IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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というわけでどんどん更新していきます。
戦闘シーンを早く書きたいね!


変態紳士、訓練する

<翌朝、寮部屋>

 

 「……んぐ。起きねば……」

「むにゃむにゃ……トゥ! ヘァーッ……」

 

「今度は蹴り食らわせてんのかよ、というか石○さんごめんなさい」

 

○田さんへの謝罪から始まりを告げた二日目の朝、いつもよりか早い時間帯に起床してしまう私不肖草薙彰久は、目を擦りつつベッドから立ち上がる。

 

「もうやめるんだぁー……ぐぅ……」

 

ルームメイトである布仏本音ちゃんは相変わらず意味不明な寝言を呟き、寝返りをうちながらかわいい寝顔を俺に披露してくれた。

 

「てれててっててー! 無音カメラ~! 」

 

某青い悪魔ことドラ〇もんの要領でi〇honeを取り出し、その寝顔を写真に収めようとアプリをタッチして起動する。

盗撮だって出来るんだ、そう。〇Phoneならね。

 

「ぐふふふふ……。昨日は抱き付けなかった分をここで取り返すぞよ……! さあ! いけ、iPhone! 」

 

「むにゃむにゃ……狙い撃つぜッ!!! 」

「あべしッ!! 」

 

もはやアップル社に訴訟されても文句が言えなくなるレベルで修正が仕事していないが、俺は構わずiPhoneのカメラを連射していく。

 

だが不幸にも寝ぼけて本音ちゃんが抱きかかえていたぬいぐるみをこちらに投げつけ、見事俺にクリティカルヒットした。

 

しかも結構な大きさでもあるのでなかなかダメージが大きく、思わず呻き声を上げてしまう。

 

「……ん? あっきー、そんなとこで何してるの? 風邪引いちゃうよ? 」

「お、恐ろしい子……!? 」

 

その声で目が覚めてしまったのか、本音ちゃんがダボダボの着ぐるみ姿でぬいぐるみに埋もれる俺を一瞥した。

 

今までの自覚がない以上、俺に対する抑制がない。

 

つまり、迂闊に手を出せば死へと繋がることだってあり得るのだ。

 

「あ、あひぃ……!! お、お助けくだせぇ……! 命だけは……! 」

「むっふっふ、なんだか分かんないけど控えおろー! 」

「あひぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!! 助けてぇぇぇぇぇ!!! 」

 

 

そんな奇声を発した俺は、今日も元気である。

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<午前中、休み時間>

 

 

 

 

さてさて、朝食を華麗に食べ終えて颯爽と教室へ向かった俺は普通に授業を受けた後、休み時間にて一人まったりとしていた。

 

(……あ、いまスカート捲れそう)

 

先程の授業で真耶先生が質問はあるかどうかを聞いたところ、一夏が「全部分かりません! てへぺろ☆」とか言ってクラス全体をひっくり返させた後に出席簿で制裁を食らっていたのには笑ったもんである。

 

「うへぇ……なにこれ……わかんねぇよ……」

「というわけで相変わらず教科書を読み漁る一夏くん、なぜわざわざ俺の元へ来た」

 

「いや、お前に教えて貰おうt」

「だから貴様はアフォなのだッ!! 」

 

助けを乞うよう教科書片手に俺の机へとやって来た一夏を、俺は東方〇敗のように指差した。

 

なんか周りが「師匠! 」だの「王者の風よ! 」とか叫んでいるが、おそらく彼女らは俺と同類なのであろう。

 

 

「うわっ! いきなり大声出すなよ! 」

「黙れぃ! 貴様は自分で学ぼうともせずに友人を頼り、楽をするつもりかぁッ!? 」

 

「いや、お前もさっき質問しまくってただろ。IS知識とか山田先生のスリーサイズとか」

「てへぺろ☆ バレてたー? 」

 

「心底ウザい」

 

ちなみにIS関連の知識よりも山田先生のスリーサイズが一番気になっていたが、聞いた瞬間に俺の頬を出席簿が掠めたので質問を断念した。(ちょっと失禁しかけたのは紳士の秘密だぞ! )

 

「それでだ一夏、今日の放課後に先生たちに訓練機とか使えないか聞いてみようと画策してたとこなのよ。お前も俺もセシリア様と戦うからな、ぶっちゃけ時間は皆無に等しい」

 

「そうだな。箒も手伝うとか言ってたけど、このままだと剣道だけになりそうだし。いいぜ、後で行こう」

 

気を取り直して真面目な話を一夏に持ち掛けると、彼はそれを快諾する。

普段は鈍感ではあるが、こういう事に関してノリがいいのはこいつのいい所でもある。

 

っていうか箒ちゃんが手伝いを申し出たなんて聞いてねーぞ。

俺も個人鍛錬してラッキースケベしたい。

 

「ところで箒ちゃんのおっぱいでかかった? 俺の予想だとありゃCを超えてるぞ」

「知るかんな事」

 

だがIS知識もままならない今、本当にセシリア様に勝つ事はできるのだろうか。

相手は代表候補生、かなりの実力を持っている。

 

運や偶然などで倒せる相手ではない事は重々承知していた。

 

「……一夏、おそらく訓練を積み重ねないとかなりキツイぞ。それも相手は代表候補生、今の俺達ではほぼ勝てない」

 

「分かってる。だからこそやりがいがあるってもんだ。一緒に頑張ろうぜ、彰久」

 

「さすがイケメンは言うことが違うね、こりゃ女の子も惚れるわ」

「よせよ、そんなことないって」

 

そうからかい気味に言ってみたが、実は本当にそう思っている。

根性や男気で一夏に敵う奴は見たことがない。

 

俺達はがっしりと握手を交わし、拳をぶつけ合った。

 

「……っと、もうチャイム鳴りそうだな。じゃあ彰久、また昼飯に会おうぜ」

「へいへい、じゃあな一夏」

 

普段の調子に戻った直後、始業を知らせるチャイムが鳴り響いたので俺達はひとまず席に着くことにする。

 

 

そうして、2時間目の授業が始まった。

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<放課後、職員室>

 

 

 「んで、来たはいいけどなんで箒まで付いて来るんだ? 」

「む、なんだその言い草は。まるで私が来てはいけないような言い方だな」

 

「ダメじゃないけどさ……。箒も部活とかあるだろ? わざわざ俺達の為に休まなくてもいいのに」

 

「そ、それは……お、お前の為に……」

 

「ん? 何か言ったか箒? 」

「な、なんでもない! ほら行くぞ! 」

 

 

授業が終わってから、先程一夏と約束していた通りに職員室の前に来るとさっそくラブコメをこの二人はおっ始めた。

 

しかも一夏に限っては持ち前の鈍感っぷりを最大限に引き出している始末である。

これは箒ちゃんも苦労するはずだ。

 

「そんな鈍感、修正してやるッ!! 変態のファーストブリットォッ!! 」

「変態じゃなくてそこは衝撃だろ! うわっ、危ねぇ! 」

 

「うるさいぞ、職員室の前で騒ぐな。スクライドは好きだがここでやるには相応しくない」

「ち、千冬姉……痛っ! 」

「千冬様……ひでぶっ! 」

 

「織斑先生だ、馬鹿者。何度言ったら分かる」

 

拳を振りかぶるも、剣道有段者である一夏にとって俺の拳など見切ることは容易い。

そうして騒いでいると、案の定職員室の中から千冬さんが現れ、俺たちに鉄拳を食らわした。

千冬さん、スクライド知っているんだな。

 

「それで、何の用だ? ここに来たという事は何かあるんだろう? 」

 

「はい。織斑先生、訓練機を使わせて頂けないでしょうか。彼らは1週間後に代表決定戦を控えていますが、IS操縦に関しては全くの素人に近いと言えます」

 

「ふむ、そうだな……。私個人としては承諾したいのだが、2年生や3年生が使っていてな。一応予約することは可能だが、使用可能の曜日が来週の水曜となっている」

「水曜というと……代表決定戦の前日ですか」

 

鉄拳制裁にうずくまっている俺達二人を差し置いて、箒ちゃんが千冬さんに訓練機の事を話してくれているみたいである。

 

だが生憎訓練機は先輩方が使用しているせいかほぼ全部出払っており、使えるの代表決定戦の前日のみになってしまうという。

 

確かに2年生や3年生になると、よりISの実習が増えると聞いた。

よほどの才能がない限り、慣れるのは難しいことなんだろう。

 

「あ、先生。予め予約をしておいて、その日までにIS知識を詰め込むなんてのはどうですか? 無論、俺達は教えられる立場なので先生の都合を優先して貰っていいんですけど……」

 

「……分かった。私も仕事などで忙しいが、なるべく放課後や休みに時間をとるようにしよう。もし出られない場合には、誰か代役を頼んでおく」

 

「ありがとうございます、千冬n……いや、織斑先生! 」

「礼には及ばん。流石に今からでは無理だが、明日から厳しく指導していく。覚悟しておけ」

 

そう言うと千冬さんは職員室へと戻り、再び自分の仕事へと戻っていった。

知識が無くて動かすよりも、あった方がいいのは確実であるためこういう提案をしてみたのである。

 

ちょっと千冬さんが嬉しそうに見えたのは俺の気のせいではないんだろう。

 

「さすが彰久だな、ああいう所じゃあんな機転利かないよ」

「まあ、俺は二枚目担当だからな。今のかっこよかっただろ? 」

 

「調子に乗るな。さて一夏、また剣道に戻るぞ」

「えぇ~!? また~!? 」

 

「何を言っている! だからお前はたるんでいるんだ! ほら、行くぞ! 」

 

一通り話を終えると箒ちゃんが一夏を剣道場へ連れて行こうと彼の首根っこを掴む。

当の本人は嫌がっているが、俺にとっては心底羨ましいのには変わりない。

 

「あ、彰久! 助けてくれー! 」

「そうだ、俺今日の課題しないと。じゃあな一夏」

 

「だそうだ。ほら行くぞ一夏! 」

「お前後で覚えておけよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!! 」

 

ズルズルと引きずられていく一夏を横目に、俺はそそくさと寮へ向かう。

何やら断末魔が聞こえたが、声がバ〇ージっぽかったので多分どうにかして切り抜けるだろう。

いや知らんけど。

 

「さーてと。本音ちゃんに会いに行くかー」

 

こうして、俺と一夏は千冬さんの特別授業(意味深)を取り付けることに成功した。

後は、自分の最大限の力を引き出すだけである。

 




ISの原作を見てなぜ一夏が今まで扱えなかったISがあそこまで動かせたのか不思議だったので、こんな感じにしてみました。
まあ主人公補正なんだろうけど、改変をば。



ちなみに彰久と一夏の専用ISが届くのは代表決定戦の当日になる可能性が。
前から持ってても動かせないしね。




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