えていたのだろうか?

 

 

 

~5話 終了end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




美月ちゃんに限らず、周りを気にかけながら長時間闘うのはまるで駄目です。(破壊力ありすぎるから 周りを気遣わなかったらオッケー)

数分~十数分なら大丈夫ですが、1時間とかならは無理です。

戦いには1対1で邪魔が入れない場所ではないと完全に100%の力を出せません。

というか100%出すことすらあまりしません。

精神(魂魄の魂)はその力に耐えられても、魂魄を形作る魄が長時間耐えられない。

訓練したことはないので、今は最高10分です。(満身創痍ではなく、健康体でです。)




.

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