IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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やはり変態紳士の名前は伊達じゃないことを思い知らされた旗戦士です。
オリジナル作品もこっちも頑張ろうと思いました。


変態紳士、天啓を得たり

<放課後、職員室>

 

 

 

昼食を終えて眠くなりつつも午後の授業をなんとか終えた俺は、初日からホームルームで職員室への呼び出しを食らった。

 

一夏に「ウェエエエイwww」と煽られたのでとりあえず"そりぶ"(そのリア充をぶち殺すの略)を彼の右頬にクリティカルヒットさせた後、俺は職員室へと急ぐ。

 

「失礼します。織斑先生はいらっしゃいますか? 」

「ここだ、草薙。入ってこい」

 

自動ドアが開いて中に入ると、千冬さんが手を挙げて俺を呼んだ。

彼女の向かいの机には山田先生も待ち構えており、屈託のない笑顔で俺を迎える。

もうダメだ、我慢できん。

 

「真耶先生ぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!! 俺と結こ――」

「ガーベラ・ストレートォッ!!! 」

 

室伏○治顔負けのスピードで俺の頭に出席簿が突き刺さった。

届けようとした矢先だったので山田先生の足元に出席簿ごとめり込んだ形になる。

ちなみに「なんでもかんでも収納バッグ」はジャパ〇ットたかたで2980円で買った。

 

「く、草薙くん!? 大丈夫!? 」

「板垣死すとも変態紳士は死せず!! この通り無事ですよ真耶先生! 」

 

「お前はもう少し限度を覚えろ。次はお前の(自主規制)を狙ってブチ抜くからな」

「そ、それだけはご勘弁下さい!! 私の愛しい息子にそんなこと……!! 」

 

「いや織斑先生! 草薙くん頭から尋常じゃないほど出血してますって!? 」

「大丈夫ですよ。教会行けば生き返してくれますから」

 

「そんなドラクエみたいな事言ってどうするんですか! しかも死ぬ前提!? 」

 

今の千冬さんの発言ってNT最強に修正されるレベルだよね。

いや俺もこんなやわなことで死ぬつもりはないんだが、マジでマイサンを二枚おろし斬りだけは勘弁してほしい。

 

それと全国の板垣さんごめんなさい。

 

「それで織斑先生、さっきホームルームで言ってた話ってなんですか? 告白? 」

「んなわけあるか。クラス代表決定戦にあたって、お前の専用機の事と寮の部屋についての話があってここに来て貰った」

 

「ほうほう、そういう事でしたか。して、専用機の事とは? 」

「第二の男性IS操縦者の情報を聞きつけたのか、ある企業からオファーが来ている。とりあえずこの資料を見てくれ」

 

「なんでもかんでも収納バッグ」から包帯を取り出して頭に巻きつけると、織斑先生が机の引き出しから紙の束を俺に手渡した。

 

どうやら俺のことをいち早く聞きつけた企業のお偉いさんが、話だけでもさせて欲しいと資料をこの学園の関係者に渡したらしい。

 

 

「ほうほう……"ラーク・メカニクス"ねぇ……」

 

IS学園はいかなる国家や組織の干渉を受けないという規約があるが、このように資料を渡せることからこの規約は有名無実化してると言えるだろう。

 

おそらくそれは、「新しいIS機能」の試験という名目で資料を渡した可能性がある。

 

「民間企業"ラーク・メカニクス"って、たしか最近出来たISパーツの専門会社じゃありませんでしたっけ? 」

 

「あぁ、そうだ。IS開発にも乗り出したおかげで一気に有名企業となってな、今度は"IS自体"の開発を進めるらしい。そこで、草薙に白羽の矢が立ったということだ」

 

「なるほど。2人目の男性IS操縦者をテスターにする事によって一気に話題性を強くする、というわけですか。よく考えたものですなぁ。……って、ん? 」

 

「……どうした、何かあったのか? 」

 

俺が指差したのは新型ISの機体図。

このスマートなフォルムに大きなシールド内蔵ビームライフル二つ、そして何よりも変形機構を持つ

全く違ったISスタイル……。

 

 

こ、この機体は……!

 

「ぎ、ギャプランだと……! お、俺の好みドンピシャじゃねーか……」

「そこに反応するとはな。ちなみに私はガブスレイ派だ」

 

「あ、私ハンブラビ派です」

「ちょっと織斑先生も真耶先生も今度ゆっくりお話しましょう」

 

まさかずっと憧れていたギャプランに乗れる日が来るとは……。

こんなに嬉しいことはないぜ……!

 

先生二人もギャプランという単語だけで他の機体も分かってしまうもんだから流石IS学園と言わざるを得ない。

 

「それで、答えは? 」

「やるに決まってんでしょう!! 変形してから某上級大尉も驚きのクサナギ・スペシャル見せてやりますよ!! 」

 

「決まったな。なら後で連絡を入れておく。それと、後は寮部屋についての話だ」

「あ、そういや言ってましたね。俺の部屋ってどんなんになるんですか? 一夏と相部屋ですか? 」

 

「違う。女子と相部屋になった」

「え」

 

ホワッツ? 今なんて言った?

相部屋? 女子と?

 

「先生、それマジですか? 」

「残念ながら大マジだ」

 

「っしゃあオラァッ!!! 大人の階段登って俺は今漢になるッ!!! 」

「あ、少しでも手を出したら私のカトラスで眉間撃ちぬくからな」

 

「そんな殺生なッ!? 」

 

織斑先生から告げられた衝撃の一言に思わず俺はガッツポーズをその場でとってしまう。

誰かBGM流してくれ、今完全勝利してるから。

 

「それでそれで、その相部屋の女の子って言うのは? 」

 

「クネクネし出すな気持ち悪い。布仏本音(のほとけ ほんね)という奴だ、まぁ同じクラスだから顔は見知っているだろう。これが鍵d」

 

「ありがとうございっまーすッ!!! 」

「待て馬鹿者」

 

その場から走り出そうとした瞬間に織斑先生に首根っこを掴まれ、思わず声を上げてしまう俺。

離せよ!! 離してくれなきゃオー○リーがッ!!

 

「いいか? 絶対に手を出すなよ? いいか、絶対だぞ」

「フリですか? 」

 

「……」

「無言で出席簿を振りかぶらないで下さい! 」

 

その後軽快な叩く音が部屋中に響き渡り、俺は頭にたんこぶを作りながら職員室を出た。

念を押しまくったらそりゃ言いたくもなるはずである。

 

 

ぐふふふ……。

それじゃあ彰久の突撃隣の寮部屋と洒落込もうか……!

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<生徒寮、彰久・本音の部屋>

 

 

 「おはようございます」

寝起きドッキリばりの小声で、俺はいよいよ寮の部屋にたどり着いた。

既に番組が違っているが、こういうのはノリが大切なのである。

 

ちなみに一夏は現在箒ちゃんと剣道の鍛錬中らしく、なんともフルボッコにされないかと心から願うばかりだ。

 

さて、あの鈍感イケメン野郎の事はいいとして早速中へと入ってみよう。

 

「ノックしてもしもォ~し? 」

 

反応はなく、もしやまだ部活などで戻ってないのかもしれない。

ならばプランB(驚かしにいくスタイル)を実行するのみよ。

先程天下無敵千冬姉さま(当社比)から頂いた鍵で扉を開け、俺は部屋へと入った。

 

「……むにゃむにゃ……来いよベネット……」

「今の寝言かよ。随分激しい夢見てんなオイ」

 

中は日本の高級ホテル並みの設備が整っており、インテリアもオシャレな物が飾られている。

だが内装を気にするより、今は寝ている彼女の方が重要だ。

 

ぬいぐるみ抱きながら寝てるとか彰久的にポイントは高い。

あとパジャマ姿もグッドである。

 

「今こそ抱き付くとき! ヒャッハー!! 美少女は抱擁だー! 」

「……何やってるの? 」

 

「あ」

 

草薙彰久、早くも逮捕の危機かもしれない。




というわけで彰久のルームメイトはのほほんさんでした。
ぶっちゃけ一番可愛いと思います。


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