IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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いよいよシャル、ラウラ、鈴ちゃんのコスプレ姿の公開です。


変態紳士、接客する

<昼、IS学園・一年一組教室>

 

 

チャイムの音と共に始まりを迎えた学園祭。

緊張と不安と興奮が入り混じった奇妙な感覚に陥るが、俺は気にせず来場客が教室に入ってくるのを待つ。

さて、一体どんな子が来るのだろうか。

 

 

「彰久、その格好で真面目な顔するとただの変態にしか見えないよ」

「変態じゃない、俺は紳士だ。この服装は紳士の正装と言っても過言ではない。あとシャル、その格好で話しかけるなら"彰久お兄ちゃん"と呼んでくれ」

 

「……彰久そういう趣味だったの? 」

「違う、この後来る奴がシスコンなんだよ」

 

 

この後来る奴というのは無論弾の事だ。

ちなみにシャルはオレンジ色のキャスケットにピンクのロングTシャツを着ており、恋愛サーキュレーションのあの人を彷彿とさせる。

 

いつか歌ってくれねぇかな。

声だけでマイサンが化物語する自信があるぜ。

 

 

「いらっしゃいませー! ……って、鈴やないか! そっちの出し物はええの? 」

「大丈夫よ、まだあたしシフトの時間じゃないし。それにしても……ぷっ、くくく……彰久……」

 

「なんだね鈴ちゃん。この俺のバニースーツに惚れてしまったのかな? 」

「だってちゃんとムダ毛処理してるから……」

 

「こんな事もあろうかときちんと処理しておいたのさ。まさか本当にバニースーツ着せられるとは思ってなかったけど」

「なかなか似合っているぞ彰久。お前の筋肉質な体にぴったりだ」

 

 

"すりかえておいてのさ!"ならぬこれぞ"剃っておいたのさ!"である。

変態紳士は何時如何なる時もムダ毛処理は欠かさない。

笑いを堪えながらやってきた鈴ちゃんに接客していると、後ろからドイツ国旗のような色をした覆面を被っているラウラがやってきた。

今にも回転して竜巻を起こしそうな雰囲気である。

最早関係あるのドイツぐらいしかないぞこれ。

 

 

「すげー! ラウラそれでシュツルム・ウント・ドランクしてよ! 」

「見るがいい! 我がドイツ特殊部隊直伝の……シュツルムウントドランクゥゥゥゥゥッ!! 」

 

「やめなさい! 」

「ふぎゃっ! 」

 

一人でくるくる回転しようとするラウラを真琴ちゃんがチョップで制した。

その彼女は俺が絶賛したな◯はのはやてコスを着ており、抜群なプロポーションを持つ真琴ちゃんには最適の衣装だと言えるだろう。

スリットスカートとかエロすぎんだろ、子供が見たら鼻血出すぞ。

 

涙目で頭を抑えるラウラの姿にニヤつきながら俺は鈴ちゃんを席に座らせた。

そういえばうちの出店ってお客さんにも衣装を着せることができるんだよね。

しかも写真を撮れて無料だし。

これは鈴ちゃんにやらせるしかないな。

 

 

「ヘイ鈴ちゃん! うちは衣装の貸し出しもやってるんだ、少し着てみないかい? 」

「えー……、恥ずかしいんだけど」

 

「んなこと言ったらバニースーツ着させられた俺の立場はどうなる」

「アンタは自分から罠に嵌ったんじゃないの」

 

「けどせっかくの学園祭なんだし、りんちゃん着てみようよ~」

「わ、ち、ちょっと押さないでって! 分かった、分かったから! 」

 

 

着ぐるみ姿の本音ちゃんに連れられるがまま、彼女は特設の更衣室に入る。

俺個人としては是非とも龍驤とかアイ〇スの〇美のコスプレをしてもらいたい。

貧乳だから似合いそうだし。

 

そうして待つこと数分。

鈴ちゃんは恥ずかしそうにカーテンから出てきた。

 

 

「ど、どうかな……? 」

「かわいい! すっごく似合ってるよ鈴! 」

 

「そ、そんなじろじろ見ないでって! は、恥ずかしいから……」

「か、鏡音リ〇とは……。その手で来たか……ッ!! 」

 

 

俺は思わずいつもいじり倒している鈴ちゃんのコスプレ姿にグッときてしまう。

適度な乳加減に、黒いホットパンツから伸び出た綺麗な生足。

そうか、鈴ちゃんの持ち味とは生足の良さだったのだな……。

 

 

「ありがとう鈴ちゃん……。生足の良さを知る事が出来て俺はまた変態紳士として成長した気がする」

「アンタあたしの身体見てなんつー事言ってんの」

 

「分かりやすく言えば俺の股間のマイクが」

「言わせねーよ!? 」

 

 

むむぅ、これは本心なんだがなぁ。

そう心の中でため息を吐くと、俺は別の席からオーダーを受けたので腰をクネクネさせながら飲み物が置いてある場所へ向かう事にした。

裏方では静寐ちゃんや清香ちゃんがせっせと注文された品物を箱から取り出している。

ふむ、コスプレをしている女の子もいいがこうして一生懸命な子もたまらん。

 

 

「草薙君、これ向こうの席の注文ね」

「任せな。サービスはどうする? 」

 

「サービス……って何するの? 」

「お飲み物と一緒に筋肉を提供するサービスさ」

 

「やめろ」

「すいません」

 

 

中学の文化祭じゃ好評だったんだがな、筋肉サービス。

まあ親子連れとかもいるしさすがに将来の変態紳士にトラウマを植え付けてしまうのも忍びない。

あと静寐ちゃんに胸倉掴まれて凄まれたしな。

 

そんなこんなでやって来るお客さんと触れ合っていると、窓の外から見覚えのある赤髪と茶髪がこちらに向かってきているのが見えた。

ふっ、来たようだな……選ばれし者達よ……。

 

 

 

「よくぞ来た! 我が変態紳士四天王の諸君よ! 」

「ぶふーっ!! なんだその格好! 」

「出オチを狙うまで落ちぶれるとはね、見損なったよ彰久」

 

「い、イケメンが二人も来てるですって……!? 」

「いやけど見てみ。滲み出る残念臭が半端ないやろ? 」

 

「誰がイケメンだよ!? ちょっと出てきて! 今すぐハグしちゃうから! 」

「あ、ほんとだ」

 

 

出会って数秒で変態紳士であることを静寐ちゃんに悟られた弾たち。

どうやらクラスのみんなも俺と同じ部類の人間であることを察知したのか、ちょっと残念そうな表情をしている。

なんというか哀れである。

 

 

「せっかく来たんだしゆっくりしてってよ! "弾お兄ちゃん"に"熊吉お兄ちゃん"! 」

 

「あ、弾の鼻から鮮血が噴出した」

「あいつ昔から妹キャラ好きだからなぁ。あ、床の血は俺が拭いておくよ」

 

「慣れた風に対処しないでよ! ちょっと返り血浴びてるんだけど! 」

「もしかしてこれはいわゆる"ヤンデレ"というやつなのか? 」

 

「違うよ!! 」

 

 

さっきのキャラ作りを既に捨てたのか一夏はいつもの様子を取り戻して床に散乱した弾の鼻血を雑巾で拭いていた。

同じく手慣れたように鈴ちゃんが彼にティッシュの鼻栓を手渡し、弾はそれを鼻に詰める。

既に中学時代で何度も見慣れた光景だ。

ちなみに隣に立っている熊吉はコスプレ姿の鈴ちゃんに視線が釘付けである。

 

なぜだかシャルは包丁と返り血が似合いそうな予感。

言ったら怒られそうだけど。

 

 

「まあ鼻血も処理し終えたとこで、とりあえずこっち来て座ってくれ。お客さんをいつまでも立たせてるわけにはいかないからな」

「みんなの際どいコスプレ姿を見て既に俺のマイサンは立ちっぱなしだがな! はっはっは! 」

「弾、みんな引いてるから」

 

 

ひとまず俺が空いている席に案内しようとすると先程の鼻血など気にせず下ネタをぶっ放す弾。

たぶんクラスのみんなの視線が"俺みたいな奴が増えた"と思っているはずだ。

全く以てその通りである。

 

 

「しっかし、お前も馴染んできたな。最初彰久がIS学園に入学するって聞いたときにゃ驚いたもんだ」

「俺もここに来てまさかバニースーツを着る羽目になるとは思わなかったさ。中学の悪夢を再現するとはここの子はSが多い。というかお前蘭ちゃんは? 」

 

「愛しのラブリーマイシスターは今こっちに向かってるらしい。何度も起こしたのに"なんで起こしてくれないのよ馬鹿お兄!"って朝から言われたから興奮してしょうがない」

「僕もそれロリっ子に言われたら一ヶ月近くオカズが持つ気がするよ」

 

 

朝から猥談を繰り広げる俺たちとみんなの間に少なからず壁が出来ているのは言わずもがな。

一夏の奴はまるで慣れたといったような雰囲気で他の人に接客していた。

 

 

「そういや弾、ここ衣装を貸し出して写真撮れるサービスしてんだよ。お前らも一緒に撮らないか? 」

「お、いいねえ。熊吉、もちろんお前もやるよな? 」

「ふっ、無論さ。プリキュアのコスプレはあるんだろうね? 」

 

「当たり前だ。代俉のお墨付きだからな」

「さすがだぜ彰久! すいませーん! ここってコスプレして写真撮れるって聞いたんですけどー! 」

 

 

二人ともやる気満々のようである。

弾がそう言うと本音ちゃんが衣装スペースから顔を出し、俺たちを手招いていた。

隣の熊吉がボソッと"かわいい"と言ったのを俺は聞き逃さない。

ほほう、どうやら本音ちゃんに奪われてしまったようだな……。

 

 

「撮りたい人はこっち来て着替えてね~……って、あっきーにダンダンにくまっちじゃ~ん! なになに? 面白い格好してくれるの~? 」

「任せておけ本音ちゃん! ところでコ〇ラのコスチュームってあるかい? 俺もそろそろ他の衣装を着たくなってきたんだ」

 

「ちょうどあるよ~。この赤いタイツの衣装だよね? 」

「そうそう、ありがと本音ちゃん」

 

 

各々思い思いの衣装を取り出し、俺はバニースーツから宇宙一の海賊と呼ばれた彼の赤いタイツに首を通し、左腕にサイコガンを嵌める。

ふふふ……これで女の子を口説けばイチコロだぜ……。

 

 

「よし弾、着たか? 」

「おうよ。じゃあ行くぜ」

 

 

俺達はアイコンタクトと共に衣装スペースを出た。

ちなみに今の俺達の姿はコブ〇にラ〇カにプリ〇ュアとはたから見たらただの変態集団である。

教室の中は悲鳴が入り混じった声で埋め尽くされており、面白い見たさでこの教室に来ている子がほとんどだ。

 

 

「これは地獄絵図と言っていいのだろうか……」

「落ち着いてくださいまし! 彼らの周りに何かオーラのようなものが見えますわっ! 」

 

「うんセシリアが落ち着いてな。オーラが見えてる時点でダメなんやで」

「箒、これはまぎれもなくヤツか!? 」

「ノるなラウラ」

 

 

俺が真ん中に立って左腕を掲げながら決めポーズを取っていると、それに乗じて二人も着ている衣装に見合ったポーズを取る。

鈴ちゃんとか一夏は見慣れているので鼻で笑っているが他のみんなは初めて目にする光景なので若干引きながらも写真を撮っていた。

 

 

こうして俺のシフトは無事終了。

代わりで来た同じクラスの子にバトンタッチすると、俺は〇ブラの衣装のまま弾や一夏と一緒に他の出し物を楽しむことにした。

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<昼、IS学園・廊下>

 

 

 

コブ〇スーツのまま俺は3人と一緒に他のクラスを回る事になり、他のクラスの出店や出し物を楽しんでいると廊下で虚さんと会長に遭遇する。

 

どうやら二人もやっとシフトが変わったみたいで俺達を見ると会長は一夏に抱きつき、俺達の嫉妬が彼に集中した。

だが一方で弾の方は虚さんの方に視線が向いており、軽く挨拶をしている。

……あれ、もしかしてこいつに春到来してる感じ?

 

 

「ど、どうも! さっきはその……すいません」

「いえ、いいんです。学園祭は楽しんでる? 」

 

「ええ、もちろん! すっげー楽しいです! 」

「うふふ、ありがとう。そう言ってくれるとやりがいがあるわ」

 

 

「……なあ熊吉、すげえいい雰囲気じゃね? 一体何があったんだ? 」

「それがね、さっき入場の所であの人と仲良くなったみたいでさ。彰久たちのクラスに来るまでずっと彼女の事を口走ってたんだよ」

 

 

これは弾特有の癖"一目惚れ"だな。

中学の頃にも他校の子に一目惚れして何度玉砕したことか。

しかしあの様子だとなかなかいい雰囲気のようだ。

 

 

「あらあら? もしかして二人は彰久君と一夏君のお友達? 」

「あ、はい。俺と一夏がチケット送って呼んだんですよ」

 

「それはどうも。この学園の生徒会長、更識楯無です。今日は楽しんでちょうだい」

「同じく生徒会の布仏虚です。よろしくね、二人とも」

 

「え、あ、五反田弾です! 趣味は映画鑑賞と野球、それにバンドも! 」

「熊田熊吉です。先程は失礼しました」

 

 

ぎこちない様子の弾とは打って変わって、熊吉は落ち着いた雰囲気で自己紹介を済ませる。

弾よ、お前映画とか見に行かないし野球もほとんどやったことねーだろ。

これは相当虚さんに惚れこんでいるな……。

 

 

「じゃ、会長たちも一緒にどうです? 俺達もこれから回ろうとしてるんですけど」

「構わないわ。……虚もいいかしら? 」

「え、えぇ! もちろんよ、行きましょう」

 

 

少し顔を赤くしつつ虚さんは頷くと、珍しく慌てたように俺達と同じ方向に歩き出す。

ちょっと待て、これは本当にもしかするとあり得るぞ。

俺は二人を先に行かすと、一夏に打ち耳をした。

 

 

「なぁ一夏。これはまさか……」

「……あぁ。ついに弾にも来たかもしれない」

 

 

鈍感な一夏でも分かるレベルとは、相当虚さんは顔に出るタイプのようである。

なんだがギャップが凄まじいが、すげえ萌えるぜ。

 

 

置いてかれないように俺達も4人の後に続き、廊下の奥へと向かう。

俺の背後に忍び寄る影にも気付かずに。






ちょっと詰め込み過ぎた感が否めないです。

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