IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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今回から第二部突入。
ちょっとした新しいライバルの布石もあります。


俺が…ッ!俺達が!変態紳士だ!
変態紳士、生徒会活動


<放課後、生徒会室>

 

 

 

臨海学校も終わりを告げ、俺達は無事にIS学園へと帰ってきた。

それはそれでいいのだが、まだ重大な問題が一つある事を忘れている。

 

 

そう、一学期の期末テスト。

 

 

生憎この学園は二期制らしいので本来の学校より遅く期末テストが行われるわけだが、重要なのは赤点を取ると夏休みに補修を受けさせられるということだ。

 

中学時代の頃は美人な先生に会いに行く体で補修を受けていたが既に先生に彼氏がいたという事実を知らず、夏休みを無駄にしたという苦い経験がある。

 

IS学園の先生は確かに美人なのだが、如何せんどこかがズレていると言っても過言ではない。

特に千冬さんとか。

 

 

 

「ぬおおおおおおッ!! 俺の青春サマーホリデイを掴みとる為にッ!! 何としても赤点を取らないぞおおおッ!! 」

「うわぁ、あっきーすごい燃えてるねー」

 

「草薙君、仕事終わってからにしましょうね」

「はい! お姉さまっ! 」

 

 

というわけで俺は生徒会の仕事を兼ねつつこうして試験勉強をしているわけだ。

今頃一夏は女の子たちに囲まれながら勉強しているんだろうなぁ……。

 

いや俺の場合もなんだけどさ。

しかも先輩っていいシチュエーションだよコレ。

 

そんな俺のことを虚さんは優しく注意してくれる。

ついお姉さまと叫んでいるが本当にお姉さんになってほしい。

 

 

 

「かいちょー……。仕事終わんないよー……」

「本音ちゃん、開始2分で何言ってるの」

 

「けどへばってる本音ちゃんもなんかエロいからそのままでいてほしいな。今夜のオカズにしようと思う」

「ねえ、君仮にも生徒会役員よね? 風紀乱れまくりじゃない? 」

 

「はっはっは、何をおっしゃいますか会長。近頃の若者はやれ草食系だとか言って全然女の子に手を出さないじゃないですか。俺はそういう男子諸君の手本になっているわけです」

「男子は君除いて一人しかいないけど、この学園」

 

 

 

ぐでーっと机に突っ伏す本音ちゃんを見て、思わず俺のマイサンもマイクロウェーブを受信した。

隠れ巨乳のあのおっぱいが机に柔らかく押しつぶされるところをみて反応しない男なんてきっといないはずである。

 

 

 

「ま、本音ちゃんより仕事こなしてくれてるから大助かりだけどね。このままのペースで行けば17時くらいには終わりそうね」

「会長! それよりもっと早く終わったら俺ご褒美が欲しいです! 」

 

「あら、それもいいわね。 何かしら? 」

「会長の使用済みタイツとか」

 

「おうコラ書類増やすぞコラ」

「ごめんなさい勘弁してください」

 

 

 

楯無さんが珍しく俺の胸倉を掴んで凄んできた。

元々美人なので全然怖くないのだが、なんか怒らすととても罪悪感を感じる。

 

けど本当に会長のタイツは欲しい。

一体どんな匂いがするんだろう……。

 

臭ければ臭いでそれなりに興奮する。

 

 

 

「ほらほら、口を動かすくらいなら手を動かしなさいな。これ終わったら紅茶淹れてあげるから、ね? 」

 

「手なら夜に動かしてますよ!!! 」

 

「お前ちょっと本当に黙れ」

 

「はい」

 

 

 

さすがにふざけすぎたか。

だって前回とか真面目すぎてふざけられなかったもん……。

 

しかしこのまま女の子をキレさせるわけにもいかない。

女の子を笑顔にするのが変態紳士である。

 

 

 

「あ、会長。書類の作成終わりました」

「ずいぶんと早いのね。何はともあれお疲れさま」

 

「まあ生徒会の活動は前もやってましたしねぇ。なんか他にやる事あります? 」

「そうね……。もうあんまりないから自分の事やってても大丈夫よ」

 

「んじゃ自分の勉強しときますねー」

「うん、頑張ってね」

 

 

 

そう言いつつ俺はカバンから持ってきた教科書と試験勉強用のノートを取り出す。

本当に俺が真面目に勉強するとは思っていなかったらしく、少し驚いた様子で俺を見てくる。

 

真面目にやる時はやるんだぜ?

動機がだいたい不純だけど。

 

 

 

「すいません会長。ここ教えてもらってもいいですか? 」

「あら、教えてほしいの? ここはね……」

 

分からないことがあったので会長に質問すると、妖艶な笑顔を浮かべつつ俺との距離を詰めてくる。

しかもその際にあの豊満な胸が寄せ上げられているのだ。

 

これにはマイサンも反応せずにはいられず、思わずトランザムする。

いいかマイサン!

トランザムは使うなよ!

 

 

「会長、おっぱいに視線が集中して勉強に集中できません」

「なぜそれをここで言った」

 

 

その後会長にむっちゃ怒られたのは秘密。

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<夕方、IS学園整備庫>

 

 

 

生徒会の仕事を終わらせ、試験勉強もとりあえずは落ち着いたので休憩ラウンジでほっと一息ついていると、真琴ちゃんから"フライルー"のデータを採取したいと整備庫へ呼び出しが掛かった。

 

確かにラーク・メカニクス社へデータを送る必要もあったので、俺は即座に整備庫へ向かうことに。

今日も夜遅くまで整備科の子たちは作業を行なっており、活気に満ち溢れている。

 

 

「あ、来た来た! こっちやで彰久ー! 」

「悪い、待たせちゃって。というかそこの子は……? 」

 

 

整備庫へ着くなり真琴ちゃんが手を振りつつ俺を呼んだ。

彼女の隣には眼鏡を掛けた水色の髪の女の子が座って作業をしており、俺を見るなり立ち上がる。

 

かわいいな、日本の子だろうか。

少し俺に怯えている様子だが、それこそ懐柔のし甲斐があるというものだ。

 

 

「あ、えと……更識、簪(さらしき かんざし)。その……よろしく」

「草薙彰久だ。よろしくな簪ちゃん。更識、っていうからもしや楯無さんの――――」

 

 

自己紹介を終えて、小話でもしようと思い会長の名前を口に出すと、彼女の顔は豹変する。

 

 

「……あの人のことは言わないで! 」

「ッ!? あ、あぁ。ごめん、簪ちゃん。悪かったよ」

 

「あ……。こっちこそごめんなさい……。ムキになっちゃって……」

「いいっていいって。ま、早速本題に入ろうぜ」

 

 

どうやら楯無さんと何か確執があるみたいだ。

今後彼女と接する上で会長の事は言わない方がいいな、これは。

俺が生徒会っていうのも伏せておいた方がいいだろう。

 

 

「ええか? 二人とも? 」

「ああ、悪いな」

「ごめん……。真琴……」

 

「気にせんといてや。んじゃ彰久、ギャプランをそこに置いてくれる? 」

「合点承知! 」

 

 

そう言いながら俺は待機状態にある"フライルー"のバックルを取り外し、搭乗していない状態で格納庫の中に展開させる。

以前のギャプランとは違い、装備もカラーリングも大幅に強化されていた。

 

 

「おお……。こう間近で見るとずいぶん違うんやねぇ……」

「すごい……。これが、"ギャプラン"……」

 

「二次移行した後だからな。どうだ簪ちゃん、触ってみるか? 」

「えっ!? いいの!? 」

 

「さっきのお詫びみたいなもんさ。その調子だとガンダム好きなんだろ? 」

「ま、まあそれなりに見たけど……。じゃあお言葉に甘えて……」

 

 

そう言うと彼女はおそるおそる"フライルー"に手を延ばす。

脚の部分に触れた瞬間、簪ちゃんの顔が明るくなっていった。

 

 

『どうかしら? "フライルー"は? 』

「わっ!? ど、どこから……!? 」

 

『ここよ、簪さん。私はこの"フライルー"の人工支援AI、EMA-3通称"エマさん"っていうの。よろしくね』

「え、エマさん……? 」

 

「もう、エマさんったら意外とお茶目なんやから……」

「そりゃ急に出てきたらビックリするよな」

 

 

"フライルー"に触れるとホログラムで立体化したエマさんの姿が簪ちゃんの前に現れ、彼女は思わず驚いて尻餅をついてしまう。

うーむかわいい。

それに青の縞パンとはいいセンスだ簪ちゃん。

 

 

『大丈夫かしら? 驚かちゃってごめんなさいね』

「う、ううん。大丈夫。よろしく」

 

「へぇー、スラスターが追加されて機動力がだいぶ上がったんねぇ。腰の部分にもアームユニットが装着……。一次移行の時より全能力値が2倍近く上がってる……」

「ほぉ……。確かにムーバブルシールドバインダーの弾数が10発から15発に増加してるな。さすが第三世代ってところだな」

 

「このデータ見たら片桐さん喜ぶで~! なっ、彰久! 」

「ああ、きっと腰抜かすだろうな! 」

 

 

 

エマさんと簪ちゃんが仲良くしている間、俺はタブレットを操作する真琴ちゃんの方へと視線を移す。

ふむ、こうして見るとかなり性能が上昇してるんだな。

 

これは片桐さんも喜ぶはずである。

つい俺達は顔を見合わせた。

 

その顔の距離が近かったのか、真琴ちゃんは頬を染める。

うーむかわいい。

 

 

「も、もうちょいで終わるから……そ、その……待っててな! 」

「へいへーい」

 

 

手を挙げて答えると、先程の照れ隠しを振り払うように彼女は作業に集中している。

その後もエマさんを含めた4人で談笑しつつ"フライルー"の整備を終え、俺は整備庫を後にした。

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<同刻・某所>

 

 

暗い暗い地下の底。

多くのケーブルが地面を這っており、その先に煌々と暗い地下を照らす光を放つ"IS"が安置されている。

 

その地を進むのは3人の女性グループ。

全員スーツに身を包み、光を辿るように歩みを進めていた。

 

 

「ここか? 例の機体があるというのは」

「ええ。世間の目を欺くには苦労したの」

 

「手間掛けた割にはずいぶんと汚ねぇとこだな、スコール? 」

「大丈夫よ、すぐに出るから」

 

 

薄暗い雰囲気をもろともせずに彼らは"光"の元へたどり着く。

そこには大きなガラス張りの容器に入れられたISが佇んでいた。

 

スコール、と呼ばれた長身で金髪の女性はその足で操作パネルへと歩みを進める。

容器の扉が開き、スコールを除いた女二人の前に中の機体が躍り出た。

 

その身体は絵の具のように白く、そして禍々しい。

全体的に丸みを帯びたフォルムに、機械的な脚……。

 

 

「これを私が乗るわけだな? スコール」

「そうよ、エリア。この機体で貴女には戦って貰うわ」

 

「けっ、せいぜい扱えるようになるこった。あたしは知らねえからな」

「面白い。こなしてみせようじゃないか、その任務とやらを」

 

 

 

そう言いつつ"エリア"はその白い機体に触れる。

 

 

 

――――"ウーンドウォート"。

 

 

この機体は、そういう名だ。






AOZの機体はいずれ出したいと思ってました。
というかいよいよ今日の夕方に留学先へ発ちますので、更新が遅れる可能性が大です。
申し訳ありません。

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